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eラーニングプラットフォームの機能とは?必要なものや導入の流れ、選び方のコツを徹底解説

eラーニングプラットフォームとは、eラーニングの基盤となるシステムのことで「LMS(学習管理システム)」と呼ばれています。

さまざまな教材や学習コンテンツの提供、受講者の管理などをシステム上でおこなえるのが特徴です。

この記事では、eラーニングプラットフォームの概要から、選ぶ際のポイントや導入の流れについて詳しく解説します。
自社で導入を検討する際の参考にしてください。

そもそもeラーニングとは?

eラーニングとは、パソコンやタブレットなどを使い、インターネットを通じて学習・研修する方法のことです。

「Electronic Learning」の略称で、最近では「eラン」や「オンライン学習」とも呼ばれています。

1990年代には、CD-ROMを利用したeラーニングが主流でしたが、配布後の修正が難しい、制作コストがかかる、コミュニケーションが一方向的といった課題が多くありました。

その課題の解決を実現したのが、現在のインターネットを利用したeラーニングであり、eラーニングプラットフォームの基盤とも言える「LMS」学習管理システムです。

「LMS」とは、「Learning Management System」の略称で、学習管理システムと訳されます。
学習教材の配布や管理、学習の進捗管理や学習データの管理などさまざまな機能が搭載されています。

LMSは、受講者への快適な学習環境の提供だけでなく、管理者にとっても不可欠なプラットフォームと言えます。

eラーニングとは?導入のメリット・デメリット、学習システム等をわかりやすく解説eラーニングとは、インターネットを利用して研修や教育ができる学習方法です。この記事ではeラーニングの活用方法やメリット・デメリット、導入する際に必要なものなどをご紹介します。...

eラーニングプラットフォームの機能とは?

eラーニングプラットフォームには、どのような機能が備わっているのでしょうか。
ここでは、eラーニングプラットフォームの機能を大きく3つに分けて解説します。

受講者の管理

eラーニングプラットフォームでは、受講者の登録情報管理が容易におこなえます。

例えば、入社3年目の若手社員を対象とした研修を実施したい場合、データベース内に登録された受講者の中から絞り込んで検索すれば、自動的に対象者を選定してくれます。

研修の案内や教材の配布も一括でおこなえるため、個別に連絡する必要がありません。

研修の実施に伴う手間を省けるだけでなく、受講者の属性や習熟度に合った研修機会の提供により、効率的な学習が実現できます。

受講者の進捗管理

受講者の進捗管理もeラーニングプラットフォームで管理できます。
「誰が・いつ・どの学習コンテンツを・どの程度学習したか」を把握することが可能です。

テストやアンケート結果から学習の習熟度を測定し、受講者の得意分野や苦手分野を可視化することで、一人ひとりにアドバイスやフィードバック、適した教材を送ることができます。

受講者は都度的確な指導やフォローを受けられるため、モチベーションの維持・向上につながります。

コンテンツの管理

eラーニングプラットフォームにより、教材となるコンテンツの管理・配信ができます。

プラットフォームの多くは、各eラーニングコースに合わせた教材を販売・配信しているほか、オリジナル教材の作成や配信にも対応しています。

教材は、テキストや動画、パワーポイントなどさまざまな種類があります。

また、教材の内製化を支援してくれるプラットフォームもあります。
プラットフォームを選ぶ際には、自社の要望に適したものを選びましょう。

eラーニングプラットフォームの主な種類

eラーニングプラットフォームには、「オンプレミス型」と「クラウド版」の2種類があります。
それぞれの特徴について詳しく解説します。

1.オンプレミス型

オンプレミス型は、自社のサーバーにeラーニングプラットフォームをダウンロードして利用する「買い切り型」のサービス形態です。

オンプレミス型は、サーバー設置からシステム構築まですべてを自社でおこなうため、自社の希望に合わせてカスタマイズできるのが特徴です。

そのため、自社の既存システムとの連携も比較的容易におこなえます。

一方、クラウド型と比較して導入コストが高額になる、サーバー設置やシステム構築するための専門知識が必要になるといったデメリットもあります。

2.クラウド版

クラウド版は、インターネット上にあるプラットフォームを利用するSaaS型サービスです。

ベンダーが構築したサーバーやシステムを利用するため、オンプレミス型のように自社での設置やシステム構築は必要ありません。
そのため、オンプレミス型よりも導入コストを抑えられる、専門知識があまりなくても運営できるといったメリットがあります。

ただし、インターネット環境が必須となるため、通信環境の影響を受けやすいのがデメリットとして挙げられます。

システム障害やメンテナンスで利用できなくなったり、アクセスの集中によりサーバーに負荷がかかって回線速度が低下したりすることがあります。
また、サービスが終了する可能性も視野に入れておく必要があるでしょう。

eラーニングプラットフォームを導入するメリットとは?

eラーニングプラットフォームの導入により得られるメリットについて、以下でご紹介します。

教育の質が標準化できる

eラーニングを導入することで、教育の質を標準化できるメリットがあります。

例えば、二人の受講者に同じ研修を実施する際、スケジュールの関係でそれぞれ異なる講師から研修を受けることになった場合、二人の学習レベルを同一にするのは至難の業と言えます。

例え同じ教材を使って教えたとしても、講師の伝え方や質問に対する回答内容など、一言一句違えずに教えることはまず不可能でしょう。

一方、eラーニングでは、動画や教材による学習方法が一般的です。
すべての受講者に同じ内容と質の学習を提供できるため、講師の教え方の違いによるバラつきが生じにくくなります。

また、使用する教材はシステム上で管理するため、内容の変更が合った場合も一括で更新し、常に最新かつ質の高い学習コンテンツを提供できるのもメリットとして挙げられます。

学習状況を一元管理できる

受講者一人ひとりの情報をシステム上で一元管理できるのも、eラーニングプラットフォームのメリットです。

どの受講者がいつどの講座を受講したかといった、一人ひとりの受講状況や成績などの情報を収集できます。

受講後のアンケートやテスト結果を一元管理でき、進捗状況の把握や受講者の理解度の把握が容易になります。

その結果から、理解度や習熟度の低い受講者に学習のフォローをおこなったり、進捗状況の芳しくない受講者に学習を促すリマインドをおこなったりすることも可能です。

一人ひとりに対して丁寧に指導できるため、学習の質の向上にもつながります。

従来の集合研修では把握しきれなかった個別の情報が容易に収集・分析できるのは、eラーニングプラットフォーム導入による大きなメリットと言えます。

手間やコストを削減できる

eラーニングプラットフォームの導入により、一般的な集合研修にかかる無駄な手間やコストを削減できるのもメリットです。

一般的な集合研修では、会場の手配やスケジュール調整、講師や受講者の交通費・宿泊費など多くの手間とコストがかかります。

一方、eラーニングでは、場所や時間を問わず受講できるため、会場を借りる必要も受講者に移動してもらう必要もありません。

また、導入費用はかかりますが、教材は一度制作すればよいため、研修の度にかかっていた教材費や印刷費用、外部講師に支払う費用も大幅に削減できます。

eラーニングプラットフォームを選ぶ際の6つのポイント

eラーニングプラットフォームにはさまざまな種類があり、自社の要望に適したプラットフォームの選択が重要です。

ここでは、プラットフォームを選ぶ際に確認すべきポイントを解説します。

  1. 講座内容
  2. 教材の種類と質
  3. 利用人数
  4. 操作性と機能
  5. 互換性の有無
  6. 料金形態

(1)講座内容

eラーニングプラットフォームを選ぶ際、はじめに講座内容を確認しましょう。

利用できる講座内容はeラーニングプラットフォームによってさまざまあり、職種や専門領域が異なります。その内容によって「汎用型」と「特化型」に分類されます。

ビジネスマナーやコンプライアンス研修など、汎用性の高い内容の講座が多い「汎用型」では、基礎的な社員教育をおこないたい企業に適しています。

「特化型」は、ITや医療など特定の業種や分野に特化した講座を提供するタイプです。
専門性の高い分野における研修の実施を目的としています。

自社のニーズに合った内容の講座があるプラットフォームを選びましょう。

(2)教材の種類と質

教材の種類と質もeラーニングプラットフォームを選ぶ際に確認しましょう。

eラーニングプラットフォームで使用する教材の種類には、「テキスト」「音声」「動画」などがあります。

プラットフォームによって対応できる種類が異なるため、自社の求めるタイプのものに対応しているかどうか確認が必要です。

また、自社で教材を制作する場合、教材作成ツールを搭載したプラットフォームを選択するとよいでしょう。

さらに高い学習効果を得るためには、教材の質の確認も重要です。
無料トライアルや教材のサンプルを確認してから選ぶようにしましょう。

(3)利用人数

プラットフォームを同時に受講できる人数も確認しましょう。

プラットフォームによっては、利用人数に上限が設けられている場合があります。
企業規模により対応できない可能性があるため、注意が必要です。

小規模運用向けのプラットフォームでは、数名から100名までのものが多く、大規模運用に適しているものは、100名以上から上限のないものなどがあります。

利用人数が多くなるにつれて料金が高くなるのが一般的です。
自社の研修対象者の数を確認するなど、規模に合わせたプランを選択して無駄な費用を削減しましょう。

(4)操作性と機能

機能や操作性も、eラーニングプラットフォームを選ぶ重要な要素です。

学習者がストレスなく学習に取り組める環境を提供する上で、迷うことのない直感的な操作性は不可欠と言えます。
また、学習者に限らず、管理者側にとっても手間なく管理できるものを確認しておくとよいでしょう。

学習効果を高めたい場合には、eラーニングプラットフォームの機能内容が充実したものを選ぶのがおすすめです。

テストやアンケートを設置できる機能や、進捗状況を管理できる進捗管理機能、受講者と管理者、講師のそれぞれがやり取りできるコミュニケーション機能など、さまざまな機能があります。

受講者の理解度を測定したい、個別に学習支援をしたい場合などは、機能が充実したプラットフォームを選択しましょう。

(5)互換性の有無

eラーニングプラットフォームを検討する際には、互換性があるかどうかも確認すべきポイントです。

ここで言う互換性とは、eラーニングにおける国際的な標準規格である「SCORM」に準拠しているプラットフォームかどうかを確認することを指します。

eラーニングプラットフォームと教材を統一するための仕様を定義しており、これに沿って作成された教材であれば、異なるプラットフォーム間でも相互運用できるのが特徴です。

SCORMに準拠しているeラーニングプラットフォームを選ぶことで、乗り換える際にかかる膨大な手間やコストの削減につながります。

互換性の有無は、eラーニングの長期的な運用において非常に重要な選定ポイントと言えます。

(6)料金形態

eラーニングプラットフォームの導入に際して、料金形態も重視すべきポイントです。

初期費用や月額料金、カスタマイズ料金、コンテンツ料金などの費用相場を確認しましょう。
ここでは、クラウド版について説明します。

費用項目 相場金額
初期費用 0~20万円程度
月額料金  200~600円/1ユーザー または3~8万円程度
カスタマイズ料金  1~100万円程度

クラウド版の初期費用は、0円~20万円程度が一般的です。

料金形態はサービスによって異なりますが、ユーザー一人あたりいくら、もしくは100人までならいくらといったものがほとんどで、月額もしくは年単位での支払いとなります。

また、クラウド版はオンプレミス型に比べて自由度は劣りますが、カスタマイズができるものもあります。
その場合、単一のオプションであれば1万円程度が相場となります。

eラーニングプラットフォームを選択する際は、自社の利用目的に適した料金形態のものを選びましょう。

eラーニングプラットフォーム導入の流れ

ここでは、eラーニングプラットフォームを導入する流れについて、3つのステップに分けて詳しくご紹介します。

課題と学習目的の洗い出し

まず自社の抱える課題や学習の目的を洗い出しましょう。

eラーニングプラットフォームの選定にあたり、自社が求める機能や教材が備わっていることが重要です。

「なぜeラーニングプラットフォームが必要なのか」「課題はなにか」が明確になっていなければ、その見極めは難しくなります。

そのため、課題や目的を洗い出し、自社に必要な学習コンテンツの優先度や導入により達成したいゴールなどを知ることが大切です。

必要な機能やほしい学習コンテンツ、教材に優先順位をつけることで、次のステップとなる比較検討がスムーズにおこなえます。

比較検討・選定・契約

次に、eラーニングプラットフォームの比較検討をはじめます。

「オンプレミス型」か「クラウド版」かを決定した後、明確にした導入の目的や課題をもとに数社に絞り込みましょう。

サービスの比較検討には、運用シミュレーションをおこなうのが効果的です。

初期費用やランニングコストなどを見積もり、予算内に収まるかどうか、費用対効果はどうかを確認しましょう。

また、無料トライアルがある場合、テスト運用をおこなうのもおすすめです。
操作性や機能などを実際に使って確認できるのは大きな判断材料となります。
eラーニングプラットフォームを一社に絞ったら契約を結び、運用を開始します。

運用準備・運用開始

契約したら、運用に向けた最終段階となる準備に入ります。
運用開始にあたり以下のような準備が必要となります。

運用開始の準備
  • eラーニングの操作研修
  • 管理者権限やパスワードポリシーなど各種設定
  • eラーニング用教材の作成
  • タブレットなど電子端末の用意
  • テスト運用
  • ユーザー情報や教材情報の登録
  • eラーニング説明会の実施

これらの準備には、短くても2週間以上はかかります。
運用を開始したい期日から逆算して、余裕を持った運用準備をおこないましょう。

eラーニングを活用する場面例

eラーニングを活用できる場面にはどのようなものがあるのでしょうか。
「新卒社員教育」と「社内研修」の2つについて詳しく解説します。
検討する際の参考にしてください。

1.新卒社員教育

eラーニングは、新卒社員教育に活用できます。

新卒社員教育は、毎年のように実施する上、学習内容も一定のことがほとんどのため、eラーニングとの親和性が高い傾向にあります。

eラーニングの学習コンテンツとして一度制作してしまえば、繰り返し使用できるので長期的に見るとコストの削減にもつながります。
学習内容に変更があった場合も、システム上で一括で内容を修正できるため、テキストを印刷し直す必要もありません。

また、一般的なビジネスマナー研修の場合、既存の学習コンテンツを購入することもできます。

2.社内研修

eラーニングは、社内でおこなうさまざまな研修に活用できます。

若手・中堅・管理職など役職や属性別におこなう研修のほか、獲得したいスキルや価値観、考え方といったテーマで分けた研修など、eラーニングの活用は多岐にわたります。

パッケージ化された研修を購入して活用するのはもちろん、自社独自の研修を制作することもできます。

また、職種によっては、OJTとeラーニングを組み合わせることで、より効果的な研修機会の提供が実現できるでしょう。

eラーニングの導入はカケハシ スカイソリューションズ

eラーニングの導入はカケハシ スカイソリューションズ採用・育成・定着を支援するさまざまなソリューションを提供するカケハシ スカイソリューションズでは、学びの伴走支援型eラーニング「Beatban」を提供しています。

「学んだはずの研修内容が現場で活かせない」「導入したが結局使われない」など、形だけの研修にならないために、ビート板のように、泳げるまでサポートしたいという思いを込めて運営しています。

研修を実施しても、現場で活かせなければ意味がありません。

Beatbanでは、研修実施後の振り返りを支援し、さらに補足的なスキルを学ぶ場を提供することで研修効果を持続させ、真のスキルアップへつなげます。

少しでもご興味をお持ちいただけましたら、以下バナーよりサービス詳細をご覧ください。

研修会社がつくったeラーニングサービス ひとりひとりの学びに伴走する「Beatban」

まとめ

eラーニングプラットフォーム(LMS)は、eラーニングを運用するための基盤となる重要なシステムです。

受講者や教材を一元管理できるほか、一人ひとりの学習状況の把握や分析、学習支援もおこなえるのが特徴です。

一方で、その機能やサービス内容、提供形式などは提供会社によって異なるため、導入に際して自社の目的に沿った最適なプラットフォームを選ぶ必要があります。

この記事でお伝えした内容を参考にして、より効果的な学習環境の実現につなげましょう。

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知恵袋編集部
「人と組織の成長を加速する」というミッションのもと、採用、育成、定着を支援する様々なソリューションをワンストップで提供するカケハシ スカイソリューションズならではの知見をお伝えすることを目的として記事を執筆・編集。社員研修の知恵袋では、人事担当向けに、社員教育全般に役立つノウハウを幅広く取り扱っています。
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