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江戸目高とは?生き物好きな店主が納得いくまで突き詰めためだか屋
2021年、東京墨田区にオープンした改良メダカ専門店「江戸目高」。店舗からスカイツリーを一望できる絶好のロケーションです。
2023年3月にリニューアルオープンし、敷地内にビニールハウス1棟と駐車場を新設。改良めだかの繁殖・販売に力を入れています。
江戸目高の店主 中村 勝さんに、改良メダカ専門店をはじめたきっかけや話を聞きました。
<江戸目高の公式HPはこちら>
めだかは一つとして同じ表現がないから面白い
「お客様から『卵を産んだんですよ!』や『ほかの品種にもチャレンジしてみたい』といった言葉をいただいたとき、達成感があります。お客様がめだかにハマっていく様子をそばで見られるのは、この仕事ならではの魅力です。仲間が増えたような気がして純粋に嬉しいんですよね」(中村さん、以下同)
中村さんがめだかに興味を持つようになったのは7年ほど前、趣味で飼っていた熱帯魚がきっかけでした。
「軍鶏(しゃも)を飼っていた祖父の影響で生き物が好きになり、ヘビやさそりを飼っていた時期もあります。以前は熱帯魚も飼育していて、生き餌としてめだかを与えることもありました」
生餌を良い状態で保つために飼育を始めたのを機に、めだかに興味を持つようになったといいます。
「ちょうどその頃は、頭から尻尾の先まで光が伸びるみゆきメダカのフルボディが流行っていた時期。フルボディは、改良めだかの先駆けとなった品種で、当時は1ペア数万円と高値で取り引きされていました。全身が光り輝くフルボディは非常に珍しくて、初めてみたときは衝撃を受けましたね」
幹之の特徴である青白い体外光が胸ビレにも乗った『サンセット極龍 黒幹之』
「めだかが卵を抱えて泳ぐ姿に愛着が湧き、一気にハマりましたね。卵を産み付ける産卵床(さんらんしょう)や水草に卵が付いているのを見たときの喜びは、今でも同じです。私と同じ理由でめだかにハマったお客様はたくさんいらっしゃいますよ」
卵が孵化した針子※から稚魚、幼魚、そして成魚へと成長していく過程を短いサイクルで楽しめるのも、めだか飼育の醍醐味です。
※生後2~3週間前後の1cmに満たない小さな稚魚
「めだかの卵は積算温度250℃※で孵化します。25℃の水温で加温した場合、約10日ほどで孵化する計算です。順調にいけば、3ヶ月ほどで繁殖できるまでに成長します」
誰でも気軽に品種改良を楽しめる点も、めだかに惹かれた大きな理由だと言います。
「品種改良が進み、ラメが乗った白と朱赤の体色の『王華(おうか)』や、鮮やかな青色の体外光が特徴の『ジャパンブルー』など、800種類以上にのぼります。気に入った品種同士を掛け合わせて、自分好みの表現を追求できるのも、めだかの面白さですよね。気づいたら、めだか沼にハマっていました(笑)」
凝り性でやり始めたら納得がいくまで突き詰めないと気が済まないと、自身の性格を分析します。
「まさか自分がめだか屋になるとは思っていませんでしたが、やるからにはプロフェッショナルでありたいじゃないですか。根が負けず嫌いな性格なんですよね。色々なご縁が重なったことやめだか需要の高まりも追い風となり、ビジネスとして始めることにしました」
そして、2021年に「江戸目高」をオープンしました。現在、江戸目高では50種類以上の品種を取り扱っています。
「これだけの品種を扱っていると、管理も大変になります。飼育容器の水換えや餌やり、商品発送、問い合わせ対応など、現場仕事からバックオフィスまで仕事は山積みで、1日があっという間です。さすがに一人では限界があるので、他のメンバーと業務分担しながら進めています」
2023年3月にはリニューアルしビニールハウスを敷地内に新設。ハウス内ではめだかの繁殖にも力を入れています。
「ハウス内で繁殖したきれいなめだかは、店舗で販売しています。メイクやファッションと同じでめだかも流行りがあるので、ニーズに合わせた品種を累代繁殖していきたいですね」