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産業インフラを支える王子工営中部株式会社-創業150年を誇る企業グループ傘下での確かな実績とアットホームな雰囲気が魅力-
近年、多くの業界が内定承諾を得られない、若手が集まらないなど、採用活動に苦戦を強いられており、建設・設備工事業界も例外ではない。人手不足の背景には、少子高齢化や団塊世代の退職による労働人口減少などが挙げられる。
若手人材の確保は、業界全体の持続可能な発展を支える喫緊の課題であり、積極的に取り組む必要があるのだ。
こうした状況を打開すべく、王子工営中部株式会社(愛知県春日井市)でも、OJT研修を取り入れ未経験者の採用に取り組んでいる。同社は、製紙工場や水処理プラントなどの産業設備の施工・メンテナンスを手掛ける企業だ。従業員90名のうち、20代と40代がボリュームゾーンで未経験からの入職者も多いという。
代表取締役社長の青山幸嗣さんは、「大手企業の安定性と中小企業の柔軟性を兼ね備えているのが当社の強みです」と話す。同社ならではの強みや教育体制、求める人材について話を聞いた。
愛知県春日井市に拠点を置く王子工営中部株式会社の事業内容と強み
愛知県は、自動車を中心に、ロボット、セラミック・ガラス、電子機器など、さまざまなモノづくり産業が集まる地域。自動車生産台数は国内トップクラスを誇り、世界でも有数の自動車産業の集積地となっている。
愛知県春日井市に拠点を持つ王子工営中部株式会社では、製紙工場や製紙プラントなどの産業設備の施工・メンテナンスを手掛けている。新一万円札の顔である「渋沢栄一」が1872年に創設した、日本最古の株式会社である王子ホールディングスのグループ企業だ。
「私たちは主に2つの事業を手がけています。ひとつは、王子グループ大手製紙会社における工場設備の修繕や改造工事を請け負う内販事業です。内販事業が年間受注量の約半分を占める大きな柱となっています。そしてふたつめが、大型プラント工事を行う外販事業ですね。地方自治体の上下水道施設、発電所や変電所、航空機関連施設といった、産業インフラを支える重要な役割を担っています」
外販事業で用いる機器や部品の多くは、本社にある自社工場の製造部門が詳細設計から製造までを一貫して行っている。
「メーカー各社の基本設計に基づいて当社で製作した機器や部品を、地方自治体が管理する浄水場や排水場に納入して据付工事まで行います。品質管理とコストダウンを両立しながら顧客のニーズに合わせて柔軟に対応できるのは、当社の大きな強みだと思います」
安定した経営基盤とアットホームな雰囲気が魅力
現在、同社で働く従業員の年齢層は、20代と40代が全体の半数以上を占めているという。20代と40代で年齢に開きがあり入社時期も異なるが、新卒・中途関係なくそれぞれの経験・スキルを活かしながら協力し合いながら仕事を進めている。
仕事中は緊張感があるものの、仕事が終われば従業員同士で冗談を言い合い、楽しそうに会話を交わす。このようなメリハリのある職場の雰囲気も、従業員を引き付ける魅力なのだろう。
「うちは、中小企業らしいアットホームな雰囲気と、母体が王子ホールディングスという大企業グループの安定性を持ち合わせています。コンプライアンスや労務管理などは大企業並みの体制が整い、現場では柔軟で風通しの良い職場環境が維持されているので、働きやすい環境だと思いますね」
建設・設備工事業と聞くと「休みが少ない」「長時間労働」といったイメージを持たれがちだが、同社では有給休暇取得率向上や、時間外労働管理の徹底を行うことで、こうした問題が一切ない。業績の悪化や不安定な経営で悩む前職を離れ、こうしたホワイトな企業文化に魅力を感じて入社する従業員も多いようだ。
採用ではスキルよりも体力や向上心など総合的なポテンシャルを重視
同社が一緒に働きたいと思うのは、どのような人なのだろうか。青山社長に尋ねると、「ある程度の体力と向上心の高さ」という答えが返ってきた。
「大型設備の組み立てやメンテナンス作業などを行う現場において、高さが10mもある勾配の急な仮設階段を昇り降りして資材を運ぶのは日常茶飯事です。このような作業環境ではある程度の体力が求められるので、面接では学生時代にスポーツをやっていたかどうかを確認していますね。スポーツ経験があるかどうかは、その人の体力を判断する指標になるんです。スポーツ経験者は、動きが機敏でスタミナがあり、さらに忍耐力も備わっているため、体力勝負の現場に向いていると思いますね」
ベテラン社員との作業を通じて安全意識を高める
現場では、体力面だけでなく、危険を察知し適切な行動をとれる安全意識の高さも求められる。
「うちは業界未経験者が多いので、専任指導員として先輩社員が新入社員の教育を担当するようにしているんです。入社してから半年間、新入社員はベテラン社員の指導のもと、安全に仕事を行うための判断力を身につけてもらいます。 当社では扱う仕事がその日によって違うので、ベテラン社員の仕事を見て覚え自分で判断する力を養っていくんです」
未経験者でも、数年の経験を積むことで、自らの判断で仕事ができるようになる。最初は単純作業から始め、徐々に難易度の高い作業にも参加できるレベルまで引き上げていくのだ。
中には、未経験入社からわずか1年目で工事監督に抜擢された優秀な人材もいたという。指示出しや進捗管理など、現場を指揮する立場にある工事監督には、どのようなスキルが求められるのだろうか。
「コミュニケーション能力の高い人材は、高く評価されますね。ここでいうコミュニケーション能力というのは、周囲の状況を見極め、適切なタイミングで声かけを行い、作業を円滑に進めていけるスキルです。現場で扱う機器は、軽いものから重量30トンを超えるものまでさまざまで、危険を伴う作業も多く発生します。安全に作業を進めるためには、作業中の合図や確認といった作業員同士のコミュニケーションが何よりも重要なんです」
同社では、積極的に求人募集を行っており、作業員としても監督者としても活躍できる人材を募集しているという。
「学歴は一切関係ありません。学歴や経験よりも、安全意識への高さやコミュニケーション力、そして向上心を持った人材を重視しています。体力に自信がある方、金属質の機械を扱っていた経験がある方、もちろん未経験者のご応募も大歓迎です」
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