株式会社ライボの匿名相談サービス「JobQ」とは?求職者と企業の情報格差をゼロに!

ここ数年、新卒採用や若手の転職状況は売り手市場と呼ばれ、これまで企業側の力が強かった構造が求職者側へシフトする形に変化してきています。

しかし、求職者と企業の間には社風や雇用条件の不透明さといった大きな情報格差が存在するため、依然として入社後のミスマッチが起こりやすいのが現状です。

こうした入社後のミスマッチを解消できるのが、希望する企業の現場の声を直接聞いたり、自身のキャリアについて相談できるQ&A型の匿名相談サービス「JobQ」です。

今回はJobQ誕生の経緯やかしこい使い方、これからの就職・転職市場の動きについて、JobQを運営する株式会社ライボ代表の小谷様からお話をお聞きしました。

話を聞いた人

ライボ小谷様

小谷 匠(おだに たくみ)
株式会社ライボ 代表取締役
大学卒業後、人材系会社で法人営業やWebエンジニアとして約1年勤務ののち退職。その後バックパッカーを経て、「個が活躍する社会を創る」という理念のもと2015年2月に株式会社ライボを設立。キャリアや就職・転職に特化した匿名相談サービス『JobQ』を展開。

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※当サイトは口コミの一部を掲載しています。

きっかけは人材業界の課題解決とシェアリングエコノミーの潮流

JobQのサービス

――様々なサイトがある中で、就職・転職市場に特化したQ&Aサイトのサービスを開始した理由やきっかけはなんでしょうか。

Q&Aサイトをやろうとして始めたというより、どっちかというと「人材業界の課題解決」というのがスタートの理由になります。

もともと僕は人材業界の出身なんですが、人材業界というものを俯瞰してみてみると、企業の採用予算という前提があって商売する業界なんです。

なので、どうしても求職者目線というより採用担当者・人事目線というのが優先されてしまう業界なのかなと考えていました。

ただ、日本の労働人口が減っていくことで、いずれ買い手市場から売り手市場の時代に入っていく中で多様なキャリアを歩む人が出てくるとしたら、キャリア選びのサポートをする重要性が上がっていくと考えたのがこのサービスのきっかけです。

――サポートの形を追求した結果、現在のQ&Aというサービスになったんでしょうか。

じつはQ&Aの前に友人間で転職のサポートができるサービスを計画していました。

創業が2015年なんですけど、2015年くらいは「シェアリングエコノミー※」という言葉が流行っている時代で、シェアリングエコノミーの中で求職者目線のサービスを作れないのかなというところからQ&Aサービスの形をスタートさせた経緯があります。
※個人間で物や情報を共有する社会的な仕組みやサービスのこと。

――JobQサービス開始で大変だった点はなんでしょうか。

「鶏が先か、卵が先か」というのが、Q&AのようなCGMをやるうえでは課題だったと思います。

例えばコンテンツがないと人が集まらないし、人がいなければコンテンツが生まれないというユーザー投稿型のサービスで大体のところが直面する課題だと思っていて、ユーザーを集める&コンテンツを集めるという両軸が大変でした。

メルカリのように売り手がいないと買い手がいない、買い手がいないと売り手が集まってこないのと同じです。

コンテンツを見るために人が集まってくるサービスなのに、コンテンツがなければ人は集まってこないし、人がいなければコンテンツが投稿されないので、こうした難しさがあったと思います。

ユーザーが集まれば集まるほどコンテンツも加速度的に増えていく

株式会社ライボ小谷様

――転職口コミ数が20万件突破とのことですが、これまでの口コミ増加の理由はどのようなところにあるとお考えでしょうか。

純粋にユーザーの数が増えれば増えるほど投稿の頻度や絶対数は増えてくるので、そこが要因だと思います。

ユーザーの流入数がどんどん増えることで、それに従ってコンテンツの生成量も加速度的に増えてきています。

あとは一人あたりの投稿頻度も着実に上がってきているので、こうしたところも加速度的に口コミが増えている理由になっていると思います。

――現在相談への回答者はどういった方が多いのでしょうか。

企業の中の方が相談に乗ってるケースというのは少なくて、その企業にまつわる相談だったりすると、その会社で働いている現場社員の方だったり、元々勤めてたことがあるみたいなOB・OGの方が回答しているケースがやっぱり多いんじゃないかと思います。

――解決率の高さにもかなり注目しておりますがいかがでしょうか。

じつは回答してもらうことってそこまで難しくないんです。

オンライン上での質問って、誰かに怒られるんじゃないか、叩かれるんじゃないかとか、そもそもちょっと恥ずかしいという気持ちがあると思います。

あとは自分が悩んでいることを言語化&整理して投稿するっていうハードルを超えなければいけないので難易度が高いんです。

逆に回答することは大喜利と一緒で、与えられたテーマに対して持論を述べるだけでいいので結構簡単なんですよね。

相談内容にマッチする方々に回答のお願いをするようなロジックはサービス内に設けているんですが、じつは回答するよりも逆に相談してもらう方が難しいんです。

――相談する側の投稿のハードルを下げることが口コミ増加のポイントでしょうか。

そうですね。なので解決率向上は目指しているんですが、サービスとして力を入れているところはどうやって投稿してもらうかという部分になります。

就職相談では「内定先の選択」、転職は「キャリアに関する相談」

――現在までに寄せられた相談の中で、就職カテゴリーと転職カテゴリー、それぞれで最も多かった相談内容はなんでしょうか。

就職カテゴリーでは、内定が出たあとなのか選考途中なのかにもよりますが、内定先を複数もらった時に「どっちのキャリアの方がおすすめ?」といった内容の投稿はよくされます。

一方で転職カテゴリーでは、実際に転職活動をする一歩手前で次のキャリアことに関する相談が多かったりします。

転職はとにかく相談内容も多岐に渡りますね。

――就職活動と転職活動ではやはり相談内容も明確に変わってくるんですね。

就職活動をしている学生さん達は、一次情報にアクセスできるソースが少ないんです。

転職する方って既に社会人で、周りの働いている方々や友達もたくさんいるので、話を聞いたり仕事を紹介してもらったりする環境というのが少なくともあると思います。

逆に就職活動をおこなう学生は一次情報にアクセスできるものが少ないので、自分のキャリアを深く考える相談というよりは、どちらかというと一次情報を得るための相談という使い方が多くなっていると思います。

Q&Aの先は、これまでのデータを利用した就職・転職活動のサポートへ

――キャリアのQ&Aサービスとしての地位を築いたJobQですが、次はどのような事業展開をお考えでしょうか。

ユーザー様の中には一般ユーザーの方に相談したいという声がありつつも、実際の就職・転職活動についてのサポートもしてほしいという意見をいただいております。

なので相談内容に準じた求人の紹介や、その延長線上にある人材の紹介の部分はやっていきたいと考えています。

また、色々な情報がいまJobQのサービスに集まってきているので、例えば転職を検討している方々がどういうページを見ているのか、閲覧している情報から嗜好性をうまく抽出して、転職活動自体のサポートにもつなげていくような、うまくデータを活かしたサービス設計の展開を検討しています。

入社するまで企業の実情が分からない「情報格差」という問題

――求職者と企業との間に大きな情報格差がうまれてしまうのはなぜでしょうか。

単純にキャリアをサポートするプレイヤーがいないってことなのかなと思います。

冒頭にお話ししたように、転職って市場自体が業界構造的に企業の採用予算から商売をする業界なので、採用のサポートをするプレイヤー自体はかなり多いんです。

一方でキャリアサポートをするようなプレイヤーは少なくて、そういうところが原因で業界構造的に情報格差がうまれやすいようになっていると思います。

――リリースから5年経った今、キャリア選択における求職者と企業との情報格差はどのように変化したとお考えでしょうか。

企業の口コミサイトをはじめ就活のOG・OB訪問のサービスなどはこの3年くらいで大きな会社が出てきたりしているので、こうした採用サポートのプレイヤーが増えていくにしたがって情報格差がどんどん少なくなってきているのはあるのかなと思います。

もっと言えば労働人口が減っていく課題が日本にはあるので、企業サイドの方が今までパワーバランスとして強かったところが、どこかのタイミングで求職者サイドにパワーバランスが少しずつ移行していっていると思います。

――たしかに近年も副業の自由が生まれたところを見ると、やはり求職者側に寄ってきているように感じます。

こうした流れも、やはり求職者サイドが強くなってきている表れだと思います。

例えば就活では新卒採用から通年採用にどんどん移行するなど、就職活動の在り方もどんどん変わってきています。

このコロナでまた市場環境が変わってしまって、ここ1~2年くらいは買い手市場の動きが続くかもしれませんが、中長期で見ると確実に個人の働き方は多様化するなど明確に変化しているなと思います。

そのため、企業側も人材確保のために本音ベースで語らなければいけないところが増えてくるので、情報格差という問題はどんどんクリーンになっていくでしょう。

――なるほど、企業側も情報の公開が今後のカギになっていくということですね。

あとは、「口コミサイトの一般化」がかなり影響していると思います。

ほとんどの転職者が口コミサイトを見てから転職するので、特に大手でたくさん口コミが集まっているような企業様だと、その集まった情報をうまく利用して発信することも今後求められていく課題ではないでしょうか。

情報格差解消には企業側の取り組みも必要

――情報格差をなくすために、求職者側が普段から意識すべきこと、また、企業側に求められることはなんでしょうか。

求職者側は、とにかくたくさん企業の中の人に会うことが選考フローの中でできることだと思います。

たくさんの方々と面談を重ねていくことで、企業側が伝えたい会社の良いところ以外に見えてくることもあると思うので、こうした活動はやっていくべきでしょう。

あとは口コミサイト等を利用することで役に立つところもあるので、まずはJobQを利用してもらうのが求職者サイドとしてできることのひとつだと思っています。

企業側は、人材の流動性がどんどん上がっていく今、あまり良いところだけを求職者に伝えてもミスマッチを生んでしまい、デメリットだけが大きくなりかねません。

まだまだ転職が一般化していなかった頃は、とにかく良い人を採用して、一転ミスマッチが起きてもそこからすり合わせて対応すればいいという時代があったと思います。

しかし、今の時代は2~3年で転職することも一般的であり、とくにIT業界では当たり前になっていたりするので、入り口のところからミスマッチをなくしていく努力は企業側の利益にも繋がる取り組みだと思ってます。

そのため、企業側は情報の発信量を増やしていくといった動きが必要になっていくのではないでしょうか。

まずは自分の言葉で相談してみることが大切

JobQ

――現在就職活動・転職活動をおこなっている方、これから始める方に向けて、JobQを利用した効率の良い動き方などございましたらアドバイスをお聞かせください。

20代の方の転職はおそらくこれが初めての転職とか、2回目の転職というパターンが多いでしょう。

そのため転職や企業情報のソースも少ないのではと個人的に思っています。

なので転職活動の進め方や、転職して実現したいこと、転職して自分のキャリアで成し得たいことをJobQで質問することがポイントです。

人生の先輩や、キャリアの先輩といった方々からたくさんコメントをもらえたりするので、こうしたところを参考にしてもらうのが良い使い方なのかと思います。

たくさん過去のQ&Aが集まっているサービスではあるので、見ているだけでも参考になる部分はあると思いますが、まずは自分の言葉で転職に関する相談をJobQに投稿してみてください。

話を聞いた企業

企業名:株式会社ライボ
設立:2015年2月3日
キャリアや転職に特化した匿名相談サービス「JobQ」はこちら

※ページ内の求人数は職種別に集計しています。

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