社員の定着は、企業の継続的な発展につながる重要な問題です。
自社の事業経営を支える優秀な人材を確保するためには、企業の「採用力」を高める必要があるでしょう。
今回の記事では、採用した社員を定着させるために必要な、採用時のポイントと採用後の施策を紹介します。
目次
社員定着のために、採用時に考慮したい3つのポイント
ミスマッチのない採用を行い、社員の定着率を向上させるためには、企業の「採用力」を高める必要があります。ここでは、採用時に考慮したい3つのポイントを紹介します。
- 採用したい人材像を明確にする
- 求める人材に適した募集方法を選ぶ
- 自社の魅力を「正しく」伝える
ポイント(1)採用したい人材像を明確にする
自社が求める人材像がはっきりと定義されていないと、採用でミスマッチが起きてしまう可能性があります。
事業の安定化や拡大のためにはどのような人材が必要なのか、どういったスキルや経験を持った人材を望むのか、明確にすることが重要です。また、自社のカルチャーにマッチする人材はどういう性格の人なのかという分析も必要となるでしょう。
求める人物像が明確であれば、効果的な採用戦略や迷いのない選考基準の設定につなげられます。会社側が求める人材を明確に定義できていれば、求職者もある程度理解した上で応募できるため、ミスマッチの機会も減らせると考えられます。
ポイント(2)求める人材に適した募集方法を選ぶ
新卒か中途採用か、一般採用か専門職採用かなど、求める人材に適した採用手法を取り入れることが効果的です。どのようなターゲットに求人案内を届けたいのかで、選ぶ求人媒体や方法は変わってきます。
例えば、SNSを利用した採用手法「ソーシャルリクルーティング」は企業側が一方的に情報を発信するのではなく、応募者側も求人を見て判断や反応ができるなど、企業と応募者間の双方向で情報交換をできる点が大きな魅力とされています。
コミュニケーションを重視する新卒の採用に効果が期待できると考えられるでしょう。既存社員に家族や前職の同僚といった知人を紹介してもらう「リファラル採用」も注目されており、中途採用をする際に取り入れる企業も増えています。
ポイント(3)自社の魅力を「正しく」伝える
自社の魅力を伝えようとするあまり、応募要項にメリットばかりを書くことは採用ミスの原因となります。
労働条件や仕事内容について正しい情報を提供するとともに、デメリットになりえる情報についてもしっかり伝えることで応募者の目に誠実に映るでしょう。
選考時にメリットばかりを伝えると、入社前に抱いていた期待と入社後の現実にギャップを感じて、「想像していたのと違う」と早期退職につながりかねません。
入社前に職場見学や社員との交流の場を設定するなど、事前に社風や職場の雰囲気を伝えることも有効でしょう。
採用時から入社後にかけて取り組みたい3つの対策
入社後は社員のモチベーションを維持するために積極的な支援が必要となります。ここでは、社員を定着させるために入社後に取り組みたい3つの対策を紹介します。
対策(1)入社後に定期的なフォローを行う
入社後すぐ職場に馴染めるようにし、安心して仕事ができる環境を作るためにも、定期的なフォローが必要となります。
入社から1、3、6、12ヶ月目のタイミングで面談を設定する、日々振り返りの時間を設けるなど、意識的にコミュニケーションの場を取り入れるようにします。
入社後のフォロー体制の一環として研修の導入も効果的です。
新入社員研修の後にOJT研修、入社3カ月目研修など、ステップにあわせて取り入れていきます。業務ごとの専門知識やビジネスで必要なスキルを着実に身につけ、同僚社員とのコミュニケーションを深めるきっかけになるでしょう。
対策(2)年齢が近い先輩社員を指導役に
実務を行う上で必要となる深い知識や適切な応対を身につけるためには、部署の先輩社員からの指導が欠かせません。
先輩社員が指導役となるメンター制度や、シスター・ブラザー制度の活用が有効でしょう。業務でのアドバイスやメンタル面でのサポートが期待できます。
こうした制度によって新入社員は悩みを相談しやすくなり、会社にも馴染みやすくなります。また、成功体験の豊富な先輩社員がロールモデルとなることで、キャリアパスをイメージしやすくなり、長く働きたいと考える社員も増えていくでしょう。
対策(3)社内コミュニケーションの活性化を図る
風通しのいい職場づくりは、全体のモチベーションの向上につながり、社員一人ひとりのパフォーマンスをあげることにも大きく影響します。
社内イベントや相互評価制度などを取り入れることで、社員の一体感を生み、上司や部下、同僚同士の信頼関係の醸成が期待できるでしょう。
社員のその日の様子を、先輩社員や上司が未然に気づいてフォローできるように、社内コミュニケーションの活性化を図れるツールの導入もおすすめです。
社内コミュニケーションが円滑になると、心理的安全性も保ちやすくなるため、社員の定着につなげることができます。
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社員の定着を見据えた採用方法とは?
社員の定着を見据えた採用を行う際に、人事担当者や採用担当者はどのようなことを意識すればよいのでしょうか。離職防止アドバイザーに、社員の定着を見据えた効果的な採用方法について聞いてみました。
教育研修事業部 ゼネラルマネジャー
離職防止アドバイザー
会社に定着する社員を採用するために、採用担当者に必要な意識とは?
会社に定着する社員は、会社の目指す姿や理念に強く共感している傾向があります。
採用の際には厳しい面やデメリットも正しく伝えつつ、会社の理念や信念に共感してもらえるように伝える工夫が必要となるでしょう。採用のどのタイミングでどういう話をするのか、集団に伝える場合と個別にフォローする場合とでも、対応は異なるはずです。
採用後に社内アンケートなどを実施し、なぜ入社しようと思ったのか、入社までのフローで不安に思う面があったかどうかなど、「本音」を聞き出すのもよいかもしれません。
採用方法として取り入れて、社員の定着に効果的だった具体的な方法は?
近年は「攻めの採用」と言われているダイレクトリクルーティングが注目されています。
企業による積極的な人材採用を意味することばですが、企業側から自社にフィットする人材を探し、スカウトメールなどを送ってアプローチすることで、求める人材に対して自社が必要な会社だと認識させる効果があると考えられているようです。
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採用方法を検討する際に気をつけることとは?
これまでは求職者に好印象を与える採用方法が主流でしたが、ここ2年位で大きく変わってきたように思います。
魅力的で共感を持てる説明会であることは大事ですが、自社のあるべき姿や今後目指す姿をきちんと伝えることの強く重要性を感じています。
そのためには、採用方法や人を集める方法、人を見極める方法といった自社の要件定義を見直し、どのような人材が必要か、なぜそのような人材が欲しいのか、今一度検討が必要でしょう。
また、採用の現場にロールモデルとなる社員を起用するのも、求める人物像を示すのに有効です。
まとめ
社員を会社に定着させるためには、採用後の対策だけでは不十分でしょう。採用を進める前段階として、求める人物像を明確にし、自社の魅力を正しく伝える努力が必要です。
ミスマッチのない採用と採用後の定期的なフォロー体制によって、社員の定着率向上を目指しましょう。
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