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コロナ禍で鍼灸師学科の入学者が増加!就職率100%の東洋医療専門学校に聞いた資格取得後のキャリア
今、鍼灸師の資格取得者数が毎年3,000人単位で増えている。国家資格である鍼灸師は、美容やスポーツ、介護・福祉など幅広い分野で活躍できるだけでなく、将来的には独立開業することも可能だ。
大阪市淀川区にあるにある東洋医療専門学校では、学び直しで鍼灸師資格の取得を目指す社会人が多く在籍。東洋医療専門学校で広報を担当する岩嵜 俊輔さんに「なぜ鍼灸師が人気なのか」お話を伺った。
コロナ禍で高まる鍼灸師資格のニーズ
「鍼灸師国家試験は、年齢制限がないので間口が広い資格です。鍼灸師資格を取得後、セカンドキャリアとして独立開業する方もいらっしゃいますね」
独立開業と聞くとハードルが高く感じるが、鍼灸師の場合、マンションの一室や自宅スペースを使うことで十数万円から開業が可能だ。自分のペースで働けることから、鍼灸師の資格取得後は開業する人も多い。
「ここ数年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、キャリアアップや新たなスキル習得のために入学する社会人が増えていますね。現在、10〜50代まで幅広い年齢の方々が鍼灸師学科夜間部に通っています」
鍼灸師の資格取得者が増えている理由はそれだけではない。活躍できる領域が広いことも鍼灸師ならではの魅力だ。
「『鍼灸師=鍼灸院・鍼灸整骨院』を思い浮かべる方が多いと思いますが、スポーツや美容などに携わることも可能です。プロスポーツ選手のコンディショニングを行うスポーツ鍼灸や美容分野に特化した美容鍼灸などに携われます。当校でも女性の入学者が増えていて、多くの卒業生が鍼灸師として美容分野で活躍しています。鍼灸師の求人倍率は21.5倍と売り手市場になっており、比較的就職しやすい状況です」
しかし、鍼灸師資格を取得するのは決して簡単な道のりではない。夜間部3年間の授業時間は2,655時間以上にのぼる。夜間部では、昼間部の学生が1日6時間かけて学ぶ内容をわずか3時間でみっちり学ぶ。
仕事と勉強で忙しい日々を送る学生にとって、学校で開催するイベントが良い息抜きになっている
「鍼灸師夜間部の授業は、月曜日から土曜日まで1コマ90分が2回。夕方18時から夜21時過ぎまで続きます。職場の承諾を得て時短勤務で働いている人や、鍼灸整骨院で受付・診療補助のアルバイトをする学生もいますね。夜間部に通う学生は日中働いている人が多いため、仕事と資格取得の両立は本当に大変だと思います」
実技中心の授業カリキュラムで即戦力の人材を育てる
はりきゅう実技の授業では、学生2人1組になって鍼を打つ・お灸をすえる練習を行う
同校では、「実学教育」を教育理念に掲げており、即戦力の人材を育てることを重要視している。入学1年目は、解剖学や生理学、東洋医学概論といった座学中心の学校も少なくない。
「授業で学んだ知識や身につけた技術を活かして、卒業後は即戦力になってもらいたいと思っています。そのため、当校ははりきゅう実技の授業時間を多めに確保。鍼灸院を開業している現場経験が豊富な講師が授業を行うので、実務に活きる技術を身につけていただけます」
座学で学んだこを実技に落とし込むインプット・アウトプットの繰り返しで、頭と体に定着させていく。できるだけアウトプットの機会を増やそうと、同校では年間350時間以上のセミナーを実施している。
「整体術やリフレクソロジーなど、鍼灸師との親和性が高いセミナーが豊富です。現役で活躍する鍼灸院院長やプロ野球チームのトレーナーを講師に迎え、実践的な技術を学んでいただけます」
もちろん参加費は全て無料だ。どのセミナーに参加するかは学生が自由に選べる。
「授業プラスαの技術・知識を身につけられると学生からも好評です。できるだけ多くの方に参加してもらい、実務に役立つスキルを習得していただけたらと思います」
現在、同校を卒業した800名以上の鍼灸師が鍼灸院や鍼灸整骨院、クリニック、スポーツジム、美容サロンなどさまざまなフィールドで活躍している。
「以前に比べて鍼灸師資格を活かせる場所が増えているので、学校生活3年間で色々なことを吸収して将来のキャリアに役立ててもらいたいと思います」
就職専門スタッフが常駐する東洋医療専門学校は、就職率100%という高い実績を誇る。
「学生一人ひとりとじっくり話をしたうえで、希望に近い就職先の紹介を行っています。履歴書添削や模擬面接、会社見学のコーディネートなども対応しているので、転職サポートは万全です」
近年は、在宅医療の普及と共に自宅で治療を受けられる訪問鍼灸が注目を浴びている。今後、医療分野だけでなく、スポーツや美容、介護・福祉など鍼灸師のキャリアはさらに多様化していくのではないだろうか。
現在、転職を検討している方は、ぜひ参考にしてほしい。