執筆
カケハシ スカイソリューションズ
ヒューマンリレーション事業部
大阪支店長 謝新也
タイトルにある「今日中に資料を提出します」という発言。
みなさんも少なからず言ったことや言われたことがあるセリフではないでしょうか。
実はこの“今日中”という言葉の認識が、社員の生産性に大きく関わってきます。
※ここでは「生産性が高い社員=短期間で大きな成果を上げる社員」と定義します。
認識は大体下記の3つに分類されます。
1.「定時(18時)までに必ず提出しなければならない」
2.「日付が変わる23時59分までに提出すれば大丈夫だろう」
3.「今日の夜に提出してもチェックされるのは明日だから翌日の始業までに提出しよう」
生産性が高い社員は総じて1の認識をし、行動をとります。
生産性が低い社員ほど、初めは1の認識を持ちながらも、出来る限り後回しにしようという考えになり、2や3の方向に認識がズレていきます。
認識のズレはそのまま行動のズレにつながります。
18時前に提出してくる社員と始業前に提出してくる社員のどちらの生産性が高いかは明白です。
こういった何気ない言葉の認識の差が行動の差につながり、社員の生産性に大きな影響を及ぼします。
では社員の生産性を高めるためにはどうすればいいか。
そのためには認識を統一させることが必要不可欠です。
認識を統一させるとは守破離でいう守に力を入れるということです。
統一すべき認識は1.知識や情報、2.価値観、3.思考プロセスの3つです。
まずは会社で成果を出すためにベースとなる必要な知識や情報を共有できていること。そして会社として目指すべき方向性や大切にしている価値観がしっかり共有されており、向かうべき方向がブレないことです。
この2つはほとんどの企業が実行されていると思います。ただ意外と見落とされがちなのが思考プロセスの統一です。
海岸でいつもお腹が減って困っている人に魚をあげるのではなく、魚釣りの道具と釣り方を教える方が大切だという話があります。
答えを覚えさせるのではなく、答えを導くプロセスを教える。
生産性が高い社員の行動ではなく、思考プロセスを分解し共有することで社員自身が自分で答えを導きだせるようになります。
そして守が徹底されてから破離をしていくことで、ハイパフォーマンスが出せる生産性の高い社員へと成長していくのです。
特に最近は様々な価値観を持った個性的な人材が多く、守という考えを飛ばして破や離に傾倒しがちです。
ただ守がなければ成果につながらないただの自己満足になることが多く、生産性が低くなりがちです。
社員の生産性が高いのか低いのか。
まずは社内でどれくらい認識が統一されているかを見るために、“今日中”という言葉の社内認識から確認されてはいかがでしょうか。
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