withコロナ時代の現在、Web説明会の需要が高まっています。
会社説明会としての内容はオフラインの場合と同様ですが、場所の制約がなく、オンライン上で画面を通して参加できるのが特徴です。
そのため、就活生も企業もより多くの接点を持つことができるというメリットがあります。
一方、Web説明会での理解度は5%未満とも考えられており、課題感を持っている採用担当者も少なくないようです。
そこで今回は、Web説明会での理解度が上がらない原因とその解決策、すぐに取り組める施策についてご紹介します。
目次
Web説明会の理解度が低い原因
アメリカ国立訓練研究所が行った学習度に関する研究結果によると、対面で一方的に話を聞くセミナー形式の場合、記憶への定着率はわずか5%だと言います。
Web説明会となると、「自宅からの参加で集中力が上がらない」「画面を介したコミュニケーションは理解しにくい」などの理由により、さらに理解度を下げてしまっていると推測できます。
Web説明会で参加者の理解度が下がる原因を一つずつみていきましょう。
- 対面での説明会に比べて質問しにくい
- 企業の社風がわかりにくい
- 同じようなコンテンツばかりで飽きてしまう
対面での説明会に比べて質問しにくい
Web説明会には「録画配信型」と「ライブ配信型」の2タイプありますが、どちらも対面での説明会に比べて質問しにくいことが理解度を下げている原因だと考えられます。
録画配信型は、企業が事前に録画しておいた説明会を視聴するため一方通行のコミュニケーションになり、参加者は不明点があっても質問できません。
一方、ライブ配信型ではチャット機能を使って質問を受け付けられますが、すべての質問への回答は難しいでしょう。
対面での説明会のように、終了後の個別質問の機会も設定しにくいため、参加者の疑問を解消できず、理解度を下げてしまうのです。
企業の社風がわかりにくい
Web説明会では人事担当者とコミュニケーションが取りにくいという点も、理解度を下げている原因と言えるでしょう。
対面での会社説明会では、人事担当者との会話から社風をつかんだり、会社のエントランスを通って社内の雰囲気をある程度感じ取ったりできますが、Web説明会では受け取る情報が圧倒的に少なくなってしまいます。
企業の社風や社内の雰囲気をつかみきれないことで、参加者は自分に合っている企業なのかを見分けるのも難しくなっているようです。
同じようなコンテンツばかりで飽きてしまう
Web説明会に参加すればするほど、同じようなコンテンツばかりで企業の特徴がわかりにくいと感じる就活生も多いようです。
一度飽きてしまえば集中力は低下し、自ずと理解度も下がってしまうでしょう。
特に、録画配信型のコンテンツは多くの企業が導入しているため、就活生は「つまらなさそう」と感じたら離脱してしまい、すぐに別の企業の説明会動画に移ってしまうことも考えられます。
Web説明会での理解度を上げるための解決策
Web説明会での理解度を上げるためには、コンテンツの工夫や選考につながる導線の設計が必要です。具体的な解決策を3つご紹介します。
- ライブ配信型と録画配信型を使い分ける
- 面接など次のステップに進むための導線を設計する
- 魅力あるコンテンツや進行を意識する
解決策(1)ライブ配信型と録画配信型を使い分ける
ライブ配信型と録画配信型は、上手に使い分けることによってその効果を最大化できます。
ライブ配信型は、参加者と会話やチャットでコミュニケーションできるため、「社風や社内の雰囲気」を伝えることに向いています。
一方的に説明するのではなく、社員と就活生とのコミュニケーションの場を設けるなど工夫すると、企業理解を深めることができるでしょう。
録画配信型は「具体的な仕事内容」を伝えることに向いていますが、一方的な説明会という印象を与えないことが重要です。
伝えたい内容を端的にまとめて、長くても30分以内で終わるように構成しましょう。
また、録画配信型は忙しい就活生でも隙間時間に閲覧できるというメリットがあるため、15分以内の短いコンテンツを複数個用意し、閲覧数を増やすのも有効です。
解決策(2)面接など次のステップに進むための導線を設計する
Web説明会は気軽に参加しやすい反面、途中で離脱してしまう可能性が高くなるため、説明会後の面接など、次のステップに進むための導線設計が重要です。
例えば、終了後にWebアンケートを実施したり、応募フォームへ誘導したり、離脱されない工夫を行いましょう。
録画配信型では、説明会の内容をすべて閲覧したかどうかの確認が難しく、事後アンケートの内容に「動画に出てきた情報」や「企業として一番理解してもらいたい内容」を確認する設問を加えるとよいでしょう。
解決策(3)魅力あるコンテンツや進行を意識する
Web説明会の理解度を高めるためには、参加者にとって魅力あるコンテンツや進行を意識し、最後まで集中して参加してもらうことが大切です。
最初にインパクトのある映像を流したり、参加者の心をつかむキャッチフレーズを用いたりするのも一つの方法でしょう。
他にも、プレゼンターの話し方や立ち居振る舞いについては「いつも以上に身振り・手振りを意識する」、就活生を飽きさせないために「説明する内容によって担当者を変える」なども有効です。
Web説明会での理解度を向上させる、今すぐ取り組みたい施策
Web説明会での理解度を上げるために、採用担当者はどのような対応が必要なのでしょうか。
Web説明会やオンラインインターンシップなど、数々のコンテンツ制作に携わっている採用アトラクション制作部リーダーに、すぐに取り組める施策について聞いてみました。
採用アトラクション制作部リーダー
Web説明会で苦戦している採用担当者がまず見直すべきことは?
企業が求める人材によって伝えたい内容や強調したいポイントは異なるため、コンテンツ内容の見直しから始めるとよいでしょう。
加えて、「一方的に情報を与えるだけになっていないか」「参加意識や当事者意識を与えられているか」を確認します。
Web説明会では、対面以上に緊張感や集中力が持続しにくいです。
適度な緊張感をもたせられるような流れになっているかを見直すのも大切ですね。
例えば、コンテンツの合間に質疑応答を挟んだり、参加者同士のワークを行ったり、インタラクティブなコミュニケーションを図るのがおすすめです。
また、あえて少人数に設定し、顔出しで参加してもらうことで、一緒に受けている人同士の程よい緊張感を醸成できます。
参加へのハードルを下げるために、服装は自由にしている企業も多い印象ですね。
他社との差別化を図るために必要なこととは?
説明はなるべく15分以内に収めて、残りの時間は参加者がアウトプットできるコンテンツを実施すると理解度を高めることにつながります。
私が提案したコンテンツで好評だったのは、リアルを感じてもらえる画面越しのショールーム見学や、企業理解を促進させるために、企業理念などのキーワードを絡めた脱出ゲームのようなワークです。
参加者からすると説明されている時間は長く感じますが、自分たちが体験している時間はあっという間に感じるため、充実感を醸成できますね。
また、「事務職20代」「若手営業職」など業務の異なる社員ごとにブレイクアウトルームをつくり、社員との交流や質問しやすい環境を用意するなど、オンラインだからこそできるコンテンツを用意することで他社とも差別化できます。
Web説明会で参加者を飽きさせないコンテンツをつくるには?
他社との差別化を図るためのコンテンツとして先に紹介しましたが、業務が異なる社員ごとにつくるブレイクアウトルームなど、参加者が自分で選択して体験できるコンテンツは必要ですね。
参加者を受け身で終わらせないことが重要です。
また、Web説明会のデメリットであるリアルを感じられない点を逆手にとって、社員による社内ツアーを配信したり、コンテンツによって登壇者を変えるなど、メリハリをつけることも効果的です。
能動的に参加してもらうための仕掛けや、積極的に参加してもらうためのワクワク感もコンテンツを考える際に重視したいポイントですね。
コンテンツの満足度が高いと、次の選考につながるというメリットも期待できます。
まとめ
場所の制約がなく、参加しやすいWeb説明会ですが、理解度が低くなってしまうという課題もあります。
その原因には、対面に比べて「質問しにくい」「社風がわかりにくい」「企業の特徴がわかりにくい」などが挙げられます。
理解度を高めるためには、ライブ配信型と録画配信型を組み合わせることや、次の選考につながる導線設計などが必要です。
今回の記事で紹介している、理解度を高めるためにすぐに取り組める施策なども参考にして、Web説明会の運営方法やコンテンツ内容などを見直してみてはいかがでしょうか。
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