「無名」の「中小企業」の採用を成功へ導くユニークな会社説明会２選

採用市場は依然として売り手優位の状況が続いています。

そんな中、学生からの認知度がそこまで高くない中小企業は、どうやって学生に自社を認知させようかと頭を悩ませているのではないでしょうか。

そこで本記事では、多くの中小企業が人材採用に苦戦する中、自社に合った人材を採用するため、「ちょっと変わった会社説明会」を実施している2社の採用成功事例を紹介します。

事例（１）理系殺到！謎解き脱出ゲーム型会社説明会

まずは理系学生が殺到した、謎解き型の会社説明会からご紹介します。

大阪に本社を構えるH社は、100年の歴史をもつ大阪の老舗メーカー。

採用ターゲットは行動力・チャレンジ精神のある学生(特に採用難易度の高い機械・電気系学生）なのに、合同説明会に出展しても大手・安定志向の学生ばかり集まってしまい、ある年は合同説明会に出展しエントリーを725人確保したものの、説明会参加者はわずか23人。

8名に内定を出して5名が辞退という結果に終わっていました。

合同説明会は、特に中小企業にとって動員数を増やし、採用成功の可能性を高める非常に重要なチャネル。

ナビからのエントリー増を見込みにくい企業にとっては、母集団を増やす最大の伸びしろになり得ます。

ただし、大事な初期接触の合同説明会で、誰が何を伝えるのかという【ターゲットとコンセプトの設定】が明確ではない、もしくは勝算の高いターゲットとコンセプトの設計ができている企業は多くないのではないでしょうか。

前述のH社の場合、まずは新卒採用の全体コンセプトを大きく見直すことからスタート。

社長や社員・内定者へ取材を通じて明確になったターゲット人材（何事にも興味をもって行動し、変化を楽しめる学生）から興味を持ってもらえるように会社の強みを再整理。採用コンセプトを明確に打ち出しました。

採用コンセプトを具現化する施策の1つとして、当時大阪では真新しい謎解き脱出説明会を導入しました。

合同説明会ではチラシを配布し大々的に告知。説明会参加率の向上と、面白そうな会社！というイメージ浸透に努めました。

謎解き脱出説明会効果で、説明会参加者は前年比約10倍の216名（文系142名、理系74名）を記録。ターゲット学生の参加も多く、動員は数・質ともに大幅に改善しました。

選考通過者への細やかなフォローもあって9名が内定を承諾。

また、謎解き脱出説明会はABC朝日放送「キャスト」テレビ大阪放送「ニュースリアルKANSAI」にも取り上げられるなど、企業のイメージアップにも寄与しました。

次に、岡山県で初めて映画館で会社説明会を実施したユニークな事例をご紹介します。

岡山に本社を構えるC社はトラックを販売する中小企業。

「車に興味がある」という学生はいるものの、「トラック」に興味がある学生とはなかなか出会うことがなく、トラックに興味を持ってもらうことに苦戦していました。

会社説明会の会場は自社の会議室もしくは貸会議室だ、という企業が圧倒的だと思います。学生に知名度のないC社も同様に貸会議室で会社説明会を行っていました。

しかし、自社に興味を持ってもらうための施策の一つとして「映画館」での会社説明会を開催。映画館を数時間貸し切り、謎解き脱出説明会を実施しました。

さらに説明会のスタートおよびラストには映画館ならではの大きなスクリーンをフル活用し、トラックの迫力ある映像を上映することで、トラックへの魅力喚起に一役買いました。

2社に共通して言えることは、採用の観点から会社のブランディングを高めていこうと奮闘されているということ。

ちょっと変わった採用をおこなっていることによって、「キャパがある会社だな」って思ってもらえたり、「エッジが効いている人材を採用しているんだな」といったイメージを醸成させています。

学生から「おもしろそうな会社だな」と認知してもらうための施策は、会社説明会の内容・場所・キャストを変えることから、すぐにでもスタートできます。

採用活動に苦戦しながらも、採用の方法が凝り固まってしまったまま、従来の方法から抜け出せないジレンマを抱えている中小企業が多くいらっしゃいます。

そんな企業こそ、採用コンセプトやコンセプトに沿った採用手法の見直しをおこなってみてはいかがでしょうか。

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