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音響芸術専門学校で幸せなキャリアを見つけ自分が好きなことで生きていく
1973年、アジア初の音響専門教育機関として誕生した「音響芸術専門学校」。音響・映像・ステージ関連制作スタッフなど、エンタメ業界で活躍する数々のスペシャリストを育成してきた学校だ。
同校では、全日制の昼間部のほか、平日18:30〜21:00に授業を行う夜間部「夜間総合学科」も設置。夜間部には、日中は会社で働く社会人やダブルスクールで通う大学生が在学している。
今回は、音響芸術専門学校 学校長・理事長の見上陽一郎さんに話を聞いた。
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働きながらクリエイターを目指す
同校の昼間部には、2年制の「録音・PA技術科」「ライブ音響・コンサートスタッフ科」「ミュージカル&ステージスタッフ科」「音響監督・ビジュアルアート制作科」、3年制の「音響テクニカル・アーティスト科」の合計5つの学科がある。
これら昼間部5学科の内容を集約したのが、「夜間総合学科」だ。夜間総合学科は授業時間が短いながらも、昼間部の授業の重要な部分を全て網羅するように組まれたカリキュラムで学ぶことが出来る。多様なバックグラウンドを持つ学生が、幅広い知識とスキルをより短い時間で習得できるようにするためだ。
「夜間総合学科に通うのは、一般企業に勤めている会社員や、ダブルスクールの大学生です。昼間部の学生が2〜3年かけて習うテクニックや知識を大幅に短い所用時間で習得するわけですが、本校の学生たちは皆、意欲的に取り組んでくれています」
仕事の打ち合わせや会議が長引けば、当然、授業には間に合わない。遅刻・欠席が続けば単位が取れず、進級や卒業にも影響が生じてしまうことはないのだろうか。
「学生の中には、勤め先に事情を話して対応してもらう方もいらっしゃいます。学校としても一部オンライン上で取り組める授業を実施したり、担任教員が学生一人ひとりの事情を把握しサポートしたりなどの対応に努めております。少人数制の本校なら、こういった柔軟な対応が可能です」
限られた時間で効率良くインプット・アウトプットしようと、学生は本来やりたかったことを学べている喜びを感じつつ、真剣な姿勢で授業に臨む。
昼間部は、午前中に座学、午後に演習という流れで授業が進む。演習授業では、講師のデモンストレーションの後、学生はひたすら同じことを繰り返す。その日に習ったことは、授業時間内に反復練習し、技術を体に染み込ませるためだ。
一方、夜間総合学科は、18:30〜21:00の間に座学と演習をまとめて行う。反復練習に割ける時間は少なくなるが、実技系授業の場合、1日の履修科目は1科目に限定するなどコンパクトながらも効率的に技術を身に着けられる授業体系となっている。
自主練で技術力を磨くオープンタイム制度
「夜間総合学科は、昼間部5学科の内容をすべて学ぶため、授業の進むスピードが速い。覚えたことを定着する前に次のステップに進むので、自主学習や予習・復習の時間をどれだけ確保できるかが技術上達の鍵となります」
とはいえ、音声・映像編集に必要な周辺機器やミキサー、アンプ、エフェクターといった専用機材一式を自宅に揃えて練習するのは不可能に近い。アウトプットの機会を作るため、同校ではオープンタイム制度を導入している。
「オープンタイム制度は、授業の時間以外に機材や教室を借りて自主練習できる取り組みです。使用機材やスタジオを事前予約しておけば、誰でも自由に使用できます」
スタジオは夜21:00以降は使用できないが、長期休暇や昼間部終了後の夕方から夜間部開始までの時間で学校に来て練習が可能だという。
「夜間総合学科の授業が終わる21:00以降は、居残りせずすぐ帰るように伝えています。勉強熱心なのは良いことですが、頑張り過ぎて体調を崩してしまっては元も子もありませんから。」
機械操作の正確性やスピード、使えるコマンドの量の多さなど、昼間部の学生とのスキルの差を気にする夜間学生も少なくない。
しかし、見上校長は、「昼間部の学生の事を気にしたり、焦ったりする必要は全くない」と社会人の背中を押す。
「夜間総合学科に通う多くの学生が、『昼間部と同等レベルのスキル・知識が身につくのか』『昼間部と同じ条件で就職できるのだろうか』といった不安を抱えています。結論から言えば、全く問題ありません。なぜなら、夜間部学生には経験値という大きな武器があるためです」
夜間部出身の社会人は、企業がのどから手が出るほどほしい人材
働きながら学ぶ姿勢や、困難を乗り越えて目標を達成する力などを高く評価し、夜間部出身の社会人を積極的に採用する企業も多いという。
「社会人経験者には、書類作成やプレゼンテーションといったビジネススキルがすでに備わっている方もいます。また、目標を達成しようとする意志や粘り強さがあるので、現場で重宝されるんです。夜間部出身の社会人は、企業にとって金の卵のような存在だと言っても過言ではありません」
夜間総合学科出身の多くの卒業生が、放送・映画・映像関連技術の会社や、音楽・イベント制作会社など、さまざまなフィールドで活躍している。しかし、卒業後、全員がエンタメ・音楽業界に転職するわけではない。
「実は、自分が好きな業界・世界が自分の手の届くところにある状態にしたい、とおっしゃる方も多いんです。夜間総合学科への入学を検討している方には、『転職するかどうかは、焦らずゆっくり考えれば良いのですよ』と伝えています。フリーのエンジニアやディレクターになる、コンテンツ制作や音響/映像制作技術を副業にする、など、学校で学んだ技能の活かし方は、さまざまにありますから」
5年後、10年後のキャリアを見つめたとき、今の仕事はずっと続けたいと思える仕事だろうか。エンタテインメントを生み出す仕事に就くことを諦めて今の仕事をやっていたら自分は幸せなんだろうか……。音響芸術専門学校は、そんな疑問に対する答えを見つけられる場所かもしれない。