新入社員の育成担当者や人事担当者の中には、「新入社員がなかなか成長しない」「どう育成していいのかわからない」といった悩みを抱える方もいるのではないでしょうか。
他にも、新入社員が想定よりも成長できていない要因や、それに対する解決策を知りたいと考える方もいるかもしれません。
今回は、新入社員が成長しないと感じる要因や成長を促す解決策に加え、育成のコツや実施例をご紹介します。
目次
新入社員が成長しない2つの要因
新入社員が成長しない要因には、大きく分けて2つあるといえます。
1つ目は、「新入社員自身の要因」です。
新入社員の中には「失敗をうまく振り返られていない」「仕事の優先順位がわからない」と具体的な業務に対して課題を抱える場合や、「自分事として捉えていない」「誰かや何かのせいにするといった他責傾向がある、外的要因にしがちである」などの考え方をもつ場合もあります。
また、新入社員自身は精一杯に取り組んでいるつもりでも、育成担当者は「伸びが悪い」「ミスが多い」と感じている場合もあります。
2つ目は、「組織体制の要因」です。
「承認の機会・成長の可視化ができていない」「アドバイザーやメンターの存在がいない」「新入社員と課題の共有ができていない」「業務が多忙で育成にあてる時間がない」など、組織の育成基準や育成担当者自体に要因がある場合も考えられます。
新入社員の成長を促す解決策とは
新入社員の成長を促すには、思うように成長できていない理由を知ることが重要です。自社の育成体制における要因を見つけたあとは、どのような対策を講じるとよいのでしょうか。
成長を促す方法を4つのステップに分けてご紹介します。
- できるようになったことに目を向ける
- 課題を整理し共有する
- 課題に対する施策を考える
- 外部の力を借りる
ステップ(1)できるようになったことに目を向ける
新入社員は社会に出て初めて経験することも多く、日々期待と不安を抱えている状態です。
その中で起きた失敗は、どうしても成功より印象に残りやすいもの。
そのため、「現在挑戦していることは無駄ではない」「着実に前に進んでいる」と伝え、新入社員の自信となるようフォローすることも重要です。
成長した点を新入社員自身が考える時間を設けたり、周囲からフィードバックしたりして、「できることが増えた」と実感できると新入社員のモチベーション維持にもつながります。
ステップ(2)課題を整理し共有する
業務をおこなう中では、新入社員全体が対象となる課題だけでなく、一人ひとりに異なる課題が生まれてきます。
そのため、一人ひとりの課題の把握とそれぞれに沿った対策が必要です。
課題には、「個人課題」と「業務課題」があります。
「個人課題」は、価値観や考え方、業務に対するスタンス・モチベーションなどの性質や状態における課題です。これらは、新入社員それぞれの得手不得手やバックグラウンドによっても大きく異なるといえます。
「業務課題」は、業務に関わる能力や知識の習得度、業務自体の遂行力などにおける課題です。卒業した学校や学部、これまでの経験によって異なるため、習熟度がどの程度なのかをあらかじめ理解しておくことが必要です。
実際に新入社員と育成担当者で、これら2つに分類しながら仕事の流れや行動を振り返ってみると、課題の整理や共有につながります。
「業務の結果と理想の結果に相違があったか」「行動に対してどのように考えたのか」などもヒアリングしながら振り返ることで、課題が明確化できます。
ステップ(3)課題に対する施策を考える
課題が明確化できたら、効果的な対策方法を考えてみましょう。
「周囲からの働きかけ」や「自ら気づき自覚をする」などの解決方法がありますが、課題によって有効な方法は異なります。
例えば、取引先への挨拶の仕方や電話の取り方など「社会人としてのルール」のようなものは周囲からの働きかけが効果的です。
一方、相手の興味を惹く話し方や商品のアピール方法といった「営業やプレゼンのスキル」は周囲の働きかけによって学び、その後の応用として自身で実践することが有効です。
育成担当者は、新入社員が抱える課題のタイプによって、ティーチングやコーチング、メンタリング、カウンセリングなどと使い分けながら課題に対する施策を一緒に考えると効果的です。
ステップ(4)外部の力を借りる
個人の課題に沿った解決策を見つけていくために、OJTや研修を取り入れる企業もあるでしょう。
自社内で完結せず外部の力を借りることで、新たな視点や気づきが生まれる場合もあります。
カケハシ スカイソリューションズ(以下、カケハシ)では、新入社員の育成計画立案や研修実施を展開しています。
自社内で取り組むことが困難な場合は、第三者の視点を交えながら課題解決に取り組んでみてはいかがでしょうか。
新入社員の成長を促すコツや実施例
新入社員の成長を、より促進するにはどのような方法があるのでしょうか。
人と組織の成長支援を得意とするカケハシの教育研修事業部マネジャーに、新入社員の成長を促すコツや実施例を聞いてみました。
教育研修事業部マネジャー
研修コンテンツ開発者
現代の新入社員の特徴や傾向について教えてください。
現在は、情報が溢れていて何事も「検索すればわかる」といった状況下にあります。
以前までは先輩や上司に聞かなければわからなかったことが、今は調べればわかるため、職場内における上司とのコミュニケーションの必要性が減少する傾向にありますね。
「忙しそうだから自分で調べよう」と考える新入社員もいます。
また、「誰かが話したことは活字で残っている」という感覚があるのか、情報を聞き流していると感じる機会も増えました。
かつては当たり前だった「話を聞く」「メモをとる」などについても、それ自体の目的がわからずにいる新入社員もいるため、自ら動けるよう伝えていくことが重要です。
さらに、「出る杭になりたくない」ということも現代の新入社員の傾向のひとつですね。
誰かと競うことを避け、「ポテンシャルはあるのに周りに合わせている」といった、目立たないように力を加減している人もいると感じます。
この場合には、成果へとつなげるために余力は残さなくていいことを育成担当者側がきちんと伝えるようにしましょう。
声掛けなどを通して、育成する側がよく見てくれていると感じられることは、新入社員の安心や信頼にもつながると思います。
新入社員の育成を担当する上で学んでおくとよいことは?
新入社員を育成する立場として、「傾聴力」や「質問力」は重要だといえます。
新入社員も20年ほど生きてきて自分の考えや意思を持っているため、1人の人間として尊重することを土台におき、一人ひとりの意向を聞く力や問いかける力を養っておくとよいと思いますね。
なかなか成長しないと感じる新入社員に対しても、興味を持って質問し、自ら考える機会を与えることで成長を促せるかもしれません。
育成担当者は「仕事を教える」だけでなく、愛情と尊重を備えた「質問力」を身につけることが必要です。
新入社員の成長を促すために、実際に効果的だった施策は?
私自身がチームメンバーをもつときに意識していることは、「短時間で単純接触頻度を上げること」です。
メンバーとなる人とは、必ず週に一度画面越しででも顔を合わせる機会を作り、アイスブレイクを長めにとるようにしています。
テーマもメンバーに決めてもらうなどして、「距離感を一気に縮めること」を意識してみると、メンバー同士の安心や信頼の醸成につながります。
はじめに人となりを知ることや距離をつめることに時間を割くと、メンバーの意向や目標も明確化できるため、成長を促せると実感しています。
意向や目標と逆方向に行きそうなときには、フィードバックしながら軌道修正してあげるとよいと思います。
カケハシの実施する研修は自社内でおこなう研修とどう違う?
カケハシでは、企業が自社内でおこなう研修とは全く異なるような「気づきの仕掛け」が多い設計を大切に作り出しています。
企業によっては、管理職をしつつ研修内容を考えている人もいますが、それは時間も労力もかかります。
研修作りを専門としている私たちだからこそ、新入社員に響くような仕掛けを取り入れた研修設計ができることが強みですね。
研修開発は心理戦や頭脳戦となるため、「新入社員が研修後にどのような姿や思いになっていてほしいか」というゴールを設計し、ゼロから1つづつ当てはめていけるような研修作りを心がけています。
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実務をおこなうための土台づくりであり、人材育成のための第一歩だと位置づけられる新入社員研修。
カケハシ スカイソリューションズでは、経済産業省が提唱する「社会人基礎力」に挙げられる、「チームで働く力(チームワーク)」「考え抜く力(シンキング)」「前に踏み出す力(アクション)」の3つの能力を効率的に身につけるための新入社員研修サービスを用意しています。
具体的な研修の内容や、受講した企業様の評価・口コミを知りたい方は以下の記事も合わせてお読みください。
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まとめ
新入社員が成長しないと感じる要因には、新入社員自身の要因と組織体制の要因があると考えられます。
新入社員や育成担当者側が抱えている課題を見つけ出し、それに沿った対策を講じることで、新入社員の成長促進につながります。
現代の新入社員の傾向を把握しながら、育成担当者側も傾聴力や質問力を養うことで、よりよいコミュニケーションが可能になります。
安心感から信頼関係を築くことが、新入社員の成長促進につながるのではないでしょうか。
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