人事担当者にとって、優秀な人材を採用することは大切なミッションであり、悩みながらも工夫や作戦を練っていることと思います。
同じように、人事担当者の頭を悩ませるのが、若手社員の離職です。年々採用市場が厳しくなり、苦労して採用したにもかかわらず、若手社員が定着せずに辞めていってしまう、そんな声が多く聞かれます。
今回は、若手社員が辞めてしまう理由をいくつか挙げながら、対応策を考えます。
目次
自覚しにくい?!早期離職の原因になる「企業風土」とは
面接時にはあんなに入社意欲に満ちていたはずの彼らは、なぜ会社から離れてしまうのでしょうか?若手社員の離職理由は大きく3つに分けられます。
1.新入社員の意識:本人の社会人としての自覚の欠如
社会人としての自覚や覚悟が足りないために、退職を選択しやすいケースです。
学生気分のまま働く環境に身を置いてしまうと、社会の中で避けられない理不尽さや不合理に遭遇した際、辞職という決断に至ってしまいます。
この場合、面接時に不合格だったはずの人材を採用してしまったという可能性も高く、採用時の見極めを検討し直すことで離職しにくい人材の確保が実現できるでしょう。
2.採用のミスマッチ:採用時の話と実際の業務内容や待遇が異なる
どんな会社でも理想と現実のギャップは生まれます。
たとえ貴社を第一志望として入社した人材であっても、実際の仕事内容や社内の雰囲気などが想像と違うことにショックを受け、辞職を決断するケースもあるでしょう。
ましてや、「就活終盤に焦って決めた」「就活を早く終わらせたく最初に内定の出た会社に決めた」など、その社員が企業理解をしないまま入社したのであれば、より一層採用のミスマッチが起こりやすく、早期離職の可能性も高まります。
内定出しまでのステップを見直すことで改善を図りましょう。
3.企業風土の問題:近年の若手社員に合わない風土を持っている
企業風土とは、企業内で成立するルールや規則の中でも、特に社員の行動や決断、発言や感情に大きな影響を及ぼす要素や環境のことです。
当然、入社間もない若手社員の言動にも大きく影響します。
もっとも厄介なのが、この3の理由です。1と2に関しては採用規定を見直し、見極め方を変えることで防げる可能性があります。しかし3については、企業側が自覚しにくいところに、改善の難しさが潜んでいるのです。
さて、ここで一つ質問です。若手社員は「育つもの」でしょうか?それとも「育てるもの」でしょうか?
もし「育つもの」であると即答された場合には、3の近年の若手社員に合わない企業風土である可能性が非常に高いと言えます。
日本生産性本部が2017年までに発表している「新入社員の特徴」では、「キャラクター捕獲ゲーム型」や「ドローン型」などの表現で、新入社員の傾向を示しています。
2017年度入社:キャラクター捕獲ゲーム型
2017年に流行した、携帯ゲームにハマった人々の姿に例えられています。
携帯ゲームが登場した当初は夢中でプレイしたものの、徐々離れて行ったように、この年の新入社員は「熱中しやすく飽きやすい」ところがありました。
彼らのモチベーションを維持するためには、次々に新しい企画を準備し、飽きさせぬような「やりがいや目的の提供」が必要です。
2016年度入社:ドローン型
今後更なる進化が期待されているドローンに例えられています。
基本的なスキルは高いものの、強風にあおられるような「厳しい環境に立たされると、不安定になる」一面もあるため、操縦者にあたる先輩社員の「指導方法に左右」されます。
また、長時間にわたって動かすことや、指定外の場所へ飛ばすことはできないため、先輩社員による「ワークライフバランスへの配慮」や「適性の見極め」が求められます。
上記の傾向を見ると、先輩社員の指導が若手社員にとって必要であることが分かります。
若手社員は勝手に「育つもの」ではなく、周りが「育てるもの」という認識をもって育成に携わらないと、知らず知らずのうちに離職を増やす風土を形成してしまうのです。
若手社員の離職を防止する「育てる文化」を作る3つの施策
近年の若手社員の嫌う「勝手に育つもの」という風土から抜け出すためには、何に取り組めばよいのでしょうか?
若手社員を「育てる文化」の醸成に成功している企業には、共通して取り入れている施策があります。以下の3つに挑戦し、貴社の風土を変えていきましょう。
1.育成意識の醸成:採用に携わらせる
一部の社員には採用活動に携わってもらいましょう。例えば、若手社員の配属先となる部署の社員に、採用活動の一部に加わってもらうといいですね。
自分が採用した人材が、入社後自分の手で育てる後輩となるので、教育にも自然と熱を入れやすいでしょう。育成意識の醸成に繋がります。
2.育成を推進する仕組み:育成を評価する
まずは若手社員育成の積極性を評価基準の中で強調することで、若手社員が後輩の育成に携わる風土を作りましょう。
役職者を育成した社員に、手当てやボーナスを与えるなどの制度を導入することも効果的です。
3.育成方法を教える:育成のためのスキルを磨く
離職防止のための育成文化づくりで、最後に力を入れるのがこの項目です。若手を教育することが当たり前にできたからといって、その育成方法が効果的な一手になっているとは言い切れません。
「そもそも社員を育てたことがない」という既存社員にとっては、最も時間がかかる項目とも言えるでしょう。
育成スキルを磨くなら、外部講師を招くことがオススメ!
若手社員を育てる文化づくりに取り組まれる際には、育成方法まで人事で仕組みをつくることが大切ですが、それ以上に先輩社員たちが育成スキルを磨くことが重要であり、もっとも難易度の高い項目になります。
採用担当として、先輩社員たちへ指導スキルの付与をおこなうのであれば、外部から講師を招くことも1つの手段です。
弊社では、中堅社員の育成スキルを磨くサポートもおこなっております。ご相談の際には、皆様の現状に合わせたサポートをご提案させていただきます。
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