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園田学園女子大学の生涯学習センターは60〜80代からスタートできる!定年退職後の人生をより豊かにするヒントがここに
兵庫県尼崎市に位置する「園田学園女子大学」は、地域の学びと交流の場として、公開講座やシニア向け専修コースなどの教育・文化事業を展開し、開かれた大学づくりを行っている。
同大学では、1979年5月の「土曜公開講座」開講を機に生涯学習への取り組みをスタート。リカレント教育の重要性が広く認識されるよりも前から、生涯学習に力を注いできた。
園田学園女子大学・園田学園女子大学短期大学部 学長の大江篤氏に生涯学習センターで学べる内容や取り組みについて話を聞いた。
<園田学園女子大学 生涯学習センターの公式HPはこちら>
地域に開かれた大学として
平日の昼下がり、窓から差し込む穏やかな光が園田学園女子大学の講義室を照らしている。その中に、20代の女子学生たちと共に学ぶシニアの姿があった。園田学園女子大学が、生涯学習の一環として2002年にスタートした「シニア専修コース」の受講生だ。
「現役を退いた後も、健康でアクティブな生活を送れるよう、学び直しや再チャレンジの場として、シニア専修コースを開講しました。シニア専修コースは、文学歴史学科、国際文化学科、情報学科の3つの専門学科を設置しています」
文学歴史学科、国際文化学科、情報学科の各学科の定員はそれぞれ30名で、受講生は、所属する学科と学年に応じてカリキュラムが用意されており、学科必修科目と共通選択科目を興味に応じて履修できるようになっている。
授業は各科目90分間で行われ、学生は毎年2科目を履修し、3年間で合計6科目以上を取ることが卒業の条件だ。
定年後や早期退職後、大学進学を志すシニア世代は一定数いるが、その場合、大学受験することになる。しかし、集中力の低下や体力の衰えが足かせとなり、大学進学を諦める人は多い。
シニア専修コースは入学試験が不要で誰でもチャレンジできる
「シニア専修コースでは入学試験が必要なく、学歴・性別・年齢などの制限も一切ないため、誰でも気軽にチャレンジできます」
同コースには、元システムエンジニアや研究者など、多様なバックグラウンドを持つシニア世代が参加。専門的な学習への理解を深めるだけでなく、受講者それぞれの経験や考え方・意見を交換し合う。
受講者の年齢層は60〜80歳が多いが、みな実年齢よりも若く見え、生き生きとしている。それも笑顔が絶えず、楽しげだ。
学園祭や同好会など世代間交流ができる機会も豊富
「学園祭(けやき祭)や同好会など、学部学生との世代間交流ができるイベントが豊富にあることが、若々しさを保つ秘訣だと思います。このほか、テニスやカラオケ、軽音楽、ゴルフなどのクラブ活動が盛んで、体力維持や新しい仲間作りのきっかけになっているんです」
学園祭(けやき祭)では、野外ステージ上で軽音楽部の学生とシニアがコラボレーションして演奏することもある。幅広い世代との交流で多様な価値観に触れる機会となり、これが生活を充実させ、生きる活力になるのだろう。
「シニア専修コース」卒業時には、卒業証書と共に文部科学省が定める履修証明書が交付される。もし卒業後も継続的に学びたい場合は、「研究生」として学びたい科目を選択することも可能だ。情報学科には研究生用の科目があり、インターネット活用やプログラミングについて学ぶ。
「定年退職後は、社会とのつながりが少なくなるため、『時間をどう過ごせばいいのか』『趣味を見つけられない』と悩むシニア世代は多いです。シニア専修コースでは、毎週2〜3回の講義や、クラブ活動などさまざまなプログラムが用意されています。没頭できる趣味を見つけたり、気の合う仲間と交流したりすることで、充実した生活を送るきっかけを提供できれば嬉しいです」