企業の成長に欠かせない人材の獲得。即戦力となる人材の獲得を目的として中途採用を検討される企業も多いでしょう。
いざ中途採用をおこなおうと思っても、どんな方法で中途採用をおこなうべきか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
本記事ではこうした疑問にお答えすべく、中途採用をおこなう企業が知っておきたい採用方法とその特徴をお伝えしていきます。
目次
【中途採用方法12選】各手法のメリット・デメリット
中途採用の方法には大きく12通りの方法があります。
- ヘッドハンティングの利用
- 人材紹介の利用
- 人材派遣の利用
- 求人広告への掲載(web媒体)
- 求人広告への掲載(紙媒体)
- 転職イベント(転職フェア)への出展
- 自社サイトへの掲載
- ソーシャルリクルーティング
- ハローワークの利用
- リファラル採用(知人紹介)
- アルムナイ採用
- ダイレクトリクルーティング
企業の業態や業種などによって向き不向きがあるため、自社に合った手法を選ぶのがポイントです。
ここからはそれぞれの採用方法について、特徴やメリット・デメリット、費用についてを順にお伝えしていきます。
1.ヘッドハンティングの利用
ヘッドハンティングとは、企業の求める人材に外部からアプローチして引き抜くことで採用する方法です。
ヘッドハンティングの対象者は求職者に限定されません。
ヘッドハンティングのサービスを提供する会社は、自社の独自のデータベースや人脈を活用して、転職活動の有無にかかわらず企業の求めるスキル・経験に合致する優秀な人材にアプローチします。
メリット
- 転職活動をしていない人材にもアプローチできる
- ピンポイントで優秀な人材を見つけてきてくれるため、採用業務の負担が軽減される
デメリット
- 費用相場が1人あたり800万~1,500万と他の採用方法より圧倒的に高い
- 採用できなかった場合でもリサーチ料として着手金を支払う必要がある
費用
- 成功報酬型
- ただし、ヘッドハンターの活動次第では随時経費が発生する場合もある
2.人材紹介の利用
人材紹介とは、人材紹介会社が保有する求職者のデータベースの中から、企業の求めるスキル・経験に合致する人材をピックアップし紹介するサービスです。
事前に人材紹介会社が企業と応募者のマッチングをおこない応募者を絞り込むため、企業は効率的に採用活動をおこなうことができます。
メリット
- 成功報酬型なので初期費用がかからず、採用できなかった場合には費用が発生しない
- 求職者と企業のマッチングをおこなった上で紹介するため、採用業務の負担が軽減される
デメリット
- 費用相場が採用した人材の年収の30~35%と比較的高め
- 条件に見合う人材が少ない場合、あまり人材を紹介されない可能性もある
費用
- 成功報酬型
- 採用した人材の想定年収の30%~35%程度を手数料として支払う
3.人材派遣の利用
人材派遣とは、人材派遣会社が雇用している人材を借りて業務を依頼することのできるサービスです。費用は業務内容と勤務時間に応じて自給を支払うことになります。
派遣社員の種類には「一般派遣」「特定派遣」「紹介予定派遣」の3つがあります。
「一般派遣」や「特定派遣」の雇用主は人材派遣会社ですが、「紹介予定派遣」については最長6ヶ月の派遣期間終了後、双方の同意があれば企業が直接雇用することを前提とした派遣社員を指します。
人材派遣の場合、企業側は派遣社員を選ぶことはできないのが一般的です。しかし「紹介予定派遣」だけは企業が直接雇用することを前提としているため、事前に面談をおこなうことができます。
メリット
- 人員調整がしやすく、必要なときに必要な分だけ業務を依頼できる
- 教育研修に労力がかからない
デメリット
- 紹介予定派遣以外は派遣される人材を選べない
- 自社の社員ではないため、帰属意識が薄い場合が多い
費用
- 人材への賃金(時給×労働時間)+マージンを毎月派遣会社に派遣料金として支払う
- マージン率の平均は20~30%程度
4.求人広告への掲載(web媒体)
インターネット上の転職・求人サイトに求人情報を掲載する方法です。
web媒体は情報量が多く、24時間いつでも求人情報を検索・閲覧・応募することができ、近年転職の手段としてもっとも活用されています。
メリット
- 掲載する媒体やプランにもよるが、写真などを含め多くの情報を伝えられる
- 何名採用しても費用がかわらない
デメリット
- 掲載時に費用が発生するため、採用できなくても費用がかかる
- 求人情報を載せている企業が多く、埋もれてしまう可能性がある
求人広告を掲載するには広告を運営する会社(直販)に掲載を依頼する方法と、代理店に掲載を依頼する方法があります。
費用
- 掲載課金型(掲載前に料金が発生。何人採用しても同料金)
- 成果課金型(掲載は無料、「応募がきた」もしくは「採用できた」段階で料金が発生。人数が増えるごとに費用の支払いが必要)
5.求人広告への掲載(紙媒体)
新聞や求人情報誌などといった紙媒体に求人情報を掲載する方法です。どの媒体を選ぶか、掲載する枠の大きさをどうするかによって費用は大きくかわります。
地域を限定して配布している媒体もあります。
また、企業を認知していない場合でも偶然目にとまる可能性があることも紙媒体の特徴といえます。
メリット
- 地域を限定して配布していることが多く、ターゲットを絞ってアプローチできる
- 何名採用しても費用がかわらない
デメリット
- 掲載時に費用が発生するため、採用できなくても費用がかかる
- 掲載する枠の大きさによっては情報量が少なくなる
費用
- 掲載課金型(掲載前に料金が発生。2万円~50万円/月)
- 配布部数や掲載枠の大きさによって費用が異なる
6.転職イベント(転職フェア)への出展
転職イベント(転職フェア)とは、転職サイトを運営する人材紹介会社が主催する中途採用を目的とした合同説明会です。
イベントの規模にもよりますが、一日に数十名~数百名の求職者と会うことができます。
メリット
- 一日で数十名から数百名の求職者にアプローチできる
- 企業の魅力や社員の雰囲気を直接伝えることができる
- 自社を認知していなかった求職者に対してもアプローチできる
デメリット
- 準備や当日の運営にマンパワーがかかる
- イベントでは自社の条件に合わない求職者についても対応する必要がある
- 出展することで費用が発生するため、採用できなかった場合にも費用がかかる
費用
- 平均50~150万円程度
- フェアの規模や出展日数、ブースの大きさなどによって費用が異なる
7.自社サイトへの掲載
自社メディアの活用とは、自社のホームページに求人情報を掲載する方法です。
広告料をかけずにウェブ上に求人情報を掲載できるという点がメリットといえますが、すでに自社を認知している求職者にしか訴求できないため、ある程度知名度のある企業でなければなかなか応募を獲得できない可能性があります。
メリット
- 広告料をかけずに掲載できるので、採用コストがかからない
- 自発的に求人ページを検索した求職者から応募を獲得できるので、志望度が高い場合が多い
デメリット
- 自社を認知している求職者にしか訴求できない
- サイトを運営していくノウハウが必要になる
費用
- 自社サイトがある、もしくは内製する場合は無料
- サイト制作を外部発注する場合は数十万円から数百万円程度
8.ソーシャルリクルーティング
ソーシャルリクルーティングとはFacebookやTwitter、InstagramといったSNSを活用した採用方法です。
企業はSNSを通じて求職者の情報収集をおこなうことができます。
また企業が発信した求人情報に対する求職者から質問に答えることで相互理解を深めつつ採用活動をおこなうことができます。
メリット
- 無料で運用できるので、採用コストがかからない
- 相互理解を深めることができるので採用のミスマッチがおこりにくい
デメリット
- 情報発信や求職者とのやりとりをこまめにおこなう必要があり、手間がかかる
- 求職者が意図的に投稿を削除することもあり、SNSに載っている情報がすべて事実とは限らない
費用
- 無料
- ただし、SNSサービス利用料がかかる場合もある
9.ハローワークの利用
ハローワークとは公共職業安定所の通称で、求職者に対して無料で職業紹介をおこなっています。
企業がハローワークに求人票を提出し受理されると、ハローワーク内の求人検索端末に求人情報を公開することができます。全国544カ所に窓口が設置されており、求職者は無料で職業相談をすることができます。
メリット
- 利用料が無料のため、採用コストがかからない
- 国が設置する行政機関であるため、企業が助成金・補助金をうけとることができる場合がある
デメリット
- 求人票に記載する項目が多い上に手書きであるなど、手続きに手間がかかる
- 求人票のフォーマットが決まっているため、他企業と差別化しにくい
費用
- 無料
10.リファラル採用(知人紹介)
リファラル採用とは自社の社員から紹介を受けた人材を選考・採用する方法です。アメリカでは一般的な採用方法で、近年日本でも注目されています。
メリット
- 採用コストがかからない
- 会社をよく知る社員からの紹介であるため、会社とのマッチング精度が高い
デメリット
- 社員の知人であることから、不採用とする場合に気を遣う必要がある
- 採用後紹介した側が退職した際、紹介された側のモチベーションが低下する可能性がある
費用
- 無料
- 紹介してくれた社員にインセンティブを支払う企業もある
11.アルムナイ採用
アルムナイ採用とは、過去に自社で働いていた人材を再雇用する採用手法です。
別名「カムバック制度」「出戻り制度」とも呼ばれています。
企業から直接声をかけるほか、候補者から応募がくるケースも多く、採用コストがかからないのが特徴。
自社での勤務経験があることから、ミスマッチが起こりにくく入社後の教育コストの削減や即戦力としての活躍が期待できます。
一方で、応募者だけでなく、制度導入に際しては既存社員からの理解を得る必要があります。
アルムナイ採用への理解を得るためには、アルムナイ採用の選考基準を明確にして公正・透明な採用を心がけましょう。
メリット
- 元社員のため自社理解が深く、即戦力につながるほか、早期離職防止が期待できる
- 他社で得た知見やスキルを自社に還元してくれる可能性がある
デメリット
- 賃金などの待遇設定について、制度の見直しが必要。既存社員にも配慮が求められる
- 募集しているポジションと応募者のポジションがマッチするとは限らない
費用
- 無料
12.ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、企業がSNSや人脈、外部サービスなどを活用して能動的に求職者に直接アプローチする攻めの採用手法です。
ヘッドハンティングやリファラル採用、ソーシャルリクルーティングなどもダイレクトリクルーティングに含まれます。
ここでは、ダイレクトリクルーティングができる専門サイトについて特徴をご紹介します。
企業は、求職者が登録したプロフィール情報を元に「ほしい人材」にスカウトメールでアプローチし、採用につなげる仕組みです。
メリット
- 自社が求める人材に直接アプローチができる
- スクリーニングが不要のため、応募から採用までの期間が短い
デメリット
- 読んでもらうために、スカウトメールのタイトルや内容を工夫するノウハウが必要
- 求人情報やスカウトメールの作成、スカウトする人材の選定など、業務の負担が増大する
費用
- 成果課金型が一般的
- ほかの採用手法より比較的安価
中途採用手法のトレンドとは
時代の変化に伴い中途採用手法も多様化し、トレンドも変化しています。
労働人口の減少や働き方に対する価値観の変化などさまざまな要因により、企業における採用難易度は年々高まりつつあります。
その中で、従来の「待ちの採用」では人材獲得が困難となり、多くの企業が自ら人材にアプローチする「攻めの採用」を取り入れ始めています。
リファラル採用やタレントプールなど、これまで目を向けてこなかった自社の持つ「つながり」を活用した新たな中途採用手法のトレンドについて以下で詳しくご紹介しています。
参考にしてください。
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