介護業界の新卒採用は難易度が高いと言われています。
「募集を出しても応募が集まらない」「優秀な人材の見極め方がわからない」と感じている人事担当者も多いのではないでしょうか。
しかし、諦める必要はありません。
今回は、介護業界の新卒採用が難しいとされる理由を紐解くとともに、介護業界の新卒採用を成功させるコツやポイントをご紹介します。
目次
介護業界の新卒採用が難しい理由とは
2020年度の採用市場全体の有効求人倍率は、1.00倍と下降傾向にあります。
しかし、介護業界に着目すると有効求人倍率は3.88倍ととても高く、売り手市場が続いている状況です。有効求人倍率の高さから、同業他社との人材競争が激しいことが伺えます。
また、そもそも介護業界への就職を希望する学生の母集団が少ないことも介護業界の新卒採用が難しい理由のひとつです。
学生は介護業界に対して、「人の役に立てそう」「社会貢献性が高い」などとプラスのイメージをもつ反面、「どの施設でも仕事内容は変わらなそう」などのマイナスイメージもあり、1社に絞りにくいとも感じています。
同業他社との差別化がしづらいことも、新卒採用を難しくしている理由と考えられるでしょう。
学生は他にも介護業界に対して、どのようなイメージを持っているのでしょうか。
労働と給与が見合わない
介護業界は肉体労働のため、労働と給与が見合わないからと選択肢から外れてしまう場合もあるかもしれません。
また、他の業界に比べて所得が低いと感じている学生も多いようです。
「就職とともに一人暮らしを始めたい」「いずれは家族を支えたい」と考えたときに、生活していくことが難しいと判断すると介護職を避ける原因となってしまうでしょう。
労働環境が厳しい
介護業界の労働環境は厳しいと捉える学生もいます。
「シフト制により決まった休暇が取れない」「労働が長時間にわたる、夜勤があるなどで生活リズムが整わない」など、環境の変化や不規則な環境をイメージしているようです。
体を酷使する労働により、足や腰を痛めたり壊したりしやすいといった印象をもつ場合もあるようです。
人間関係が難しい
長時間の労働は、職員同士や利用者との関わりが長くなるともいえます。その中で、対立したり合わないと感じたりすることもあるかもしれません。
介護業界は人間関係が難しそうだと感じて、他の業界に目を向ける学生も少なくないでしょう。
(参考:厚生労働省:職業別一般職業紹介状況[実数](常用(含パート)))
介護業界において新卒採用を成功させるコツ
難易度が高い介護業界の新卒採用ですが、新卒採用を行うメリットも多くあります。
経験者や有資格者に比べて採用しやすいことや、採用や育成における助成金制度が充実している点がメリットとして挙げられるでしょう。
こうしたメリットを活かせるよう、新卒採用を成功させる2つのコツをご紹介します。
採用基準を明確にする
リーダー候補を採用したい経営者と、採用市場を踏まえ未経験者を採用したい人事、即戦力として働ける経験者を採用したい現場など、採用する際に欲しい人材が役職によって異なる場合があります。
自社ではどのような人材を募集するのか、採用者に求める経験やスキルなどを社内の関係者で話し合い、採用基準を明確にするとよいでしょう。
他社と差別化できる自社の魅力を考える
企業の魅力を伝えるには、自社にはどのような魅力があるのかを把握することが重要です。
「会社の安定性」「仕事のやりがい」「同業他社と比較して」「有給消化率」「働く設備や環境」など、さまざまな視点から自社の魅力を捉えることで、介護業界に対するマイナスイメージを変えるきっかけになるかもしれません。
自社の魅力を洗い出す際には、他社と差別化できるかといった視点でも考えておくとよいでしょう。
介護業界の新卒採用者が抱える不安を解消するには
新卒採用者の中には未経験の方や無資格の方、福祉系学部出身ではない方もいるでしょう。そのような採用者には、入社後に企業側で育成していく必要があります。
初めての就職に加え、新たな学びを得ていくことに不安を抱えている学生も多いです。介護業界の新卒採用において、学生が抱える不安を解消するには、どのような方法があるのでしょうか。
スキル面に対する援助をする
スキル面に不安を抱える採用者には、「今後どのような仕事をするのか」を具体的に伝えることが大切です。
説明会を実施して、衣服の着脱や移乗・移動の仕方、施設の見学など、業務内容を明確に伝えましょう。
また、未経験者や無資格者に寄り添った初任者研修や実務研修などの育成プログラムの実施は、短期間での資格取得や経験値向上に役立つようです。
自社で行うのが難しい場合は、介護学校に委託するなどして、基礎知識の獲得につなげてもよいでしょう。
人間関係の構築を手助けする
就職後は、不規則な就業時間であることや体力を使う仕事であることに対し、慣れるまでは精神的にも肉体的にも負担がかかりやすいといえます。
その負担を考慮し、穏やかな人間関係づくりを職場全体で行っていくとよいでしょう。
経営者や上司は積極的に声をかけたり、職員同士のシフトの組み方を調整したりと、従業員全体はもちろん、新卒採用者の働きやすさを考えるとよさそうです。
介護業界の新卒採用を成功させるポイント
介護業界における新卒採用を成功させるには、どのようなことがポイントとなるのでしょうか。実際にさまざまな企業の採用に携わる採用コンサルタントに、介護業界における採用のポイントを聞いてみました。
採用コンサルタント
ポイント(1)自社のアピールポイントの設定とイベントの活用
介護業界の仕事内容は、主に「要介護者をサポートすること」であり、企業によって業務内容が変わることはあまりないです。
学生は職種上、給与や休暇、環境などの違いを見て応募先を選ぶことになりますね。そのため福利厚生が整っている大手企業の採用はどうしても強くなるため、大手に勝てるところを設定しなければならないと思います。
採用手法を探す前に、「大手企業に勝てる部分」「学生を惹きつけられる部分」を設定することが大切でしょう。
学生に自社の経営理念や方向性、思いなどを共感してもらえるよう、どのような言葉で伝えていくのかを考えてから、求人サイトや人材紹介などに登録していくとよいと思います。
また、自社のアピール部分が定まってからは、イベントの活用が効果的です。
学生が調べて情報を得る求人サイトでは、求人倍率からもわかるように介護業界を調べる人が少ないといえます。
そのため、学生に直接伝えることで魅力を伝えやすくなるでしょう。
しかし現在は新型コロナウイルス感染症の影響で、イベントを辞退する企業が多いです。
ナビサイトなどを利用して発信して応募を待つよりも、スカウト機能を活用するなどダイレクトリクルーティングを積極的に取り入れることで、より効果を発揮するでしょう。
もともと母集団が少ない介護業界なので、採用資金があるならば母集団形成に有効な手段全てに取り組んでみるのがよいと思いますね。
ポイント(2)形式にとらわれないPR方法で同業他社との差別化強化
同業他社と差を付けるには、PRの内容を差別化していくことが重要です。
どの企業でも他社と異なる点をアピールしたいと考えているため、さらにもう一段階差別化を図ることが大切でしょう。
カケハシが行う介護業界の採用支援では、説明会の形式にとらわれず、「脱出ゲーム」や「ビジネスゲーム」を用いて他社とは異なった取り組みをしています。
学生はゲーム内で実際に介護で行うような疑似体験をして、それに対するフィードバックを受けるため、介護という職種の理解につながるでしょう。
企業にとっても、学生により印象を残しやすい説明会となるはずです。
さらに、面接をする際は1対1で行うことを推奨しています。
採用人数が増えるほど担当者1人で対応する人数が増えるため、グループ面接を行っている企業も多いでしょう。
例えばとある企業では150人採用するのに、人事7人で約1,500人程度の面接を実施しました。時間や労力はかかりますが、学生からの印象はよく、1対1の方がより惹きつけられると感じています。
50人以上の応募がある場合、1対1での面接は非常に難しくなりますが、学生は一人ひとりに時間を割いてくれることに嬉しさを感じるでしょう。
さらに、1人あたりの面接時間が増えることから疑問点を解決できるなど、人事と話すことで不安の払拭にもつながると思います。
ポイント(3)既存社員をタイプ分けし、学生に響くエピソードを用意
面接を行う際に、介護の「現場」について聞いてくる学生は、物事を俯瞰的に見る力が備わっていると考えます。
人事担当者との面接では、もともと現場にいた人事担当者に対して当時の話を尋ねるなど、人事に付随した質問になりがちです。
しかし、採用を行う人事部と実際に業務を行う現場は異なるため、「この施設ではどのような人が働いているか」「AとBの施設の違いは何か」などと聞ける人が、見極めるポイントとなるのではないでしょうか。
より多くの人材を採用できるよう、現場で働く人を10個ほどのタイプに分けて、働く中でのエピソードや働く理由などを用意しておくとよいでしょう。
実際に採用をお手伝いするときも、10パターンのタイプを学生と照らし合わせて話す中で、現場で働くスタッフAさんと似た考えを持っていると感じれば、Aさんのエピソードを交えて話しましょうと徹底して伝えていますね。
学生の気持ちに訴えることができ、実際に働くイメージにもつながると思っています。
まとめ
介護業界の新卒採用を成功させるには、母集団を増やすことと、他社との差別化を図ることが重要となります。
介護業界に対して誤解やマイナスイメージのある学生もいるかもしれません。自社の魅力を明確にし、学生が抱える不安を取り除いていくことで、よりよい人材の採用につながるといえます。
「母集団形成の仕方を知りたい」「より他社との差別化を図りたい」と考えている人事の方は、実際にカケハシが提供してきた事例を参考にしてみてはいかがでしょうか。
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