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専門学校ICSカレッジオブアーツが目指す人材育成
近年、地球環境問題への関心の高まりとともに、持続可能な社会の実現に向けたデザインの重要性が叫ばれている。そんな中、環境と調和したデザインを学べる専門学校として注目を集めているのが、環境造形学園専門学校ICSカレッジオブアーツ(東京都目黒区)だ。
同校では、「ひと・モノ・空間の調和」をコンセプトに幅広い分野で活躍できるデザイナー・クリエイターの育成に力を入れている。
広報部の島原隆聡さんは、「将来、デザイナーとして活躍するうえで武器となるのが、創造力です。当校では独自の創造力を養うため、チュートリアル方式の授業を採用しています。これからの社会で必要とされる活きたデザイン力を身につけてもらいたいです」と語った。
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日本初のインテリアデザイン専門学校「ICSカレッジオブアーツ」
昼夜を問わず車が行き交う環状七号線(環七通り)沿いに、専門学校ICSカレッジオブアーツ(以下、ICS)がある。同校は、1963年に網戸武夫をはじめとする当時を代表する建築家によって、日本初のインテリアデザイン専門学校として設立された。
インテリアという言葉が一般化する前から、同校はインテリアデザインの重要性を認識し、その教育に尽力してきた。1999年には、日本の高等教育機関として初めてノッティンガム・トレント大学(イギリス)と学位提携制度を結び、国際交流を通じてグローバルに活躍できる人材育成を強化している。この提携により、同校の学生は、国際的に通用する教育を受けられるようになった。
現在では、インテリアデザインにとどまらず、建築、家具、ランドスケープなど、人の生活に関わる幅広い分野をカバーする総合デザイン専門学校として発展を遂げている。各分野の専門性を深めつつ、分野横断的なアプローチを取り入れることで、学生たちは総合的なデザイン力を身につけることができる。
「ミドルセックス大学(ロンドン)や大葉大学(台湾)とも提携しており、交流を通じて各国の文化や感性に触れながらデザインを学ぶ機会も多いです。日台合同のワークショップや卒業制作の合同展示など、国際色豊かなことも当校ならではの特徴だと思いますね」
インテリア・建築・家具、それぞれの分野に特化した4学科を設置
ICSには、「インテリアアーキテクチュア&デザイン科」「インテリアデコレーション科」「インテリアマイスター科」「インテリアアーキテクチュア&デザイン科Ⅱ部(夜間部)」の4学科がある。
「インテリアアーキテクチュア&デザイン科」は、インテリアデザインの基礎から応用までを幅広く学ぶ。空間デザイン、家具デザイン、ライティングデザインなど、ICSのデザイン教育が詰まった3年制のコース。
1年次は図面の読み方・描き方、設計デザイン、表現技法などの基礎を身につける。2年目以降は、規模や利用者数など条件に合わせたインテリア・家具・建築デザインを実践に落とし込む実習授業が増えていく。
例えば、「物販プロジェクト」では、ブランドコンセプトや世界観、店舗の立地などのリサーチをもとに、家具や食器、照明の配置などデザインをトータルで学ぶことができる。
「インテリアデコレーション科」は、ショッピングセンターや百貨店などの商業施設の商業空間デザインと、戸建て・集合住宅などの住空間デザインのインテリアを学ぶコースだ。島原さんは、「単に見栄えの良いデザインを創るのではなく、空間を使う人の視点に立って、機能性と美しさを兼ね備えたデザインを考えることが重要」だと言う。
「1年次後期から実技授業を多く取り入れ、働く人や住む人にとっての美しい空間とは何か? を考える力を鍛えていきます。トライ&エラーを繰り返すことで思考力や提案力が磨かれ、アイデアの引き出しが増えていくからです」
インテリアデザインの企画・提案力を磨く実習はもちろん、2級建築士資格の取得に向けた対策講座なども備わっている。
「インテリアマイスター科」は、家具製作や建築施工といったものづくりに特化した2年制のコースだ。家具のデザインや実作、小規模な小屋の制作などの実習授業を多く取り入れ、知識・技術はもちろん、クリエイティビティを磨いていく。ものづくりの現場では、技術力はもちろん、感性や創造力も求められるためだ。
1年次は模型の作り方やCAD、インテリア造形など基礎を中心に学び、家具・小屋制作、塗装、素材加工といった技術面を強化するトレーニングへと移っていく。2年次には、他学科のデザイナーと協同し、実務に近い実践的な制作を行う。
4学科の中で社会人学生がもっとも多いのが、夜間部「インテリアアーキテクチュア&デザイン科Ⅱ部(2年制)」だ。授業は、週3日(月・水・金)の18:30~21:45に設定されている。社会人や大学へ通う学生が勉強と学業を無理なく両立できるような時間割となっている。
夜間部の学生の多くが、異業種からインテリア・建築業界へのキャリアチェンジを志す社会人だという。
「仕事の都合でやむを得ず平日の授業を欠席してしまった場合も、土曜日に補講を受けられるなど、社会人学生向けコースならではのサポートを行っております。少人数のクラスなので講師との距離も近く、質問や相談がしやすい環境だと思います」
企業とのコラボレーション授業で実践力を磨く
各学科とも、業界のプロフェッショナルを講師に迎え、最新の知識と技術を学ぶことができる。また、企業とのコラボレーションプロジェクトや、国内外のコンペティションへの参加など、実践的な経験を積むことも可能だ。
ICSでは、学生一人ひとりの個性を大切にし、きめ細やかな指導を行うことで、それぞれの目標に向かって成長できる環境を整えている。在学中から業界とのつながりを持てることも、同校の大きな魅力の一つと言えるだろう。
卒業後の進路も多岐にわたり、インテリアデザイン事務所や建築設計事務所、ハウスメーカー、家具メーカーなどで多くの卒業生が活躍している。ICSで培ったデザインの力は、どの道に進んでも活かせるはずだ。