入社を控えた内定者に辞退されてしまうと、これまで採用活動にかけた工数や時間が無駄になってしまいます。
ツール制作は内定承諾率を上げる一つの方法として、効果が期待できる施策です。
内定承諾率を上げるためには、どのようなツールが効果的なのか頭を悩ます採用担当者も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、内定承諾率の向上につながったツール制作事例と、ツールを制作する際の注意点についてご紹介します。
目次
内定承諾率を上げるのにツール制作が有効な理由
就職活動における学生の心理を調べたところ、初期接点から志望度は徐々に上がっていきますが、最終選考や内定承諾前に一度志望度が下がる傾向にあります。
これをいわゆる「内定ブルー」といいますが、この時期の学生は「本当にこの会社でいいのか」という迷いや不安を抱えていると考えられます。
迷っている学生の背中を押し、内定承諾率を上げる一つの方法として有効なのが採用ツール制作です。
採用ツールと呼ばれるものには、採用に特化した自社Webメディアの「採用ホームページ」や「採用オウンドメディア」などがあります。
また、現在のコロナ禍ではオンライン採用が一般的となり、対面で会う機会がないまま内定を出すケースも珍しくありません。
このような背景もあり、内定者に直接手渡しし、人の温もりを感じさせる紙ツールの「クロージングブック」なども、内定承諾率を上げるツールとして注目されています。
内定承諾率の向上につながったツール制作事例4選
カケハシ スカイソリューションズ(以下カケハシ)が携わった企業のツール制作事例について、内定承諾率の向上につながったポイントを解説します。
事例(1)合同企業説明会でターゲットに響く広報ツールを制作し、母集団形成に成功
合同企業説明会は学生との初期接点です。たくさんの学生に会えますが、採用ターゲットではない学生が集まってしまうケースもあります。
自社の採用ターゲットに沿った母集団に変えるため、会場の装飾や入社案内などの広報ツールをテコ入れしました。
具体的には、学生が知らない企業の魅力を打ち出した装飾を施し、入社案内ではキャリアステップや社内制度を丁寧に紹介。母集団形成を効果的に行うことで、内定承諾率の向上につながります。
事例(2)採用オウンドメディアを内定者フォロー研修施策に活用し、社員意識を醸成
採用オウンドメディアを内定者フォロー研修施策に活用し、定期的に学生と接点を持つことで内定承諾率が向上した事例です。
ポイントはコンテンツ制作に内定者を巻き込むこと。
「内定者インタビューに登場してもらう」「内定者に採用活動の改善点やコンテンツ案を一緒に考えてもらう」などの研修を実施し、会社の一員としての仲間意識を醸成しました。
情報発信を内定承諾率につなげるというより、内定者との接点機会をどれだけもつかを重視したツール活用施策です。接点が多いほど志望度は高まり、内定辞退を防止できます。
事例(3)社員の親が登場するクロージングブックで、正しい企業理解を促進
どんなに内定者本人が入社を希望していても、家族から反対されて内定を辞退してしまうケースもあります。
家族の反対による内定辞退に課題があった企業では、既存社員の親が登場する「クロージングブック」を制作。
親目線で「この企業に入って我が子はどう成長したのか」を語ってもらうことで、内定者の不安解消とともに、内定者の親への正しい企業理解を促進できました。
家族が反対する理由の多くは、「企業理解度の低さ」や「業界に対する先入観」によるものです。内定承諾率を上げるためには、内定者本人だけでなく、内定者の家族へのフォローも重要だといえます。
事例(4)内定者への手紙
採用人数が多くない場合、内定者一人ひとりに手書きの手紙を渡すのも、内定承諾率を上げる秘訣です。
社長や採用担当者に内定者の「どこを評価しているか」「どのように活躍してほしいか」についてインタビューを実施し、その内容を反映した内定者への手紙を制作しました。
手紙を受け取った内定者は承認欲求が満たされ、内定承諾の動機形成につながりました。
ツールを制作する際に注意したいポイント
内定承諾率を上げるためのツールを制作する際は、どのようなことに注意し、また実際に制作したツールはどのように活かしていけばよいのでしょうか。
クリエイターとして多数の広告賞受賞実績があり、企業の採用サイトの企画・制作に携わる担当者に、押さえておきたいポイントを聞いてみました。
クリエイティブ事業部 ゼネラルマネジャー
ツールを制作する際の注意点とは?
内定承諾率を上げるための施策は、「内定出し」の前だけ頑張っても意味がありません。
1~3次選考や最終選考といった採用プロセスの過程で、ツールを活用しながら定期的に内定者とコミュニケーションを図るのがおすすめですね。
例えば、2次選考に進む合格者に1次選考の面接官からのメッセージを手渡します。
メッセージには、面接官の視点で選考に合格した理由や改善点などを書きます。内定者にとって就職活動に活かせる内容ですね。
選考が進むごとに採用担当者からのメッセージが増えていき、内定者の志望動機はその都度高まっていきます。志望動機が高い状態を保つことで内定辞退防止にもつながりますね。
制作したツールはどのように活用していけばよい?
ある企業では、最終面接で手渡すツールとして「クロージングブック」を制作しました。
最終面接では、内定者に不安な点を聞き、その不安に対して社長自らクロージングブックを使って説明しました。
社長が内定者に自社の魅力をプレゼンすることで、内定者も親に説明できるようになることがポイントです。
最近では親に反対されて内定を辞退する学生もいるため、ツールをどのように活用すればより効果を高められるかも想定しておきたいですね。
まとめ
採用ツール制作は、内定承諾を迷っている内定者の背中を押し、内定承諾率を上げるための方法として有効です。
内定承諾率を上げるツールには「採用オウンドメディア」「クロージングブック」「内定者への手紙」などがありますが、自社が抱える採用課題によって制作するツールを選ぶことが大切です。
今回の記事で紹介した事例を参考にして、自社に合った採用ツールを制作してみてはいかがでしょうか。
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