ロジカルシンキングとは、物事を論理的に捉える思考法のことで、ビジネスの場面においては欠かせないスキルとされています。
ロジカルシンキングを鍛える方法は多岐に渡ります。
適切に取り組むことで問題解決能力が高まり、説得力のある提案でビジネススキルを飛躍的に向上させることが可能になります。
今回は、ロジカルシンキングを鍛えるためのトレーニング方法や、スキル習得に役立つフレームワークをご紹介します。
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そもそもロジカルシンキング(論理的思考)とは?
ロジカルシンキング(論理的思考)とは、目の前で生じている問題を論理的に捉え、矛盾のない結論を導く思考法を指します。
事実に基づいた合理的な判断を要するビジネス現場においては、特に重要視されるスキルとされています。
ロジカルシンキングは、あらゆる物事を客観的に分析するときに役立つ手法です。
ロジカルシンキングを習得することで、解決すべき課題が明確になったり、論理的かつ客観的な議論を展開できるようになったりします。
ロジカルシンキングが重要な理由
AIやIoTといった新たな技術が登場する現代において、自社の競争力を向上させるためには、正確で素早い問題解決能力が求められます。
ロジカルシンキングを鍛え、客観的な視点で物事を捉える思考が身に付けば、様々な問題を適切に解決へ導くことができます。
さらに、道筋の通った説得力のある説明も可能になるため、資料作成やプレゼンテーションなどの基礎的なビジネススキルも身に付きます。
ロジカルシンキングを鍛えるためのトレーニング方法10選
ここからは、ロジカルシンキングを身に付けるための10個のトレーニング方法を解説します。
- まずはロジカルシンキングの基本を理解する
- インプットとアウトプットを繰り返す
- 仮説を立てながら考える
- 簡潔にわかりやすく話す
- クリティカル・シンキングの癖をつける
- 研修やディベートに参加する
- フェルミ推定やフレームワークを活用する
- 正しい情報を選択する
- 課題の本質を見極める
- ロジカルシンキングに関する問題を解く
(1)まずはロジカルシンキングの基本を理解する
最初は、ロジカルシンキングの基本を理解することが大切です。
ロジカルシンキングの基本となる考え方は以下の3つです。
- MECE(ミーシー)
- ファクトベース
- ゼロベース
MECE(ミーシー)
MECEとは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略語で、重複せずに、すべての情報を網羅することを意味します。MECEが身に付くことで、漏れや重複、論点のズレをなくし、全体を見ながら正確な根拠を見つけ考えることができます。
ファクトベース
ファクトベースとは、数値やデータといった事実に基づいた思考のこと。
誤った結論に至ることを防ぐため、憶測と事実を明確に分け、信憑性の高い判断を可能にします。
ゼロベース
ゼロベースとは、先入観や固定概念を捨てまっさらな状態で物事を考えること。
ゼロベースであることによって、自身の思考や概念の枠を取り外し、柔軟で斬新な発想ができるようになります。
(2)インプットとアウトプットを繰り返す
ロジカルシンキングを身に付けるためには、インプットとアウトプットを繰り返す訓練も重要となります。
インプットやアウトプットが示すものは以下の通りです。
インプットとは、あらゆる情報を吸収することを意味します。
情報は、インターネットやSNS、書籍、論文、資料、研修など多岐に渡ります。
課題や問題に応じて、適切な情報を集めましょう。
必要な情報を集めた上で、整理することも重要です。
価値のない情報が多いと、アウトプットが的確にできない可能性があるため、情報の取捨選択をしましょう。
アウトプットとは、吸収した情報を目的に応じて外に吐き出すことです。
整理した情報を順序立ててまとめ、価値のある情報として発言や行動に表しましょう。
他者に伝える場合には、結論を先に示すと、相手に内容が伝わりやすくなります。
(3)仮説を立てながら考える
仮説を立てながら、物事を捉えるトレーニングも重要です。
仮説を立てる際は以下のポイントを押さえて進めましょう。
一次情報などの信頼性の高い情報をもとに考える
ロジカルシンキングは、ファクトベースで物事を考えるため、信憑性の高い情報をもとに、仮説を考えることが大切です。
目的に沿って自分が直接体験したことや、適正な調査・ヒアリングによって得られた情報を活用しましょう。
なお、仮説を立てる際は、前提や根拠に間違いがあると、誤った結論に至る危険性があります。
そのため、前提条件や根拠は慎重に選択しましょう。
仮説を立てる目的を忘れない
課題や問題といったテーマに対して、どのような結論を導き出したいのか常に意識することが大切です。
不要な情報は取り除き、目的から逸れる内容に時間をかけないように心がけましょう。
また、必要な情報が漏れていないか確認することも肝要です。
(4)簡潔にわかりやすく話す
ロジカルシンキングは、他者に説明する際に活用される思考法でもあるため、簡潔でわかりやすく話すトレーニングも不可欠です。
相手にわかりやすく伝えるためには、不要な情報は避け、常に結論から話すことを心がけましょう。
結論に対する根拠を順序立てて説明することで、相手も「なぜ〇〇の結論に至ったのか」が理解しやすくなります。
また、相手にわかりやすい言葉を使い、統一した認識のもと議論を進めていくことも重要です。
相手が理解していないまま説明を進めると、認識のズレが生じることも考えられます。
一方的に話さず、ときには質問も交えながら、議論を重ねることを意識しましょう。
(5)クリティカル・シンキングの癖をつける
クリティカル・シンキングとは、現状の問題を主観にとらわれることなく分析し、本質的な課題を見抜いて解決する思考法を指します。
前提となる情報や条件を「本当に正しいのか?」と批判的に評価することで、思い込みによる見落としや矛盾点の発見に役立ちます。
客観的に判断しやすいよう、「考えたことを紙に書き出して俯瞰する」「第三者に話しを聞いてもらう」など言語化する方法もおすすめです。

(6)研修やディベートに参加する
部署やグループ単位で、ロジカルシンキングの強化を図りたい場合には、ロジカルシンキング研修や問題解決研修などの開催・参加をすることをおすすめします。
ロジカルシンキングは、推論力だけで成立するわけではありません。
分析する能力や論理的に議論を展開したり、説得力のある言葉で伝達したりといった様々なスキルが必要となります。
研修であれば、ロジカルシンキングを展開する上で必要となるスキルを網羅的に学習でき、短期間で客観的に物事を捉える思考が身に付きます。
さらに、ディベートも有効な手段です。
ディベートとは、1つのテーマに対して反対・賛成の2つの立場に分かれ議論すること。
聞き手に自身の「主張」を納得してもらえるような説得力が必要となるため、情報の分析や客観的な思考などの実践的な練習が可能となります。
(7)フェルミ推定やフレームワークを活用する
論理的な思考の習得には、フェルミ推定やフレームワークを活用するのも一つの手段です。
フェルミ推定とは、数量が膨大で簡単に数えられないような数字を、論理的な思考力によって短時間で概算すること。
例えば、「日本にマンホールはいくつあるか」「地球上にアリは何匹いるか」といった問いに対して、データをもとに論理的な答えを導き出します。
問題に対する分析力や柔軟な発想力が鍛えられるため、ロジカルシンキングを習得するのに的確なトレーニング方法と言えます。
フレームワークとは、問題解決や判断をおこなう際に、様々な情報を整理し考察するのに役立つ具体的な手順や枠組みを指します。
ここからは、ロジカルシンキングにおいて役立つ4つのフレームワークをご紹介します。
演繹法(えんえきほう)
演繹法(えんえきほう)とは、前提となる一般的なルールに対して、目の前で起きている事象(小前提)を照らし合わせ、論理的な結論を出す推論法です。
構成としては、大前提→小前提→結論の順に論理が展開します。
具体的な例は以下の通りです。
例えば、
- 大前提:生き物は必ず死ぬ
- 小前提:ウサギは生き物である
- 結論:ウサギは必ず死ぬ
演繹法を用いて示された結論は、「A=B」かつ「B=C」であれば、「A=C」であることも言えます。
誰もが納得できる前提からスタートし、その結果を元に結論を導き出すため、ビジネスで取り入れやすく、複雑なテーマにおいても結論付けることができるといった特徴を持ちます。
帰納法(きのうほう)
帰納法(きのうほう)とは、複数の事実から共通点を見つけ仮説を立てて、結論を導き出す推論法です。
一般論から結論を導く演繹法とは反対に、実験や実証から個別の具体例を集め、共通点から法則や規則性を見い出すといった特徴があります。
統計分析にも用いられている手法です。わかりやすい例を見ていきましょう。
例えば
- 事実1:ウサギがシロツメクサを食べた
- 事実2:ウサギがキャベツを食べた
- 事実3:ウサギが大根の葉っぱを食べた
- 結論:ウサギは「草食動物」である
なお、ここで導き出された結論は、絶対的な真実とは限らず、あくまで前提を踏まえて論理的に見て正しい推論であると言えます。
ロジックツリー
ロジックツリーとは、現状の課題をツリー状に分析し、体系的に物事を整理するためのフレームワークです。
問題を可視化できるように分解することで、複雑な問題を捉えやすくなり、解決策を導きやすいといった特徴があります。
課題となるテーマに対し、樹木が枝分かれしていくように大きな項目から小さな項目へと細分化し、階層的に整理することが大切になります。
そのため、ロジックツリーを展開する際に役立つのが、先述した「MECE(ミーシー)」です。
ロジックツリーを書き出す際は、MECEを意識し、内容に漏れや重複した部分がないかをチェックしましょう。
ピラミッドストラクチャー
ピラミッドストラクチャーとは、結論と根拠をセットにして論理的に伝えるフレームワークです。
結論を頂点に置き、その下に根拠を積み重ねる構造を築くピラミッド型となることから、ピラミッドストラクチャーと呼ばれています。
ピラミッドストラクチャーの活用によって、説得力のある説明ができたり、相手に自分の言いたいことが伝わりやすくなったりする効果が期待できます。
なお、ロジックツリーとピラミッドストラクチャーは、異なる役割を持つ点を理解しましょう。
ロジックツリーは、主に問題解決の手法として用いられます。
一方、ピラミッドストラクチャーは、主張や根拠の正当性をわかりやすく説明するために使われるのが一般的です。
(8)正しい情報を選択する
ロジカルシンキングを適切に活用するためには、正しい情報を選択することも重要です。
正しい情報を選ぶことができれば、信憑性が高まり、相手を納得させることができます。
なお、正しい情報とは以下の3つの情報が当てはまります。
一次情報自身が直接体験したことや、調査・ヒアリングによって得られた信用度の高いデータを活用することが大切です。
企業の立場で言えば、一次情報とは自社に蓄積されたデータのことを指し、自社サイトのアクセス履歴や自社商品の購入履歴、利用者の感想などが挙げられます。
他にも、世間一般の情報を活用したい場合は、国や自治体が発表している統計調査のような資料など、信頼できる機関が公開する情報を選ぶことも重要です。
定量が示された情報定量が示された情報とは、物事を数量や数値で表している情報を指します。
ロジカルシンキングは、筋道の立った誰もが納得できる説明が必要となるため、定量が示されることが不可欠です。
定量が示されていないと、人によって受け止め方が異なったり、納得のいく説明ができなかったりすることもあるため、ロジカルシンキングには不向きと言えます。
第三者から提供された情報当事者から発信された情報は信憑性が高い反面、感情や利益によって内容が左右される可能性が高いため注意が必要です。
必要とする情報によっては、当事者とは関係のない、第三者による客観的にまとめられた調査結果などを参考にすることも必要となります。
なお、ロジカルシンキングのトレーニングをする際は、演習問題が載っている本やWebサイトを活用し、考え方を身に付ける練習にも取り組みましょう。
ニュースを読みながら、情報の整理や仮説を立てて情報に基づいた説明を書き出してみるだけでも、ロジカルシンキングの練習になるため、おすすめです。
(9)課題の本質を見極める
課題の本質を見極める力をトレーニングすることも、ロジカルシンキングにおいて欠かせません。
ビジネスパーソンの多くは、発生した問題に対してすぐに対処しがちですが、表面的な課題に飛びついてしまうと、本来取り組むべき根本の問題を見落としてしまう可能性があります。
例えば「営業力を強化したい」という課題があった場合、すぐに「どんな研修で営業力を高めるか」と考えるのではなく、「営業プロセスのどこに課題があるのか」「本当に研修が最適な手段なのか」と問いを深める視点が重要です。
まずは課題を複数の小さな問いに分解してみましょう。
「どの層を」「いつまでに」「どのレベルで」「いくらかけて」と整理していくことで、対応すべき範囲や優先順位が明確になります。
また、なぜ今その課題が取り上げられているのかという背景の確認も大切です。
「営業力の強化」が、単なる部門の課題なのか、全社的な業績悪化を受けた経営方針なのかによって、施策の規模や方針が大きく異なってきます。背景を理解することで、判断のズレを防ぐことができます。
このように、課題の本質を見極めるための習慣は、日常業務の中でも簡単に実践できるロジカルシンキングのトレーニングになります。
「この仕事の目的は?」と一歩立ち止まって考えることから始めてみるのがおすすめです。
(10)ロジカルシンキングに関する問題を解く
ロジカルシンキングに関する問題を解くことも効果的なトレーニング方法です。
問題に取り組むことで、論理的に考える「型」が自然と身につき、実務での応用力も高まります。
最初は無料サイトで公開されているゲーム感覚でできるような簡単な問題から始め、毎日少しずつ継続してみましょう。
最近ではフェルミ推定をはじめ、論理展開や因果関係の整理など、ロジカルシンキングをトレーニングするための問題集やeラーニングも増えており、空き時間を使って無理なく取り組むことができます。
中には、実際のビジネスシーンを想定した問題が収録されている教材もあり、日常の業務に近い形でトレーニングできます。
他にも、複数人で問題を出し合い、ディスカッション形式で考え方を共有するのも効果的です。
答えそのものよりも、「なぜそう考えたか」に注目することで、論理の流れを意識する癖がついていきます。
楽しみながら続けられる工夫を取り入れ、自分に合ったスタイルで継続していくことが成功のコツです。
問題を解くトレーニングは、知識を増やすというよりも「考える力」を鍛えるための実践の場。まずは身近な問題から気軽に始めてみましょう。
ロジカルシンキングを習得するメリット
ロジカルシンキングは幅広いビジネスシーンで役立つスキルですが、習得すると具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
合理的思考が身につき問題解決能力が向上
問題解決能力は、あらゆる業務のベースとなり、ビジネスで成果を出していくために必須のスキルです。
ロジカルシンキングを習得すると、物事に矛盾がないよう順序立てて考えられるため、合理的な思考力が身につきます。
物事を体系的に整理し、因果関係を正確に把握して分析できるようになると、問題解決能力も飛躍的に向上します。
問題解決能力が高まることで、解決までの道筋を立てて実行することができるようになり、業務の効率化にもつながります。
説得力のあるプレゼンテーションや提案が可能に
ロジカルシンキングを意識して説明をすると、自分の主張や事実、根拠を明確に伝えることができるようになります。
まず自分の考えを伝え、その後に事実や理由、根拠というように順序立てた説明ができるようになるため、交渉相手にとってもわかりやすく、説得力と納得度の高い提案をおこなうことができます。
そのため、ロジカルシンキングは商談やプレゼンテーションなどの場でも活用することができます。
理解度やアウトプット力が高まりコミュニケーションがスムーズに
コミュニケーション能力は相手の意見を正確に聴く力と、自分の意見を正確に伝える力からなります。
ロジカルシンキングを身につけると、相手の意見に対して「どのような意図があるのか」と考えることができ、相手の真意を理解できるようになります。
また、自分の意見を伝える際にも、論理的思考に基づきわかりやすくアウトプットすることができます。
日ごろからロジカルシンキングを意識して実践することで、円滑なコミュニケーションがとれることもメリットになります。
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採用・育成・定着を支援する様々なソリューションをワンストップで提供するカケハシスカイソリューションズでは、ロジカルシンキングを鍛える研修を提供しています。
主に新人社員から中堅社員、エンジニアの方を対象に実施しており、物事の捉え方の基礎となる思考力や問題解決力を養います。
さらに、その場限りの研修で終わらせず、行動変容を維持させるため独自の取り組みを実施しています。
- 研修終了後には、当日の受講内容や受講生の様子、育成ポイントをフィードバックする
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まとめ
数多くの情報を整理した上で論理的に物事を捉え、問題解決に導くロジカルシンキング。
変化が大きく不確実な現代においては、重要性が増している思考法とも言えます。
ロジカルシンキングには様々なトレーニング方法があり、適切に学ぶことで効果を発揮し、スキルの定着をもたらします。
今回紹介したトレーニング方法やフレームワークを正しく理解し、自社の人材育成や研修に活かしていきましょう。

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