昨今、人材の獲得競争が厳しくなるなか、新卒採用を初めて実施するのでどうしたらよいかというご相談をいただくことも増えています。
相談内容は求人広告の書き方から、説明会や選考の進め方、学生連絡時の注意点など様々。
細かなポイントをあげていくときりがありませんが、今回は初めて新卒採用に取り組む際に必ず押さえておくべき4つのポイントについて述べていきたいと思います。
目次
新卒採用で中小企業が陥りがちな4つの課題と解決策
- 動き出しが出遅れる
- 流行に振り回される
- 採用にかける熱量が不足している
- 情報が少ない
よくある課題1.動き出しが出遅れる
新卒採用は中途採用と異なり、各社が情報収集を開始する時期と、実際に学生と接触を開始するまでに長い期間があります。
この、まだ時間がたっぷりある感が1つ目の落とし穴です。時間があるので、しっかりと採用活動のディテール詰めてから動き出そう。念入りに情報収集をしてから動き出そうと過度に力が入りがちです。
その一方で日常業務は忙しいため、パワーのかかることはついつい後回しになりがちで着手が遅れる、検討期間が間延びするという景色がよく見られます。
この出遅れが、近年の新卒採用活動では致命的になりつつあります。というのも、採用を成功させるうえでは学生との出会いをつくる広報施策がまず大事になります。
たいていの効果的な広報施策は枠数が限られており、利用月の半年以上前に枠が埋まってしまっているということも珍しくありません。
結果、採用活動の詳細を詰めきったけれども、肝心の学生と出会う術がなくなっていたということが起こってしまうのです。
それらを踏まえて、「時間をかけて詳細を詰める→スタートをきる(発注をかける)」ではなく「スタートをきる(発注をかける)→時間をかけて詳細をつめる」という順番が大切です。
よくある課題2.流行に振り回される
少し前でいえば、SNSを使った採用活動。今でいえばインターンシップでしょうか。その必要性が様々なメディアで語られます。
母集団形成ができないのではという不安もあるでしょうし、周りがやっているからというのもあると思いますが、とかくあれもこれも手を出そうとしがちです。しかし、それでは予算がいくらあっても足りません。
また、採用数が一桁の場合、活動を多角化するよりも、選択と集中をかけた方が成果の面でも、コストとパワーの面でも優れていたということはよくあります。
具体的に、本採用に加えてインターンシップを実施する場合を例に考えてみましょう。本採用期間の広報費に加えて、インターンシップ期間の広報費がかかってきます。
加えて、学生が入社してくるまでに出会ってから1年半から2年たつこともあります。これをインターンシップをやらないと決めることで、広報費を半分に圧縮することができ、浮いた分の費用を学生と接触して以降の施策に充てられるようになります。
企業理解を深めるためのツールを作る。あるいは内定辞退を防止するためのツールをつくるなど。いろいろ考えられます。
入社までの期間も短くなるため、より密度の濃いフォローができるようになるかもしれません。
このように、自社の採用人数、求める学生像、かけられる費用とパワーによって最適な採用活動はかわってきます。
トレンドはトレンドとして踏まえつつも、自社の状況と照らして考えてみることが大切です。昨今、採用サービスの多様化が進んでいますので、検討の早いタイミングで私たちの様なコンサルティング会社に話を聞いてしまうのもいいでしょう。
よくある課題3.採用にかける熱量が不足している
採用活動3年目のジンクスがあります。
採用に携わるスタッフの人数が増えスキルも高まっている 毎年の活動結果を受けてPDCAもしっかりまわしている
にもかかわらず3年目あたりで失敗をするのです。こまかい要因は多々あるのですが、最も大きな要因は慣れからくる採用に対する「熱量」の低下です。
企業選択の決め手が待遇や条件が重要になる中途採用とは異なり、新卒採用は人が重要になります。誰が、どんな話を・どれだけの熱量でするのかが結果を大きく左右します。
そのため、至らない点ばかりだったけど熱量をもったメンバーで取り組んだ初年度が、最も優秀な人材が採用できたという現象がよく起こるのが新卒採用活動です。
自社の採用にかける意気込みはいかがでしょうか。初めての挑戦なので「業務の隙間時間をみつけて細々と・・・」「現場の負荷をかけないように●●部門でとりあえず動いてみる・・・」という姿勢では、採用競争が激しい今の時代にそれで成功するのはなかなか難しいでしょう。
まずは熱量を持って採用チームを編成すること、学生と対峙することを大切にしてみてください。それだけで、多くの課題を乗り越えられるものです。
よくある課題4.情報が少ない
業務全体を把握できた2年目は驚くほど楽にできるのですが、初年度の採用活動はとにかくバタつくものです。
そのため、何人のエントリーがあったのか、そのうちの何人から予約があって、実際に参加した人は何人なのか。
いつどんな施策を打ったのか等の整理が後手に回り、気づいたら時間が経過してはっきりしたことがわからなくなっていたということが往々にして起こります。
競合企業の増加、学生の志向の多様化、採用手法の多様化が進み、採用活動の難易度が高まる中、質の高いPDCAが採用成功の確率を高めるためには欠かせません。
自社でPDCAを回せなくても、データがあることで他者からのアドバイスを受けることができます。分析する軸を決めて、活動の中で都度データを蓄積していくことを意識してみて下さい。
最後に
新しいことをはじめると様々な壁が立ちふさがってくるものです。しかし、新卒採用はそんな苦労が吹き飛ぶくらい、素晴らしい活動だと私は思います。
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