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唐津看護専門学校では最前線働くドクター・看護師から実践的なスキルが直接学べる
海、山、川に囲まれた自然豊かな佐賀県唐津市に位置する「唐津看護専門学校」。“人間愛を基盤として、新しい看護の潮流に的確に対応でき、地域医療に貢献できる人材を育成する”という教育理念のもと、地域に根ざした看護師の教育に力を入れています。
今回は、唐津看護専門学校副校長の市川豊子さんにカリキュラムの特徴や卒業生の進路について話を聞きました。
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働きながら准看護師&看護師資格を取得できる
唐津看護学校は、准看護師資格を取得するための「看護高等課程(2年制)」と、正看護師を目指す准看護師免許の保有者を対象とした「看護専門課程(3年制)」、2つの学科を提供しています。
「当校に入学する社会人の多くは、医療業界未経験からのスタートです。そのため、まず看護高等課程で准看護師資格を取り、その後に看護専門課程へ進級する方がほとんどです。ステップアップしながら看護師としてのキャリアを積めるので、学生にとって大きな魅力となっています」
“手に職を就けたい”、“看護師の仕事に興味を持つようになった”など、看護師を目指すきっかけはさまざまです。
看護専門課程の3学年の交流球技大会の様子
「18〜40代まで幅広い年齢層の学生がひとつのクラスに集まることで刺激になり、さまざまな視点や経験からより深い学びを得ることができます。酸いも甘いも知っている人生経験が豊富な社会人の存在は、学生生活を送るうえで大きな心の支えとなるようです」
各学科の定員40名のうち、看護高等課程の入学者は約1〜2割が社会人である同校では、多くの学生が働きながら勉強に励んでいます。
「看護高等課程(2年制)1年次、授業は月・水・木・金の週4日、看護高等課程の2年目や看護専門課程に進むと実習以外は概ね週3日登校となります。毎日授業があるわけではないので、学校が休みの日や放課後にはアルバイトをする学生も多く、また勤務先の時間を短縮・変更して学校に通う学生もいますね。仕事と勉強の両立は決して簡単ではありませんが、『看護師になる』という強い覚悟を持って入学しているためリタイアすることなく充実した学生生活を送っています」
実際の現場で経験を積んでいるドクターや看護師から実践的なスキルを学べる
学生たちが解剖見学のため大学病院へ出向き、説明を受けている様子。
即戦力となる看護師の育成に力を入れている同校では、実践的なスキルアップを図る機会を多く設けています。
「唐津市内の病院や施設で勤務するドクターや認定看護師を講師として招き、講義や校内演習を行っています。最前線で働く専門家たちから、臨床現場で求められる知識やスキルを直接学ぶことができる貴重な経験です」
高齢化や労働人口の減少、看護師の離職などが原因で、2025年には看護師が約30万人不足すると予想されています。
「学生のうちに実践力を身につけ、卒業後すぐに医療現場での業務に対応できるスキルや知識を習得することは非常に重要です。看護師の仕事は、不規則な勤務時間や体力的・精神的な要求があるため、「きつい」というイメージを持つ方が多いかもしれません。確かに患者の命に関わる大変な仕事ですが、患者やその家族からの感謝の言葉や笑顔を見ると、その苦労が報われる瞬間でもあります。授業を通じて、看護師としてのやりがいを学生たちに感じてもらえれば嬉しいです」
地域の医療福祉関連機関でのフィールドワークが豊富
「地域に根付いた看護師を育成するうえで欠かせないのが、地域フィールドワークです。地域密着型の高齢者福祉施設や障がい者支援施設等に行き、医療福祉の現場で働く姿を実際に見て、聞いて、体験することで、地域社会への関心や理解がより深まります」
地域フィールドワークを実施して終わりではなく、学生がフィールドワークで感じたことや思ったことを共有するためのプレゼンテーションの時間を確保しています。このプレゼンには、訪問先でお世話になった看護師や福祉関連施設の生活指導員も参加することがあるため、意見交流の良い機会となっているそうです。
「社会人入学生では、唐津市内の病院や介護施設に就職するIターンやUターンの学生が増えているのも、当校の大きな特徴のひとつです。地域医療においては、医療従事者だけでなく、患者様とご家族との信頼関係を築くことが非常に大切だと考えています。そのためには、密なコミュニケーションが不可欠です。地域フィールドワークを通じて、地域社会との関係性を深めるきっかけにできればと思っています」