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看護師の転職失敗事例まとめ!早期退職しない転職成功ポイントを紹介
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「転職に失敗した…すぐにでも辞めたいけど早期退職してもいい?」
「転職に失敗しないためにはどうすれば?成功するポイントが知りたい」
転職直後に失敗したと後悔した場合、すぐにでも辞めて再転職したくなるでしょう。しかし、早期退職はその後の転職活動に大きく影響するので、あせって判断するのは危険です。
転職に失敗した看護師の多くは、新しい職場のメリット・デメリットを冷静に見極めつつ、同時並行で看護師転職サイトのキャリアアドバイザーに相談。入念な転職準備で再転職に成功しているようです。
この記事では、二度と転職に失敗しないために以下の内容をご紹介しています。
- 看護師の転職失敗事例5つのパターン
- 転職失敗の早期退職が不利になる理由
- 転職失敗から学ぶ、次こそ成功する転職準備4つのポイント
転職に失敗した看護師さんにおすすめの看護師転職サイトは以下の5社です。
おすすめの転職サイト | おすすめする理由 | 求人数(※2) |
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1位:看護roo! | 初めての転職や20代の看護師向き | 201,802件 |
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2位:レバウェル看護(旧 看護のお仕事) | ママ看護師・ブランクのある看護師向き | 158,398件 |
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3位:ナース専科 転職(旧 ナース人材バンク) | 求人の少ないエリアに転職希望の看護師向き | 25,169件 |
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4位:マイナビ看護師 | 年収を上げたいバリキャリ看護師向き | 81,308件 |
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5位:看護師ワーカー | 病院以外への転職を希望する看護師向き | 64,885件 |
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そのほか、おすすめの看護師転職サイトを比較したい方や、看護師転職サイトランキングを知りたい方は以下の記事もあわせてお読みください。
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目次
看護師の転職失敗談「辞めたいけど辞められない」5つの事例
看護師の転職失敗談を大きく分類すると、次の5つの事例に分けられます。
- 希望条件とは違う勤務実態だった
- 入職前の違和感を無視して転職
- 医師や同僚のパワハラや職場のありえない独自ルール
- 初めての職場・勤務形態で「こんなはずじゃなかった」の連続
- 給料と労働が見合わない職場ですぐにでも辞めたい
それぞれ、どんな理由で「転職に失敗した!」と看護師さんが感じたか、具体的な失敗事例と共にご紹介しましょう。
1.希望条件とは違う勤務実態だった
「希望条件と違った!」という失敗経験の主な原因は以下の通りです。
- 採用側が不都合なことを伏せていた
- イレギュラーな事態が発生した
- 勤務条件の確認時に長期的な視野が足りなかった
病院側が伏せがちなこととしては「配属先以外への慢性的なヘルプ業務」「患者の引き継ぎ等による勤務時間前出勤」「オンコール対応の可否による待遇差」などがあります。これらの確認不足は、あるある失敗原因と言えるでしょう。
また、既存看護師の急な退職や運営元の親会社が変わるなど採用時には予測できなかったイレギュラーな事態となり、配属先や給与形態が変更になってしまう場合もあります。
他には長期的な勤務条件の見落としもよくある失敗原因です。昇給の頻度や、育児で時短勤務できる期間などの確認不足は、長期的な視野が足りなかったといえるでしょう。
希望条件の違いで転職に失敗した看護師の口コミ事例
30代前半│女性 総合病院の救急外来から地元の病院の内科病棟・外来・内視鏡室へ転職
夜勤・残業免除の約束が守られず1ヵ月で退職
外来で日勤のみの条件で転職をしましたが、病棟の応援や内視鏡の介助など当初の話と業務が乖離をし始めました。子どももまだ小さく夜に面倒を見てくれる人もいないと伝えていたはずなのに「夜勤できる人がいなくて...」と外来や内視鏡検査の後に病棟で勤務をさせられました。月に30時間程残業をしても、夜勤免除のイレギュラーな勤務だったため他のスタッフからは陰口を言われ、このままでは体も心も壊れてしまうと判断し1ヵ月で退職をしました。
30代後半│男性 急性期病院の内科から急性期の中規模病院の内科へ転職
入職前には聞かされていなかった1時間半の前残業
新卒で入職した急性期病院は、昼夜を問わず緊急入院が多く、時間外労働も当然。業務以外の係も多く、休日出勤することが当たり前の病院だったため転職しました。しかし、転職先の病院は夜勤の受け持ちでは入室患者全員の情報を収集する必要があり、仕事開始1時間半前には出勤しないといけない前残業が前提でした。
20代後半│男性 精神科急性期病棟からAGA美容クリニックへ転職
勤務時間や手当など条件が全く違いパワハラも日常茶飯事
転職サイトを利用してAGAクリニックに転職をしました。転職理由としては夜勤を卒業し日勤帯で働きたかったこと、コロナウイルスのクラスター対応で心身ともに疲弊したことでした。しかし、転職先では事前に提示された勤務時間と全く違う(約1時間前から強制労働)、残業代は一切払われない、上司からのパワーハラスメントが日常茶飯事で、各関係機関に相談しましたが解決できず2ヶ月で早期退職しました。転職は失敗だったと思います。
30代前半│女性 救急大規模病院の腎臓病センターから地域中規模病院の内科・整形外科へ転職
時短勤務に期限があることを知らされていなかった
結婚・出産し、育児しながら復帰もしたいと考えたため、ママナースの多い病院に転職しました。実際にママナースも多く以前の職場より働きやすい環境でしたが、育児のための時短勤務は3年までで、その後は夜勤ありのフルタイム勤務を強要されることが入職してわかりました。組織体制や入職しないとわからない風土に嫌気がさして、結果的に2年で退職。
2.入職前の違和感を無視して転職
入職前に感じた違和感を無視したことで転職に失敗した主な原因は以下の通りです。
- 人の意見に流されてしまった
- 焦る気持ちがあった
- 面接での違和感が直結しやすいクリニックへの転職だった
違和感は、自分の理想と現実が乖離していることを知らせる心のサインです。自覚している理想との不一致であれば明確に気づきやすいのですが、無自覚な希望や理想とのギャップが違和感となって表れます。
曖昧な感情だからこそ無視してしまいがちなところに、人の意見に流されやすい性格や、焦る気持ちが重なればなおさらです。
特にクリニックの場合は、院長である医師の性格や価値観が、運営方針や患者さんとの接し方に直結します。そのため面接で院長に感じた違和感は、入職後の働き方にもダイレクトに影響するといえそうです。
入職前の違和感を無視して転職に失敗した看護師の口コミ事例
20代後半│女性 検査専門クリニックから小児科・アレルギー科クリニックへ転職
圧迫面接に違和感のあったクリニックに入職して後悔
体調不良によるブランクもあり、なかなかすぐに就職先が決まりませんでした。内定をいただいたクリニックは、今どき珍しい圧迫面接で違和感を感じましたが、唯一受かったところだったので「一度試しに入職してみて、無理そうだったら辞めても問題ない」との転職エージェントさんからのアドバイスを受け、すすめられるがままに入職。実際働いてみると、やはり初めに感じた違和感は当たっており、再び体調不良を起こしました。
40代前半│女性 病院併設のサービス付き高齢者住宅から美容系自由診療クリニックへ転職
直接応募で院長の性格など前情報がなく失敗した
直接応募の場合は前情報が少ないため、面接の際に医師の人柄をしっかり確認することが大事だと感じました。私の場合、面接官の医師は、こちらの話に耳を傾けるというよりは自分の言いたいことをとにかく言うといった感じで、第一印象はとてもせっかち。それは普段の診療スタイルにもそのまま表れており転職を後悔しました。引っかかるところがあれば注意した方が良いというのが今後の教訓です。
40代前半│女性 療養型の中規模病院の内科からクリニックへ転職
院長との看護観の違いに悩み現在転職を考え中
自分の看護観と実際の業務にジレンマを抱えているため転職を考えています。クリニックの職場風土というのは、なかなか変えられるものではなく、ましてそれが院長である医師によるものの場合、いちスタッフが意見をすることすら難しいです。看護師は働き方の選択肢も多いため、変えられないものを変えようとするよりは、自分が去る方がストレスがないと考えています。社内規定では3年以上の勤務で退職金が支給されるため、現在は退職時期を考えている段階です。
3.医師や同僚のパワハラや職場のありえない独自ルール
新しい職場でのパワハラや独自ルールがつらいという失敗経験の原因は以下の通りです。
- 人間関係など内部情報の確認不足
- 面接時に感じた応募先への不安を追求しなかった
- あせって転職を決めた
医師や同僚のパワハラは、入職前にその兆候をつかむことが可能です。
例えば、パワハラをするような医師やスタッフは、患者の前でも看護師を罵倒することがあるため、地域住民にもその性格が知れわたっていることも。そうした口コミ情報はネット上の病院評価などでチェックできますが、その確認を怠った失敗事例が複数寄せられています。
また、パワハラをするような医師は、面接でも威圧的な態度を取る傾向があります。そのため面接時に感じた医師への違和感を無視するのも失敗の原因です。
面接や入職前のやり取りで感じた不安は、たいていあせって転職する際に目をつぶりがちです。失敗した多くの看護師は、転職をあせって転職を決めた傾向にあることを心に留めておいてください。
パワハラや職場ルールで転職に失敗した看護師の口コミ事例
20代後半│女性 慢性期病院小規模病院の消化器内科から消化器内科クリニックへ転職
地元では悪評高い院長のクリニックへ知らずに転職
比較的ゆったりとした時間が過ごせるように、消化器内科クリニック希望で転職活動を行いました。実際に転職した感想としては想像以上に最悪です。クリニック内のドクターの機嫌が悪ければ、検査の際にいろいろと小言を言われたり、大声で怒鳴られて患者の前で罵倒されるといったこともしばしばです。その近辺ではとても怒るということが有名な先生のようで、もっとクリニックの口コミや同僚・先輩方と相談をして転職すれば良かったです。
20代後半│女性 大学附属病院の消化器内科・外科混合病棟から検査専門クリニックへ転職
情報不足とあせる気持ちが転職失敗の原因
私が失敗した原因は、情報不足とあせりの気持ちだと思います。転職サイトに載っている情報だけではなく、Googleでの患者さんによる口コミでも、参考になる部分があったので、しっかり目を通しておけば良かったと後悔しています。今振り返ってみると、初めに感じた違和感や圧迫面接だったことをもっと大事にして、吟味しておけば…。もともと精神的に弱く体調不良になって前職を辞めているので、院長の圧迫感を与える態度はつらく、試用期間の終わる3ヶ月で退職しました。
20代後半│女性 一般病院の婦人科から県基幹病院の婦人科へ転職
中途なのに新人研修からスタートで物足りない気持ちに
県基幹病院に採用されましたが、中途なのに新卒研修を受けなければならず、清拭や採血などから勉強し直しで、病棟でもなかなか自立させてもらえず夜勤にも入れませんでした。いつも見張られている感じで受け持ちも持たせてもらえず、わたしは一体何をやっているのかと物足りなく思う日々が続きました。転職に失敗した原因は、転職先が決まらないことで将来が宙ぶらりんのように感じ、慌てて中途採用に応募してしまったこと。研修なんてないと思い込んでしまっていたので、しっかり目を通しておくべきだったと反省しました。
4.初めての職場・勤務形態で「こんなはずじゃなかった」の連続
初めての職場や勤務形態についていけないと感じた看護師が転職に失敗した原因は以下の通りです。
- 先入観で転職してしまった
- 現職の常識がどこでも通用すると思っていた
- 自己分析が不足していた
この失敗経験は「病院から異なる施設形態へ転職」や「正社員から非正規の雇用形態へ転職」のパターンで多く発生します。
例えば、病院よりクリニックのほうが休みを取りやすいイメージは、あるあるの先入観です。確かにクリニックでは固定休は取りやすいですが、少人数で対応しているため、突発休や長期休暇は取りにくい場合があります。
また、現職の常識がどの施設にも通用するとは限りません。例えば、訪問看護や老人施設は規模感や運営母体によって、忙しさ、ルール、教育体制、衛生観念などが大きく異なります。
自己分析が足りていなかったことも失敗原因の一つと言えるでしょう。「通勤時間削減で転職したけれど収入の安定のほうが大切だった」「利用者数によりシフトが安定しない訪問看護は肌に合わなかった」など、事前の自己分析が足りなかった事例も多く挙がっています。
初めての職場・勤務形態が合わず転職に失敗した看護師の口コミ事例
40代前半│女性 大学付属病院の内科病棟から訪問看護ステーションへ転職
利用者数でシフト量や収入が増減することに驚き
仕事と家庭との両立が厳しくなったため、通勤時間を減らしたいと転職しました。パート勤務で仕事を探し、訪問看護は融通がきくと聞いたので転職しましたが、利用者が少ないときはシフトに入れず、クリニックの副業を始めたら今度は産休に入る看護師が出て忙しくなるなど、業務量にムラがあり大変です。総合病院と違って訪問看護は看護師の数が少なく、利用者ありきなので収入が安定しないなど、内情を知ってから入るべきだったと思っています。
40代前半│女性 皮膚科クリニックから介護施設へ転職
時給制だと求人票にある目安月収より下回ることも
介護施設に勤務した際は時給制でしたが、半日勤務が多いことや時間外手当がつかないのに1日2時間以上の残業があり、月給がハローワーク提示の下限より低くなりました。 ハローワーク、施設の両方に問い合わせても、あくまでも提示した月収は目安でしかないので契約内容と相違はないとの回答。手取り額が少なすぎて生活ができないため、1ヶ月で退職しました。時給制で勤務したことがなかったので、半日勤務が多いなどを前もってきちんと確認しなかったのが失敗の要因かと思います。
20代後半│男性 急性期病院の内科病棟から急性期地域包括ケア病院の混合病棟へ転職
小規模病院でもゆっくり患者と向き合えるとは限らない
以前の職場では仕事が大変で患者さん一人ひとりに時間を割くことができず、日々の業務が作業的になってしまったことで転職を決意しました。病院の規模が小さくなればその分、患者数が減って負担が少なくなると考えて転職しましたが、看護師やスタッフの数はそれ以上に少なくなるので、仕事の作業量はかえって増えました。落ち着いて丁寧に患者に接したいと転職したのに、前職以上にそんな時間はなく失敗したと思いました。
20代後半│女性 大学附属病院の内科から透析クリニックへ転職
週休2日でも長期休暇は皆無で前より休めなくなった
前の職場は休日が少なく、夜勤も体力的に厳しかったので、日勤のみのクリニックへ転職しました。確かに今の職場は週休2日は確保できていますが、休みとしては本当にそれだけです。祝日、お盆、正月、ゴールデンウィークなどすべて関係なく出勤です。あくまで週休2日。前の病院は長期休暇が取れたので、休日重視で転職した割には今の方が休みが少ないと感じるくらいの状況です。また祝日出勤しても手当てはなく、転職は失敗だったかなと思っています。
5.給料と労働が見合わない職場ですぐにでも辞めたい
「給料と仕事内容が見合わない、すぐ辞めたい」と感じている看護師さんの主な転職失敗の原因は以下の通りです。
- 高待遇の背景にある忙しさをイメージできなかった
- 提示された給料に占める残業手当・夜勤手当の割合を見落とした
- 自己分析が足りなかった
業界平均より高待遇である背景には、何かしらの事情があります。離職率が高く人手不足、ハードワーク、求められるスキルが高いなど、看護師に不人気な職場である可能性が否定できません。そのような状態でも働き続けられるイメージができていないと、ついていけない可能性があります。
給料の内訳もしっかり把握したいところです。求人票では残業手当や夜勤手当を含んだ合計額をモデルケースとして提示し、高給に見せている場合があります。
また「休みが少ない」「忙しい」という理由で安易にクリニックや慢性期病棟に転職するのも失敗しがちです。例えば、週休2日を確実に確保できても長期休みが皆無、慢性期病棟でも担当患者数が多くて忙しいといったケースが考えられます。
給料と労働が見合わない職場に転職して失敗した看護師の口コミ事例
20代後半│女性 専門学校付属病院の消化器内科から急性期の中規模病院の消化器内科へ転職
高待遇の求人は人手が足りず忙しいところがほとんど
以前の職場は給料がとても低かったというのが不満で転職活動を行いました。転職エージェントといろいろ相談をして高待遇な求人に応募して内定をいただきましたが、実際に働いてみると、人手がとにかく足りないです。1人の看護師が15人ほどの患者を見なければいけない場合がほとんどで、リーダー業務とメンバー業務の区別がほとんどつかない忙しさです。やはり年収が高い求人は、基本的に人手が少ないから、他の病院より高待遇なんだと気づきました。それ踏まえて、よく求人情報を確認した方が良かったんだと後悔しています。
30代前半│女性 地方の総合病院の外科・消化器内科病棟から都市部の総合病院の外科病棟へ転職
収入は増えたが残業・夜勤は増え休日は減った印象
高給与を条件に転職したら残業時間がかなり増えました。外科病棟のため、急変に対応することも多くあり、それ以外の残業時間もとにかく多いです。前の病院より中心部で働いていることもあり、もう少し効率よく働けると思っていましたが、むだな業務はどこにいっても多いと感じました。時間外勤務は発生していますが、残業と捉えるべきか曖昧なところもあります。また休日の日数自体は、前職場とあまり変わりありませんが、夜勤のシフトによって、休日とならない休日もしばしばあるように感じます。給料は増えましたが、体力的につらい面があり失敗したように思います。
20代後半│女性 大学附属病院の内科から透析クリニックへ転職
目当てにしていた失業保険がもらえずあわてて就職
失業保険がすぐにもらえるものだと思っていたため、貯金がなくても何とかなるだろうと、前の職場を辞めてから、ゆっくり就活を始めたのが失敗でした。自己都合での退職は3ヶ月の待機期間後に支給だと知り、本当にお金がなかったのであわてて就職しました。そこまでしっかりリサーチせず、ハローワークの担当者に言われるままに決めてしまったので、給料や休日など条件を吟味すべきでした。
すぐの退職は失敗や不利の原因に? 看護師転職のプロがアドバイス
転職に失敗したと後悔しているけれど、すぐに退職してしまうと経歴に傷がついて再転職で不利になるのではないか? あせって転職すると再び失敗するのではないか? 心配でなかなか辞められない看護師さんは多いでしょう。
短期間での退職・再転職がどれくらい不利になるのか、その前にすべきこと、転職失敗をチャンスに変える方法などを、転職のプロである現役キャリアアドバイザーにうかがいました。
1年以内の転職は不利になりやすい
1年以内で転職を繰り返している場合は、今後の転職で不利になる可能性があります。なぜなら、看護師の転職市場では、1つの勤務先につきできれば3年以上、少なくとも2年の勤務実績が望ましいとされているからです。
「石の上にも3年」という言葉がある通り、3年という目安は一般企業においても同じです。一つの職種で満足のいく仕事ができるようになるまでは、それだけの期間を要すると判断されているのでしょう。
ただし、これまで1つ以上の勤務先、特に新卒で入職した職場で3年以上の勤務実績がある看護師さんは、短期勤務が不利に働かない場合もあります。それは、一定のスキルを身につけており、条件がそろえば長期勤務も可能であると見なされるからです。
看護師転職サイト現役キャリアアドバイザーのコメント
キャリアアドバイザーや上司に相談を
「転職に失敗した」「今すぐ辞めたい」と感じたら、一人で抱え込まずにキャリアアドバイザーや上司に相談・報告をしましょう。
アフターフォローが充実している看護師転職サイトのキャリアアドバイザーには、入職後も継続的に相談が可能です。
キャリアアドバイザーが対応するアフターフォロー
- 採用条件が異なる場合は、間に入って交渉
- 転職目的の再確認や、大事にしたい価値観・条件の再整理
- 悩み相談と解決策の提案
キャリアアドバイザーが把握・交渉するのが難しい現場の細かな問題は、上司に相談・報告してみるのも一つの方法です。転職したばかりで言いにくいと感じるかもしれませんが、我慢が限界になって早期退職となる前に行動を。環境改善のきっかけになるケースもあります。
看護師転職サイト現役キャリアアドバイザーのコメント
入職後でも、ご連絡いただければお悩み相談でも何でも、対面でヒアリングしたり、すぐに電話でお話するようにしています。条件面でミスマッチが生じている時は、条件を優先するのか自身の看護観を優先するのか、1時間半くらいかけて対面で話しながら一緒に考えます。看護師さんにとって一番良い方法を考え、早期退職よりも今の職場でしばらく様子を見たほうが最善と思う場合は引き留めたりもします。求職者さんに信用してもらうために、耳の痛い話でも正直に伝えるようにしています。
キャリアアドバイザーや上司に相談した看護師の口コミ体験談
30代前半│女性 総合病院の救急外来から地元の病院の内科病棟、外来、内視鏡室へ転職
キャリアアドバイザーの心強い言葉が後押しに
教育担当はしない条件で入職したのに、現場で任されることが多く「面接でお話ししていた内容と違います」と看護師長さんにお伝えしました。しかし「現場を回せる人がいなくて、教育もお願いして仕事も覚えてほしい」と言われたので、転職アドバイザーに相談したところ「こちらで聞いている情報と違う。今は試用期間だがこのままそちらで働くのが難しいようであればすぐ退職しても問題ない。あなたが入職する前でも病院は回っているので一人で何でもやる必要はないですよ」とアドバイスをいただき、一ヶ月で退職をしました。
20代前半│女性 急性期総合病院の外科から慢性期総合病院の内科へ転職
人間関係の悩みを看護師長に相談して改善
転職先の人間関係で悩んだとき、病棟師長さんに面談の時間を設けていただき、性格のきつい方がいてつらいという旨を報告しました。師長さんは「あなたが言ったとはわからないように、本人に伝えてみる」と言ってくださり、就職当初に比べれば良くなったと感じます。また、現在の病院に来て5ヶ月が経過し、最初に比べるとスタッフと馴染むことができ、つらいことや悩みを聞いていただける機会も増えたため、徐々に改善傾向にあると感じています。
次の転職が有利になる現職場での改善行動がおすすめ
安易に退職する前に、仕事環境が改善されるよう自分でも働きかけることをおすすめします。何もせずに早期退職した人と、改善されるよう動いた結果、叶わずに早期退職した人とでは、次の転職での印象が大きく異なるからです。
まずは、その職場の風土に慣れようとする意識が大切です。想定外の希望条件の不一致やルールの違いなどは、どの転職においてもゼロにすることはできません。
上司に相談したり、カンファレンスで提案したりと、具体的な改善行動を起こしましょう。その際、ただ単に不平不満を伝えるのではなく、相手の立場に配慮したうえで改善案を提案し、粘り強く話し合う姿勢が大切です。
そうした前向きな行動力が結果的に次の転職で評価され、転職成功へとつながるでしょう。
看護師転職サイト現役キャリアアドバイザーのコメント
新しい職場と合わないと感じても、看護師さんには一旦、改善行動や慣れる努力をしてみてほしいですね。転職活動中に気づかなかった希望が、実際転職したら出てくるものです。例えば、職場の感染予防や衛生管理、医療器具の扱いなどですね。それは働くうちに慣れてくることもあれば、提案によって改善されることもあります。しばらく様子を見て、それでもだめなら再転職の相談となりますが、1〜2週間で見切りをつけず、最終決断するまでに3〜4ヶ月は様子を見てほしいですね。
転職先の不満に対し改善行動を起こした看護師の口コミ体験談
30代前半│女性 地方の総合病院の外科・消化器内科病棟から都市部の総合病院の外科病棟へ転職
何度も働きかけることで改善案が定着化
自分自身で時間外勤務が減らせるように取り組むことや(本当に必要な仕事かどうか優先順位をつけ続けるなど)、自分だけでは変えることができない場合は、上司に直談判したり、病棟のカンファレンスなどで提案し話し合う時間を設けました。何回か話し合いを進めていくうちに、改善内容が定着化。複数名の職場のため人によって協力する人とそうでない人がおり、すぐに変えるのは難しい点もありますが、効果はあったように思います。
30代前半│女性 内科クリニックから別の内科クリニックへ転職
管理者との定期的な面談で職場環境の改善を提案
人間関係が原因で職場内がギクシャクしていましたが、人が足りない状況で私から辞職は言いづらく働き続けていました。辞めない代わりに、管理者との定期的な面談で自分の考えや職場の状況(どんなスタッフが必要か、業務内容の見直しなど)を伝えるようにしました。その結果、良いスタッフが定着して勤務してくれるようになり、私自身も良い人間関係の中で仕事ができるように。職場環境を整えることについて考えるきっかけにもなりました。
転職失敗で学んだ看護師をアンケート調査!成功するポイントは?
転職に失敗した看護師さんは、次にどんな転職方法を選ぶのでしょうか?転職失敗から挽回し、希望通りの転職をかなえた看護師さんに、成功のポイントをアンケート調査しました。
看護師転職サイトを利用して転職する
転職に失敗した看護師さんに、次はどんな方法で転職しようと思っているかをアンケートしたところ、以下の結果となりました。
看護師転職サイトを利用する | |
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看護師転職サイトとハローワークを利用する | |
看護師転職サイトを含め全部の転職方法を利用する | |
直接応募する |
(転職hub調べ)
看護師転職サイトのみを利用して転職したい看護師が8割を占め、他の方法と併用する看護師を含めると全体の95%が看護師転職サイトを利用すると答えました。
理由としては、働きながらの転職活動は大変で、求人探しや応募先とのやり取りなどを代行してくれる看護師転職サイトの利用が便利だからという意見が多く挙がりました。
看護師転職サイトを利用して転職に失敗しても再度、看護師転職サイトを使うという看護師は多く「前回の失敗理由を理解してくれているので、二度と同じ間違いをしないように任せられるから」というのが大きな理由のようです。
実際、転職に失敗した看護師の多くは前職を先に退職してしまい、あせりや不安による情報収集不足と自己分析不足が多いようです。そういった場合、これまでの経緯を理解し、的確なアドバイスをくれる相談者は必要。看護師転職サイトの担当者がそれを担ってくれるのでしょう。
看護師転職サイトを利用して転職したいと答えた看護師の口コミ
30代前半│女性 地域中規模病院の内科・整形外科から訪問看護へ転職
転職には失敗したがコンサルタントには満足
看護師転職サイトのキャリアアドバイザーは、大変な手続きを代行してくれたり、条件を先方に伝えてくれたり面倒な調整をしてくれるのでとても助かりました。情報収集も自分でするのには限界があるので、コンサルタントがいるのは効率的で、非常に魅力的だと思います。転職先選びに失敗もありましたが、転職サイトのサポートには何の不満もなく利用して良かったと感じたので、次の転職でも看護師転職サイトを利用すると思います。
40代後半│女性 総合病院の小児科成人混合病棟から心療内科クリニックへ転職
どんな些細なことも相談できるのが不安解消になる
次に転職する際も看護師転職サイトを利用しようと思います。実際に働いている人の声など提供してくれる内部情報も多く、不安に思うことはどんな些細なことでも相談できると考えると、活用した方が負担少なく理想の職場に出会える気がします。
30代前半│女性 地元病院の内科病棟、外来、内視鏡室からデイサービスへ転職
子育てと仕事の両立をバランスよく叶えるためにベストな方法
自分で探すだけでは情報も足りず、転職先の内部まで知り得ることはないので、次も看護師転職サイトを利用すると思います。アドバイザーの方と相談しながら求人を探すことで新たな気付きもあり、子育てや仕事とバランス良く生活するにはベストだと思います。
20代後半│女性 県基幹病院の婦人科、乳腺内分泌から企業主導型保育園看護師へ転職
働きながらの転職活動は情報整理をしてくれる担当者が必要
働きながら自分で詳細に調べて直接応募をするのはなかなかに大変です。複数の病院を比較していると余計にこんがらがって、どこがどんな特徴を持っていたのかなどわからなくなってきます。キャリアアドバイザーさんのように情報を整理してくれる方と共に進めていく方が良いと思います。
キャリアアドバイザーに何でも相談する
キャリアアドバイザーには、包み隠さず率直な価値観や意見を伝えることをおすすめします。
転職に失敗してしまった方は自己理解が甘く、入職後に初めて自分の価値観に気づくケースも少なくありません。一人で自己分析をするのは難しく、客観的な第三者の目が必要と言えます。
現職が嫌な理由や、どういった人が苦手なのか、どのように働いているのか。多少愚痴っぽくなっても構いません。正直に何でも話してくれたほうが、キャリアアドバイザーも本音を汲み取ることができ、求人紹介の精度も上がるそうです。
漠然とした悩みでも気軽に相談しましょう。アドバイザーからの質問に答える過程で、自分の価値観に気づくこともあります。悩み相談はメールより電話がおすすめ。
複数のエージェントに登録することで、相談しやすく相性の良いアドバイザーをみつけることができるでしょう。
看護師転職サイト現役キャリアアドバイザーのコメント
求職者の方は、自分自身のことや希望をたくさん話してほしいですね。何が嫌で、どんな人が苦手で、現職場でどんな仕打ちを受けているのかや、今後の希望、こんなことは避けたいなど、気をつかわず何でもたくさん話してほしいです。そういう意味では、自分が話しやすい担当者をみつけるのが一番。キャリアアドバイザーは資格があるわけでもなく、転職サポートの実力が見極められる指標はありません、話しやすい人、的確に質問してくれる人を選ぶのがいいと思います。
自己分析・情報収集を怠らない
転職で失敗した方の多くは、自己分析と情報収集が不足していたことを後悔しています。
転職hubの独自調査によれば、職場見学をせずに入職を決めて転職に失敗した方が多いことがわかりました。人間関係や職場の雰囲気などは、求人票だけでは判断できません。内部事情をつかむために、できる限り職場見学をしましょう。
また、ネットで調べられる医療機関の口コミや、複数の知り合いの意見も参考にすべきだったという声も多く挙がっています。
注意したいのは、現職で不満を感じなかった条件を見落とさないこと。例えば、残業や夜勤の多さが不満だとそれについては熱心に情報収集をしますが、前職で満たされていた福利厚生はあまり調べずに転職してしまう例は少なくありません。転職して初めて自分の中で大切な条件だったことに気づくケースも多いのです。
転職成功のために、自己分析と情報収集は念入りに行うようにしましょう。
採用条件提示書の発行を依頼する
採用条件の嘘が入職後に発覚して泣き寝入りするトラブルを事前に防ぐために、採用条件提示書の発行依頼をおすすめします。
採用条件提示書とは、募集要項や内定通知書とは別に、採用条件の詳細を記載した書類です。口約束の嘘や採用条件と現場とのギャップがその後発覚した際、明確な証拠になります。
採用条件提示書に記載する項目は、看護師側からある程度指定できます。給料、各種手当、残業時間、夜勤の有無、オンコール対応の有無など、嘘をつかれて転職に失敗した、後悔した経験がある条件はできる限り細かく記載してもらいましょう。
採用条件提示書は、看護師側から依頼しなければ発行してもらえないことも多いので、依頼忘れがないようご注意ください。現職に退職届を出すのは採用条件提示書を受け取った後が安心です。
転職に失敗したくない看護師におすすめの看護師転職サイト3選
転職に失敗したくない看護師におすすめの看護師転職サイトを厳選して紹介します。
看護roo!は内部情報の収集力に高評価
求人数(※) | 201,802件 (その他、非公開求人あり) |
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対応地域 | 全国 |
問い合わせ時間 | 平日:9:00~21:00 |
運営会社 | 株式会社クイック |
※ 求人数は2024年11月時点
おすすめポイント
看護roo!は、首都圏・関西・東海地方の求人に強く、転職後の満足度が高い求人紹介に定評があります。給料や手当、福利厚生などの条件面だけではなく、人間関係や職場の雰囲気、やりがいまで考慮した求人提案力が強み。対応がていねいかつスピーディーでストレスなく転職活動ができます。
看護roo!は、職場の内部情報収集力に優れた看護師転職サイトです。さまざまな口コミサイトの転職エージェントランキングでも、度々上位に紹介されています。
求職者と医療機関のベストマッチングを重視しているため、双方から多大な信頼が寄せられているのが特徴。その信頼は、実際に転職した看護師や採用担当者からのリアルな内部情報の収集にもつながり、サポート品質向上の好循環を生み出しています。
さらに看護roo!のキャリアアドバイザーはデメリットも伏せずに伝えてくれる場合が多く「聞いていた話と違う」という状態に陥ることも少ないようです。
ヒアリング力も高く、面接対策も徹底されているため、スキル不足で次の転職活動に自信がない新人看護師にもおすすめです。
レバウェル看護(旧 看護のお仕事)はじっくりていねいなサポートが強み
求人数(※) | 158,398件 (その他、非公開求人あり) |
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対応地域 | 全国 |
問い合わせ時間 | 平日:9:00~21:00 |
運営会社 | レバレジーズメディカルケア株式会社 |
※ 求人数は2024年11月時点
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ナース専科 転職(旧 ナース人材バンク)は最多規模を誇る求人数で地方もカバー
求人数(※) | 25,169件 (その他、非公開求人あり) |
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対応地域 | 全国 |
問い合わせ時間 | 平日:10:00~19:00 |
運営会社 | 株式会社エス・エム・エス |
※ 求人数は2024年11月時点
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転職に失敗した看護師のよくある質問Q&A
転職に失敗した看護師から多く寄せられる疑問や質問への回答をまとめました。
Q.転職理由は正直に言っても大丈夫?
採用担当者は転職理由を聞くことで、退職の原因が自社への転職で解消されるかどうか、看護師自身に問題がないのかをチェックしています。転職理由は言い方次第で大きく印象が変わります。
印象が悪くならないポイント
- 転職理由と志望動機に一貫性がある
- 看護師自体に問題がなかったことを納得してもらえる客観的な視点
- 応募先では前職と同じ問題が生じないことを説明
例えば「残業がつらい」という理由でクリニックを辞めて病院へ転職を希望するなどは、転職理由と志望動機に一貫性があるとは言えません。また、職種の特性上、どの医療機関でも残業0時間というのは難しいのも現実です。残業の多さが転職理由になるほど勤務体制に問題があったことを説明できるかがポイントです。
転職理由は長々と説明する必要はありません。1分以内でまとめるように指示するキャリアアドバイザーもいるようです。その際、以下のポイントを盛り込むとさらに印象が良くなります。
- 転職を決めるまでに、状況を改善する前向きな行動をしたこと
- 改善行動をした結果得られたポジティブな気づき
他責ではなく自責で考えられる人物かどうかがポイントです。また、転職理由で嘘をつくのはよくありません。うつ病などの精神疾患が理由の場合も、正直に伝えたほうが良いでしょう。
Q.看護師の平均転職回数、平均在勤期間は?
厚生労働省の「看護職員就業状況等実態調査結果」の「これまでに勤務先を退職した回数」をもとに算出した結果、看護師の平均転職回数は1.1回でした。
割合としては、0回が最多で7,861人、1回が4,174人と続き、2回と3回も1,000人を超えています。
ただし、不利となる転職回数の目安は何年目の看護師で今何歳かによって許容範囲が異なります。20代なら3回、30代なら5回、40代なら7回までの転職回数であれば許容範囲とみなされるケースが多いでしょう。
ちなみに、結婚に伴う引っ越し、出産、育児など、不可抗力による転職回数の多さはそこまで不利にはなりません。
また、医労連の「看護職員の労働実態調査」によれば、看護師の平均勤続年数は12.4年です。
割合としては、1年未満で退職した看護師は全体の5.9%、3年未満は14.6%で、合計20.5%と約2割に上ります。5人に1人の看護師が早期退職していると考えてよいでしょう。
参考資料:厚生労働省|看護職員就業状況等実態調査結果
医労連|看護職員の労働実態調査
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Q.転職に失敗ばかりで転職回数が多くなる原因は?
転職に失敗ばかりの主な原因は以下の通りです。
- 情報収集不足
- 自己分析不足
- コミュニケーション能力不足
転職に失敗する方は、現職と応募先を比較するうえで十分な情報を得ていない傾向があります。医療機関の口コミを確認する、キャリアアドバイザーに内部事情を質問する、職場見学で雰囲気をチェックするなど、判断に十分な情報を得ましょう。
また、当初の転職目的が達成されたにもかかわらず不満を感じてしまう方は、入念な自己分析で希望条件に優先順位をつけることもポイントです。
例えば「給料と仕事内容が見合わない」と転職を繰り返すことが続いている方は、自己評価が高いのにスキル不足の可能性が。第三者の客観的な評価に耳を傾ける必要がありそうです。
また、人間関係のトラブルが原因の転職が多い方は、自身のコミュニケーション能力に問題がある可能性も。訪問看護や企業に勤める産業看護師、短期雇用の派遣など個人で動くことの多いコミュニケーション少なめの職場を検討するとよいでしょう。
Q.すぐ辞めると思われないために応募書類・面接ではどうアピール?
すぐ辞めると思われないためには、早期退職したことはイレギュラーであり、転職先では長く勤めたいことを応募書類や面接でアピールすることが大切です。
そのためには常識があり、前向きで、気持ちの良いコミュニケーションが取れる人柄であることを理解してもらう必要があります。
すぐ辞めるような看護師に思われないためのポイント
- 履歴書に誤字脱字がない
- 身だしなみに清潔感がある(履歴書の写真含む)
- 他責ではなく自責で考えられる
- 職歴に嘘をつかない、ごまかさない
- 転職理由と志望動機に一貫性がある
- 前職の批判を書かない、言わない
- ネガティブな事実でもポジティブに変換して伝えられる
常識があり誠実な人柄かどうかは、文章・話し方・態度からにじみ出るものです。
失敗経験を反省し、原因を理解し、次の職場では同じ失敗が起こらないことを、自信を持って説明できるようにしておきましょう。
Q.不利になる「短期間の転職」の長さは?
採用側は1年単位で採用スケジュールを考えているため、1年未満の転職は不利になりやすいです。同じ1年未満でも、2~3ヶ月よりは8~9ヶ月のほうが印象は良いでしょう。
ただし、採用担当者やキャリアアドバイザーは、1つの勤務先につき3年以上の勤務が望ましいと考えています。特に、新卒で入職した職場で3年以上勤務している看護師さんの場合は、その後1年未満の転職があっても長期勤務ができると判断されるケースもあります。
早期退職で不利な転職活動になるかもしれないと感じている方は、転職時期は慎重に判断しましょう。例えば、6月のボーナスを受け取って辞める人が多い7~8月は求人数が多くなり、9月入社に向けて採用活動が活発になります。こうした求人数の多い時期を狙えばチャンスを得やすいかもしれません。
看護師が転職に失敗しないためのポイントまとめ
転職の失敗経験には多くの共通項があります。職場見学をしていない、面接時の違和感を無視した、転職にあせりがあったなど、同じような失敗事例が複数出てきましたね。
逆に言えば、失敗ポイントに気をつけて改善すれば、転職に成功することが可能です。数回の失敗経験であれば、十分挽回することができるのでご安心ください。
大切なのは、次の転職で同じ失敗を繰り返さないこと。
自分を深く知る良い機会だったと失敗を前向きに捉え、より自分らしいキャリアを歩んでいきましょう。
転職後はできれば2年程度はがんばって勤務を続けてほしいですね。辞めて不利になる期間は、1年未満。数週間、数ヶ月で辞めてしまった場合は、その後の転職では内定が出づらくなると覚悟したほうがいいでしょう。