日本の恒例行事である新卒一括採用。
大卒有効求人倍率はおよそ1.8倍ですが、中小企業(300人未満の企業)は8.62倍になり、前年の9.91倍から低下したものの、依然として高水準です。
空前の売り手市場といわれてますます難しくなってきている新卒採用市場。その中で新卒採用を成功させている中小企業がなにをやっているのかをご紹介いたします。
目次
中小企業向け|採用成功のための5ステップ
中小企業が新卒採用を成功させるために取り組むべき施策は以下の5つのステップに分かれます。
- 採用ターゲットと採用コンセプトの定義
- 学生をグリップする選考フロー
- 大手にまけない合同企業説明会
- インターンシップでターゲット学生と早期接触
- 大手と同じではない!?中小企業の面接術
STEP1.採用ターゲットと採用コンセプトの定義
新卒採用を成功させるためにまずやることは、採用ターゲットと採用コンセプトの定義が欠かせません。
採用ターゲットは「どんな学生が欲しいのか」で、採用コンセプトは「その学生にどんな魅力を訴求するのか」ということです。
採用ターゲットをまずはどんな人が自社に多いのか、どんな人だとマッチして離職せず、活躍しているのかを洗い出しましょう。
「まってまって、学生の分析をすべきじゃないの?」と思われる方もいるかもしれません。
もちろん学生の分析も大事ですが、その前に貴社で活躍している人にどんな人が多いのかを考えてみましょう。
貴社で活躍している人は、貴社の価値観や働き方にフィットしているのだといえます。入社後のミスマッチを防ぐためにも、どういったターゲット設定をしていくかは時間をかけたいところです。
STEP2.学生をグリップする選考フロー
採用を成功させるためには選考のフローもターゲットに合わせて構築しなければなりません。
例えば…
- 何次面接まで設けるべきか
- 説明会は何月の開催がいいのか
- 説明会で話す内容はどんなものがよいのか
- 説明会と1次選考の間隔はどれくらいがいいのか
- 面接官は誰がいいのか…などなど
考えられる要素はたくさんあります。さきほど設定した採用ターゲットの学生に合わせて、どのような選考フローがそのターゲットに適切なのかを相手視点で考え、整備していきましょう。
STEP3.大手に負けない合同企業説明会
選考フローが整備できたら、次はそのフローに乗ってもらうためのきっかけ作りです。合同企業説明会にでて、貴社のターゲットとたくさん接触しましょう。
大手有名企業の場合は、学生はもともと企業のことを知っており、特に採用の打ち出しをしなくても自然と応募者が集まってきます。
しかしながら、中小企業の場合は学生は簡単には集まってくれません。合同企業説明会に出ても見向きもされないなんてこともしばしば…。
ただそれで中小企業は合同企業説明会には向いていないとは思うなかれ!きちんと武器を準備することで、母集団を増やすことに大きく貢献してくれます!
例えば…
- 採用コンセプトに沿った合説の装飾を作る
- 合説用のバラマキチラシを用意する など
貴社ならではの「武器」を作成することで、着席数を伸ばすことができます。
また着席数が増えるだけではなく、その「武器」を駆使することで貴社にフィットしたターゲットに対して、魅力が訴求できます。
入社後のミスマッチ防止など、離職率などの副次的な効果が期待できます。
STEP4.インターンシップでターゲット学生と早期接触
合同説明会で母集団を確保できたら、学生にとって魅力となるインターンシップを用意しましょう。学生にとっての魅力的なインターンシップの条件としては、以下があげられます。
- 会社のことだけではなく、業界のことを知ることができる
- グループワークなどを通して自分またはチームにフィードバックをくれる
総じて、「このインターンシップに参加したら、成長できそう」ということが大事です。というのは最近の学生は会社に「成長」を求める傾向が強いからです。
マイナビサポネットによると、 2020卒の学生が会社を選ぶポイントで、「自分が成長できる環境がある」を選んだ学生は4割います。
また1dayインターンシップよりも3daysや5daysのインターンシップにすることが大事です。
これは「1day インターンシップ」と銘打って、実際のところ会社説明しかやっていない企業が増え、学生や大学から評判が良くないからです。
STEP5.大手と同じではない!?中小企業の面接術
さていよいよ面接。 貴社の選考に応募してくれる学生にまずは感謝するというスタンスを持ちましょう。数多ある企業の中で、貴社を選んでくれたことはとても貴重なことです。
そのうえで面接などの際に前提として「学生を選ぶ・見極める」という視点だけではなく、「学生に選んでもらう」という意識を持ちましょう。
売り手市場では企業を選ぶという構造になるのが、自然の摂理。面接は学生を見極める時間ですが、それと同時に「学生に会社の魅力を訴求する」貴重な時間でもあります。
説明会やインターンシップで伝わらなかった魅力を伝えてあげること、伝わっている魅力をより感じてもらうことが大事です。
新卒採用で大事なのは「採用ターゲット」と「採用コンセプト」の設定
いかがでしたか?中小企業でも採用成功するための5ステップをご紹介いたしました。
どんな施策を打つにしても、大事なのは「採用ターゲット」と「採用コンセプト」をしっかり企業にあったものができているかというところです。
ここがしっかりできていないと、入社してからも定着せず、離職してしまうことも…。もう一度ステップ1からの繰り返しなんて嫌ですよね。
採用が上手くいっていない企業の皆様は、「自社のターゲットはどういう学生なんだろう」「その学生に訴求できる自社の魅力ってなんだろう」という点を見直してみてください。
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