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特定非営利活動法人フリースタイル市川の地域活性化に向けたユニークな取り組み
千葉県市川市を拠点に活動している「特定非営利活動法人フリースタイル市川」。“ひとつひとつの想いをつないで、市川に流れをつくる”をミッションに掲げ、交流イベントの開催やフードバンク事業などを通じて、地域活性化に取り組んでいます。
今回は、立ち上げメンバーで現在は代表理事をつとめる稲村 絵美里さんに話を聞きました。
<特定非営利活動法人フリースタイル市川の公式HPはこちら>
2020年9月に誕生したまちづくり特定非営利活動法人フリースタイル市川(以下、フリスタ)。まちづくりのリーダーを養成するいちかわTMO講座を受講していた、30〜50代中心のメンバーが運営しています。
「いちかわTMO講座は、まちづくりを学ぶ講座です。私を含め多くの卒業生が個々に市川市内でまちづくりの活動を行っていまいましたが、個人での活動範囲には限界があります。地域にイノベーションを起こすためには、活動内容やその成果を1人でも多くの人に知ってもらう必要がありました」
前代表理事である野口 淳さんの呼びかけにより、同じ価値観を持つメンバーでフリスタを立ち上げました。
メンバー同士はニックネームで呼び合い、Eボートレースに参加したりするほど仲が良い。
「運営メンバーは、理学療法士、文房具店店主、建築家、ライターなど、職種は多種多様です。メンバーそれぞれが本業を持ちながら、自身の強みを活かして活動に取り組んでいます」
稲村さん自身もWebデザイナーとして働きながら、フリスタの活動を続けています。
「フリスタは、『地域のコミュニティ形成や交流の促進事業』『個人/団体の地域活動への支援』『地域のヒト、コトの情報の発見/発信』の3つを軸に活動しています」
いちかわフードバンク
「いちかわフードバンクbyフリスタは、2021年6月にスタートしたフードバンクです。印字ミスやパッケージの汚れ、容器の凹みなど、安全に食べられるけれど、一般には販売できない食品・食材を廃棄される前に集めて、無償で施設や団体などに提供しています」
フードバンクの活動は食品ロス問題の解決だけでなく、貧困問題の緩和やまちのコミュニティ形成にも貢献できることから、フリスタではこの活動に力を入れています。
地元企業や団体に食品預かりポスト(フードドライブ専用ボックス)を設置。フードドライブを通じてお預かりした食品を、ひとり親家庭や生活困窮世帯などへ食品を配布する「フードパントリー」に役立てる他、他団体に提供などしている。
「フードバンクの活動を積極的に行うことでボランティアの機会が増えるので、人とのつながりや居場所を作ることにもつながります。高齢者や子育て世代の社会的な孤立を防いだり、取り組みが認知されるきっかけになったり、地域が抱えるあらゆる課題解決につながると考えているんです」
市川市内の子ども食堂団体をはじめ、福祉団体や他地域が実施しているフードバンク団体などへの継続的な食品供給ができるようになったといいます。
「2021年6月の活動開始から1年経過し、現在では毎月1トンの食品を提供できるようになりました。ありがたいことに、最近は食品を寄付してくださる企業や団体が増えています。少しずつ地域の和が広がっていくのを実感できることが、やりがいを感じる瞬間です」
いちカイギ
「いちカイギは、隔月で開催している地域交流イベントです。多くの人に市川市の魅力を知ってもらうきっかけ作りになればと思い、2020年12月に始めました。コミュニティスペース『KeiyoGAS Community Terrace』と共同で開催しています」
いちカイギでは毎回、市川市で活動している3組のゲストを招いてトークイベントを実施。一般の方も参加可能で、参加費はいちカイギの運営費用に充てられます。
「過去には、自転車ショップオーナーや接骨院の院長、フォトグラファーといった方々をお招きしました。ゲストスピーカーの方が感じるそれぞれの市川市の魅力、現在の仕事内容や生い立ちなどをざっくばらんに語っていただきます」
ゲストスピーカーの人となりや市川市への想いを知ることで、自分が暮らすまちをもっと好きになってもらえたら嬉しいと稲村さんは続けます。
「イベント後半には、参加者とゲストスピーカーが交流できる時間も設けています。地域や人とのつながりを広げていき、市川市に新しい流れが生まれるきっかけにしていきたいです」
このほかフリスタでは、地元市川でのクラウドファンディング目標到達支援やコンサルを行う「まちづくりコンサル事業」、市内で活動をする方にスポットを当てた読み物コンテンツ「源流」などを行っています。
「今の活動だけに留まらず、江戸川河川敷でのフリーマーケットや防災キャンプ、ボランティアマッチングイベントなど、今後やりたいことは山ほどあります。メンバーや地域の方々と知恵を出し合いながら、市川市の魅力を高めていきたいと思います」