近年、新卒採用現場では人材不足も影響し、各企業による優秀な学生の争奪戦がおこなわれています。
新卒採用の獲得競争が激化するなか、企業はどのようなスケジュールで採用を進めるべきなのでしょうか。
今回の記事では、最新の新卒採用の傾向を踏まえた、新卒採用成功のための事前準備や採用計画設計のポイントについて紹介します。
目次
新卒採用の時期はいつ?
新卒採用活動のスケジュールは、時代とともに変化をしています。
かつては、日本経済団体連合会(経団連)が、就職活動の早期化による学業への阻害を防ぐために、採用の解禁時期などを示す就活ルールを定めていました。
経団連に属する企業は、2020年卒までは経団連が定めた就活ルールに則り採用スケジュールを策定していました。
2020年卒以降からは経団連の指針が廃止され、大学3年生の3月1日から広報活動開始、大学4年生の6月1日から採用活動開始という政府主導の新卒採用ルールが設定されています。
広報活動開始 :卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
採用選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降
正式な内定日 :卒業・修了年度の10月1日
参考:内閣官房「2023年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」
政府の見解によると、既存のスケジュールから急に変化すると、学生や企業を混乱させるリスクが高いことから、当面は今のスケジュールで継続するとしています。
一般的な就活スケジュール~内定までの流れ~
就活の開始時期は、大学3年生の6月頃が一般的です。ここでは、就活スケジュールと内定までの流れを解説します。
大学3年生の6月頃
就活の準備段階として、学生は興味・関心のある企業のインターンシップに参加する時期です。学生はインターンシップでの選考体験や就業体験を通して、就活の本選考に向けた事前の対策をおこないます。また、早期に就活準備を始めることで自己理解や企業理解を深め、自己分析をします。
企業は前年の採用活動に対する振り返りや、インターンシップの受け入れなど、次の採用活動に向けた準備をする時期です。採用担当者は様々な学生が参加するインターンシップの対応を通して、参加者と積極的に接点を持つとよいでしょう。
大学3年生の3月頃
大学3年生の3月1日から企業の説明会が解禁されます。
学生は興味を持った企業にエントリーしたり、説明会に参加したりして、ある程度就職したい業界をしぼり始める時期です。説明会で企業の情報を集め、本選考への準備をおこないます。
この時期企業は、説明会の開催や選考準備、学生への連絡などをおこないます。複数の学生に対して日程連絡などを継続的に実施するため、採用担当者は連絡漏れがないようスケジュール管理をしましょう。
大学4年生の6月頃
大学4年生の6月から採用面接などの選考が解禁され、徐々に内々定や内定が出始めます。
一方で、6月以降に選考を実施している企業や、通年採用をおこなっている企業もあるため、これから選考を受ける学生も少なくありません。複数の内定を得ている場合、より自分に合う企業を検討する時期といえます。
企業は学生の選考対応や選考連絡などを主におこないます。選考辞退や内定辞退を防ぐためにも、選考途中や内定後のフォローを忘れずにおこないましょう。
大学4年生の9月頃
10月に内定式を実施する企業が多いため、それに合わせて就職活動を終える学生が増える時期です。
入社前研修や内定者同士の懇談会など、他の内定者や社員とのコミュニケーションを通して入社の最終判断をおこないます。
多くの企業は内定式を目処に採用活動を収束させます。しかし、内定辞退などにより採用の目標数に達していない場合は、追加採用を検討する必要があります。
この時期に就職活動をおこなう学生は限られますが、まだ内定を取得していない学生などに向けて選考を継続します。
最近の新卒採用は早まっている?
政府主導の採用スケジュールは、広報解禁を3月・選考解禁を6月としていますが、実際にこのスケジュールを守って採用活動をしている企業は少ないのが現状です。
特に、外資系企業やIT・ベンチャー企業では、優秀な学生を確保するため、年々採用の早期化が進んでいます。
インターンシップを早期に実施しできるだけ早く学生と接触するなど、採用活動を前倒しして進めている企業が増加しています。
HR総研の「2022年&2023年新卒採用動向調査」によると、23卒新卒採用において選考面接開始は2~4月が山場となり、約2割の企業が年内に選考開始を開始しているそうです。
参考:HR総研「2022年&2023年新卒採用動向調査 結果報告2」
採用活動前に準備しておくべきこと
新卒採用活動を成功させるためには、採用活動前に準備しておくべきことが、大きく分けて3つあります。
(1)採用計画の立案
採用活動前の準備として、まずは採用計画を立てることが重要です。学生1人当たりの採用コストを考慮した上で採用人数を決定しましょう。
具体的には以下のような手順で動きます。
- 前年の振り返り
- ターゲット設計
- 戦略の立案
- スケジュール作成
- 予算・採用担当者を確保
(2)広報活動の準備
採用活動を始めるにあたり、求人広告や採用サイト、パンフレットを含む資料などの広報制作が必要です。
コンセプト設計やデザイン考案、制作などに数カ月かかるため、できるだけ早くに着手しておきます。
具体的に作成・準備していくもののリストは以下のとおりです。
- 求人広告
- 採用サイト
- パンフレット
- 会社説明会
- インターンシップ
(3)最終準備
選考開始前までに、最終調整も踏まえ、選考から内定出しまでのスケジュールを調整します。採用業務の一部を外注する場合は、各担当者とのスケジュール調整も必要です。
また、並行して翌年の採用に向けたインターンシップの準備も開始します。
新卒採用の設計の流れ
効率的に新卒採用を進めるためには、戦略を立てスケジュールを組むことが重要です。ここからは、新卒採用を設計していく上でのポイントを紹介します。
採用戦略を立てる
まず、採用戦略を立てるためにターゲットとなる学生の要件をまとめましょう。
ターゲットを明確に設定できていないと、選考辞退・内定辞退だけでなく、入社後のミスマッチにより人材が定着せず採用コストが無駄になる可能性もあります。
ターゲットを設計する際は、現実に存在する「学生Aさん」と想定できるくらいまでイメージし、価値観やライフスタイル、行動特性などの情報を具体化させていきます。
次に、採用に向けた戦略を立てます。新卒採用の売り手市場が続くなか、優秀な学生を獲得するためには、自社の強みを把握し、企業側から学生に強くアピールすることが重要です。
以下の項目について自社を分析し、学生に向けてのアピールポイントや、具体的なアプローチ手法を検討します。
- 知名度
- 企業規模や市場
- 扱う商材の魅力や独自性
- 競合他社と比較した自社の強み
- 社風
- 業務内容や働き方
- 社内制度や福利厚生
自社の強みを把握できていれば、採用サイトや自社サイトに盛り込むコンテンツ、学生へのメッセージ内容なども、スムーズに作成できます。
採用手法を検討する
採用戦略をもとに、最終的な内定出しのタイミングから逆算し、採用スケジュール上で「インターンシップ期間」「広報期間」「採用選考活動期間」「内定出し」などを決めていきます。
前述したように、採用の早期化が進んでいるため、ターゲットとなる学生の就活スケジュールや、他社の動向も踏まえて採用スケジュールを検討するべきです。
大まかなスケジュールを決定したら、具体的な採用手法を検討します。近
年では、就活ナビサイトの活用だけでなく、企業側から学生に直接コンタクトを取る「ダイレクトリクルーティング」や、SNSを通じて採用情報を発信する「ソーシャルリクルーティング」などの新しい手法も注目されています。
(1)短期インターンシップ
短期インターンシップの期間は、1日から1ヵ月程度のものがほとんどです。
主に大学3年生と大学4年生を対象に、1日でプログラムが完結する「1Dayインターン」や、長期休みの期間を利用して開催する「サマーインターン」「ウィンターインターン」などがあります。
大手企業を含めた様々な企業が実施しており、短期間での開催のため学生は複数の企業のインターンシップに参加できるのが特徴です。
短期インターンシップの内容は、企業の事業理解向上を目的とした説明会や学生同士でのグループワーク、セミナー、プレゼンテーションなどが中心です。
中には、簡単な業務体験をおこなう企業もありますが、多くの企業では報酬の支給はしていません。短期インターンシップを通して、職場の雰囲気を知ってもらうことができるでしょう。
(2)長期インターンシップ
長期インターンシップは、1ヵ月から1年程度の期間をかけておこないます。
募集する学年を限定している短期インターンシップに対して、長期インターンシップは全学年を対象としている企業が多くあります。
大手企業だけでなくベンチャー企業や中小企業でも実施しており、実務経験や社員とのコミュニケーションを通して、学生にビジネスマナーや専門的な業務スキル習得の機会を提供しています。
報酬を支給する企業も多いため、学生にとっては収入を得ながら興味のある企業や職種の業務理解を深められることが魅力です。
長期インターンシップでは、高評価の学生にそのまま内定を出す企業もあります。
自社での実務経験を経て入社するため、入社後の即戦力として期待できるメリットがあります。また、採用後のミスマッチが生じにくいといえるでしょう。
次年度のインターンシップの準備
今年度のインターンシップ終了後には、次年度の受け入れに向けた振り返りと準備をおこないましょう。
インターンシップに参加した学生へのアンケートや面談を通じて、インターンシップの内容を振り返ります。
学生からのフィードバックを基に、プログラムの改善点や満足度向上につながっている点などを洗い出したら、次年度のインターンシップに向けての準備を始めましょう。
早期にプログラムの詳細を見直し、協力部署と連携して受け入れ体制を整えておくことで、今後の採用活動に活かすことができます。
内定後のフォロー体制を構築する
新卒採用では、内定者フォローが内定辞退の防止に効果的です。内定者へのフォローには、「内定者研修」「社員との懇親会」「内定者同士のコミュニケーションの機会」などがあります。
学生から社会人に切り替わる新卒社員に対し、内定者フォローとして「社会人としての成長の機会」「入社前の不安払拭」「内定者同士の交流の機会」などを提供することで、入社意欲を高めることができます。
まとめ
学生の獲得競争が年々激化する新卒採用市場において、採用活動を成功させるには、近年の就活傾向を押さえ効率的に採用活動を進めることが重要です。
今回の記事を参考に、自社の新卒採用スケジュール見直し、戦略的なスケジュールを立て、効果的な採用時期やアプローチ手法を検討してみてはいかがでしょうか。
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