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【三重大学】「地域の製造業の生産性向上・経営革新を担えるDX推進人材の育成プログラム」でDX・ICTに強い人材を育成
コバルトブルーの町屋海岸に面した三重大学キャンパス。波の音と潮の香りが心地よく、まさに“シーサイドキャンパス”の名にふさわしいロケーションが魅力だ。
同校では、2023年9月からリカレント教育事業「地域の製造業の生産性向上・経営革新を担えるDX推進人材の育成プログラム」を新たにスタートした。このプログラムでは、地域の製造業に従事する社会人を対象に、DXに関する知識やスキルを身につけてもらうことが目的だ。
プログラムの内容や特徴について、三重大学リカレント教育センター 小林一成センター長に話を聞いた。
<地域の製造業の生産性向上・経営革新を担えるDX推進人材の育成プログラムの詳細はこちら>
知識・スキルをアップデートする場が必要
少子高齢化、人口減少、労働者不足などの社会的な課題に直面し、業界のニーズも変化している昨今。技術の進展や市場のグローバル化に伴い、日本的経営の特徴である終身雇用や年功序列の見直しが進められている。
また、転職を通じてキャリアアップし、生涯現役で働き続けるという選択肢も、新しいライフスタイルとして広がりを見せている。
こうした時代の変化に対応するためには、新しい知識やスキルのアップデートが必要不可欠だ。高等教育で学んだ知識や就職先で得たスキル・経験だけでは、立ち行かなくなっている。
「18歳人口が減り続け、多くの職種・業界が深刻な人手不足に陥っています。厳しい人手不足に対応するうえで必要なのが、一人ひとりの生産性を向上することです。そのためには、経験豊富な社会人が新しい知識・スキルを身につけるリカレント教育が欠かせません」(小林センター長、以下同)
より多くの人が生き生きと働き続けられる社会を実現するべく、三重大学は2022年4月、社会人の学び直しに特化した「リカレント教育センター」を開設。 同年7月に「DXによる中小企業の事業再構築・新事業創出を担える人材の育成プログラム」を開講した。
「本プログラムは、デジタル化に必要な基礎知識・スキルとプロジェクトマネジメント能力を併せ持った人材育成を目的としています。2023年2月には、21名の社会人に修了証書を授与し、好評のうちに初年度のプログラムを無事終了できたことは、大きな成果と考えています」
学び直しに意欲的18名の社会人が参加
2023年は昨年からの継続プログラムである「DXによる中小企業の事業再構築・新事業創出を担える人材の育成プログラム」に加えて、「地域の製造業の生産性向上・経営革新を担えるDX推進人材の育成プログラム」を新たに開講した。
「デジタル技術の進歩に伴い、プログラミングスキルやIoTといったICT分野の専門性が求められています。プログラミングスキルは、情報システムやアプリケーションの開発に必要不可欠です」
新たなプログラムは、前年度開講のプログラムにPythonプログラミングとIoT(Internet of Things)の講義・演習の項目を追加し、プログラミングスキルやICT分野の専門性も高めるのが狙い。製造業の就業者を対象として募集したが、建設業や農業、卸売業など幅広い職種で活躍する社会人18名が受講した。
受講期間は、2023年9月〜2024年2月までの6ヶ月。受講者は、地域イノベーション学や知的財産マネジメントなどプロジェクトマネジメント分野と、DX経営、データ活用事例といったデータスキルの両方を学ぶ。
「座学だけでなく、データ活用している企業視察やBI実践グループワークといった対面授業も行います。受講生は、所属企業が抱える事業課題を自ら設定し、デジタル技術を活用して解決する方法を実践的に学べるカリキュラムが特徴です。受講生の成長と実務に活きるスキル習得の機会にしたいと考えています」
受講時間は、座学と実習を合わせて75時間となっている。費用10万円(税込)で即戦力として戦う知識・スキルを身につけられるのは、コスト効率の良い投資であると言えるだろう。
「今後は、リカレント教育プログラムを大学と同じような仕組みにしていきたいです。受講者同士のコミュニケーションを促進するオフィスアワーを設けたり、同窓会を作ったり。受講者の学びをより深いものにし、社会で活躍できる人材を育成していきたいと考えています」
「スキルが低く自信を持ってお客様への対応ができない」
「専門性を高めてキャリアアップしたい」
「社員が定着しないやめてしまう」
「人材育成したいがうまくいかない」
こういった悩みを持つ経営者層は、三重大学のリカレント教育に参加してみてはどうだろうか。