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大分県への移住×転職プロジェクト!Uターン・Iターンで新たなチャレンジを
令和3年度から大分県では複数の移住支援を掲げており、IT業界や福祉業界の人材不足解消と地域創生を同時に行う。
「地方で働きたいけどキャリアアップを目指せるか不安。そんな悩みを解決するために、大分県はスキル獲得から移住・転職までのサポート体制を整えています」
そう話すのは、大分県おおいた創生推進課でプロジェクト担当の浅利様。
今回は浅利様に大分県の移住プロジェクトや支援内容について話を聞きました。
ITスキル習得と移住を支援!おおいたIT移住プロジェクト大分県企画振興部おおいた創生推進課移住定住促進班主査
大分県企画振興部おおいた創生推進課移住定住促進班主査
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ITスキル習得と移住を支援!おおいたIT移住プロジェクト
IT人材の創出と移住支援を実施する「おおいたIT移住プロジェクト」
「おおいたIT移住プロジェクトでは、大分県への移住希望者向けにプログラミングスクールを無料で開講しています。
エンジニアやWebデザイナーになりたい方、特に女性に人気が高く、受講した上で実際に大分県でIT技術者として働いていただくといったようなプログラムです。」
こうした取り組みは全国的に見ても珍しいものだ。
このプロジェクトは、大分県に限らずIT人材不足と言われている中、首都圏だけではなく地方にもデジタル人材が広がる(穴埋めできる)ことで、地域創生に繋がる機会にもなっている。
「実際に行なっている受講内容としては、移住するまでの期間にオンラインでプログラミングやデザインの勉強をチャット形式で行い、RubyやPHP、Javaなど多数の言語に対応しています。
また、移住希望者が現在住んでいる場所から大分県まで2回分の交通費・宿泊費の旅費支援も可能です。」
実際にプログラミングを教える講師は現役のエンジニア。
流動的で常に必要なスキルが変わるIT業界において、現役のエンジニアから実戦で使える技術を教わることができるのは未経験者にとって大きなメリットではないだろうか。
「企業紹介についてはスクールを行うおおいたクリエイティブアカデミーと大分県産業人財センターがタッグを組み、実際に求人をお見せしながら紹介をしています。」
基本的にはスクール受講のみで終わる支援も多いが、大分県の支援内容は就職・転職・起業までのサポートも行なっており、例えば、ポートフォリオの作成支援、面接対策、エントリーシート作成やレベルに合わせた企業紹介までのサポートがある。
実際に他県からIT移住プロジェクトを活用して大分県に移住した方では、全くの未経験からスクールでスキルを学びIT人材として大分県で活躍中で地元メディアにも取り上げられた。
なぜ、移住支援を始めたのか。そのきっかけとは
大分県に魅力を感じたとしても、移住というものに焦点をおくと、一番の壁は「十分な生活ができる仕事があるのか?」ということに気付いた浅利様。
「特に大分という地方の県が、移住者を呼び込むには
”都会と同じような水準で生活ができるのか” ”やりがいを叶えてくれる場所はあるのか”
を気にしている人は多いのではないかと思う。そうした悩みを解決するために、移住×仕事の創生を支援する事業が必要だと思いスタートさせました。」
地方には都心でできるような仕事はない、給料が安いというイメージを持つ人も多いはず。
しかし、大分県内でも都内や都心部の大手企業と取引をしている企業もあるため、業務自体に大きな差があるわけではない。
生活費に関しても、都心部に比べ住居費などのコストも安く抑えられるため、生活水準自体は都会での生活と大して変わらないだろう。
資格取得支援あり!福祉医療スキルアップ事業をスタート
「ITだけではなく、介護・看護・保育の3職種を軸に就職支援も行っています。」
移住×転職で人気の高い職種を聞くと、福祉業界にある3職種を教えてくれた。
「福祉業界も人材がどんどん減っていく中で、人材不足が理由で施設が閉所に追い込まれるといった問題も出てくる中、そこにも支援を手厚くやりたいと思ってスタートしました。」
実際の支援内容としては、未経験の方向けに
- 保育士資格:無料の試験対策講座
- 看護:20万円
- 介護:9万円
研修費用に必要な同額分の支援金が用意されているのだ。
さらに、おおいたIT移住プロジェクト同様、福祉業界への転職に合わせて移住支援としても交通費・宿泊費を2回まで支援してくれる。
ただ、この福祉業界への支援サポートは1年目は想定よりも下回る5名の移住者数となったと浅利様は言う。
「その要因として考えられるのは、未経験から福祉業界の職種に興味を持ってもらうのと、移住を同時に進めるのはハードルが高いのではないかと分析しました。
そこで、未経験者だけではなく、経験者の転職まで対象者の幅を広げたんです。
おおいたジョブナビを経由して就職・転職すれば「単身:60万円」「世帯:100万円」を支援する制度があるんですが、その支援金をなるべく取れるように求人を出している企業にお願いしておおいたジョブナビに掲載してもらうようにしました。」
こうした支援対象条件の拡大や大分県内の企業協力もあり、翌年には約5倍の26名(定員30名)が集まった。その26名の中で人気の職業だったのが介護職。
「介護職は未経験者でも比較的就きやすい職業で、移住をメインに考えている40代以上の方が多かったです。都会でバリバリ働くと言うよりも田舎でゆっくり過ごしながら働きたいというニーズがあったかもしれません。」
移住者を多く呼び込めた要因はプロとのタッグ
どれだけ発信しても、まず初めの「人を呼ぶ」のに苦労したと浅利様は語ったが、その悩みを打破したのが外部との連携だ。
「人を呼びたいと、いくら発信しても仕事に紐付いた移住を希望する人がなかなか集まらない現状が続いていた中で、この状況を打破するためにYouTubeなどで転職に関する情報を発信するインフルエンサーとのコラボがきっかけでした。」
大分県では移住・転職希望者との面談を行い、その移住希望者を集めるのはインフルエンサーや人材紹介会社といったプロと連携を組み、希望者が多く集まる結果となった。
Dive OITAを活用すれば「自分らしさ」を大分県内で見つけられる
「若年層の方は大分から就職・転職で他県に出る方が多いです。その理由として、大分では自分らしく働ける会社がないのではと思われたり、そもそも仕事の探し方がわからないという悩みを聞きました。
そこで移住に加え、転職・企業紹介・起業を完全にサポートできる事業「Dive OITA」を、2023年夏にスタートさせたんです。
Dive OITAでは「キャリアアドバイザー」がつき、職業紹介〜転職支援までを行っています。
【地元に戻って働きたいけど、キャリアアップは難しいのかな】【都会もいいけどもっと自分らしく働きたい】こうしたことを求める人にアジャストしている支援内容です。」
20代・30代は、自分のキャリアやライフスタイルについて理想が具体的になりつつある時期だろう。
地元(大分)に戻りたい・住んでみたいけどキャリアに不安を抱える方に向け、専門のキャリアアドバイザーが、面談を通じ一人ひとりに合わせた支援を行う。
東京・大阪・福岡で就職・移住説明会を毎月実施
「大分県として【対面で話す・相談会を開く】ことを大切にしています。大分県の移住支援策や支援金のことについて話していることが多いです。直接話すことで、移住の壁や悩み、不安を解消したいと思っています。
おおいた暮らしの第一歩でイベント情報を常に出しているので、気軽に参加してください。」
説明会・イベントでは、各市町村も参加し、具体的にどこに住みたいかが明確になっている場合や、候補がある場合はそのエリアの担当者に相談することも可能。
交通会館(東京)やdot.(福岡)などで開催されている。
転職なき移住もあり
「大分県への移住は、必ずしも転職ありきで考える必要はないです。
実際に都心の大手企業に勤務されている方が、部署・支店移動もなしで在宅勤務制度を活用し移住しているケースも今となっては珍しくありません。
そして移住時に転職・就職しなくてもテレワーク移住者として支援金がもらえます。」
転職希望者や大分県外出身者だけが対象ではない移住支援制度。
大分県出身でも、1年間大分県以外に住んでいることがわかる住民票があれば対象になる。
仕事も住処も変えてとなると、移住の不安を感じるかもしれないが、今のワークバランスを保ちながら移住できるとなると、一気にハードルは下がるだろう。
大分県に飛び込んで(Diveして)ほしい!
浅利様から移住を悩んでいる人に向け「大分県に飛び込んで欲しい!」と最後の一言が伝えられた。
「転職自体にハードルを感じる人もいる中で、さらに移住が絡むとさらにハードルが高く思うのではないでしょうか。
ただ、今の時代は地方で転職して移住するという選択肢も、今後増えていく可能性は十分に高いのではないかと感じています。
悩み・不安を解決するサポート体制を整えているので、ぜひ飛び込んできて欲しいです。」
大分県には移住から仕事のことまで何でも相談できるだけではなく、ITスキル獲得や資格取得までのサポート、企業(求人)紹介まで行ってくれる移住支援は珍しいのではないだろうか。
移住に興味を持ち、仕事もプライベートも充実させたいと思う人は、ぜひ、おおいた暮らしの第一歩を踏み出して欲しい。