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付属病院を持たない!?全国各地から学生が集まるアール医療福祉専門学校が人気の理由に迫る
新たなスキルや専門知識を取得するため、社会人が大学や専門学校に入って学び直すリカレント教育が注目を集めています。深刻な少子高齢化により介護や医療のニーズが高まっている昨今、看護師免許を取得し社会人から看護師に転職するケースも珍しくありません。
茨城県土浦市にあるアール医療福祉専門学校では、高校新卒者だけでなく、30代以降の入学者が増えているといいます。全国から入学希望が殺到する同校の看護科は、定員の半数近くが茨城県外からの生徒です。アール医療福祉専門学校が人気の理由について、入試広報課責任者である中嶋 彰さんに話を聞きました。
アール医療福祉専門学校の一番人気は看護科
学位取得を目的としたコースの設置や企業と連携した教育プログラムの実施など、社会人の学び直しに力を入れる大学や専門学校が増えています。看護師学校で学び直す社会人は、10年前に比べて2倍以上に増加。(出典:厚生労働省)
「当校は、看護学科・介護福祉学科・医療事務学科を含めた合計5つの科があります。なかでも看護学科は一番人気が高い学科で、『手に職をつけたい』『安定した収入を得られる』といった理由で入学される社会人の方々が多いですね。勉強と家事・育児を両立しながら38歳で看護師免許を取得した方もいます」
社会人の出願区分は「一般」「社会人」の2つあり、どちらか好きな方を選んで受験できます。看護科は志願倍率が高いため、合格は一筋縄ではいきません。
「社会人の多くは勉強から離れて時間が経っているため、社会人区分(筆記試験・小論文・個人面接)を設けています。なかには、一般区分(筆記試験・英国数のうち2科目・個人面接)で受験する方もいらっしゃいますね。一般区分で出題される英・国・数の試験問題は、センター試験レベルに近いので、しっかり勉強しないと合格は厳しいと思います」
社会人入学者は年々増えている一方、中嶋さんによれば年齢を重ねると転職のハードルは上がるといいます。
「当校の看護科は3年制で30代後半から40代の生徒も多く在籍しています。厳しい言い方になりますが、30代後半で看護師へ転職するのは簡単ではありません。そのため、30〜40代の方には入試面接の際、転職の現状について事前に説明します。3年間一生懸命勉強して看護師免許を取得しても、資格を活かせる場所がなければせっかくの苦労も水の泡ですから。優秀な学生ばかりで、嬉しいことに授業が大変だからっていってドロップアウトする方はひとりもいません」
2009年4月の開設以来、高い就職率を誇るアール医療福祉専門学校。医療ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の舞台となった日本医科大学千葉北総病院や筑波大学附属病院など多くの卒業生を輩出しています。
付属病院を持たないことで広がる就職先の選択肢
「進学ガイダンスでもよく驚かれるのですが、当校は医療系専門学校としては珍しく付属病院を持っていません。日本各地の病院で臨床経験を積める、臨床スキルを学ぶのはもちろん、『どの病院が合っているか』自分を知り適性を見極める機会にもなっているんです」
附属病院を持たないアール医療福祉専門学校には、全国から入学者が集まります。
「1学年40名のうち半数近くを県外からの学生。特に青森県や山形県といった東北エリア出身の学生が多い印象です。当校は附属病院を持っていないので、就職先の縛りがなく看護師免許取得後は地元に帰って就職するという選択肢もあります」
即戦力として現場で活躍できる人材を育成するため、カリキュラムに実技授業を多く取り入れているアール医療福祉専門学校。さまざまな実習を通じて、コミュニケーション能力や判断力といった実践力を磨いていきます。
「AEDを使い循環確保や気道確保などを行う『心肺蘇生法実習』、患者さんとのコミュニケーションに重点を置いた「基礎看護学実習』など、実習授業が多いのは当校の強みです。
3年間で、患者様に安全な医療サービスを提供するための専門知識や技術を学ぶとともに、豊かな人間性を育んでいきます」
学生が希望通りの医療機関に就職ができるよう、就職セミナーやメイク・スーツ講座の開催といったサポートが整っています。
「茨城県内の病院・施設で働く卒業生や人事担当者による説明会の開催や、模擬試験の実施といった試験対策も万全です。看護師資格を取得するまでの道のりは決して楽ではありませんが、学生のキャリア実現に向けて全力でサポートいたします。自分に向いている就職先を一緒に見つけていきましょう」