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「巻き込み力」とは何?身につける方法や発揮のポイントをシーン別で解説

ビジネスパーソンに求められる基礎力の一つに「巻き込み力」があります。
今、なぜ巻き込み力が重要視されているのでしょうか。
その理由と習得方法について解説します。

「巻き込み力」とは?

巻き込み力とは、関係者から主体的な協力を引き出し、一つの目標に向かって協働体制を築く力のこと。
関係者に指示を与えて従わせるのではなく、一人ひとりがチームのビジョンや自身の役割を理解し、進んで行動できる状態を維持しなければなりません。

「巻き込み力」の重要性

いかに優秀な人材であっても、一人でできることには限りがあります。
仕事やプロジェクトを成功に導くには、メンバーやクライアントの主体的な協力が不可欠です。

関係者一人ひとりに「この人と一緒に目標を達成したい」と思わせる巻き込み力は、ビジネスに大きな成果をもたらします。

巻き込み力の発揮は、次のようなメリットにつながります。

  • 目標・ビジョンの共有
  • 関係者のモチベーション向上
  • 信頼関係の構築
  • チームの連携力強化
  • 多様性の尊重

巻き込み力は関係者のモチベーションを向上し「指示待ち人間」をつくらないため、業務効率がアップします。

また巻き込み力は、関係者に対する一方的な圧力ではなく、双方向のコミュニケーションによって成り立つ力です。
活発なコミュニケーションの中で、目標やビジョン、進行状況などが共有されるため、チーム内で齟齬が生じにくくなり、プロジェクトの成功率が高まります。

さらに、巻き込み力はアイデアの発露を促し、新たな企業価値の創出につながります。

「巻き込み力」を身につける方法とは?

プロジェクトが幸先のよいスタートを切るには、チームの結束が必要です。
巻き込み力を発揮してチーム内の意思疎通を促し、一致団結を図りましょう。

巻き込み力は日々の意識づけや鍛錬によって向上できます。
ここからは具体的な方法についてご紹介します。

「巻き込み力」を身につける方法
  1. 自身のスキルを養う
  2. 関係者への理解を深める
  3. 組織の透明性を確保する
  4. 健全な根回しをおこなう
  5. 熱意を見せる
  6. 研修を受ける

(1)自身のスキルを養う

仕事やプロジェクトの遂行に必要なスキルを磨くことで、関係者に対する説得力やチーム内の心理的安全性が高まります。

転職や異動によってプロジェクトに着任し周囲との関係値がゼロからスタートした場合でも、自身のスキルを証明することによって関係者の協力を引き出しやすくなるのです。

また、他者からの評価に耳を傾け、自己向上を図る姿を周囲に示すことで、関係者の自己成長を後押しします。

(2)関係者への理解を深める

関係者一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境を作るには、人に対する洞察眼をもちましょう。

人事考課表を参照するだけでは、一人ひとりのビジネススキルや仕事に対する意欲を把握しきれません。

日常的な会話や1on1ミーティングなどを通じて信頼関係を築くことが大切です。
また相手を称賛する際は、スキルよりも過程や行動の美点を取り上げましょう。

(3)組織の透明性を確保する

巻き込み力を構成する力の一つ、「目標・ビジョンを共有する力」を磨くには、組織の透明性を意識することが大切です。

わかりやすい言葉で明文化した目標・ビジョンは、誰もが常時確認できる状態にしておきましょう。

各関係者の役割やタスクも明確にし、定期的なミーティングを通じて建設的なフィードバックをおこないます。

関係者の疑問やそれに対する回答もオープンにすることでチームに連帯感が生まれ、目標達成に一歩近づけます。

(4)健全な根回しをおこなう

根回しというとネガティブなイメージをもたれがちですが、健全な根回しはスムーズなプロジェクト進行のカギとなります。
ここで言う健全とは、自己の利益や保身ではなくチームや会社の利益に貢献する、という意味です。

たとえば、他部署に正式なプレゼンテーションを実施する前にキーパーソンに情報共有をおこなっておくと、部署間の利害対決を防げる場合があります。

(5)熱意を見せる

巻き込み力を身につけるには、仕事に対する熱意を表に出す習慣をつけましょう。

定期的なミーティングでプロジェクトに対する想いを伝えるだけでなく、行動量でも示すことが大切です。

熱意は関係者の奮起につながり、プロジェクト完了時の達成感も大きくなります。

その達成感は次のプロジェクトに向かうモチベーションの源泉となり、ビジネスに好循環が生まれるのです。

(6)研修を受ける

巻き込み力は、経済産業省が公表した「人生100年時代に求められるスキル」の中で、「働きかけ力」に含まれる社会人基礎力の一つです。

キャリアを切り拓いていくために重要な力の一つであり、専門的なビジネス研修で身につけられます。

グループワークなど実践形式の研修であれば理論の習得に終始せず、学びの成果を実際の業務に反映しやすくなります。

(参考:経済産業省『社会人基礎力』)

「巻き込み力」を発揮するポイント【シーン別】

各自キャリアや考え方の異なる人材を説得し協力を仰ぐには、相手への配慮が不可欠です。
ここでは対象者を3層に分けて、巻き込み力を発揮するポイントをご紹介します。

「巻き込み力」を発揮するシーン
  • 上司を巻き込む
  • 同僚や部下を巻き込む
  • 他部署の社員を巻き込む

上司を巻き込むポイント

自身のキャリアや仕事のスタンスに誇りをもっている上司を巻き込み、同じ方向を見据えることは容易ではありません。

特に、上司が昇進や昇給を控えている場合、リスクを冒すことなく自身のスタンスを貫きたいと考える可能性があります。

上司を巻き込むには、直接顔を合わせてプレゼンテーションをおこない、プロジェクトの方向性だけでなくどのような成果を挙げられるか明確に示すことが大切です。

同僚や部下を巻き込むポイント

同僚を巻き込むには、日頃から良好な関係を築いておくことが大切です。

積極的なフォローを心がけていると助け合いが常態化し、アプローチに応えてもらえる可能性が高まります。

また、同僚の疲労度やモチベーションの変化を日頃から観察し、応えてもらいやすいタイミングを見計らって巻き込み力を発揮するとよいでしょう。

部下を巻き込むには、フラットな立場でアプローチすることが大切です。
圧力をかけたり同情を誘ったりして巻き込んでも、継続的な信頼関係にはつながりません。

部下に対する期待感をありのまま伝えましょう。

他部署の社員を巻き込むポイント

現代ビジネスでは、部署間を横断したシームレスな連携が求められますが、部署が違えば利害や状況が異なることを念頭に置く必要があります。

所属部署の常識をいったん取り払い、相手の立場を考慮しながら巻き込み力を発揮しましょう。

部署内よりも透明性を確保しにくい状況を踏まえて、対面ミーティングのみならず情報共有プラットフォームなどを活用しながら連携強化を図ることが大切です。

「巻き込み力」を向上させる3つのスキル

巻き込み力は、さまざまなスキルが複合的に重なって発揮できる能力です。
では、巻き込み力を支えるスキルにはどのようなものがあるのでしょうか。
代表的なスキルを取り上げます。

「巻き込み力」を向上させる3つのスキル
  • 交渉力
  • コミュニケーション能力
  • ファシリテーションスキル

交渉力

社外の人も巻き込みながらビジネスチャンスを拡大するには、交渉力が必要です。

交渉力とは、相互利益を最大化し、両者が納得のいく着地点を見出す力のこと。
「いかに自分の権利やメリットを増やすか」という考えを捨て、Win-Winの関係を目指すことが大切です。

相手の意見を汲み取る柔軟性と、誤っているときは「NO」と言える意志の強さが求められます。

コミュニケーション能力

巻き込み力の向上には、コミュニケーション能力が不可欠です。
「伝える力」だけでなく「読み取る力」を磨くことで、関係者の能力を正確に見極め、活躍の場を提供できるようになります。

また、人を巻き込むには傾聴力も必要です。
「自分の声に耳を傾け意見を尊重してくれる」という実感は、モチベーションの維持向上や主体的な行動につながります。

ファシリテーションスキル

ファシリテーションスキルとは、ひと言で言えばミーティングを円滑に進める能力のこと。
活発な意見交換やアイデアの発露を促し、合意形成を可能にします。

日頃から良好な人間関係を構築することで発言しやすい雰囲気をつくり、全員の意見を尊重しながら一つの方向性を導き出す手腕が必要です。

巻き込み力が求められる場面の多くで、ファシリテーションスキルが役立つでしょう。

「巻き込み力」を培う研修はカケハシ スカイソリューションズ

「巻き込み力」を培う研修はカケハシ スカイソリューションズ採用・育成・定着を支援するソリューションをワンストップで提供するカケハシ スカイソリューションズでは、さまざまなアクティブラーニングを取り入れた研修を実施しています。

内定者や新入社員、管理職など各層に合わせた研修を提供しており、社会人基礎力の一つである巻き込み力の習得も重視しています。

定型のパッケージ研修だけではなく個社ごとにオリジナル研修も実施しています。
まずはお問い合わせください。

 まとめ

巻き込み力とは、「この人と同じ目標を達成したい」と思わせる求心力によって、関係者の主体的な協力を引き出す能力です。

巻き込み力のある人は、権力によって他者を従わせるのではなく、共に働く喜びをわかち合いながら目標達成を目指せます。

巻き込み力の向上には、コミュニケーション能力や交渉力などさまざまなスキルが求められます。

セルフマネジメントや研修を積極的に取り入れながら巻き込み力を磨き、かけがえのない成功体験をメンバーと共有しましょう。

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「人と組織の成長を加速する」というミッションのもと、採用、育成、定着を支援する様々なソリューションをワンストップで提供するカケハシ スカイソリューションズならではの知見をお伝えすることを目的として記事を執筆・編集。社員研修の知恵袋では、人事担当向けに、社員教育全般に役立つノウハウを幅広く取り扱っています。
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