執筆
カケハシ スカイソリューションズ
ヒューマンリレーション事業部
大阪支店長 謝新也
18年度新卒採用が活況を迎えていますが、いよいよ4月には新入社員が入社してきます。
この時期は採用と受け入れが重なり、忙しく過ごされている読者も多いのではないでしょうか。
売り手市場の中、一生懸命採用したかわいい優秀な新入社員たちが成長するかどうかは入社してからの教育が非常に重要な要素であることは自明の理です。
特に大事なのが入社してから1年間の初期教育です。
まっさらな価値観を持ち意欲の高い新入社員も、初期教育を間違えると染まって欲しくない価値観を持ち、働く意欲も失くしてしまいます。
当社では組織事業部を編成しており、階層ごとの研修サービスも提供しているため初期教育についてのご相談を受けることも増えてきました。
私もお客様から相談を受けますが、お話ししている最近の新入社員の初期教育におけるポイントは「背中を見せるのではなく、背中を押してあげましょう」です。
企業の教育責任者である30代後半から60代の管理職人材は、丁寧に仕事を教えられた経験がほとんどなく、上司や先輩の背中を見て自分で勝手に覚えてきた方が多い印象を受けます。
ただ、いざ教育に携わる立場になり自分と同じように背中を見て仕事を覚えろと教育しても全然見てくれない。そんな経験はありませんでしょうか。
最近の若者の価値観は自分がやりたい、できるようになりたいと思ったことは一生懸命頑張りますがやりたくない、できないと思ったことはすぐ諦める傾向があります。
そのため背中を見せるだけでは育ちません。振り返ったら全く見ていなかったり、辞めてしまうこともあります。まずは仕事ができるようになり、面白さややりがいを感じ自走するまで背中を押してあげることが大切なのです。
このプロセスは補助輪なしの自転車が乗れるようになるプロセスと似ています。
補助輪なしの自転車に挑戦するとき、始めは親が後ろで押しながら運転させていましたよね。子供が感覚をつかみ慣れてくると黙って手を放す。子供は手を離してることに気づかず走り続けるようになる。そして子供は補助輪なし自転車に乗る楽しみを実感します。
自転車の乗り方を見せるだけでは、なかなかうまく乗ることはできません。何回かコケてしまうとやる気がなくなって乗らなくなってしまいます。
乗れるようになるまでサポートし楽しみを実感できれば、子供は勝手にどこまでも走りだします。
今は売り手市場で企業が多くの求人を出しており、インターネットの発達や求人支援企業の増加により転職活動も容易になったため転職に対するハードルも下がっています。
せっかく優秀な人材を採用したにも関わらず、仕事の面白さややりがいを実感する前に退職してしまうのはものすごくもったいないことです。
仕事ができるようになり、やりがいや面白さを感じ自走するまでは背中を押し続ける。
スイッチが入れば、あとは勝手にものすごいスピードで成長していきます。背中を見せなくても勝手に見て追い抜こうとします。
背中を押し続けることは、手間も労力もかかります。しかし新入社員は自分の子供のように大切な存在ですよね。
子供の成長を願いながら、手が離れるまでは背中を押し続けてあげてください。
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