離職防止対策をご検討のご担当者様へ。
離職には、労働条件ややりがい欠如などさまざまな理由がありますが、そもそも上司の方はその方の離職の可能性について、事前に気づくことができているでしょうか?
「昨日までは元気に仕事をしていたのに、突然辞表を出された」
「一時期モチベーションが下がっていた社員と話をしたところ、持ち直したようなので安心していたら、後日やはり仕事を続けるのは難しいと言われた」
このように、想定外の離職が起きてしまったということは少なくないのではないでしょうか。
本記事を参考に、3つのコミュニケーションがどれくらいとれているかを確認していただき、貴社が離職防止対策としてテコ入れすべきポイントを探してみてください。
目次
離職防止対策には3つのコミュニケーション(会話・討議・対話)が必要
「想定外の離職」の大きな原因として退職者とその上司や周囲の関係者とのコミュニケーション不足があったと言えるでしょう。
人は突然離職をするわけではなく、日々のしこりが積もり積もって離職を決意するはずです。そのしこりに周囲が早期に気づき、ケアすることができれば、離職は防ぐことができる可能性はあると言えます。
そのため、上司は形式的な定期面談だけではなく、日々のコミュニケーションを取り、常に部下の状態を把握することが求められてきます。
「日々のコミュニケーション」とざっくりお伝えしましたが、コミュニケーションにも種類があります。
ここでは、部下との関わりにおける3つのコミュニケーションの種類についてご紹介させていただきます。
1、会話(カンバセーション)
前提としてルールは無く、日常的なとりとめの無いコミュニケーションのことを指します。
これは日常的に必要なもので、特に入社当初など、新入社員が職場に慣れていない際の順応を促す役割として効果的になります。上司に限らず、関わる職場の社員全員で展開されるのが望ましいでしょう。
2、討議(ディスカッション)
これは業務中に活用されることの多いコミュニケーション手法です。
「正しい解がある」という前提のもと、相手を正しい解へと導いていく、技術的な支援へとつながります。
しかし、この手法は自己の主張が強くなってしまう傾向があるため、やり方には注意が必要です。一方的に意見を押し付けるのではなく、建設的で納得感のあるコミュニケーションが求められます。
3、対話(ダイアログ)
相互理解を深めるために最も適したコミュニケーション方法です。
互いの意見を尊重し合い、相手からの評価を受け入れ、最も良い選択肢を導き出していくことが目的です。
このコミュニケーション手法は業務内外問わず活用することができ、部下の意向や状態把握をする上では有効な手法となります。
3つのコミュニケーションの中でも「対話」が離職の芽を摘み取るカギ
以上3つのコミュニケーション手法をご紹介してきましたが、日本の特徴としては、3つ目の対話(ダイアログ)が不足していると言われています。
それは、「背中で見て育て」という古くからの育成風土が未だ根強く残っていることが大きな理由と考えられます。
部下の話を聞くことに意味が無い、または話を聞いている暇が無いといった理由で、
「このやり方が正しいから言われた通りにやれ」
「まずは3年がむしゃらにやってみろ」
という、部下の意見はそっちのけな一方的なコミュニケーションを取ってしまいがちなのです。
終身雇用の考え方があった昔ならばこのコミュニケーションでも成り立つかもしれませんが、人材の売り手市場化にある現代にあたっては、離職には十分な材料となるでしょう。
部下が上司に求めているのは、互いを理解するための「対話」です。
自分の意見を発信し、相手の意見を受け止め、互いに理解し合うことが、信頼関係へとつながっていきます。
たとえ仕事で悩みを抱えていたとしても、信頼関係があれば、部下は離職という選択をする前に、解決するための新たな活路を見出そうと上司に相談を持ち掛けてくるでしょう。
退職直前の引き留めより日々の対話を意識したコミュニケーションを
ここまで、「離職を防止するための正しいコミュニケーション手法」についてご紹介してきました。
今回は「離職の芽を摘み取る」をテーマにしてきましたが、エン転職コンサルタント「カウンターオファー(退職引き止め交渉)のアンケート」によると、カウンターオファーをきっかけに離職をやめたことがある方は24%という結果が出ています。
これを多いと捉えるか少ないと捉えるかは難しいところですが、離職を申し出た4人に3人は、そのまま離職をしてしまうというのが事実です。
「もっと早くから声をかけていれば・・・」と後悔することのないように、対話を意識したコミュニケーションを心がけてみてください。
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