コロナ禍を経て採用活動のオンライン化が進んだことを受け、入社後の新入社員研修もオンラインでおこなう企業が増加しました。
オンラインでのコミュニケーションが増える中で、新入社員研修の内容として求められるものも変わってきています。
世代の特性や特徴を踏まえて研修を設計する必要がありますが、具体的にどのように設計すればよいか課題を感じている担当者もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、新入社員研修の設計方法や主な内容、押さえておきたいポイントをご紹介します。
目次
新入社員研修を実施する目的
新入社員研修を実施する目的は様々です。
ここでは主な目的を5つご紹介します。
- 企業理念の浸透
- 事業内容への理解
- 学生から社会人としてのマインドセット
- 情報漏洩によるリスクの周知
- 社内コミュニケーションの活性化
企業理念の浸透
新入社員研修の目的として最も重要なのが、企業理念の浸透です。
自社が目指している方向性や価値観、社員として取るべき行動基準などへの理解を深めてもらいます。
企業理念を理解することで、新入社員は行動指針や行動基準が明確になります。
「何のために業務をおこなうのか」「どのような判断基準で行動すればよいか」といった価値観が統一されるため、一体感を持って業務を遂行できるようになるでしょう。
企業理念の浸透は従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上にもつながるため、重要視する企業が増えています。
事業内容への理解
新入社員研修には、自社の事業内容について理解を深める目的もあります。
自社が展開している事業や、顧客に対してどのような価値提供をしているのかなどを学ぶ機会となります。
企業全体の事業内容を理解することで、自身が携わる業務が社内外にどのような影響を与えるのかが見えてくるでしょう。
自分の役割についての解像度が上がるだけでなく、これまで気付けなかった自社の魅力に気付くきっかけにもなります。
研修では、具体的に事業内容を理解できるよう、各事業部の責任者に話してもらう場を設けるのもおすすめです。
学生から社会人としてのマインドセット
新入社員に社会人としてのマインドセットを身に付けてもらうことも、新入社員研修の重要な目的です。
学生時代にアルバイトやインターンシップなどを経験していても、社会人としての自覚を持って働いている学生は多くありません。
社会人として働くということは、自らの行動や発言に責任を持つだけでなく、主体的に業務に取り組む姿勢が求められます。
自分の言動が、チームや組織だけでなく企業全体にまで影響を与える可能性について研修で学びます。
企業の一員として、責任や礼節を持って日々の業務にあたるためにも、学生から社会人への意識の切り替えは不可欠と言えます。
情報漏洩によるリスクの周知
新入社員研修では、情報漏洩によるリスクについて理解を深めることも重要です。
企業には守るべき情報が多く存在しており、機密性を高く保つ必要があります。
その重要性を理解しないまま新入社員が業務に就き、万が一情報が漏洩してしまえば、企業の信用問題に関わるだけでなく、最悪の場合企業存続の危機に陥る可能性もあります。
SNSの発展により情報が拡散されやすい時代において、情報漏洩のリスクや正しい情報の取り扱いについて研修で学ぶ必要があるのです。
社内コミュニケーションの活性化
社内コミュニケーションを活性化し、人脈形成を促すのも新入社員研修の目的の一つです。
業務をスムーズに進めるためには、同僚や先輩、上司との良好なコミュニケーションが不可欠です。
グループワークやミニゲームなどで同期同士の交流を深めたり、社員を講師に起用することで先輩や上司など縦のつながりを作ったりするとよいでしょう。
いつでも相談できる相手が身近にいることは安心感につながります。
新入社員研修を通じて多くの人とつながる機会を設けることで良好な人脈形成ができ、結果として社員のパフォーマンス向上が期待できます。
新入社員研修に必要な内容
新入社員研修に必要な研修内容は企業ごとに異なりますが、概ね以下のような内容を計画すると、効果的な研修となります。
- 企業や職場について理解を深める
- 学生から社会人への意識変革
- コンプライアンス研修
- 基本的なビジネスマナー・ビジネススキルの習得
- 円滑なコミュニケーション力
- 報告・連絡・相談のスキル
- 質の高い情報を入手する力
- 論理的な考え方
- PDCAサイクル研修
ここからは、各研修内容の詳細を見ていきます。
内容(1)企業や職場について理解を深める
新入社員研修では、最終的なイメージを持って設計することが重要です。
新入社員をどのような状態にして職場に配属するのか、人事と現場の連携が欠かせません。
仕事のやりがいや楽しさについて伝える際は、企業理念に結びつけるのがポイントです。
これまで社長の講話だけで企業理念への理解を促す企業もありましたが、イマドキの新入社員には現場の社員がどのように体現しているのか、社員の言葉で仕事の楽しさなどを伝えると効果的です。
内容(2)学生から社会人への意識変革
イマドキの新入社員は真面目なタイプが多いです。
オンライン上で学生生活を過ごしてきたこともあり、「新しい環境で新しい人たちに会えるのが嬉しい」という感覚を持っている傾向があります。
受け入れる側としては、前向きな気持ちを伸ばしていけるような体制を整えることが大切です。
体験を伴う研修により、学生から社会人への意識変革につなげましょう。
内容(3)コンプライアンス研修
コンプライアンス研修とは、社員が守るべきルールや規則、 法令について学ぶ研修です。
新入社員研修で取り組むべき研修の一つですが、具体的には、以下のような内容を取り上げることをおすすめします。
- 法令遵守
- 社内規定や就業規則
- 情報セキュリティ
- 著作権や肖像権
- ハラスメント
近年、企業におけるコンプライアンスの重要性は高まっています。
新入社員も会社の一員として、責任のある行動を取ることが求められています。
社員がコンプライアンスを理解し行動することは、組織の社会的責任や信頼の向上にもつながります。
コンプライアンス研修が大切な理由
新入社員がコンプライアンスの重要性について理解できていないと、様々な企業リスクが発生してしまう可能性があります。
例えば、企業の顧客情報や機密情報の漏洩、不法行為や不祥事といったリスクです。
コンプライアンス違反は、個人のみならず組織全体のリスクとなるため、入社後早いうちからその重要性について理解する必要があるのです。
コンプライアンス研修の理解を深めるためのポイント
コンプライアンス研修の理解を深めるためには、以下のようなことに気をつけるのがポイントです。
- コンプライアンスについての理解度を確認する
- 自分ごととして捉えてもらうため、具体的な事例を紹介する
- 研修終了後も定期的に講習会やセミナーを実施する
コンプライアンス研修では、学んだことの理解度を確認しながら進めるのが効果的です。
どんなにコンプライアンスの重要性について伝えても、一度研修を受講しただけではコンプライアンスの意識は定着しにくいものです。
日々の業務に追われる中でつい気持ちが緩んだり、疎かになったりするケースも想定できるため、研修後も定期的に学べる機会を設けることもポイントとなります。
内容(4)基本的なビジネスマナー・ビジネススキルの習得
新入社員が社会人として働く上で、基本的なビジネスマナーやスキルは最低限身につけておきたいスキルです。
これらを学べる研修では、ビジネスにおける礼儀や作法を身に付けることができます。
例えば、以下のような内容が含まれます。
- 社会人としての身だしなみや態度
- 相手によい印象を与える言葉遣いや挨拶の仕方
- 名刺交換のやり方
- 来客や電話の対応
- ビジネス文書やメール作成の仕方
- パソコン操作の方法
ビジネス相手に対して適切な対応ができなかった場合、会社全体の信頼を損ねる可能性があります。
一方、正しいビジネスマナーやスキルを身に付けることができれば、取引先や顧客に好印象を与えることができ、良好な関係を構築することができます。
社会人として求められる基礎的なスキルを習得することで、ビジネス相手や状況に合わせた対応スキルも習得できます。
ビジネスマナー研修についての詳しい情報(基本原則や種類、カリキュラム例など)は以下の記事にまとめていますのでぜひご覧ください。
ビジネスマナー研修でお悩みの方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。
ビジネスマナーを習得する方法
新入社員がビジネスマナーを習得するためには、以下のようなポイントがあります。
- 研修の目的や意図を理解させる
- 型やパターンを身に付けさせる
- ロールプレイングを取り入れ繰り返し実践させる
- 研修後も定期的な実践の機会を設ける
新入社員研修を実施するのみでは、新入社員がスキルを習得するのは容易ではありません。
そのため、研修後も繰り返し実践をおこなうことが大切です。
反復練習をおこなうことで、実践で使えるビジネスマナースキルが身に付きます。
内容(5)円滑なコミュニケーション力
業務をスムーズに進めるためには、コミュニケーションを円滑におこなう必要があります。ビジネスにおいて求められるコミュニケーション力とは、以下の通りです。
- 正確に情報を聞き取る力
- 相手の伝えたいことを理解する力
- 情報を相手に適切に伝える力
- 内容を相手に分かりやすく論理的に伝える力
- 相手と良好な関係を築く力
新入社員が研修でこれらのコミュニケーション力を身に付けられれば、業務を円滑に進めることができます。
上司や同僚、クライアントなどと、良好な関係性を構築することができるようになります。
また、業務の悩みを相談したり、トラブルが生じたときにも相談しやすくなります。
これは業務の課題を解決することにつながるため、組織の生産性向上も期待できます。
コミュニケーション力を習得する方法
新人研修でコミュニケーション力を習得する場合、以下のような研修を計画するのがおすすめです。
- チームや仲間に対する信頼を高め、良好な関係性を築くための研修
- 課題を解決するためのコミュニケーションを学ぶ研修
良好な関係性を築くための研修では、自分の行動が相手に対して与える影響について考え、チームへの貢献意欲を向上させながら、コミュニケーションを円滑にする方法を学びます。
課題を解決するためのコミュニケーション研修では、相手が求めることを聞き出すヒアリング力を身に付けるとともに、相手に分かりやすく簡潔に伝える力を習得します。
内容(6)報告・連絡・相談のスキル
社会人にとって「報告・連絡・相談」は、非常に重要なビジネススキルです。
ビジネスにおけるそれぞれの意味は以下の通りです。
報告 | 業務の進捗や結果を上司に伝える |
連絡 | 業務中に起こった変化や情報を関係者に知らせる |
相談 | 業務上のトラブルや課題を上司や先輩に伝え、助言を求める |
新入社員が報告・連絡・相談のスキルを身に付けられれば、業務上のトラブルを防ぎ、業務を円滑に進めることができます。
報告・連絡・相談の重要性について正しく理解できていない場合、業務が停滞したり大きなトラブルに発展したりするリスクが高まるため、その重要性をしっかり指導することが大切です。
内容(7)質の高い情報を入手する力
インターネットが普及し、様々な情報が簡単に手に入る時代ではありますが、そこで手に入る情報には間違ったものも含まれています。
そこで、正しい情報を効率よく集めるために必要となるのが、質の高い情報を収集するスキルです。
新入社員研修で情報収集力を身に付けると、以下のようなメリットが得られます。
- 業務効率が上がる
- 正確な判断ができるようになる
- インプットやアウトプットの質が向上する
- アイデアやイノベーションを生み出せる
情報収集力を習得しないと、膨大な情報の中から必要な情報を取捨選択するのに時間がかかってしまいます。
また、無駄な情報も集めてしまうため、質の高い情報を得られないことも懸念点です。
情報収集力を身に付ける方法
研修内で情報収集力を身に付けるためには、以下のような内容を学ぶことがおすすめです。
- 情報収集の重要性や基本を学ぶ
- ネット検索のスキルを学ぶ
- 情報収集から活用までの流れを学ぶ
- 必要な情報を取捨選択する力を身に付ける
- ツールを使って効率よく情報を収集する方法を学ぶ
クオリティの高い仕事ができる社員を育成するためには、早いうちから情報収集の基本を学び、習慣的に取り組めるようにすることが重要となります。
内容(8)論理的な考え方
ビジネスにおいて、どうしてそうなるのかといった根拠を明確に示すことや、筋道を立てて理由を説明するといった行為は、重要なスキルの一つです。
感情論では相手に話が通じないため、論理的な考え方を身に付け、相手を納得させられるような話し方ができるスキルを習得することが求められます。
得られるメリットとしては、以下が挙げられます。
- 判断力が身に付く
- 説得力が向上する
- 分析力が身に付く
- 主体的に行動できる
論理的な話し方ができれば、相手を説得できる可能性が高まります。
このように、ロジカルな思考を学ぶことは、取引先との交渉の場面においても役に立ち、ビジネスチャンスを引き寄せるためのカギとなるのです。
論理的な考え方が大切な理由
論理的な思考を身に付けないと抽象的な伝え方となり、相手に言いたいことを上手く伝えることができません。
要点や結論が伝わらず、相手は「何が言いたいのかが分からない」と感じてしまいます。
論理的な考え方をすれば、わかりやすく、説得力のある伝え方ができます。
また、先を見据えた行動にもつながります。
論理的な考え方を身に付けるためのポイント
論理的な考え方を身に付けるためには、新入社員研修で、以下の内容を取り入れることがポイントです。
- 論理的な思考とは何かを学ぶ
- 主張の合理性を整理する練習をする
- 相手や状況に応じて情報を分かりやすく伝える訓練をする
- 社員同士でディベートをおこなう
論理的な思考を身に付けるためには、ものごとの重要性を見極め、情報を整理し、客観的に判断することが大切となります。
研修を受講しただけでは習得することが困難であるため、業務の中で具体的にどのように活かせるかを考え、実際に行動してみることも大切です。
内容(9)PDCAサイクル研修
業務効率化に欠かせないPDCAサイクルは、社会人として重要なスキルの一つです。
目標設計や振り返りをおこない改善していくPDCAサイクルは、トライ&エラーを繰り返しながら業務の効率性を高めるのに役立ちます。
研修では、PDCAサイクルの基本的な知識について学び、自身の業務における目的・目標設定を理解します。
さらに実践的なロールプレイングをおこなうことで、PDCAサイクルを日々の業務に落とし込める状態にまで身に付けましょう。
- PDCAワーク
- 目的、目標設定
- タスク洗い出し、スケジューリング
- 報連相、相手視点の重要性について
- 改善計画 など
自身の長所・短所を理解することで、改善すべき課題が明確化できます。
PDCAサイクルが習慣化されれば、常に業務の効率化を図ろうと試行錯誤するため、生産性の向上にもつながるのがメリットと言えます。
また、研修を形骸化させないためにも、研修後も定期的にフォロー研修をおこなうことをおすすめします。
「困っていることはないか」「研修で学んだことが実務で活かせているか」など話を聞き、フィードバックしましょう。
新入社員研修の設計方法・手順
新入社員研修を設計する際にポイントとなる設計方法や手順を見ていきましょう。
- 入社者の能力水準を踏まえて設計する
- 企業との関係性構築と同期間の連携を図る
- 新入社員研修に続けて、2年目社員を対象に定期研修を実施する
入社者の能力水準を踏まえて設計する
研修内容は、入社者の能力水準を踏まえて設計することが重要です。
学生時代の経験によって身に付けているスキルやマインドセットは大きく異なることが予想されます。どのレベルの新入社員が多いかという基準で研修内容を変える必要があるのです。
また、現在はオンラインで会話をする機会が増えているため、「情報を整理する力」「まとめて簡潔に伝える力」が求められます。
新入社員として論理的思考力を身に付けられる研修も有効です。
企業との関係性構築と同期間の連携を図る
新入社員の人数が多いほど、選考時のオンライン化や、内定者懇親会などで集まる機会が少なく人事や同期間のコミュニケーションが取れていないという状況になりがちです。
近年のリモート環境下では、先輩社員のフォローが不十分なまま、仕事をしている新入社員もいます。
彼らの多くは企業との関係性が築けておらず、早期離職につながってしまうため注意が必要です。
加えて、オンラインで仕事をしていると他社の状況が見やすくなり、リモートで働きながら同時進行で転職活動ができてしまいます。
企業との関係性構築や同期間の連携を図れるよう、初回は対面研修を実施し、その後は緩急をつけてオンラインにて新人研修を実施する企業も増えています。
新入社員研修に続けて、2年目社員を対象に定期研修を実施する
コロナ禍では雑談などの気軽なコミュニケーション機会が減少し、新入社員の企業に対するロイヤリティが醸成できないことも課題になっています。
効果的な新入社員研修が実施できれば、「所属企業の一員である実感がわいてきた」というようにロイヤリティの向上が期待できます。
研修期間としては、2年目社員を対象に1カ月に1度、4時間のワークショップを実施する企業もあります。
スキルを付与し、実際にやってみて振り返るといった定期研修により、若手社員の定着も図れます。
新入社員研修で用いられる手法
新入社員研修で用いられる手法には、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは主な手法を5つご紹介します。
新入社員に研修を通して学ばせたい内容や、新入社員のタイプに応じて最適な手法を選択し研修を設計することが重要です。
- レクリエーション
- グループワーク
- ロールプレイ
- ケーススタディ
- OJT研修
(1)レクリエーション
参加者同士でゲームなどをおこなう「レクリエーション」を、新入社員研修に取り入れる企業が増えています。
参加者の緊張を和らげ、参加者同士のコミュニケーションを促進する効果が期待できます。
研修開始前や、研修中のブレイクタイムなどに導入されることが多いですが、本格的な脱出ゲームや体を動かすゲームなどレクリエーションの種類は様々です。
(2)グループワーク
「グループワーク」は、複数名で一つのグループとなり、指定された課題に取り組みます。
課題についてグループで討議し、最終的な結論を出して発表する「プレゼン型」と、与えられた目標の達成に向けて参加者同士で協力して作業に取り組む「作業型」があります。
社員同士で一緒に作業をするため、協調性やコミュニケーション能力の向上につながります。
(3)ロールプレイ
「ロールプレイ」は、複数名がそれぞれ特定の役割を演じ、活動する場面を疑似体験することで学びを得る研修手法の一つです。
販売職であれば、「接客スタッフ」と「顧客」とにわかれて演じることで、実際の現場でどのように対応するべきなのかをシミュレーションを通して学ぶことができます。
また、ロールプレイでは参加者全員に焦点が当たるため、個人の課題を見つけるのに役立ちます。
(4)ケーススタディ
「ケーススタディ」は、過去実際に起こった事例や業務上起こりうる事例を題材に、分析を通して課題を特定し、解決策を考える方法です。
働く上で必要になる問題解決力や創造力、危機管理能力を養うことにつながります。
電話応対や営業手法など、座学で学んだ内容を実践形式で試します。
前述した「ロールプレイ」と組み合わせて実施するとより効果的です。
(5)OJT研修
OJTとは「On the Job Training」の略で、実際の現場で働きながら教育を施していく研修です。
座学で一通りの知識を身に付けた後、実務で実践的なスキルを習得します。
研修内容は、同じ業務を反復的に学習させると効果的です。
繰り返し学び改善していくことで、新入社員のレベルアップにつながります。
OJT研修についての詳しい情報(目的や進め方、効果を出すポイントなど)は以下の記事にまとめていますのでぜひご覧ください。
OJT研修でお悩みの方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。
新入社員研修で押さえておきたい4つのポイント
新入社員研修で押さえておきたいポイントを4つご紹介します。
- 研修の目的とゴールを設定する
- 実践と振り返りを通して定着につなげる
- コミュニケーションを積極的に取る
- 実務体験できる場を設ける
ポイント(1)研修の目的とゴールを設定する
企業によって人材育成方針や新人に求めるスキルなどは異なりますが、どのような企業も、研修の目的とゴールは早い段階で設定しておくことが大切です。
現場とのギャップをなくすためにも、それぞれの部署の責任者と経営陣にヒアリングをおこなって新人に求めることを洗い出します。
個人によって経験やスキルが違うことも考慮し、可能な限り個人ベースで考えられるとよいでしょう。
また、将来的な人事配置を想定することも、研修を成功させるために押さえておきたいポイントです。
あえて他部署に新入社員を配置して研修をおこなう場合は、目の前の業務だけでなく、最終的に配置される部署との関係性も学ばせます。
ポイント(2)実践と振り返りを通して定着につなげる
入社したばかりの新卒社員は何ができて何ができないか分からない状態であることも多いため、研修を通して自身の得意・不得意を理解してもらうことが重要です。
そのためにビジネスロールプレイングなど、できるだけ実践的な研修コンテンツを取り入れることで、自分の「できたこと・できなかったこと」をより明確に理解でき、本人に納得感を持たせることができます。
その後職場での改善や実践目標を立ててもらい、職場で数ヵ月間実践後振り返りの時間(フォロー研修や面談など)を設けることで、行動の定着につながっていきます。
学び→実践→振り返りというサイクルを意識して研修計画を立てることが重要です。
ポイント(3)コミュニケーションを積極的に取る
新入社員研修では、できるだけさまざまな部署の社員との関わりを持たせましょう。
会社の全体像を知っておくことはその後の安心感にもつながります。
入社後すぐのタイミングで、直接的に業務で関わりのない部署とも交流する機会を設けておくとよいでしょう。
また、先輩社員には研修内容を把握してもらうために、事前に内容をしっかりと共有しておくことが必要です。
既存社員が研修内容をきちんと把握できていないと、現場配属後にコミュニケーションエラーが起きる可能性があります。
新入社員の育成方針はきちんと言語化し、社内で共通認識を持っておくことが大切です。
ポイント(4)実務体験できる場を設ける
新入社員研修では、会社の理念や社会人としてのマナーなどを座学で習得するケースが多いです。
しかし、座学だけでは具体的な業務と結びつきにくく、配属されて戸惑う場合が少なくありません。
座学の内容をアウトプットする機会を経て初めて学びとなるため、必ず実務体験の機会を作りましょう。
迅速にフィードバックできるよう、配属先の先輩とペアになるなどの実務体験がおすすめです。
実際の業務のイメージが持ちやすくなり、向上心アップにもつながります。
新入社員研修の成功事例2選
最近では、一般的なビジネススキルに加えて自社の経営理念や業務内容を伝えるため、オリジナリティの高い研修を取り入れている企業があります。
独自の研修で新入社員のモチベーションを高める2つの事例を紹介します。
2泊3日の合同合宿で絆を深める。日置電機の「お寺合宿研修」
長野県にある電気計測器メーカーの日置電機では、2泊3日の「お寺合宿研修」を実施しています。
同期と寝食を共にし、寺院での座禅や読経体験を通じて自分自身と向き合い、忍耐力を身に付けることを目的とした研修です。
合宿研修後は、1〜3ヵ月の現場研修を実施。
技術職への配属者の場合は、一から製品を作り上げる工程を体験します。
配属後は、2年間にわたるマンツーマン研修によって、「HIOKI社員」としての仕事の仕方を学びます。
時間をかけた丁寧な新人育成は、自社の一員としてのモチベーションを高める重要な役割を担っています。
(参考:産労総合研究所「企業と人材 2016年9月号」)
野菜栽培から行動力のある社員へ。オタフクソースの「キャベツ農場研修」
広島県に本社を置く調味料メーカーのオタフクソースでは、「キャベツ農場研修」を実施しています。
お好み焼に欠かせないキャベツの栽培体験を通じて、事業の根幹への理解や、同期とのコミュニケーションを醸成することなどを目的におこなわれています。
様々な実験的試みを取り入れた体験型研修により、自ら考えて行動する自律的な精神を養い、技術力の向上や感性の磨き込みを図っています。
ほかにも、お好み焼作りやソース作りといったユニークな研修もあり、自社への愛着精神を育む効果も期待できます。
(参考:オタフク「キャベツ育成からお好み焼の焼き方、ソース製造実習まで!体験型研修で「お好み焼」を知る・学ぶオタフク新入社員研修」)
カケハシ スカイソリューションズの新入社員研修
採用・育成・定着を支援する様々なソリューションをワンストップで提供する「カケハシスカイソリューションズ」では、新入社員を対象とした研修サービスを多数実施。
新入社員研修の内容や特徴などをご紹介します。
カリキュラム
新入社員を対象とした研修は、「即戦力化プログラム」や「ビジネススキーム・マナー研修」「ロジカルシンキング研修」など多岐に渡ります。
企業の様々なニーズに応じたプランをご用意していますので、新入社員の行動変容につながる研修をお探しの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
研修の特徴
カケハシソリューションズの研修は、単発で終わるのではなく、数年先を見通した継続的なプランの提供が特徴です。
そのため、内容の理解だけでなく、業務に落とし込み現場で活かせることに重点をおいています。
企業の理念や事業戦略などに基づいたビジョンメイドの研修サービスを提案し、受講者一人ひとりに寄り添ったきめ細やかなアセスメントで、未来の組織成長につながる研修を提供します。
カケハシ スカイソリューションズが選ばれる理由
カケハシスカイソリューションズは、採用から育成、定着までを一貫して企画・実施しているため、本質的な課題解決につながる施策が実現できます。
さらに、新卒採用支援、中途採用支援、組織強化支援、離職防止支援、CI・広告制作など、それぞれの領域で膨大なノウハウとスキルを蓄積したスペシャリストが多数在籍。
企業の課題に応じて、営業担当が最適なプロジェクトメンバーをアサインし、組織の力で幅広い課題解決に挑むスタイルが選ばれる理由です。
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まとめ
新入社員が企業で活躍していくための土台づくりとしておこなう新入社員研修は、「入社者の能力水準を踏まえて設計する」「早い段階で目的とゴールを設定する」などがポイントです。
対面でのトレーニングを重視することで研修の効果を高められるだけでなく、社員間のコミュニケーションの活性化にもつながります。
今回の記事で紹介した研修内容などを参考に、自社の新入社員研修を設計してみてはいかがでしょうか。
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