新入社員育成

ビジネスマナー研修は必要なのか?実施する際のポイントも併せて解説

ビジネスマナーを身につけることは、社会人としての第一歩です。多くの企業が新入社員研修の中に「ビジネスマナー研修」を取り入れています。

ビジネスマナーは「必ず守らなければいけない決まりごと」のようにとらわれがちですが、実際には「正解がなくその場に応じて対応すること」が重要です。だからこそマナー本から学ぶなど、受け身での習得は難しいと言われています。

今回の記事では、ビジネスマナー研修が必要な背景から、新入社員に向けてビジネスマナー研修をおこなう上で、押さえておきたい研修の目的や内容、実施する際のポイントを紹介します。

ビジネスマナーの定義

ビジネスマナーは、社会人として信頼を得るためのマナーであり、相手の信頼を得て、ビジネスの業績につなげていくことが目的です。

ビジネスマナーには言葉遣いや身だしなみといった具体的なスキルも重要ですが、相手やその場の状況から判断し行動する「思想・考え方」といった抽象的なスキルも求められます。

それは、ビジネス社会が関係社会であり、「相手基準」で考え行動することが求められているためです。

目に見えやすい具体的な「言動・身だしなみ・電話対応」などの所作は、研修などの機会があれば比較的短時間で身につけられます。

しかし、「思考や規範の理解・立場を考えた振る舞い」などは抽象的なスキルであり、どのように対応するのか判断が難しい場面も多く、実践を積まなければ身につかないスキルでもあります。

ビジネスマナーとはこのような具体的なスキルと抽象的なスキル双方を身につけ実践する必要があるため、「なぜ重要なのか」「何のためにおこなうのか」といった、ビジネスマナーの目的や意図、重要性を理解する必要があると言えます。

なぜビジネスマナー研修が必要なのか?

マナーとは、社会で生きていく上で必ず身につけておくべきスキルの一つです。

ビジネスマナーは、社会人として必要とされるマナーの総称で、具体的にはビジネス上での身だしなみや言葉遣いなどが挙げられます。

ビジネスパーソンとして、相手を思いやる言動、空気を読んだ対応ができるかは、ビジネスの成果につながる大きなポイントです。

ビジネスマナー研修を導入し、社員がビジネスマナーを身につけることは、自社の信用やブランド価値を上げるためにも重要とされています。

ここではビジネスマナー研修がなぜ必要なのか、その要因を改めてみていきましょう。

挨拶・身だしなみは第一印象を左右する

挨拶と身だしなみは、人とのコミュニケーションのベースであり、重要な事項です。

例えば、清潔感のある身なりで礼節をわきまえた人物と、身だしなみを整えていない無愛想な人物とでは、どちらの人と一緒に仕事をしたいと思えるでしょうか。

特に初対面の社外の人への印象は、挨拶や身だしなみができているだけで好意的となり、ビジネスによい影響を与える可能性が高いです。

ビジネスの場ではどれだけ仕事の能力があったとしても、挨拶と身だしなみができない人物は相手からの信頼を得ることが難しいでしょう。

挨拶と身だしなみは社会人としての基本であることは広く知られているため、ビジネスマナー研修でしっかり学び実践すべきです。

表情・姿勢・態度は意識しないと表に出やすい

挨拶や身だしなみはマナーにおいての定番ですが、表情や姿勢、態度といった相手への振る舞いも重要なマナーの一つと言えます。

ビジネスの場では、基本的に表情は柔らかく、相手が何を求めているかを察知し、姿勢や態度でふさわしい振る舞いを意識しましょう。

気をつけなければ無意識に表に出てきてしまうのが、表情や姿勢、態度でもあります。

ビジネスマナー研修では、社外の人物に対してだけでなく一緒に働く社内の人たちへも、表情・姿勢・態度を意識する重要性を伝えています。

社外の顧客や取引先、職場の仲間とのコミュニケーションが円滑になり、信頼関係が築ければ、お互いに気分よく仕事に取り組む気持ちにつながります。

報連相(報告・連絡・相談)により業務がスムーズに進む

報告・連絡・相談からなる報連相は、社会人としての基本であり、特に業務経験が浅い場合にはまず身につけておくべきビジネスマナーです。

しかし、報連相は出来て当たり前のこととして捉えられている傾向があり、具体的に報連相を体系立てて学んだことがあるという人は、あまり多くありません。

報連相が滞りなくできるということは、業務がスムーズに進みビジネススキル向上にもつながるため、ビジネスマナー研修では必ず押さえるべき事項です。

特に新入社員はビジネスマナー研修が必要な理由

多くの企業が入社時の社員研修の一環として、ビジネスマナー研修を取り入れています。

ビジネスマナーで特に難しいのは、相手の常識により「できて当たり前のことができない」と判断されると、ビジネスの場にもネガティブな影響を与える可能性があることです。

Z世代と呼ばれデジタルネイティブでもある昨今の新入社員は、世代間を超えたオンライン上でのフランクな交流を得意とする一方で、公式な場でのマナーは経験不足の可能性があります。

また、会社と個人の関係が終身雇用の時代から、転職や副業が一般的となった今の時代背景を踏まえ、研修の内容を考慮すべきでしょう。

これまでの「会社の一員としてのビジネスマナー」だけでなく「個人のブランドにつながるビジネスマナー」として伝えると効果的です。

ビジネスマナー研修を導入するメリット

ここからは、企業がビジネスマナー研修を導入するメリットについて紹介します。

メリット(1)ビジネスマナーの重要性を理解できる

ビジネスマナー研修では、社会人として必要なビジネスマナーに対する知識を学ぶだけでなく、マナーをスキルとして身につけることの重要性についても理解を深められます。

社会人的常識の他、その場に応じた柔軟な対応を求められるビジネスマナースキルは、自分から実践したいと思えなければ身につけることが難しいものです。

だからこそ、ビジネスマナー研修で「なぜ、ビジネスマナーが必要なのか」という理解を促し、スキルを身につける前提条件を整えておくことが重要といえます。

メリット(2)業務ですぐに実践できるビジネスマナーが身につく

ビジネスマナー研修では、講義で知識を得るだけでなく、トレーニングやロールプレイングなどを組み合わせて、学んだことをその場で実践できる点もメリットの一つです。

笑顔やお辞儀の角度、立ち姿など、講義だけでは伝わりにくい所作をトレーニングとして繰り返し練習することや、電話応対や名刺交換などはペアでロールプレイングをおこなうことで、業務ですぐに実践できるビジネスマナースキルとして習得できます。

メリット(3)会社のイメージ向上、取引先・顧客の満足度アップにつながる

会社の顔といえば社長や管理職の社員が挙げられますが、取引先にとっては相手が新入社員だったとしてもその人自身が会社の顔であると認識されます。

もし1人の社員のマナーが悪く、よくない印象を与えてしまった場合、企業全体の印象が悪くなってしまうでしょう。反対に、ビジネスマナーがしっかりしていると取引先や顧客から会社によいイメージを持たれ、顧客の満足度が向上します。

ビジネスマナー研修を導入し社員を育成することは、会社の業績アップにもつながるメリットとなるのです。

ビジネスマナー研修の設計フロー

ビジネスマナー研修を社内に導入し、より効果的なものにするためには、事前の設計が欠かせません。ビジネスマナー研修の設計フローを順に解説します。

ビジネスマナー研修の目的を定める

まずは、「ビジネスマナー研修を導入することで何を達成するか」という目的設定が必要です。

研修を企画する側の目標が明確になっていないと、何のために研修をおこなっているのか受講者もわからなくなり、得るものが少なくなってしまいます。

「ビジネスマナー研修によって社員がどう変化するのを期待するか」という目指す姿から目的を決めるとよいでしょう。

研修の中身を設計する

ビジネスマナー研修の目的を定めたら、続いて研修内容を設計します。

研修は、自社でおこなうか、外部講師を呼ぶか、専門機関に外注するか、という選択肢があります。メリットとデメリットを踏まえた上で、使える予算なども鑑み、目的を最大限達成できる方法を選択しましょう。

方法を選択したら具体的な中身を精査し、スケジュールなども押さえます。

効果測定の方法を定める

実際にビジネスマナー研修をおこなう前に、研修の効果をどのような指標によって測るかを決めておくことも重要です。

ビジネスマナー研修で一番大事なことは、業務上で身につけたビジネスマナースキルを実践していき、会社の業績アップにつなげることです。

受講者に振り返りの機会を与えることや、効果を測定することで、自社のビジネスマナー研修をより効果的なものにブラッシュアップしていきましょう。

ビジネスマナー研修の具体例

ここからは、実際におこなわれているビジネスマナー研修の内容を紹介します。

株式会社カケハシ スカイソリューションズでは、新入社員を対象に、商売シミュレーションとビジネスマナーを同時に学ぶ「ビジネススキーム・マナー研修」を展開しています。

研修では以下のステップを踏み、社会人としてのマインドセット、儲けのしくみ、ビジネスマナーを習得していきます。

ビジネスマナー研修のステップ
  1. 企業の仕組みと社会的責任についてルールを守ることの重要性
  2. 商売シミュレーションにより、売上・粗利・営業利益の違いを理解し企業の儲けの仕組みを理解
  3. 信頼を形成する上でのビジネスマナー(身だしなみ、お辞儀、敬語、名刺交換、席次、電話、メール等)

単にビジネスマナーを伝えるだけの研修ではなく、企業が発展し続けるためのお金の仕組みについてもセットで学ぶ研修内容です。

ビジネス上で相手から信頼を得るために必要な、ビジネスマナーの重要性の理解と習得を促します。

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ビジネスマナー講師の選び方

ビジネスマナー研修を実施する際、外部のプロ講師を依頼することも多いです。

ビジネスの基本を教えるビジネスマナー研修では、講師によって受講した社員の意識に違いが出てくることもあります。

ビジネスマナー講師を選ぶ際には、参加者の現場状況や職種に応じたふさわしいマナーを学ぶために、実施する研修の参加者の特徴に合わせてマナー講師を選定することが重要です。

参加者が納得感をもち、すぐに職場で実践できるビジネスマナー研修が展開できるよう、適切な講師を選びましょう。

まとめ

ビジネスマナーは、社会人として相手との信頼関係を築きながら、組織の実績にも貢献していくために重要なスキルです。

新入社員がビジネスマナーの本質を理解し習得するためには、ビジネスマナー研修の目的、内容を自社の業務で必要な内容に整理し、実践型でトレーニングしていくことがポイントです。

今回の記事を参考に、ビジネスマナー研修の内容を見直してみてはいかがでしょうか。

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知恵袋編集部
「人と組織の成長を加速する」というミッションのもと、採用、育成、定着を支援する様々なソリューションをワンストップで提供するカケハシ スカイソリューションズならではの知見をお伝えすることを目的として記事を執筆・編集。社員研修の知恵袋では、人事担当向けに、社員教育全般に役立つノウハウを幅広く取り扱っています。
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