採用管理システム(ATS)を取り扱う会社は年々増え、そのツールもHRテックの盛り上がりと共に増えてきています。
価格競争やサービス向上が勢いを増す今、採用担当者様にとってチャンスではないでしょうか。いざ導入となっても、比較検討にもなかなか時間がかかるもの。
加えて、機能は差別化を図りづらく「他サービスとの違いは何?」と聞いても明瞭な答えが返ってくることは少なかったりしますよね。
重要な機能がオプション扱いで、思ったより見積りが高くなったりと、検討には意外と時間がかかるものです。
そこで本記事では、どの採用管理システム(ATS)を導入するかを迷われている企業様に向けて、採用管理システムの選び方を解説していきます。
採用管理システム(ATS)の選び方を解説!確認しておきたい2つのこと
- 料金設定と付帯機能
- 使用するシチュエーションと必要機能
1.料金設定と付帯機能
採用管理システムの利用料は月額設定が圧倒的に多いです。月間の応募者の数等で基本価格が決まります。
価格によって機能制限はありますが、0円というものから数十万円のものまで幅広くありますので、まずは貴社でどれくらいの応募者数を想定しているか、ということをまとめておきましょう。
また、応募者の取り込みやメール配信などの連絡機能が基本機能の中に含まれることが多いですが、追加料金で付帯できる別途の機能があることがほとんどです。どこまでが基本料金の中に含まれているのか、確認しましょう。
また、月額制と言っても、タレントプールを目的とされる企業様の場合、応募者データの保守が必用ですよね。
採用活動はしないが、これまでの応募者データはとっておきたい、という場合、休止プランなどでミニマムの金額を支払い続けるというケースがほとんどです。目先の月額料金だけでなく保守の金額も確認しましょう。
2.使用するシチュエーションと必要機能
貴社の想定している採用活動の種類、そして募集職種・ターゲットについて考えたうえで機能を確認するのは基本と言えます。
安かろう、ということだけで選ぶと、後々の使いづらさや、使いこなせない等のマイナスに繋がってしまいます。
採用管理システム導入の打合せ前までには、使用するシチュエーションをまとめ、必要な機能を明確にしておきましょう。
具体的には以下5つの視点で、シチュエーションを具体的に想定し、必要機能を把握するとよいでしょう。
- 採用の種類
- 募集職種
- 採用ターゲット
- 採用地域
- 採用手法
採用の種類
新卒採用、中途採用、パートアルバイト採用、海外採用など、採用にも種類があります。
例えば新卒採用であれば、インターンシップ時期から使えるでしょう。また、内定者フォローの時期に内定者同士のコミュニケーションに使用することも可能です。
全採用一括で管理したい場合であれば、新卒でいくら、中途でいくら、といった形で料金が課金されることもあるので確認が必要です。
全採用一括管理といっても、多くの採用管理システム(ATS)ではもちろんそれぞれ別のタブなどで見られたり、それぞれの採用の特徴に合わせた作りになっているので、管理は格段にやりやすくなるでしょう。
募集職種
募集職種によっても、見るポイントが異なってきます。
例えば、デザイナーの採用であればポートフォリオ提出が採用管理システムの中でできたほうがいいですよね。
保存容量の課金はあるか?
ファイル出力は可能か?
ファイル出力が基本料金の中に含まれておらず、筆者は肩を落としたことがあります…。添付するようなデータはやはり重いモノなので、サーバーを圧迫します。
データが重い場合の保存期間やその取扱い周辺は各社基本料金に加えて追加課金というところが多いです。年間での料金シミュレーションを出してもらうのも良いでしょう。
採用ターゲット
採用ターゲットによっても、活用すべき機能や逆に避けたほうがいい機能があります。
例えば、多くの採用管理システム(ATS)には選考案内メールや予約確認、参加お礼メールなど自動で配信する機能がついています。しかし、ハイクラス層の採用においてテンプレートの自動メールを送るのを避けたほうがいい場合など、その切り替えが可能かどうかは確認が必要です。
また、応募者マイぺージを発行して連絡するサービスもあれば、メールでのやりとりとなるサービスとがあります。応募者マイページはその1社のためにURLとID・PASSを管理せねばならず、求職者にとって不親切と言える場合もあります。
ハイクラス層や、優秀な人材の採用においては、メールでの素早いやり取りができる、メールを用いる採用管理システムのほうが適している、とも言えます。
逆に若手層の採用の場合、コミュニケーションツールをもはやメールではなくLINEにしたほうが、レスポンスの速度と確率が上がり採用に繋がりやすいというデータもあります。
若手層がターゲットであれば、LINE連携が可能かについても確認しておくとよいでしょう。
採用地域
広域で採用活動をする場合、例えば、1つの求人広告から、東京と大阪に応募できるようになっているケースがあります。
こういった場合、選考フローや面接官は東京と大阪で違うので分けたいということなど発生します。その場合、そういった対応が可能なのかを確認しておく必要があるでしょう。
また、採用の歩留まりや、傾向を自動で集計・グラフ化する機能がついていることが多いですが、そういったシチュエーションが後々の集計などに影響しないか、ということも導入の段階で確認しておくとよいでしょう。
採用手法
求人サイト、イベント、エージェント、リファラルなど様々な採用手法があります。
求人サイトの場合、応募があったら自動で応募者情報を取り込んでくれる機能がついていることが多いですが、各採用管理システム(ATS)ごとに対応している求人サイトの数や種類にはばらつきがあるようです。
どの求人サイトに対応しているか、ということも一つ指標にするとよいでしょう。
しかし、自動取り込みの対象でないからと言ってそれ以外の求人サイトが利用できない訳ではなく、簡単に情報を取り込める場合がほとんど。
合同企業説明会や転職イベントなどのイベントにおいても、求職者情報をその場で簡単にシステムに取り込めると便利です。
どのイベントでお会いしたか振り分けまで一気にできる?
様々な場面を具体的に想定し、細かく確認しておくようにしましょう。
採用管理システム導入の最終目的は「業務改善」ではなく「採用成功」
ここまで採用管理システム(ATS)の選び方についてお伝えしました。
採用管理システムを導入することは、業務効率化というところに目が向けられがちで、もちろんそれもかなりの貢献度なのですが、やはり目的は「貴社の採用成功」に向けて高みを目指すこと。
業務を効率化したうえで、求職者との対話の時間を増やす
採用戦略を考える時間を作る 新しい採用手法に挑戦する余裕を作る
そういった業務に時間を割くための手段として考えるとよいでしょう。
価格が安いから、有名だから、という理由で選ぶのではなく、「貴社の採用に合っているから」という理由で採用管理システム(ATS)を選ぶと、きっとよいサイクルを生み出せるようになると思っています。
機能はぱっと見どれも似ておりますが、細かいところに違いがあります。それに気づき、選択することができるように、今一度、貴社の採用要件や必要機能を検討されてみてはいかがでしょうか。
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