新入社員育成

新入社員がぶつかる壁や悩みとは。原因や指導のポイントを解説!

新入社員がぶつかる壁や悩みとは。原因や指導のポイントを解説!

新入社員が壁にぶつかったとき、メンターのフォローによって乗り越えられるか否かが、新入社員の人材価値を大きく左右します。

新入社員が壁を乗り越えられる企業風土の醸成は、早期離職防止や優秀な人材の育成に不可欠です。

そこで今回は、新入社員がぶつかりやすい壁や、壁を乗り越えさせるためのポイントについて解説します。

マナーの壁

個性が尊重される風潮の中で学生時代を送ってきた新入社員は、画一的なビジネスマナーに戸惑いがちです。

マナーを十分に身につけないまま業務を進めたり、マナーに対する自信のなさが言動に表れたりすると、ステークホルダーからの信頼を落としかねません。

まずは、新入社員にビジネスマナーの意義を伝える必要があります。

正しいマナーは相手に好印象を与えるため、ビジネスの効率化に有効であることや、マナーの欠落は本人だけでなく会社の信頼を損ねるリスクがあることなどを説明します。
会社の一員であるという自覚と責任が芽生えて初めて、正しいマナーが身につくのです。

最初に「やってはいけないこと」のインプットからはじめ、基本的なマナーの習得に移ります。

マナーの習熟度を自身で把握できるよう、マナーチェックリストを作成するのも一つの方法です。

マナーチェックリストの項目例
主なマナー チェック項目
敬語の使い方
  • 尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分け
  • 一人称の使い方
  • 感謝表現・謝罪表現の使い方 など
身だしなみ
  • 髪型
  • 服装
  • メイク など
あいさつ
  • タイミング
  • 目線
  • 声のトーン など
電話対応
  • 会社名の名乗り方
  • メモの取り方
  • 取り次ぎの仕方 など
名刺交換
  • 持ち方
  • 受け取り方
  • 交換後の置き方 など
メール
  • to・cc・bccの使い分け
  • 送信タイミング
  • 文面 など
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コミュニケーション・報連相の壁

新入社員は、上司や先輩に声をかける適切なタイミングや、相談すべき範囲を見極められず、円滑なコミュニケーションを図れないケースがあります。

「いそがしい先輩に声をかけるのは申し訳ない」「このようなことまで相談すると怒られるのでは」という遠慮や保身が、コミュニケーションの壁となりがちです。

その状態が続くと、不明点を放置したまま自己判断で業務を進めたり、チームで進めるべき業務を停滞させたりして、生産性の低下やミスの発生を招きます。

また、コミュニケーションを通じて必要な知識を吸収できず、本人の成長機会も失われるのです。

報連相の重要性を認識してもらい、自己発信を促す必要があります。
とは言え、最初から自発的なコミュニケーションを取ることが難しい新入社員もいるでしょう。

まずは、固定的な報連相の場を設けて、コミュニケーションに対する壁を徐々に低くする方法もあります。

たとえば、「1日5分の1on1ミーティングを設ける」「1日2回チャットで報連相する」などのルーティンワークを繰り返し、報連相が定着した時点で自己発信に切り替える方法です。
新入社員の負担にならない方法を検討してみましょう。

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業務・社会知識の壁

業務知識や社会知識に対する壁は、新入社員のみならず若手社員が感じる課題です。

コンサルティング会社が2023年に2年目~4年目の社会人を対象に実施した調査によると、最大の壁は「知識・スキルへの不安」という結果でした。

壁を乗り越えられた要因として、社会人2年目の多くが「ポジティブにとらえる姿勢」と回答したのに対し、社会人3年目になると「知識の習得」という回答が1位を占めています。

この結果を見ると、新入社員にはポジティブな姿勢を保つための支援が有効です。
知識量の増加に対するポジティブフィードバックは、新入社員のモチベーションを高めます。

そして、業務知識や社会知識を効率的に調べる方法を指導すれば、ステークホルダーとのやり取りがスムーズになり、自然と企業知識や業界知識が身につきます。

(参考:ラーニングイノベーション総合研究所「社会人2~4年目社員の意識調査(直面する壁 実態編)」)

業務遂行の壁

業務遂行の壁新入社員が業務遂行の壁を感じる理由として、「乗り越えるルートがわからない」「乗り越えるエネルギーがない」などが考えられます。

前者の場合、仕事の全体像とゴールへの道筋を示す支援が有効です。
業務を遂行する過程を間近で見せるなど模倣からスタートし、次のステップでタスクの優先順位を自身で考えられるよう促します。

新入社員に役立つタスク管理法の一つが、アイゼンハワーマトリクスです。
このマトリクスを活用して、タスクを次の4領域に分類します。

アイゼンハワーマトリクスの4領域
  1. 緊急かつ重要な仕事
  2. 緊急ではないが重要な仕事
  3. 緊急だが重要ではない仕事
  4. 緊急でも重要でもない仕事

(1)の達成目標を設定し、スケジュールを逆算して各々のタスクにかける時間を配分できるよう促します。

(2)は長期的に実現したいタスクを含む仕事です。

(1)のスケジュールにバッファをもたせ、(2)の時間を確保するよう促すと、新入社員の成長につながります。

(3)は、時間をかけずに消化していく、もしくは人に任せる習慣づけが必要です。

また、「乗り越えるエネルギーがない」という場合、マルチタスクに疲弊していたり、仕事に意義を見いだせていなかったりするケースが考えられます。
業務配分の見直しやモチベーション管理をおこないましょう。

新入社員のよくある悩みと指導のポイント

新入社員は悩みを克服しながら、社会人としての基礎力を養います。

しかし、悩みを抱え込み解決の糸口を見いだせない状態が続くと、本人はもちろん周囲にも悪影響を及ぼしかねません。

悩みを抱える新入社員の支援に向けて、メンターが知っておきたいことを解説します。

新しい環境になじめない

人は、居場所や人間関係、役割、ルールが変わるとストレスを感じるものですが、新入社員はそのすべてが一変するというストレスを味わいます。

学生時代は人間関係や役割も比較的自由に選べますが、入社すると固定的な場合が多く、なじめない新入社員もいるでしょう。

おとなしい社員の中には孤立感を抱き、早期退職という選択肢を採る場合もあります。
中堅社員は新入社員が新しい環境になじめるまで、長い目で見守る姿勢が必要です。

指導のポイント

新入社員に対し、組織社会化を進める必要があります。
組織社会化とは、新メンバーに対して会社のビジョンや価値観を共有し、組織適応を促すプロセスのこと。

新入社員が理想と現実のギャップに苦しまないよう、入社前から業務内容や職場環境について情報共有することも大切です。

また、気軽に話ができる相手が一人でもいると、新入社員の精神的不安を軽減できます。
ブラザーシスター制度の導入も、組織順応に向けた施策の一つです。

主体的に動けない

近年、「受け身姿勢が特徴の新入社員が多い」という課題をもつ会社が増えています。

日本の教育は、コーチング(自分の力で答えに到達するよう導くスタンス)よりも、ティーチング(正解を教えるスタンス)が主体だと言われています。
教育制度に慣れ親しんだ新入社員に、学生と社会人の違いを示す必要があるのです。

また、近年の新入社員は失敗を恐れる傾向がある、という指摘もあります。

しかし、スピード感が重視されるビジネスシーンにおいて、指示待ちタイプの人材は即戦力になり得ません。

新入社員が、最適解を与えてもらう受け身姿勢や失敗に対する恐怖心を脱却し、自律自走できる人材となるよう指導する必要があります。

指導のポイント

主体的に動けない原因は、新入社員側だけでなく指導側にもあるかもしれません。

たとえば、「マニュアルが存在しない」「業界用語を理解できない」などの理由で、新入社員の動きを制限している可能性があります。

新入社員の視点に立ってわかりやすい指導を心がけねばなりません。また、大きな損失を生まないようコントロールしながら、新入社員にあえて失敗させることも必要です。

失敗を歓迎する組織風土は、新入社員のチャレンジ精神を養います。

成長実感がない

成果が見えづらい仕事や、タスクに追われ振り返りをおこなえない状況では、新入社員は成長を実感しづらくなります。

また、向上心をもって入社した新入社員が、理想と現実のギャップに苦しみ、意欲が低下するケースも発生しがちです。

新入社員の意識低下に気づかないまま放置してしまうと、「もっと成長を実感できる場所があるはずだ」と転職を視野に入れながら業務を続けることになりかねません。

しかし、「成長実感がない」という悩みは、「成長したい」という志向の表れでもあります。
成長を実感する機会を提供することで、新入社員は上昇志向を活かせるのです。

指導のポイント

新入社員が成長を実感し、そこで得た気付きを次の行動に活かせるフローづくりが大切です。

フローの構築には、心理学者のデイヴィット・コルブが提唱した「経験学習モデル」が役立ちます。

経験学習モデルとは、「具体的経験」「内省的反省」「概念化」「能動的実験」のサイクルを繰り返すフレームワークです。

経験学習サイクル

具体的経験
具体的経験に向けて業務をアサインする際、前回よりも少し難しいタスクを設定すると、新入社員のスキル向上や責任感の醸成を促せます。

内省的反省(振り返り)
メンターのフィードバックは、新入社員にとって成長促進剤となります。
大切なことは、ネガティブフィードバックが単なる叱責に終始せず、失敗の原因や今後の課題などの洗い出しにつながることです。

概念化
内省的反省(振り返り)で得た気付きをほかの事例にも活かせるよう概念化します。概念化を習慣づけることで、その場しのぎの対応をしない社員に成長するのです。

実践
概念化によって得られた教訓をほかの事例に応用するよう促します。これにより新入社員の仕事の幅が広がり、技術的成長と精神的成長の双方を後押しできるのです。

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まとめ

新入社員研修はカケハシ スカイソリューションズ新入社員に壁を乗り越えさせるには、意識や心構えを変革するマインドセット教育が有効です。
マインドセット教育は、新入社員の考えや思いに耳を傾けるメンターの存在が欠かせません。

メンターには時間的負担と心理的負担がかかりますが、新入社員が壁を乗り越え自律自走人材に成長すれば、企業活動の活性化につながります。

採用・育成・定着を支援し、さまざまなソリューションをワンストップで提供する「カケハシ スカイソリューションズ」では、さまざまな新人研修プログラムをご用意しています。

メンターの負担を軽減し、新入社員の職場定着と即戦力化を目指します。
新入社員教育にお悩みの企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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「人と組織の成長を加速する」というミッションのもと、採用、育成、定着を支援する様々なソリューションをワンストップで提供するカケハシ スカイソリューションズならではの知見をお伝えすることを目的として記事を執筆・編集。社員研修の知恵袋では、人事担当向けに、社員教育全般に役立つノウハウを幅広く取り扱っています。
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