NPO法人高卒支援会のeスポーツを通じた子どもの不登校や引きこもり支援

ホワイトボードとモニターを用いたNPO法人高卒支援会の授業

2021年度における小・中学生の不登校数は、24万4940名※と過去最多となっています。
※(出典:「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)

登校拒否や不登校が大きな社会問題となるなか、解決策として近年注目を集めているのがeスポーツです。

通信制サポート高校やフリースクールを運営するNPO法人高卒支援会では、不登校・引きこもり支援の一貫として、eスポーツに取り組んでいます。

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生徒一人ひとりの“やりたい”を尊重したい

ドコモ光の10ギガ体験ブース

練習会場は「チャーライきた!」「ナイス射線管理!!」という声が響き渡り、ゲームに夢中になる学生たちの姿がありました。

「2021年1月にeスポーツコースを新設しました。eスポーツと聞くと日本ではまだまだ単なる遊びと捉えられがちですが、アメリカでは教育の一環として取り入れる事例も増えているんです」

そう話すのは、NPO法人高卒支援会の理事長を務める竹村聡志さん。

「学生と話をしていて思うのは、進学・進路や就職先の決定に際して両親の意向が強く反映されているということ。私自身、両親の勧めで男子校に入学しました。幸いにも私は良い仲間や恩師と出会うことができましたが、期待に応えようと親の意向や世間の評価を気にしてやりたいことができないと悩む学生は多くいます」

“子どもたちが規則正しい生活をし、自信を持ち自律し社会に貢献する未来を実現します”をミッションを掲げ、不登校や引きこもり状態にある若者の高卒資格の取得をサポートしています。

「水道橋・新宿・池袋に教室があり、平日9:30から17:30まで開校しています。生徒の自主性を尊重しているため、登校義務は設けていません。それでも、多くの生徒たちがほぼ毎日登校しています」

eスポーツコース所属の学生は、午前中の授業が終わると「eXeField Akiba」へ移動。高卒支援会eスポーツコースの主な活動拠点となっています。

「東京・秋葉原にある『eXeField Akiba』は、NTTe-Sportsが運営するeスポーツ交流施設です。ネット速度が速く、ハイスペックなゲーミングPCをはじめ、長時間のプレイでも疲れにくいゲーミングチェアや高性能なヘッドセットなど、ハイスペックな設備を完備。思う存分ゲームを楽しめる素晴らしいの環境です」

支援にはコミュニケーションが大事

ヘッドホンを付けてeスポーツをする男性たち

不登校や引きこもり支援においては、eスポーツによるコミュニケーションが非常に大事だと竹村さんは言います。

「当会で実施しているeスポーツはロケットリーグという3人一組で車に乗りながらサッカーをするタイトルと、VALORANTという5人一組のFPSです。一般的には、APEXLegendsという3人一組のFPSバトロワ形式や、フォートナイトというバトロワ形式のTPSが流行っています」

実際、eスポーツコースでの活動がきっかけで再び学校へ行くようになった学生もいると言います。

「校長先生からの認可が必要ですが、高卒支援会のフリースクールに通えば在籍校で出席扱いとなります。現在、フリースクールに在学している学生全員が出席扱いとして認められており、いつでも在籍中の学校に復学することが可能です」

数学・英語・国語・社会も学習指導も実施

PCをこちらに向けてほほ笑む男性

いつでも復学できるよう、数学・英語・国語・社会の学習指導も行っています。

「授業といっても先生の話を板書するのではなく、レクリエーションを交えてゲーム感覚で楽しめるように工夫しています。例えば、英会話の授業では、毎週火・木曜日はアメリカ人講師による英会話レッスンを実施。『マクドナルドとケンタッキー、どちらが好きか?』『高校を卒業したらやりたいこと』など、その日に覚えた単語・文法を使いながらリーディング・リスニング・ライティングを行います」

大学受験に必要な英語力を身につけながら、ネイティブ講師から活きた英語を学べる貴重な機会となっています。

「プロゲーマーを目指すのも良し、勉強を頑張って大学進学するも良し。フリースクールを通じて、決められたレールの上を歩くのではなく、自分のやりたいことを見つけて社会に一歩踏み出す後押しができたらと思います」

卒業後も関係は終わらないようで、プライベートで卒業生と一緒にゲームをすることもあるそうです。

「卒業生と仕事の話をできる日が来るなんて、感慨深いものがありますね。そして何より、卒業して終わりではなく、相手の人生に深く関われるのはこの仕事ならではのやりがいです。クラスに馴染めなかったり勉強についていけなかったり、学校に行きたくても行けない子どもたちが、安心して過ごせる居場所でありたいと思います」

※ページ内の求人数は職種別に集計しています。

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