今年も残り一ヶ月になり、いよいよ師走に入ります。
この時期、過ぎ去った一年が早かったように感じてしまいます。
そういえば一年のはじめのうちも「二月は逃げ…」などと言い、時の移ろいを意識することが多い様子。
思うに、この原因は一月を基準に一年をとらえている人が多いからだろうと。
「一年の抱負を立ててからもう一ヶ月も過ぎてしまった…!」→二月が逃げた状態
「気持ちを新たに迎えた一年ももう残り一ヶ月だけか…!」→十二月を迎える状態
学生のうちなんかは、この基準が四月にあったようにも思えたりします。
さて。
地域活性事業部の星野です、こんにちは。
以前も書きました(以前のブログはこちら)が、
地域活性事業部では、奄美大島にある日本語学校の運営サポートもしています。
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カケハシインターナショナルスクール・奄美校
FB:https://www.facebook.com/kis.amami/
HP:http://www.kakehashi-ins.com/
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生徒は全部で30名。
奄美在住の生徒が2名いますが、9割が海外からの留学生です。
ベトナム、モンゴル、インドネシア、ネパール、フィリピン…。
様々な国から来日し、奄美大島で日本語を学んでいます。
来たばかりの頃には、平仮名しか読めない生徒たちもいます。
空港ではじめて顔を合わせる際には、大体の学生が不安で笑顔をつくれません。
それでも一週間も経つと、笑顔で明るく話しかけてくれるようになります。
朝すれ違うと「先生!おはようございます!」
少し注意すると「わからない!先生!」
こっちがスーツを着ていると「先生!かっこいい!先生!!」
カタカナで書いた方が雰囲気は伝わると思うのですが、とにかく話してくれます。
また、文節ごとに「先生!!」という合いの手が必ず入るのが不思議です。
学校での授業は基本的には午前中だけ。
午後の時間はそれぞれ勉強したり、昼寝したり、アルバイトに行ったりします。
コンビニやスーパー、居酒屋やレンタカー屋、歯医者に島の名物料理屋さんなど、
サービス業、接客業を中心に、様々な仕事をしています。
長引くサービス業や接客業の働き手不足から、
都会では外国人留学生がアルバイトをしている姿を日常的に見るようになりましたが、
奄美大島でも街の中ではたらく外国人の姿が定着してきました。
もちろん彼らの本業は日本語を勉強することですから、
アルバイトに精を出しすぎないように指導もします。
法律でも勤務時間に制限がかけられているため、
時間超過していないか、就業先の方々とは小まめに連絡をとります。
そんな際に、学生たちのはたらきについてお話を聞く機会があります。
こちらとしては言葉が不自由で迷惑をかけていないかヒヤヒヤ。
ですが、意外と就業先の方々からの学生たちへの印象は非常にいいようなのです。
「一生懸命」とか「元気で笑顔がいい」とか「必死に仕事を覚えようとする」とか。
場合によっては、日本人よりも評価が高い場合もある様子。
職場の同僚やオーナーさんとも親しくなり、一緒に遊びに行ったりもしているようです。
中には「一緒に彼らの故郷に旅行に行く」「進学資金を貸す」などという話も。
彼らが島の方々の役に立てていることを実感でき、
非常にうれしい関係が築かれているのですが、
30人の生徒のうち、半数ほどは2019年の3月に卒業を迎えてしまいます。
現在生徒たちは卒業後の進学を目指して受験の真っただ中。
ほとんどの生徒が、島外への進学を目指しています。
すると必然アルバイトもやめなければいけません。
そこで最近は就業先の方々から
「彼らを社員として雇えないか」というご相談が出てきています。
生徒たちの中からも、「奄美大島に残りたい」という声が上がってきました。
時給が高かったり、同じ国の仲間がいたりする東京や大阪に行きたがるものだと、
私たちも考えてしまっていましたからうれしい誤算です。
島の中で人手が足りていないポジションに、
そこで働きたいと言ってくれる人材が現れたわけです。
これが実現して先例ができれば、地域が抱える課題が大きく解決されます。
その実現のためには、学生たちの在留資格(ビザのこと)を、
就労ビザへ変更することが必要になってくるのですが、
ビザ変更の際に求められる要件を満たせるかどうかが懸念点。
鹿児島で専門の行政書士の方などをたどって道を探っているところです。
今後、島のあしたに向けてあたらしい橋を架けられるかどうか。
少し長期的な取り組みにはなりそうですが、また共有していきたいと思います。
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仕事中にのぞいてみると、一瞬都会の生活から逃避できるかもしれません。
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