インターンシップ

ジョブ型研究インターンシップについてメリットや流れを簡単解説

ジョブ型研究インターンシップとは、文部科学省がおこなう研究に特化したインターンシップ制度のこと。

近年ジョブ型採用が注目される中、専門性の高い人材を採用する手段として、大学院生をターゲットとしたジョブ型研究インターンシップに参画する企業が増えています。

この記事では、ジョブ型研究インターンシップの概要や流れ、参画するメリットについて紹介します。

近年注目されるジョブ型採用

ジョブ型採用とは、職務内容に応じて適切な人材を採用する手法のことです。欧米では主流の採用方法としてすでに定着しています。

日本では採用した後に職務を割り当てる「メンバーシップ型採用」が一般的であり、それに代表されるのが新卒一括採用です。

働き方の多様化が進み従来の採用方法では優秀な人材の獲得が難しい現代において、職務の遂行に必要なスキルや特性を持った人材を採用するジョブ型採用が注目を集めています。

経団連がジョブ型採用の推進に言及していることから、今後新卒採用においても導入する企業が増えることも予想できるでしょう。

ジョブ型採用は、業務範囲を限定するため、専門的な知識や技術を要する職務の採用に適しています。そのため、IT分野での人手不足解消の一助になると期待されている採用手法です。

ジョブ型研究インターンシップとは

ジョブ型研究インターンシップとは、学生が単位を取得しつつ有給で企業の研究インターンシップに参加する制度のことです。

対象は、研究の遂行に必要な基礎的なスキルを持った大学院生とされています。

「今後拡大が見込まれるジョブ型採用を見据え、産業界と大学が連携して大学院教育を行い、国際競争に耐え得る研究力に裏打ちされた実践力を養成すること」を目的として2021年度より文部科学省のもとで試行的に開始されています。

また、近年では単位は取得できないものの、専門職のインターンシップを導入する企業も増えています。ジョブディスクリプションを公開した上で学生を募集することで、専門性の高い人材の採用を図っています。

(参考:文部科学省「ジョブ型研究インターンシップ(先行的・試行的実施)実施方針(ガイドライン)」

ジョブ型研究インターンシップのメリット

ジョブ型研究インターンシップのメリットを学生側・企業側にわけてみていきましょう。

学生側にとってのメリット

学生がジョブ型研究インターンシップに参加するメリットには、主に以下のようなものがあります。

  • より先端的な研究を体験できる
  • キャリアに対して具体的なイメージを持ちやすい
  • 自分の実力が客観的に把握できる
  • 研究の幅が広がる
  • 進路の可能性が広がる

ジョブ型研究インターンシップに参加し企業で実務に当たることで、卒業後の自身のキャリアに対して具体的なイメージを持ちやすく参考にできるというメリットが挙げられます。

企業の研究レベルを知ることで、自分の実力や専門性を客観視でき、研究の幅を広げるよいきっかけにもなるでしょう。

先端的な研究プロジェクトへの参加やチームで仕事を進める実践力の養成なども大きなメリットと言えます。

また、企業理解を深めることで、その企業のよさを知ることもできます。就職先として自分に合っているかどうかの見極めにも役立ちます。

企業側にとってのメリット

ジョブ型研究インターンシップで学生を受け入れることにより企業側が得られるメリットには、以下のようなものがあります。

  • 即戦力を見つけやすい
  • 学生の知見を得られる
  • 学生採用のアプローチが恒常的にできる

企業側の大きなメリットとして、優秀な学生の採用機会を得られることが挙げられます。

ジョブ型研究インターンシップは、大学院生をターゲットとしたジョブ型採用の間口拡大につながります。

学生に自社を知ってもらうきっかけにもなり、就職先の一つに選ばれる可能性も。実際に仕事を体験しているため、採用後のミスマッチも防げます。

たとえ採用できなくとも、固定概念にとらわれない学生の知見は、企業の研究を加速し新たな領域の開拓に貢献してくれるでしょう。

将来性のある学生の受け入れは、企業で働く他の従業員にとってもよい刺激となり、企業の競争力向上も期待できそうです。

ジョブ型研究インターンシップをおこなうには

企業がジョブ型研究インターンシップをおこなうためには、文部科学省のジョブ型研究インターンシップ推進協議会への参画が必要です。

参画要件を満たした上で文部科学省の公募に応募しましょう。

インターンシップの契約方法は、直接雇用型と共同研究型の2種類があり、直接雇用型の場合は企業が学生を選考し、共同研究型の場合は大学が学生を選考します。

また、企業はインターンシップ実施後に学生に対する評価をおこなう必要があります。

決められた評価項目により評価書を作成、面談を通じてインターンシップを総括し評価証明書を発行するという流れです。

(参考:文部科学省「ジョブ型研究インターンシップ(先行的・試行的実施)実施方針(ガイドライン)」

まとめ

ジョブ型研究インターンシップは、新たな制度として2021年から試行的に開始されています。

社会情勢の変化などにより近年注目を集めるジョブ型採用へとつなげ、専門性の高い優秀な学生を採用する機会として参画する企業が増えています。

研究に従事する高学歴の人材採用を検討している企業は、ジョブ型研究インターンシップに参画してみてはいかがでしょうか。

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