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薬剤師が地方に転職すれば年収150万円アップ?地方の年収ランキング
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「地方で働く薬剤師は都市部よりも年収が高いって本当?」
「年収が高いのには何か裏があるの?」
地方で働く薬剤師は都市部よりも年収が高いという話は本当です。薬剤師の年収を都道府県別に比較したところ、東京都や大阪府、愛知県などの主要都市よりも地方の方が年収が高いことがわかります。
順位 | 都道府県 | 平均年収 |
---|---|---|
1位 | 山口県 | 667万円 |
2位 | 香川県 | 652万円 |
3位 | 茨城県 | 649万円 |
11位 | 愛知県 | 606万円 |
20位 | 東京都 | 594万円 |
37位 | 大阪府 | 537万円 |
※厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より
※平均年収は基本給×12ヶ月分に年間賞与その他特別給与額を加算した金額。千円未満切り捨て、同額の場合は、千円単位の金額を優先
では、なぜ地方で働く薬剤師の年収は高いのでしょうか。理由は大きく分けて2つあります。
- 地方は単純に薬剤師の数が不足している
- 地方の病院や薬局は売り上げが良い
この記事では、都道府県別の薬剤師の平均年収や実際に地方へ転職した薬剤師の体験談、都市部と地方で働くメリット・デメリットを解説します。
Uターン転職やIターン、Jターンを考えている薬剤師の方は参考にしてみてください。
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転職サイト | 公開求人数 | サポート体制 |
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目次
地方勤務の薬剤師の年収は高かった! 地方の給与の相場
「地方で働く薬剤師は給与が高い」。そのうわさは本当なのでしょうか? 主要都市と地方の年収を比べてみましょう。
主要都市と地方都市の平均年収比較表
下記は「東京都・大阪府・愛知県」の薬剤師の平均年収と、ランキング上位の「山口県・香川県・茨城県」を比べた表です。
主要都市 | 平均年収 | 地方都市 | 平均年収 |
---|---|---|---|
東京都 | 594万円 | 山口県 | 667万円 |
大阪府 | 537万円 | 香川県 | 652万円 |
愛知県 | 606万円 | 茨城県 | 649万円 |
※厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より
※平均年収は基本給×12ヶ月分に年間賞与その他特別給与額を加算した金額
もちろん入社初年度から必ずこのような年収が保証されているということではないですが、いわゆる主要都市と呼ばれる3エリアの年収より、地方エリアの年収の方が約150万円近く多くなっています。また、一般的に主要都市より地方エリアの方が生活にかかる物価が安価だということもあり生活水準を高いままで維持しやすいといわれています。
収入が高いのは地方?都市部?薬剤師の都道府県別年収ランキング
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」の結果を元に、転職hubが算出したところ、全国の薬剤師の平均年収は574万円でした。
ここでは、各都道府県の薬剤師平均年収をランキング形式で紹介します。自分が働いている地域の平均年収と現在の自分の年収を比較してみましょう。
※厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より
※平均年収は基本給×12ヶ月分に年間賞与その他特別給与額を加算した金額。千円未満切り捨て、同額の場合は、千円単位の金額を優先
全国の薬剤師の平均年収を比較したところ、主要都市以外の地域が上位にランキングしています。愛知県や東京都などの主要都市は平均年収以上ではありますが、1位の山口県と比較すると、およそ60万円以上の差があり、ランキング上位の600万円台を下回ります。
また、大阪府が37位と主要都市の中では一番低い結果となりました。この結果から、同じ薬剤師でも働く地域によって、年収に差が出ることがわかります。
地方の薬剤師の求人紹介
実際に地方の求人をいくつか紹介します。
岐阜県各務原市の求人
宮崎県西臼杵郡の求人
このように600万円を超える求人が比較的簡単に見つかります。では次の項目で、なぜこのように地方の薬剤師の年収が高いのかについて解説します。
地方の薬剤師の年収が高い2つの理由
「地方の薬剤師は人手不足が故に激務で満足に休みが取れない」「都市部のように魅力ある企業が少ない」という声を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。確かに地方で働く薬剤師の年収が、都市部の薬剤師の年収より高いのはにわかに信じがたいかもしれません。では、なぜ地方の薬剤師の年収は高いのでしょうか。ここからは地方薬剤師の年収が高い理由を2つ説明します。
1.地方は単純に薬剤師の数が不足している
都市部と地方の人口を比べても、明らかに地方は人材が不足しているということは多くの方が容易に想像できるのではないでしょうか。その現状は薬剤師の市場でもいえることで、基本的に地方は薬剤師が不足している状況です。しかし、だからといってどの職場も激務かというと必ずしもそうではないようです。そのカギは、薬剤師の働く職場にあります。
例えば、薬剤師の職場として代表的な病院勤務の場合高度なスキルや知識をもつ人材を求める傾向も強いため、地方ではかなり忙しい職場が多数存在します。病院によっては、夜勤や残業、休日出勤もこなす必要があるなどややハードな印象です。
それに比べると、調剤薬局やドラッグストアに勤務する薬剤師は来店した人へのカウンセリングや商品選びのサポートなどが中心で、勤務時間中もさほど忙しくないというケースも少なくないといいます。
2.地方の病院や薬局は売り上げが良い
地方では都市部よりも病院や薬局と患者の結びつきが強いという特徴があります。そのため人気の専門医に患者が集中するというケースがあります。そうすると必然的に門前である薬局の売り上げも良くなり、給与に還元されるという流れとなります。
激務だから高給?月間平均労働時間と残業時間を地域別に比較
薬剤師の数が不足しているという理由により、地方の薬剤師は年収が高くなる傾向ですが、勤務時間にも差があるのでしょうか。
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」を参考に、平均労働時間を算出したところ、以下の結果となりました。
順位 | 都道府県名 | 月間平均労働時間(超過実労働時間数) |
---|---|---|
1位 | 沖縄県 | 195(17) |
2位 | 広島県 | 192(21) |
3位 | 静岡県 | 191(21) |
4位 | 京都府 | 188(17) |
5位 | 山梨県 | 185(13) |
※厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より
月間平均労働時間は、所定内実労働時間数に超過実労働時間数を含めた時間
順位 | 都道府県名 | 月間平均労働時間(超過実労働時間数) |
---|---|---|
20位 | 東京都 | 168(10) |
20位 | 大阪府 | 168(12) |
17位 | 愛知県 | 172(10) |
※厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」より
※月間平均労働時間は、所定内実労働時間数に超過実労働時間数を含めた時間
月間労働時間トップ5は地方が占め、いずれも185時間を超えることがわかります。1位の沖縄県の場合は1日平均勤務時間(※)はおよそ10時間となり、主要都市と比較すると約30時間の差がありました。
残業時間(超過実労働時間数)についても主要都市より10時間以上差がある地域もあり、都市部の薬剤師に比べて忙しいことがうかがえます。
地方薬剤師の数は主要都市と比較すると少ないため、限られた人数の中で業務を遂行する必要があります。そのため、薬剤師一人当たりの業務量も多くなり、主要都市と比較すると勤務時間が長くなる傾向です。
※月間平均労働日数が20日の場合
実際に地方に転職した薬剤師の体験談
ここで実際に都市部から地方に転職した人の体験談を見てみましょう。
転職hubでは、実際に地方に転職した薬剤師にアンケートをとり、地方への転職のメリット・デメリットを伺いました。
地方へ転職したメリット
メリットとして多かったのは「高収入を得られる」ことを目的に転職を考えたという意見でした。
60代|男性
離婚がきっかけで地方に転職しました
離婚がきっかけで自分の収入だけで子どもを育てる必要があり、高収入を目的にかなり僻地に転職しました。最初は田舎というイメージがあったのですが、収入を増やすという目的を果たしたうえ、都市部よりも患者さんとの関わりが増え薬剤師としてのやりがいをより感じることができました。正直生活の変化に戸惑うときもありますが、総合的に成功だったかなと感じています。
30代|女性
地元の調剤薬局の年収が高かった
一般的に製薬会社のMRの方が年収は高いが、地元の調剤薬局は製薬会社の年収を超えるものであったのと、住宅費用に加え、引越し費用も調剤薬局負担のため、転職を決意した。当時はまだ独身で恋人等もいなかったため、地方への転職に特に抵抗もなかった。また、調剤は製薬会社勤務時に副業として調剤業務を行っていたこともあり、調剤薬局の一般的な業務はこなせたため、転職を決めた。福利厚生は製薬会社に比べると少し下がるが、年収がカバーできると思った。 初めは、地方へ抵抗もあった場合でも、行ってみると給料以外の働くメリットも見つけてやりがいを感じながら仕事をする方もいらっしゃいます。
地方へ転職したデメリット
デメリットについては業務内容よりも、「地方での過ごし方についての物足りなさ」を感じたという意見がありました。
時間を持て余してしまうことがある
娯楽施設やショッピング施設、外食で言うとチェーンも少なく、時間を持て余してしまうこともある。インドアな方だったら問題ないが、アウトドア好きや買い物好きの人にとってはとても退屈な日々を過ごすことになると思う。
30代|女性
欠勤が出ると業務量が一気に増える
忙しい時と忙しくない時の落差が激しいのが、地方の調剤薬局の特徴だと思う。一般的にインフルエンザや風邪などが流行る冬は患者さんが多く、薬剤師に欠勤が出てしまうと、1人の薬剤師にかかる負担と業務量は凄まじいものと思う。しかし、閑散期もある。コロナの状況で少し変化はあるものの夏は比較的患者さんは少ない傾向にあり、患者さんが誰も来ない時間帯などはとても時間があり、薬歴の整理や掃除に費やせる時間が多くあり、心体的負担も少ない。
地方への就職・転職で迷っている薬剤師への4つのアドバイス
これまでで地方で働くと収入が高くなる傾向にあることはおわかりいただけたと思います。しかしそうはいってもやはり見ず知らずの土地で働くのは不安ですよね。特に現在都市部に住んでいる方は生活の変化やなじめないのではないかといった不安などで迷う方も多いでしょう。そこで薬剤師が地方勤務を検討する際のポイントを紹介します。
地方にいきなり転職する前に派遣薬剤師として働いてみる
いきなり引っ越しまでするのは怖いという方の中にはまず派遣として都市部から通勤する形で働き、収入を確保するという方もいます。都市部からそこまで離れていない地域なら派遣という働き方も十分可能です。そこで地方勤務をお試ししてみて、よかったら実際に転職という流れでもいいでしょう。
薬剤師が地方に転職するなら、出身地や学生時代にいた場所、よく遊びに行っていた場所など自分と縁のある土地を選ぶ
転職をすると大きく環境が変わり、知らず知らずのうちにストレスをかかえてしまっているものです。そのうえまったく知らない土地での転職となるとその心身の負担は相当なものになると予想できます。そのため、できるだけ転職先を選ぶ地方には自分にゆかりのある場所を選ぶ方が安心です。
また、社内営業が暗黙の了解として存在している企業も多いのが地方です。そのような場合も実家があったり学生時代の縁がある場所の方が何かと便利だといえます。
そのエリアで楽しめる趣味がある
毎日職場と自宅の往復の生活では味気ないものです。特に引っ越しを伴う転職ではこれまでの友人とも疎遠となってしまうことも考えられますので、何か趣味を見つけておけば新天地でも仲間や友達をつくるのもスムーズです。地方でもランニングやウォーキング、登山、ヨガ、サップなどのコミュニティがありSNSを通じてオフ会を開催することも増えています。身体を動かすのが苦手であれば、カフェ巡りや日本酒、ワインなど食を通じたコミュニティなどもありますので興味があるものは事前にフォローして、タイミングが合えば集まりに参加してもよいでしょう。
地方で働くかどうか薬剤師転職エージェントに相談してみる
転職エージェントは毎年何人もの薬剤師の転職をサポートしている転職支援のプロなので、あなたが本当に地方に行くべきなのか行くべきでないかの相談に無料で乗ってもらうことができます。大手の転職エージェントなら相談に乗ってもらえる他にも、その土地の特徴や給料相場などの情報収集、待遇などの条件交渉もキャリアアドバイザーに代行してもらえます。地方で働くことで迷っていらっしゃる方は一度利用してみてはいかがでしょうか。
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転職サイト | 公開求人数 | サポート体制 |
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【地方VS都市部】勤務地別薬剤師の働くメリット・デメリットまとめ
地方で働く選択、都市部で働く選択で悩んでいる方も多いかもしれませんが、それぞれにはメリットもあればデメリットもあります。また地域や職場との相性もあるので一概にどちらがよいということはいえません。本来であれば、ご自身で両方を体験してみて決めるのが一番よいですがそれもあまり現実的ではありませんので、ここからは地方薬剤師として働いてみたい方が知っておいてほしい情報をお届けします。
給料や年収は高くて物価は安い! 経済的観点から見た地方のよさ
何といっても地方薬剤師として働くメリットは、年収が高いわりに都市部と比べて物価が安いため経済的に豊かな生活が送れることだといえます。
一生懸命働いても生活水準の高いエリアに暮らしていると、家賃や毎月の固定費が多くかかってしまい自由に使えるお金や貯蓄に回すお金が少なくなってしまいます。
幸い近年では物流網が発達しているので、地方であってもネット通販で購入した商品は数日内に届きますし、場所によっては公共の交通機関が十分整っているので地方でも快適に生活することができます。また地方の物価は主要都市に比べると安いですし、仕事さえあれば人とのつながりも深いので子育てなど思い描いた理想の生活ができるかもしれません。
地方勤務と都市部勤務のメリット・デメリット(経済面以外)
地方で働く薬剤師と都市部で働く薬剤師のメリット、デメリットを表にまとめました。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
地方 |
|
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都市部 |
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患者さんとじっくり向き合えるのは地方薬剤師のメリット
薬剤師の仕事面でいえば、人手不足の地方にはチャンスがたくさんあります。特に在宅医療の分野は発展途上の状態ですから、自ら手を上げればチャンスが巡ってくる可能性は大いにあります。それ以外にも、患者さん一人ひとりとじっくり向き合うこともしやすいので人間どうしが膝を突き合わせて関わり合いをもつことを希望している方にはぴったりです。
最新の情報は自らキャッチしなければならないのがデメリット
反対にデメリットとなりえることは、最新の情報は自分から取りにいかないと獲得が難しい点が挙げられます。世間のトレンドすらも、地方には主要都市から数年遅れてくるといわれていますので、自らアンテナを張って日々情報をキャッチしようとしていないとすぐに時代に取り残されてしまいます。しかし最近は、スマートフォンやインターネットの発達でいつでも気軽に情報が取得できます。また求人数を心配している方も多いかもしれませんが、エリアによっては首都圏ほどの数はないものの薬剤師不足ということもあり仕事はあります。多少条件があってもスキルややる気が伴っていれば夢が実現する可能性は高いでしょう。