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京都調理師専門学校で自分に合った学び方を!最短ルートなら調理師科、じっくりなら調理師科夜間部へ
旬の食材を使い京都の四季折々を表現した京料理、代々受け継がれてきた家庭料理のおばんざいなど、さまざまな食文化が根付く京都。日本の食文化の原点といえる京料理が、2022年に国の登録無形文化財に登録された。
京都府にある「学校法人大和学園 京都調理師専門学校」では、京料理をはじめとした和食・日本料理等の食文化を継承する担い手を育成すべく、社会人の学び直しにも力を注いでいる。
「飲食業界は今、人手不足の課題を抱えているのが現状です。同校では、業界の魅力を発信し、社会人の学び直しを促進するカリキュラムを開発し、新たな担い手育成のプロジェクトを発足しました」
京都調理師専門学校 広報渉外部でプロジェクトを担当する尾形詩織さんに、同校のカリキュラムの特徴を聞いた。
<京都調理師専門学校の公式HPはこちら>
入学者の3人に1人が社会人・既卒者
2022年10月、京都府京都市にある「京都調理師専門学校」が京料理を育成する実践的な短期集中型職業教育プログラム「京料理カレッジ」を開発し話題となった。京都府域、京都市内の食関連産業の担い手を育成し業界を盛り上げることが狙いだ。
「当校は、京料理はもちろん、日本料理や西洋料理(イタリアン・フレンチ)など、幅広い食文化を学ぶことができます」
京都調理師専門学校の母体となる学校法人大和学園は1931年の創立以来、多くの優秀な食や観光分野のプロフェッショナルを育て上げ、輩出してきた。
その中でも、京都調理師専門学校の卒業生には、2年連続でミシュラン1つ星を獲得した者もいる。いつか自分もその名を世界に知られる存在となりたいと、多くの人が京都調理師専門学校の門を叩く。
「当校に通う学生の9割が未経験からのスタートです。これまでほとんどキッチンに立ったことがない、包丁の持ち方すらよくわからない方でも心配ありません。卒業時には、日本料理・西洋料理の基礎から応用、そしてお菓子作りまで幅広いスキルを身につけられます」
社会人・既卒者の間で京都調理師専門学校の人気が高まっている
京都調理師専門学校は、卒業と同時に調理師免許(国家資格)を取得できる学校です。学科は全部で4つあり、社会人・既卒者から特に人気なのが、「調理師科(1年制)」と「調理師科夜間部(1.5年制)」の2つですね」
調理師科は、和食から洋食、中華、カフェ、デザートまで、幅広いジャンルの料理技術を身につけられる。
1年間の前半は包丁の種類や持ち方、研ぎ方、野菜の切り方など基礎を学ぶ。後半に入ると、応用日本料理や応用西洋料理実習といった応用力を養うトレーニングが多くなる。
「また、1年間の集大成として、学生はレストランシミュレーション実習を行います。レストランシミュレーションは、クラスメイトをお客様に見立てて、調理から提供、接客までをトータルで行う実習です。普段の実習授業とは異なり、限られた時間内に複数のオーダーをさばくため、実務に近い経験を積むことができます」
また、調理師科内には既卒生や社会人のための専用クラス「NEXTキャリアクラス」が設けられている。
「入学を検討中の社会人の皆さんから、『クラスに馴染めるか不安』といった不安の声が多く寄せられます。NEXTキャリアクラスは、学び直しをする方々が年齢を気にせず学べる環境です。実際、『育児が落ち着いたらカフェを開業したい』や『幼い頃から憧れていた調理師の夢に挑戦したい』という方々が在学しています」
NEXTキャリアクラスを含む調理師科では、授業や様々な行事を通じて、成長の機会が学生に提供されている。しかし、学生にとって、学びによる経済的な負担は大きい。金銭面での不安がハードルとなり学び直しを諦める人も少なくない。
この問題を解決するために、同校では学費を支援するサポート体制に力を入れている。
「『NEXTキャリアクラス』に在学している学生のうち、雇用保険に2年以上加入していた方々は、教育訓練給付金制度の対象となります。教育訓練給付金は、支払った学費の一部が給付される制度です」
教育訓練給付金を使えば、学費191万円のうち最大約40万円が学生に給付される。さらに、卒業してから1年以内に被保険者として雇用された場合、追加で約16万円を受け取ることができるのだ。(2023年度例)
「実質、135万円で調理師免許を取れて、和洋中・お菓子作りなどさまざまな料理技術を習得できます。お金のことを心配せず勉強に集中できるので、ほとんどの社会人が教育訓練給付金を利用していますね」
教育訓練給付金は、調理師科だけでなく、「調理師科夜間部(1.5年制)」も対象となっている。
働きながら調理師免許の資格を目指すなら「調理師科夜間部(1.5年制)」
同校は、関西エリアにある調理師養成学校で唯一、調理師科夜間部を持つ。
調理師科夜間部は、調理師科に比べてさらに社会人の割合が大きく、クラス全体の半数近くを占める。学生の年齢は20〜40代が中心となるが、定年退職後60歳を超えても、セカンドキャリアとして調理師資格を取得したケースもあるという。
「調理師科夜間部は、調理師科よりも半年長い1.5年制で、授業は平日の18:00〜21:15までとなっています。仕事や大学との両立が可能なため、昼間は正社員やアルバイトとして働きながら通う方がほとんどです」
社会人が多く在学する調理師科夜間部ならではといえるのが、デュアルコースの設置だ。昼間には希望する料理店でアルバイトとして働きながら学べる特別コースとなっている。
「レストランや料亭などで調理の基礎や流れを身につけ、調理師の仕事のやりがいや厳しさを学ぶことができます。アルバイト先でわからなかったことは、夜間部の授業で講師に質問して解消する。そして、教わったことを現場で実践するという流れが、レベルアップにつながるんです」
アルバイト先にそのまま就職・転職するケースもあるという。自分が理想とする調理師像や、やりたいことを見つけるきっかけになっているのは間違いない。
「将来、自分のお店を持ちたい」「憧れの調理師にチャレンジしたい」方は、京都調理師専門学校で新たな一歩を踏み出してみて欲しい。調理師への道を切り開くチャンスが待っている。
※本内容は2023年11月時点のものです。変更となる場合もございます。