人材確保が難しい状況の中、社員が定着しないことに頭を抱える人事担当者も多いようです。社員が定着しない企業にはどのような特徴があるのでしょうか。
今回の記事では、社員が定着しない会社の特徴や、定着率が低いことによる企業側のデメリット、定着率を上げるために取り組みたい対策について紹介します。
目次
社員が定着しないことで企業に発生するデメリット
社員の定着は、企業の成長や経営の安定化を考える上で重要な問題です。
社員が定着しないことによって発生するデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。2つにまとめて紹介します。
- 採用・教育コストの増大
- 会社の評判が落ち、社外に悪いイメージを与えてしまう
デメリット1: 採用・教育コストの増大
社員を雇用するためには、採用費や教育費といったコストが発生します。
採用費には人件費や説明会の会場費、求人広告費などが含まれますし、採用前後で行われる研修には外部講師への謝礼や交通費などが必要となります。説明会や面接などにあてる時間を時給換算するだけでも、大変多くのコストをかけていることがわかるでしょう。
これだけのコストをかけて採用しても、社員が定着しなければ、繰り返し採用せざるを得なくなります。そうするとコストはかさむ一方で、企業の経営状況を圧迫することにも繋がりかねません。
デメリット2: 会社の評判が落ち、社外に悪いイメージを与えてしまう
退職する理由は人によって様々ですが、離職率が高い企業の場合、企業側に社員が定着しない原因があるとも考えられます。労働条件や環境、人間関係などに社員が不満を抱えている可能性があるでしょう。
離職する社員が増えると社内での不満も増大し、これらの問題点が社外に広まるリスクも高まります。
また、社員が定着せず、常に求人を出している企業には、「何か問題があるのでは」というイメージがついてしまいがちです。
一度ついたイメージは払拭するまでに時間がかかりますし、そうしたイメージによって採用が思う通りに進まず、人材不足が続くという悪循環に陥ることもあるでしょう。
社員が定着しない会社の4つの特徴とその対策
社員の定着率が低い会社には、どのような特徴があるのでしょう。4つにまとめて紹介します。
- 人間関係がよくない
- 仕事にやりがいを見いだせない
- 正しく評価されない
- ワークライフバランスが取れない
特徴(1)人間関係がよくない
職場での人間関係の良し悪しは、働き続けるために重要なポイントとなります。
社員同士のコミュニケーションが希薄で、「挨拶や会話がない」「信頼・尊敬できる上司がいない」といった職場環境では、日常的にストレスを感じてしまうでしょう。コミュニケーションロスが業務の生産性を低下させることもあります。
社内の風通しをよくするために、コミュニケーションのとりやすい環境づくりを意識しましょう。定期的に面談や交流の機会を設ける、コミュニケーションツールなどの導入が効果的です。
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特徴(2)仕事にやりがいを見いだせない
仕事へのやりがいは働く上で大きなモチベーションになります。
簡単なルーチン作業ばかりでやりたい仕事を任せてもらえない状況が続くと、仕事の意義を見出せなくなります。自身の成長を実感できない状況もモチベーションを低下させることに繋がるでしょう。
仕事でのやりがいや目標を見失ってしまわないよう、成長を実感できる仕事を任せたり、ジョブローテーションしたりと、常にチャレンジできる体制づくりを目指しましょう。
この会社ではどのようなキャリアプランを描けるのか、ロールモデルとなる社員の存在も重要です。
特徴(3)正しく評価されない
自分の仕事に対して正しく評価されているかどうかを判断するものさしとして、給与や待遇をあげる人もいます。
同業種、同世代に比べて給与水準が低い場合、自分は正当に評価されていないと感じ、より良い条件を求めて転職を考えるようになるでしょう。
給与や待遇の改善は簡単ではありませんが、努力に見合った評価を与えられる制度の整備は必要です。
例えば、社員同士がお互いに仕事の成果や貢献に対して称賛し合い、それに伴い報酬を与えるピアボーナス制度は、社内コミュニケーションの活性化にも貢献すると期待されています。
特徴(4)ワークライフバランスが取れない
社員の定着率が低い会社では、残業が多く、有給休暇も取得できない職場状況が見られます。常に人手が不足している会社では最低限の人数で業務を行っており、本来担当する業務以外の仕事を抱えているケースもあるでしょう。
社員が高いパフォーマンスを発揮するためにも、ワークライフバランスを重視した適切な労働時間と労働環境の整備が欠かせません。
一人当たりの業務内容や負担の見直しを行い、適正な業務量になっているか定期的に把握するようにしましょう。
社員を会社に定着させるためにできる対策とは?
社員の定着率を高めるために、人事担当者やリーダー層はどのようなことを意識すればよいのでしょうか。
離職防止アドバイザーに、社員を会社に定着させるためにすぐにでも取り組める対策について聞いてみました。
教育研修事業部 ゼネラルマネジャー
離職防止アドバイザー
社員を定着させるために、人事担当者やリーダー層が心がけることは?
入社後のフォロー体制が整っていない企業では、社員が不安や悩みを抱え込みやすくなります。気軽に相談できる風通しの良い職場環境づくりに努めることが大切でしょう。
また、新卒採用と中途採用ではフォローしなければならないポイントが若干違います。
新卒社員は仕事を覚えることから始まるので、会社に馴染めるようにコミュニケーションの道筋をつくり、業務上で困った時の相談先を示すことが重要です。
中途社員の場合はスキルに応じてどのような仕事を任せられるのか、これまでの経験を含めてキャリアプランなどをヒアリングし、自由に意見を発することができる環境を用意するとよいでしょう。
社員を定着させるために効果的な取り組みとは?定着率アップに成功した事例は?
面談の回数を増やすことで、離職を決意する前段階に気づけたケースがあります。
面談の機会が増えると、今まで話せなかった個人的な悩みを打ち明けて前向きになる人もいるようです。業務上の相談だけではなく、業務から一歩引いたナイーブな相談までできるようになれば、心理的安全性を感じられて会社にいやすくなるのでしょう。
中小企業の場合は、大企業に比べて規模が小さい分、管理職と社員との距離を縮めやすいという利点もあります。社員との関係性の構築は定着率向上を目指す上で強みとなるでしょう。
まとめ
社員がずっと働き続けたいと思える「選ばれる企業」になるためには、社員が離職する原因をしっかり把握することが大切です。
危機感を持って問題解決に努めることが、定着率アップへの道筋となるでしょう。自社の課題に目を向け、優秀な社員が長く定着するようサポートしていきましょう。
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