技術の進歩が目まぐるしい昨今。スマホやタブレットを活用し、長い通勤時間に読書や仕事の情報収集をし、音楽を楽しみ、眠る前のひとときには動画や買い物を楽しむ。
小さな1台に便利さと楽しさが詰まっていて、技術の恩恵に感謝しかないという人も多いのではないでしょうか。
一方で、技術の進歩によって人の仕事の多くはAIにとってかわられるという穏やかでない話もよく耳にします。
本記事では、AI時代に生き残るために必要な能力と人材育成のポイントについて解説していきます。
目次
AI時代に生き残るには
オックスフォード大学でAIなどの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授は論文の中で、米国の雇用者の47%が10年後には職を失うと結論づけています。
このような環境変化の中、私たちはどう生き残っていけばいいのでしょうか。
その答えを知るために、まずはどのような判断基準で人から機械(人工知能)へ置き換えをすすめているかを知る必要があるでしょう。
人から機械へ置き換えを進める際の判断基準はコストだと言います。機械に任せた方が安く済むのであれば、機械に置き換える流れが進みます。
AI時代に人から機械へ置き換えが進むのはどんな職種か
人から機械へと置き換えが進む職種の例としてまず挙げられるのは一般事務でしょう。
一人あたりの人件費は比較的低コストですが、従事する人数が多いため全体で見るとコスト高になるため機械化が進みます。また、管理業務や統計処理はAIに優位性があります。
そのため、過去のデータに基づいて判断することが多い弁護士や、何万通りものパターンから適切な診断を下す医師の一部機能は、AIに学習させることで精度と速度が高まる可能性があります。
高コストな職業である点も機械への置き換えを後押しするでしょう。
AI時代における人と機械のすみ分けとは
このように単純作業のみならず、弁護士や医師のような専門性の高い仕事ですらなくなる可能性があるとなると、果たして自分の仕事は大丈夫なのかと不安な気持ちになるのもわからなくありません。
ですが、少し視点を変えて考えてみて下さい。日常生活において、例えば計算をする際に電卓と速度を競ったり、例えば洗濯機と洗濯の速さと仕上がりを競ったりなどしないはずです。
道具と自分を同格に扱って競う。そんな滑稽なことはせず、当たり前のように使用者として道具を使います。
本来、AIとの関係性も道具と使用者にすぎないのですが、仕事の代替の議論では道具と人間が同格になってしまっているように思います。
AI時代に生き残るために大切なのは、人間である自分と、道具である機械(人工知能)の役割をすみ分けることといえるでしょう。
AI時代に必要な能力を育てる人材育成のポイント
まずはAI時代に必要な能力からみていきましょう。
AI時代に必要な能力とは
今のところAIには「これをやりたい」と自らを動機づけることや、プロジェクトの推進に際して周囲の人を動機づけることはできないといわれています。
取り組みの起点は常に人の側にあり、達成の手段としてテクノロジーが受け身で存在しています。
「●●をやりたい。」
そのようなモチベーションを持つこと、自ら意思決定していくことこそ、私たちが常に生き残る側のポジションをとる秘訣であり必要な能力だといえるでしょう。
とはいえ最近は採用の場面で「やりたいことがみつからない」という学生や、組織研修の場でいわゆる「ぶら下がり社員」が多くなっている印象があります。
こうした人材はそのままではこれからの時代生き残っていくのは難しいかもしれません。この状況から抜け出すために早急に手を打つ必要があります。
AI時代における人材育成のポイント
自ら意思決定する力を身につけるために必要な対策とは何なのでしょうか。その答えは日々のトレーニングの積み重ねだと考えます。
日常の小さなことから仕事に至るまで、目の前のことを自分の意志で決めて実行することで意思決定を習慣化する。
さらに踏み込んで、そもそも自分が好きなことは何か、自分は何がやりたいのか、どう生きたいのか。自分に問いを立て、それに従って下した判断を繰り返し行動に移す。
そうしたトレーニングを日常的に繰り返すことで、意思決定の能力を磨きあげていくことが必要です。
AI時代に企業が生き残っていくためには、個々の社員にAI時代に生き残ることのできる能力が必要だということは明白でしょう。
中でも新入社員については、入社してからの一年をどのようなスタンスで過ごしたかがその後の社会人人生に大きな影響を与える可能性が大きいです。
こうした重要な時期の新人育成や既存社員のスタンスに危機感を感じている場合には、組織研修などを活用し早急に手を打っておきたいところです。
AI時代に生き残るために、意思決定能力を培おう
ここまでAI時代の生き残るために必要な能力や人材育成のポイントについてお伝えしてきました。中には将来に対する危機感が増した方もいるかもしれません。
しかし幸いなことにAIが様々な仕事を請け負ってくれることで、やらなくていいことに時間を使わなくてよくなります。自分のやりたいことをはっきりさせ、そこに時間を注ぐことがAIとの差別化にもつながる。
そう考えたら、これからくる未来にちょっとワクワクしてきませんか?
AI時代の到来もポジティブに受け止め、人にしかできない仕事をするための意思決定能力を培うことに注力してみてはいかがでしょうか。
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