本記事では、社員の離職防止について、取り組むべき理由から世の中の現状、具体的な対策の種類と効果、実際の取り組み事例のご紹介まで網羅的にお伝えします。
離職防止コンサルタント監修のもと、社員の離職問題解決に必要な記事をこの1記事にまとめています。
これから離職防止に取り組むことを検討されている方、今まさに離職防止施策を実践されている企業様はぜひご覧ください。
目次
なぜ離職防止に取り組む必要があるのか
離職防止に取り組むべき理由は大きく2つあります。
- 転職が当たり前の時代となったから
- 労働人口減少により採用難易度が上昇していくから
理由(1)転職が当たり前の時代となったから
日本に根強く定着していた終身雇用制度が終焉を迎え、「転職すること」はいまやネガティブなものではなく、選択肢の一つとなりました。世の中に求人メディアが溢れ、転職用のメディアは実に50~60サイト存在します。
転職することが一選択肢となったことで、3年以内の早期離職も増えてきています。実際に厚生労働省の実施した学歴別就職後3年以内離職率の推移によると、大学卒の就職者の約3割が早期離職していると報告しています。
※黒が1年目、白が2年目、青が3年目、一番上の数字が全体の割合
(出典:厚生労働省「学歴別就職後3年以内離職率の推移」)
理由(2)労働人口減少により採用難易度が上昇していくから
少子高齢化がすすみ、労働人口の減少は免れません。2060年には、総人口数は9,000万人を割り込み、生産年齢人口は約4,423万人、つまり総人口の約半数になると予想されています。
人材獲得競争の激化は今後避けられないでしょう。「社員が退職したら、その分人材を採用して補えばいい。」と考えるのは危険だということです。
今後は社内の優秀な人材の離職をいかに防止できるかが各企業の明暗を分けるといっても過言ではないでしょう。
離職防止に関する各社の取り組み状況
離職防止に対して、各企業様はどのような取り組みをおこなっているのでしょうか。弊社実施の企業様アンケート結果から、各社の取り組み状況をお伝えします。
約8割の企業が離職防止に対して課題感を感じている
アンケートによると、社員の離職に課題を感じている企業様は全体の80%という結果になりました。
課題は感じているものの、離職防止対策に予算を投じている、あるいは投じる予定だと回答した企業様はたった16%。
採用予算は確保していても、離職防止対策には予算を確保していない企業様が8割以上を占める結果となりました。
離職防止対策に予算を投じている企業は2割に満たない
「離職防止に予算を割いてまで対応する必要はない。」
そのように思われた方もいるかもしれませんが、本当にそうなのでしょうか。社員の離職が会社にとってどの程度の損失になるのかをみていきましょう。
例.月給25万円の人材が入社後半年で早期退職した場合
仮に月給25万円の人材を採用し、半年という期間早期離職された場合の損失を考えてみましょう。
採用単価を1人60万円として、給与の支払い総額が約150万円、さらに教育にあたった社員の人件費や設備費・通勤交通費を含めるとおよそ80万円程度。総額300万円近くを1人の社員に投じたこととなります。
つまり月給25万円の人材が半年で離職した場合には約300万円の投資が無駄になる、という計算になります。
優秀な社員の場合には月給がさらに上乗せされ、採用単価も上がるため、さらに巨額な費用が無駄になることになります。
社員が離職した場合の損失を考えれば、これからの時代は採用だけではなく社員の離職防止にも注力していく必要があるといえるでしょう。
離職防止対策の入門編:現状把握をおこなう
離職防止対策を考える際、まずは自社の現状把握が欠かせません。離職率はどの程度なのか、どのような理由で退職しているのか。正しく現状把握ができていなければ、効果的な対策を打つことはできません。
まずは世の中の離職理由や離職率の平均を知ることで、自社の現状把握に活かしましょう。
(1)まずは社員の離職理由を知ろう
(2)世の中の離職理由ランキング
社員の本音や対策を詳しく解説「社員の離職を食い止めたい」と考える企業では、離職防止に効果的な対策をとるために、離職理由を分析する必要があります。 しかし、退職...
(3)貴社の離職率は高い?低い?離職率の平均を知ろう
離職防止対策の基本編(前編):具体的な施策を知る
現状把握ができたら、次は具体的な離職防止対策を考えていきましょう。
離職防止対策は闇雲に試せばいいというものではありません。自社の状況をふまえ、どういった施策が効果的なのか、自社に落とし込んで考えてみましょう。
(1)離職防止に効果的な対策4選
(2)採用した社員を定着させるためのポイント
離職防止対策の基本編(後編):退職の兆候と引き止め方
離職防止対策を打ったからといって、すべての社員が退職しなくなるわけではありません。
とはいえ大切な社員の離職は特に防ぎたいもの。優秀な人材の退職を引き止めるために、退職前後の兆候や効果的な引き止め方を知っておきましょう。
残念ながら退職するということになった場合は、社員の退職がこれ以上会社に悪影響をもたらさないように手を打つ必要があります。退職がさらなる退職をうむこともあります。退職する社員の離職理由をしっかり把握し、退職の連鎖をうまないための施策を実施しましょう。
(1)退職の兆候を知ろう
(2)どうやって引き止める?社員の引き止め方を解説
(3)退職する場合は退職理由の把握を徹底するため面談を実施しましょう
(4)退職の連鎖をおこさないために
離職防止対策の中級編(前編):社員の階層別の離職防止対策
実は社員の階層によって求められるものが異なる離職防止対策。社員の離職状況を把握した際に、離職する層に偏りがあるようであれば、階層に合わせた離職防止対策をおこなうことをオススメします。
(1)新入社員向けの離職防止対策
(2)若手社員向けの離職防止対策
離職防止対策の中級編(後編):離職防止に効果的なリテンションマネジメント
社員の離職防止には「リテンションマネジメント」も効果的です。
キャリア研究の第一人者である山本寛教授にインタビューさせていただき、リテンションマネジメントとはどういったものなのか、リテンションマネジメントの具体的施策や成功事例をご紹介します。
(1)離職防止に効果的なリテンションマネジメントとは
(2)リテンションマネジメントを成功へと導く具体的施策
離職防止対策の応用編:他社事例・離職防止に効果的なサービスを知る
ここまで離職防止対策に関して説明してきましたが、ここからは具体的な各社の取り組み事例や離職防止に効果的なサービスをご紹介していきます。
(1)離職防止のユニークな取り組み事例4選
(2)離職防止ツールの効果がわかる、レビュー記事
(3)離職防止には意外と研修も効果的
離職防止対策は継続が鍵
ここまでご紹介した対策からもおわかりいただけるように、離職防止対策は一朝一夕で効果が出るものではありません。すべての社員の離職を防ぐことも現実的には不可能でしょう。
とはいえ、対策を打つことで防ぐことができる離職があることもまた事実です。
弊社とお取引のある企業様の中には、離職防止対策に取り組んだことで離職率を約30%減少させることに成功した企業様もいらっしゃいます。
離職防止において何より大切なのは社員を理解することです。
- 社員の現状を正しく、定期的に把握する
- 社員が考えや希望を伝えやすい環境をつくる
- 積極的にコミュニケーションをとる
こうした日常的な関係性の構築が、社員の離職を防ぐことにつながります。まずはできるところから、離職防止対策に取り組まれてみてはいかがでしょうか。
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