更新日時：
福岡外語専門学校では実践スキルが身に付くカリキュラムで日本で働きたい留学生を育成
過去10年間で日本で学ぶ外国人留学生数は毎年2万人ずつ増え、2020年には過去最多となる31万人を突破しました。（出典：「外国人留学生在籍状況調査」及び「日本人の海外留学者数」等について-文部科学省-）
日本政府は外国人留学生の日本就職率を50%に引き上げることを目標に掲げており、多くの企業が外国人採用に力を入れています。
福岡県にある「福岡外語専門学校」でも、日本での就職を希望する外国人留学者が増えているそうです。学生全体のおよそ8割が外国人留学生だと言います。
今回は、福岡外語専門学校の理事・法人本部長 山本寛さんに、カリキュラムの特徴や同校で学ぶ魅力について話を聞きました。
実践的なカリキュラムで即戦力人材を育成
「福岡外語専門学校は、2022月11月7日に創立120周年を迎えた歴史の長い学校です。開校以来、多くの外国人留学生を育成しています」（山本さん、以下同じ）
福岡外語専門学校には、30ヶ国以上450名以上の留学生が在籍。主に韓国や中国、ベトナムといったアジア諸国からの留学生が多い傾向です。
「3〜4年前まではベトナム人留学生数が多かったのですが、ここ数年はネパール人留学生が増えている印象です。ネパール人留学生が多い要因として、母国での働き口が少ないことが挙げられます。ネパールは国民全体の約8割が農業従事者といわれるほど、農業が盛んな地域です。農業以外の働き口が非常に少ないため、出稼ぎで留学するネパール人が増えているのだと思います」
同校では、グローバル社会に通用する人材育成を第一に、茶道や接客スキルなどを学べるカリキュラムを用意。その他にも日本文化に触れる体験イベントとして着物の着付けや華道などを定期的に実施しています。
「当校のコースは大きく分けて、2年間で実践的な英語を学ぶ日本人対象の『英語科』と、留学生対象の『専門コース』の2種類。専門コースには、N2レベル程度以上の方を対象として『国際キャリアコース』、ホテル観光業界への就職を目指す『国際ホテル科』など5つの学科があります」
“日本で働きたい”という留学生の夢を実現するため、入試面接の際はどんな職種・業界で働きたいか必ず聞くそうです。
「職種や業界によって、人材の適性や役割、求められる能力は異なります。例えば、観光業界を目指すなら接客サービスを学ぶ『国際ホテル科』、貿易関係の仕事であれば日本企業特有の企業文化を理解する『国際キャリアコース』という具合に、キャリアに合わせたコース選択が可能です。
厳しい言い方になりますが、専門学校卒の留学生は大卒の方に比べて就労ビザを取得しづらい。専門学校卒の方が就労ビザを取るには、専攻内容と仕事内容が一致していないとダメなんです。仮に就労ビザを取得できても、学んだことを仕事に活かせず母国へ帰る……というケースもありますから。就職活動を成功させるには、日本で何をやりたいかを固めておく必要があります」
同校では入学資格をN2レベル（日本語能力試験2級）※程度以上としていますが、語学が堪能なだけでは社会では通用しない、と山本さんは続けます。
※日常生活で使う日本語の読解・聴解ができるレベル
「世界には7,000近い言語があると言われています。人種が違えば、育ってきた環境や文化、物事の考え方が違うのは当然です。自分と真逆の価値観を持っている人の意見・考えを受け入れ、相手の立場になって物事を考えられる。そんな、心の交流ができるような人を育てていきたいと考え、留学生同士の交流や海外研修などコミュニケーションの機会を多く設けています」
また、寮の提供や就職サポートなど留学生が学びに集中できる環境が整っています。
「学校から徒歩15分ほどの場所に寮を完備。生活に必要な家具家電は一式揃っているので、安心して日本での生活をスタートできます。
また、日本で安全に暮らすための交通マナー講習や、専任カウンセラーによる定期的なカウンセリングなども実施。何か困ったことや気になることがあったら、いつでもご相談いただけます」
集中して勉強に取り組める環境が整っている福岡外語専門学校。ホテル・旅館を中心に、総合家電メーカー、空港、小学校（ALT）などさまざまな分野で卒業生が活躍しています。
「卒業後、日本で起業し、外国人に特化した人材サービス会社を経営している方もいますね。あと、珍しい方だとメガネメーカーに就職したケース。アイウェアブランドを手がける『OWNDAYS株式会社』が行う、OWNDAYS Eye Camp活動メンバーとして活躍しています」
OWNDAYS Eye Camp活動は、目が不自由な方々にメガネを提供するという、OWNDAYS株式会社が取り組む地域活動・社会貢献活動です。
「ネパールでは過去2回、OWNDAYS Eye Camp活動が行われました。当校の卒業生は、通訳として現地へ同行しているそうです。卒業生の活躍を知れるのは嬉しいですよね」
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で減少したものの、留学生の受け入れ再開以降は徐々にコロナ禍前の水準にまで回復。今後も外国人留学生は増えることが予想されます。
「日本の専門学校では、日本料理や語学など、個々の興味やキャリアに応じた分野で専門知識・技術を身につけられますから。外国人留学生にとって、日本の専門学校で学ぶということが魅力的な選択肢となっているのではないでしょうか」
おすすめ関連記事
