株式会社カケハシスカイソリューションズ(以下:カケハシ)では、OJT制度を導入する企業を対象に、トレーナースキルを育成するための「OJTトレーナー研修」を行っています。
OJT制度を導入したものの、どのように進めたら良いのかやトレーナーを育成する方法がわからないと感じている企業もあるのではないでしょうか。
今回の記事では、カケハシが提供するOJTトレーナー研修の内容や評価・口コミについて解説していきます。
目次
カケハシが行うOJTトレーナー研修とは
OJT制度を導入する企業は、OJTトレーナーに役割や期待をきちんと伝えているでしょうか。カケハシでは、OJTトレーナー研修を通してその役割を伝えると共に、育成スキルの習得をサポートしています。
カケハシが実施しているOJTトレーナー研修の目的やポイントを見ていきましょう。
OJTトレーナー研修の目的
カケハシが行うOJTトレーナー研修の目的は、「OJTトレーナーとしての役割・期待を再認識し、新入社員を成長に導く関わり方、育成スキルを習得する」ことです。
研修を通し、なぜ自身がトレーナーを担うのかや、育成のために必要なスキルを習得してほしいことを伝えましょう。
OJTトレーナー研修で学ぶ3つのポイント
OJTトレーナー研修で学ぶポイントは以下の3つです。
- OJTトレーナーとしての役割、期待認識
- 育成スキル開発
- 1対Nの育成
ポイント(1)OJTトレーナーとしての役割、期待認識
OJTトレーナーに求める役割、期待、育成におけるミッションを明確に伝えます。
なぜOJTトレーナーを担うのかを明らかにすることで、トレーナー自身が取り組むべきことが理解できるようになります。
ポイント(2)育成スキル開発
昨今の人材市場や若手社員の価値観、傾向を知ることで、求められる育成を理解できるように促します。
「仕事を渡す」「業務遂行のサポートをする」「業務完了時に振り返る」という職場での支援サイクルを習得していきます。
ポイント(3)1対ℕの育成
OJTトレーナーだけではなく、職場の多様な人材を活かした巻き込み型OJTを学びます。
現場やトレーナー任せの1対1の指導ではなく職場や部署を巻き込むことで、トレーナー1人の負担を減らすだけでなく、社内全体の育成風土を作っていくことができるようになります。
研修終了時のOJTトレーナーの姿
OJTトレーナー研修は、終了時トレーナーが以下のような状態になるよう設計しています。
- OJTトレーナーに求められる役割や期待が明確にわかり、何をすべきかが腹落ちしている
- 昨今の新入社員の世代観が分かり、特性やキャラクターに合わせた声掛けができるイメージが持てる
- 業務支援における原理原則を習得し、迷わず育成できる
- 職場で誰に、どのような育成に関わってもらいたいかを明確にし、職場ぐるみでの育成イメージが湧いている
これらの姿が見られるよう、研修の目的やポイントをどのように伝えていくかを工夫しながら研修を行っています。
実際のOJTトレーナー研修で行われている内容とは
カケハシのOJTトレーナー研修は、実際にどのような内容で実施されているのでしょうか。3つの具体例を見てみましょう。
(1)OJT体感ワークをする
1つ目は、OJTを体験する体感ワークです。本業務と育成の両立の難しさやポイントを学ぶことを目的に、自身は勇者を助ける妖精役となり自らの仕事をこなしながら育成対象である勇者への業務指示を行うといったゲーム形式の体感ワークを実施しています。
OJTトレーナーには、自分の業務量に加え、数分ごとに「指示書」を与えなければならないといった時間に追われる状況下で、「情報の整理」「必要な環境の整備」「指示文の提示」が求められます。
ゲーム終了後に、必要な要素を盛り込んだ模範解答の紹介や、OJTにおける本業務の多忙と後輩育成のバランスの考え方など、ゲーム内で体感した要素をもとにフィードバックを行い振り返りをしていきます。
この体験ワークを通して、起こり得る想定外のトラブルなどに備えたスケジューリングが必要であることを学べるでしょう。育成スキルのワークに入る前に、見落としがちな「自分の業務との両立」の視点を強く意識できるような設計となっています。
また、基本となる「仕事の手順のみならずその目的を伝える」ことだけでなく、ワーク内では勇者の性格や得意不得意が事前に伝えられ、コンディションも変化していくため、「新人の性格や状況に配慮した適切な指示の必要性」などOJTの全体的な体感ができるでしょう。
(2)新入社員を知る
2つ目は、「昨今の新入社員の傾向を知ることで、理想の関わり方を考えていくこと」を目的とした研修です。
昨今の新入社員の傾向や価値観を理解することは、育成方針を決める上で重要です。その理解や自身の過去の経験を踏まえ、新入社員に対して自分はどのような関わりをしていきたいかを考えていきます。
上述したように新入社員には「お互いに助け合いたい」という気持ちや、「仕事に必要なスキルや知識を身に付けたい」など、トレーナー自身が考えていることとモチベーションが違う場合もあります。
そのため、相手を理解してから指導することは重要だといえるでしょう。
(3)育成スキルを習得する
3つ目は、育成スキルを習得するために3つの分野に分けて学んでいきます。
スキル1:仕事を依頼するポイント
日常の中で、トレーナーはどのように仕事の依頼をしていくのかを学びます。まず、自身のこれまでの仕事依頼の仕方を振り返ります。
その後、技能多様性、タスク完結性、タスクの重要性、自律性、フィードバックの特性など、モチベーション度合いを左右するといわれている「職務特性理論」をはじめとする具体的な仕事依頼の仕方を習得していきます。
スキル2:トレーニーに合わせた支援方法
トレーニーの状況に合わせた支援ができるよう、ティーチングやコーチングの支援をどのように使い分けるとよいかを学びます。
さらに、ロールプレイングによって具体的なスキルの習得を目指します。
スキル3:内省を促す「質問」「フィートバック」、振り返り面談の設計
仕事の終了後に内省を促せるよう、「質問スキル」と「フィードバックスキル」を実践しながら学びます。
また、振り返り面談のポイントを理解し、「いつ」「どのように」実施するかを設計してみます。
OJTトレーナー研修後の評価・口コミ
カケハシのOJTトレーナー研修の受講後のアンケートを一部抜粋して紹介します。
●研修を通じての学びや気づき
●一番印象に残っている内容やメッセージ
カケハシのOJTトレーナー研修の強みを講師に聞いてみた
企業におけるOJT制度における課題や、カケハシのOJTトレーナー研修によって得られる効果とは、どのようなものなのでしょうか。
OJTトレーナー研修に講師としても携わる教育研修事業部事業部長に、OJTトレーナー研修を導入する前に企業が抱えていた課題や、研修をする上で意識していること、受講者や導入企業からの反応について聞いてみました。
教育研修事業部 事業部長
実際にOJTトレーナー研修を受講した企業には、受講前にどのような課題があったのでしょうか?
OJTトレーナー研修を受講した企業には、昨今の採用状況が難しいことや、就職して3年目の仕事が慣れてきたころに離職してしまうなどの「人材が流出してしまう」といった課題がありました。
その課題を解決するために内部の強化を図ろうと考えた企業では、OJT制度の導入を決め、OJTトレーナー研修を取り入れているのではないかと思います。
また、「世代間のギャップ」もあります。20代後半のOJTトレーナーでさえも「新入社員がどう考えているのかわからない」と感じることもあるなど、トレーナー世代に当たり前だったことが「働き方改革世代」でもあるトレーニーには響かないのです。
「残業をせずに定時で帰る」「飲み会は仕事やミーティングの延長ではないかと聞かれる」といった相談を受けたこともあり、社内でも新入社員、トレーナー、マネージャー層とそれぞれがギャップに困っているという企業もありましたね。
これまでの企業ではプロジェクト型で動くことが多く、同じ部署内で同じ仕事を教えてきましたが、最近では力量の違う人たちと「チームで動く」ということが増えてきました。
そのため、自分がわからないことや担当分野と違うことがあり、「教える難しさ」が根底にあるようです。
OJTトレーナー研修を導入しようとしている企業が、研修対象者に事前にフォローしておいた方がよいことはありますか?
実際にOJTトレーナー研修を取り入れる際は、まず会社としての育成方針を伝えることが大切だと思います。
「どう育てたいか」「OJTトレーナー研修を行う目的」を伝えることで、なぜOJTトレーナー研修を行うのかが理解できるからです。
トレーナーに選ばれた人によっては、「プレーヤーとしての自分の成果もあるのに、これ以上仕事が増えて困る」「OJTトレーナーになったから研修受けてきてと言われて戸惑っている」という気持ちを抱えています。
OJTトレーナーは「役職」ではなく「役割」です。役職であればやらなければならないという考えがありますが、OJTトレーナーには、なぜその役割が与えられたのかを伝えることが大事です。
何をすべきかよりも、その役割によってどうなってほしいかという「期待の明示」をすることが必要でしょう。
OJTトレーナー研修をする上で、カケハシ側が意識していることは何かありますか?
研修の導入として「この研修にはどのような意味があるのか」を全員で考えられるよう、受講にあたってのメリットを皆で考える時間をきちんと設けるよう意識しています。
研修中には、職場に戻ってから具体的に「誰に何をするか」をはっきりとさせています。育成の仕方をただ伝えるだけでなく、現場で具体的にできるようバイネームで考え、「相手を想定したときに何をしようか」というところまで考えるようにしています。
どのような仕事を与えるのかではなく、「新入社員がどのような意向を持ってこの会社にいるのか」というパーソナルな部分も知ってほしいと思いますね。
相手の得意な仕事はわかるけど、パーソナルな部分は知らないということも多く、そこが知れていると仕事の意味付けがしやすくなると思っています。
また、オンラインでの研修時や業務では特に、対面ではないので「他者から学ぶ」といった機会が少ないです。
そのため、オンラインでも対面でも、”間”やいい塩梅のような”空気感”のようなものは、意識して作っていく必要があると感じています。
カケハシが行うOJTトレーナー研修の他社との違いや強みはどのようなことでしょうか?
カケハシが行う研修は全体的に、ゲームのように体感する機会を意識して作られています。
OJTトレーナー研修の受講者からは、実際に自分のタスクをこなしながらトレーニーに指示を出すという、ゲームを通してOJTを体験する体感ワークが好評です。
また、受講者はトレーニーである新入社員がどのような意向を持って就職し、将来的に何をしたいのかを把握するために、仕事の強みやギャップ、タスクなどを全てをシートに書き出します。
今の仕事については書けるけれど、将来的な意向など、トレーニーのパーソナルな部分は把握できていない人の方が多いです。研修でその把握が重要だと感じてもらえると、仕事の意味付けも抜群にできるようになります。
このシート記入のワークは、具体的なものを持ち帰るところに繋がっており、評価を得ているという感触があります。
カケハシでは会社の規模に関わらず、OJTの階層の他にも管理職やリーダー、新人などの様々な階層で研修を行っています。OJTトレーナーは1つのマネージャーへのステップともなるため、育成視点の醸成は強く謳っています。
さらに、1対Nの育成など、個人主義な「個」を強さではなくシナジーとして連携できるような組織力を作っていけるよう、OJTトレーナーが「ここを担うのだ」といった組織改革的なアプローチも強みだと感じています。
企業側から見たOJTトレーナー研修の受講者には、どのような効果やスキルが得られましたか?具体例があれば教えてください。
OJTトレーナー研修を受講した企業からは、育成意欲が高まったと耳にします。
「何をどう指導したらよいのかがわからない」という課題を抱えているOJTトレーナーが、育成の目的や指導の仕方を習得することによって「次に何をしたらよいかがわかる」という、先を見据えた働き方ができるのは一番効果があるといえますね。
AIの普及により様々な仕事が取って代わられる中、人を「育てる」「マネジメントする」のは「人」にしかできないと言われていて、今後何をしていくにも持たなければならないスキルです。
管理職になりたくないという人もいますが、マネジメントを役職ではない人が知ることで、そういった意識や意欲が高まったという例もありました。
OJTトレーナーを通して若手から好かれる・ありがとうと言われる体験ができることも1つの効果といえるのではないでしょうか。経営者側としてもそういった人が増えることで組織力も上がりますよね。
OJTを導入効果を高める、カケハシのOJTトレーナー研修
カケハシでは、OJTを導入する企業に向けた「OJTトレーナー研修」を行うことで、トレーナーの目的や指導の仕方を明確化し、トレーナーが抱える不安や悩みを解決へと導きます。
時代の変化とともに変わっていく従業員一人ひとりの考え方や捉え方を理解して、企業における人材不足や流出を防げるよう、カケハシの「OJTトレーナー研修」の受講を検討してみてはいかがでしょうか。
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