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4年間で約1,200トン以上のペットフードロスを削減!株式会社こころが展開する日本初のサービス「社会貢献ペット用品店cocoro」
私たちの生活から出る食品ロス量は年間約523万トン※1。ペット業界においてもフードロスは深刻な問題となっており、推定で年間6,000トン※2 以上のペットフードが廃棄されていると言われています。
※1令和3年度 農林水産省の調査より
※2一般社団法人 ペットフード協会「令和3年全国犬猫飼育実態調査」
ペットフードの廃棄には膨大なコストがかかり、環境への負担も大きいため、フードロス削減や再利用への取り組みが急務です。
そんな中、株式会社こころでは、ペットフードの食品ロス削減に取り組んでいます。株式会社こころでプロジェクトマネージャーを務める、鵜飼 剛さんに話を聞きました。
ペットフードの食品ロス問題は顕在化しにくい
「1年間に出荷されるペットフード約60万トンのうち、1~3%が賞味期限間近やパッケージの破損などを理由に廃棄処分されています。ペットフードロスは、私たち人間の食品ロスよりも問題が顕在化しにくいのが現状です」
株式会社こころは、ペットフードロス問題の改善に取り組むべく、2019年にペットフード・用品のオンラインストア「社会貢献型ペット用品店cocoro」をオープンしました。
「cocoroでは、パッケージ変更や外装の傷・凹みがあっても品質に問題のないペットフードをメーカーや卸業者から取り扱い、アウトレット品として手頃な価格で提供しています。販売終了になった商品も一部取り扱いがあるので、『店頭では手に入らない商品が見つかる』と多くのお客様から好評です」
売上の一部は、提携先である公益社団法人アニマル・ドネーションを経由して動物愛護団体に寄付されます。
「愛護団体では、動物の去勢・避妊手術、里親探し、ノミやダニの駆除・病気の治療など、保護・救助活動に多くの費用がかかります。当サイトで商品をご購入いただくことで、ペットフードロスを削減するだけでなく、動物の命を救い、さらには動物福祉の向上といった、動物愛護活動への貢献にもつながります」
商品の在庫は、入荷から出荷までを一元管理できる「倉庫作業管理アプリ」を使用している。アプリ導入によるDXを実現させ、今まで手作業で行っていた在庫管理を半自動化できるようになった。
現在、cocoroでは、犬・猫用フードはもちろん、ウサギやハムスターなどの小動物や熱帯魚用など、さまざまな種類のペットフードを取り揃えています。
「ECサイトでの販売を開始してから6年が経過し、2023年8月までに1,200トン以上のペットフードロスを削減することができました。弊社の想いである『LOSS IMAGE UPDATE』に、共感して下さるペットオーナーの皆さんがいて下さるからこそ、実現出来たと思っております。」
現在、マネージャー兼広報担当として活躍している鵜飼さんもまた、cocoroが向き合う社会課題に興味を持ち、入社を決めたメンバーのひとりです。
「前職ではコンサルティングファームでEC・通販コンサルタントとして働いていました。株式会社こころは、当時の担当クライアントだったんです。代表・菅沼から、ペットフードやペット用品の2次流通に特化した事業の話を初めて聞いた時、純粋に面白そうだなと思いました。そして、年間6,000トンものペットフードが廃棄されている現状を変えたいと話す菅沼の熱意に触れ、リードメンバーとして、立ち上げから事業を構築したいと思ったんです」
そして、鵜飼さんは株式会社こころに転職しペットフードやペット用品の2次流通事業が本格的にスタート。長年培ったコンサルティングのノウハウや経験を活かし、ECサイトは、親しみやすく、そして知的でスタイリッシュなデザインへと生まれ変わりました。
「ECサイトは、一般的な『訳あり品』から想定されるサイトイメージとは、正反対のデザインをベースとしています。値下げ商品や消費期限間近のものに対するネガティブなイメージを払拭したいと想い、サイトデザインや商品の見せ方にもこだわっています」
現在は愛護団体の方だけでなく一般の飼い主様からの注文も増えているそうですが、安定して在庫を確保するのが難しいと言います。
「cocoroでは、賞味期限が近いものやパッケージに破損があるなど、品質に問題はない商品をリーズナブルな価格で提供しています。しかし、商品が常に一定量入荷されるわけではないので、在庫は変動的です。正規品とは異なり、商品の性質上一定の賞味期限の期間が確保出来る商品では無いため、EC店舗で販売可能なリードタイムも大きな課題となっています。今後は、ペットの食品ロスを減らせるよう、プロジェクトマネジャーとして色々な企画やビジネスプランを展開していきたいです」