3月のはじめ、2回目のネパールへ行ってきました。
前回は短い滞在時間でしたが、今回は視察やコネクションづくりのために約1週間カトマンズ・ポカラに滞在しました。
ネパールは中央アジア北部に位置する人口2600万人の国です。北は中国、南はインドとアジアの大国に挟まれ、ヒマラヤに一番近い国であることから、世界中から観光客が集まります。ポカラは日本の軽井沢のような場所で、ヒマラヤが一番見える第二の都市です。最近では日本人観光客も多いようで、空港や街でたびたび見かけました。また、カトマンズにもポカラにも日本語学校がたくさんあり、日本語学習者が増えています。
現在、約16,000人のネパール学生が日本へ留学しています。実は中国ベトナムに続き、3番目に留学生の受け入れが多い国です。日本語教育振興会のデータによると、ネパールからの留学生数は2011年当時の約6倍に増えていることがわかりました。なぜ昨今ネパール人留学生が増えたのでしょうか?
大きな理由の1つは、日本政府の人口対策の結果です。
「留学生30万人計画」として、日本政府は留学生の受け入れを積極的に進めています。いまや日本は世界で一番留学しやすい国ではないでしょうか。
また、ネパール側の視点で見てみると、日本にいては見えてこない理由を知ることができます。
この国は2006年の民主化運動により08年に王政が廃止され、共和制として再スタートしました。しかし中国とインドから強く影響を受けており、政策は不安定でスムーズに進まない現状だと、現地の若者たちが教えてくれました。インドの影響でIT分野の成長が注目されてはいますが、いっこうに進まないインフラ工事、インドや中国に頼らざるをえない資源調達など、農業と観光以外の国内産業が成長しづらい状況にあります。
自分や家族の生活を豊かにするために、意識の高い若者たちは国外にチャンスを求めています。同じ英語圏のアメリカ、イギリス、オーストラリアへ留学する人もいますが、経済的な問題で欧米への留学は簡単ではありません…。
日本が留学先として注目を浴びるきっかけになったのは、2011年。日本政府の留学生受け入れ緩和と、震災による他国の留学生減少が、ネパールの若者にとって絶好なチャンスとなりました。
また、私個人がネパールへ興味をもったのは、発展途上国だからという視点ではなく、「歴史的背景によるネパール人の気質」と「国によって管理されている教育制度」です。
遡るほど18世紀。ネパールは過去に清・イギリスと戦争をし、大国から自国を守ります。ネパールの兵士「グルカ兵」は、イギリスが自国軍に受け入れるほど屈強で、世界中で有名になりました。こういった民族の歴史的背景は、現在のその国の人材気質へ通じると考えています。
また、政治的に不安定な中でも、厳格な教育制度がきちんと維持されています。学校の成績や受験制度が政府によって厳格に管理運営され、進学や就職につながる仕組みになっています。ネパールでは医療やIT、工業などは優秀な成績者でないとその仕事に就くことができません。地方の貧困等により就学率が低いという現状はありますが、優秀な人材が育つ仕組みは徹底されています。
しかし残念ながら、ネパールの優秀な人材たちは国の産業の発達不足により、活躍の場が多くありません。自分の将来、家族の生活、母国の未来をどうすべきか?と真剣に考えた結果、ネパールの若者の目は同じアジアの日本を向いています。
ヒンドゥー教信仰にもとづく素直で純粋な考え、英語とヒンドゥー語を操る語学力、中国とインドへの大国と対応するべく商売センス…。グローバル化を進めるこれからの日本企業に、ネパールの高度人材はフィットするのではないか、と私は現地で感じました。また、彼らがもつ生きること・働くことへの強い意欲は、社内に新たな勢いを創り出すでしょう。
日本では、留学生の不祥事が多くネパール人へのイメージがあまりよくありません。実際に起きている問題ではありますが、ネパールがどんな国で、ネパール人がどんな人たちなのか。私たちはどれだけ理解できているのでしょうか?ネパールをはじめとするアジアの若者が留学先として日本を選んでくれることに、もっと柔軟な捉え方があっていいと思っています。先進国で先進的な人材サービスを提供する会社に所属し、グローバル分野を担う立場として、私にはまだまだできること・やるべきことがあるといつも考えています。
前回は短い滞在時間でしたが、今回は視察やコネクションづくりのために約1週間カトマンズ・ポカラに滞在しました。
ネパールは中央アジア北部に位置する人口2600万人の国です。北は中国、南はインドとアジアの大国に挟まれ、ヒマラヤに一番近い国であることから、世界中から観光客が集まります。ポカラは日本の軽井沢のような場所で、ヒマラヤが一番見える第二の都市です。最近では日本人観光客も多いようで、空港や街でたびたび見かけました。また、カトマンズにもポカラにも日本語学校がたくさんあり、日本語学習者が増えています。
現在、約16,000人のネパール学生が日本へ留学しています。実は中国ベトナムに続き、3番目に留学生の受け入れが多い国です。日本語教育振興会のデータによると、ネパールからの留学生数は2011年当時の約6倍に増えていることがわかりました。なぜ昨今ネパール人留学生が増えたのでしょうか?
大きな理由の1つは、日本政府の人口対策の結果です。
「留学生30万人計画」として、日本政府は留学生の受け入れを積極的に進めています。いまや日本は世界で一番留学しやすい国ではないでしょうか。
また、ネパール側の視点で見てみると、日本にいては見えてこない理由を知ることができます。
この国は2006年の民主化運動により08年に王政が廃止され、共和制として再スタートしました。しかし中国とインドから強く影響を受けており、政策は不安定でスムーズに進まない現状だと、現地の若者たちが教えてくれました。インドの影響でIT分野の成長が注目されてはいますが、いっこうに進まないインフラ工事、インドや中国に頼らざるをえない資源調達など、農業と観光以外の国内産業が成長しづらい状況にあります。
自分や家族の生活を豊かにするために、意識の高い若者たちは国外にチャンスを求めています。同じ英語圏のアメリカ、イギリス、オーストラリアへ留学する人もいますが、経済的な問題で欧米への留学は簡単ではありません…。
日本が留学先として注目を浴びるきっかけになったのは、2011年。日本政府の留学生受け入れ緩和と、震災による他国の留学生減少が、ネパールの若者にとって絶好なチャンスとなりました。
また、私個人がネパールへ興味をもったのは、発展途上国だからという視点ではなく、「歴史的背景によるネパール人の気質」と「国によって管理されている教育制度」です。
遡るほど18世紀。ネパールは過去に清・イギリスと戦争をし、大国から自国を守ります。ネパールの兵士「グルカ兵」は、イギリスが自国軍に受け入れるほど屈強で、世界中で有名になりました。こういった民族の歴史的背景は、現在のその国の人材気質へ通じると考えています。
また、政治的に不安定な中でも、厳格な教育制度がきちんと維持されています。学校の成績や受験制度が政府によって厳格に管理運営され、進学や就職につながる仕組みになっています。ネパールでは医療やIT、工業などは優秀な成績者でないとその仕事に就くことができません。地方の貧困等により就学率が低いという現状はありますが、優秀な人材が育つ仕組みは徹底されています。
しかし残念ながら、ネパールの優秀な人材たちは国の産業の発達不足により、活躍の場が多くありません。自分の将来、家族の生活、母国の未来をどうすべきか?と真剣に考えた結果、ネパールの若者の目は同じアジアの日本を向いています。
ヒンドゥー教信仰にもとづく素直で純粋な考え、英語とヒンドゥー語を操る語学力、中国とインドへの大国と対応するべく商売センス…。グローバル化を進めるこれからの日本企業に、ネパールの高度人材はフィットするのではないか、と私は現地で感じました。また、彼らがもつ生きること・働くことへの強い意欲は、社内に新たな勢いを創り出すでしょう。
日本では、留学生の不祥事が多くネパール人へのイメージがあまりよくありません。実際に起きている問題ではありますが、ネパールがどんな国で、ネパール人がどんな人たちなのか。私たちはどれだけ理解できているのでしょうか?ネパールをはじめとするアジアの若者が留学先として日本を選んでくれることに、もっと柔軟な捉え方があっていいと思っています。先進国で先進的な人材サービスを提供する会社に所属し、グローバル分野を担う立場として、私にはまだまだできること・やるべきことがあるといつも考えています。