施工管理技士という有資格者の採用は年々厳しさを増しています。
大手企業のような待遇で募集ができないから応募が来ない。
しかし、人材紹介会社から推薦もないし…。
そんなことに日々葛藤しながら、現場や社長からは何とかしてくれと言われ頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。
2019年5月現在、東京都の平均有効求人倍率が1.87倍であるのに対して、建築・土木系職種の有効求人倍率は8.68倍となっており、この数値からもいかに採用が難しいかがお分かりいただけるでしょう。
今回はそんな施工管理技士の採用活動において、成功に導く方法を実際の成功事例を元に紐解いていこうと思います。施工管理技士の採用に苦戦されている企業様であれば、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
施工管理技士の採用において、「好待遇」で勝負するのは土俵違い?
「年収800万円以上!」
「年間休日120日以上!」
あらゆる求人サイトでよく目にするフレーズですね。採用が厳しくなる中で、それでも何とか応募を集めようと待遇面をメインで打ち出している企業がかなり多くなっています。
仮に同じ土俵で勝負しようとしても、給与や休みを充実させることは現実的には難しいのではないでしょうか。
しかし、ここで考えていただきたいのは、求職者が本当に好待遇を求めて転職しているのか、ということです。
パーソルキャリアが出している建築・土木業界で働いていた方に向けておこなった転職理由のアンケートでは、このような結果となりました。
1位「他にやりたい仕事(案件)がある」・・・15.9%
2位「残業が多い/休日が少ない」・・・14.2%
3位「給与に不満がある」・・・11.1%
4位「会社の将来性が不安」・・・9.5%
5位「専門知識・技術力を習得したい」・・・4.3%
:
10位「人間関係が上手く行かない」・・・3.0%
このデータをよく見てみてください。前述の待遇面に該当するのは2位と3位で、それらを足しても全体の25.3%という結果になっています。
必ずしも「好待遇」が求められているわけではないことがお分かりいただけたでしょう。
こうした現状もふまえ、おすすめしたいのが1位と4位にあたる「仕事の希少性や案件の社会貢献性、会社の社風」といった、その会社ならではの魅力を打ち出していくことです。
施工管理技士の4つの転職パターン
でもどうせ机上の空論でしょ?
そのように思われた方も中にはいるでしょう。
そこでここからは実際に好待遇以外を打ち出して採用に成功した企業様の事例をご紹介したいと思うのですが、その前に施工管理技士の転職パターンについて知っておく必要があります。
施工管理技士の転職パターンは4つに分けられます。
1.社会貢献性で仕事を選んでいるタイプ
自分の仕事がどれだけ社会に影響を与えているかに重きを置いている。
2.人間関係に嫌気がさしたタイプどうしても職人が多く協力していかないと上手く行かない現場仕事だからこそ、その現場の人と上手く行かないと苦痛の日々となってしまうため転職しようと考えている。
3.キャリアアップを考えているタイプ施工管理と言いながら人手不足から現場作業をしていることが多く、なかなか上流工程の仕事に携わることができずにいる。
4.資格を活かしてとにかくお金を稼ぎたいタイプ
仕事をする目的がとにかくお金を稼ぐことにあり、給与の高い企業を選んでいる。
もし給与や待遇面推しで求人広告を出すとすると、その求人に魅力を感じるのはパターン4の方でしょう。
今回は「そんな好待遇な打ち出しはうちにはできないよ!」という担当者様に向けて、パターン1~3の方が魅力的に感じられるポイントはどんなところなのか、実際に筆者が担当させていただいた企業様の事例をご紹介します。
施工管理技士募集の打ち出しポイント【転職パターン別】
施工管理技士の採用においては、詳細なターゲット設定をおこなったのち、ターゲットに合わせた自社の魅力の策定をおこなうことが重要です。
実際の事例を交えてみていきましょう。
1.社会貢献性で仕事を選んでいるタイプ
社会貢献性の無い仕事は無いと思いますが、表現の仕方によってより魅力的に言い換えることは可能です。
例えば塗装業の場合、土木施工の中でもニッチな案件ですが、ただ「塗装」ということを伝えるだけでは魅力的には感じにくいかもしれません。
「塗装」と言っても
- 高速道路や橋梁を腐食から防ぎ、事故が起きないように安全を保っている。
- 建築物を建てた際に最後に行う工程だから、より綺麗に見えるようにする「化粧」の様な役割がある。
- 企業によっては特許を取得するような技術があり「一生モノのスキル」が身に着けることができる。
などと企業独自の強みポイントがあるのではないでしょうか。そうした強みを原稿に打ち出したことで、実際に応募に繋げることができたケースが多々あります。
貴社の仕事内容の独自性を打ち出すことは、採用成功に効果的だといえるでしょう。
2.人間関係に嫌気がさしたタイプ
職人が多く協力していかないと上手くいかない現場仕事。だからこそ、その現場の人と上手く行かないことは日々のストレスとなり転職を考えるきっかけとなりえます。
「もっと社員間の仲が良い会社が良い」と思い、転職活動をしている方もいます。そうした方をターゲットとした企業様はこんな打ち出しをおこないました。
「〇〇(社名)は本当に面倒見が良い会社なの!?」
この企業様は給与が高いという事も休みが多いということも無いですし、所在地も横浜市の南部に位置しているため、採用活動をするには厳しい環境でした。
ですが、結果的には1級土木施工管理技士(28歳:男性)からの応募がありました。応募の理由も「今の現場の上下関係がかなり厳しくて、あたたかい会社を探してました。」とのこと。
求職者の方の心情に語りかけるような打ち出しは、社風が伴えば効果的といえるでしょう。
3.キャリアアップを考えているタイプ
東京都にある11人の企業様で募集をかけさせていただいた際、仕事内容が「発注者支援業務」という事もあって上流工程に携わりながら、自分の仕事のスキルアップが出来るということを原稿で打ち出しました。
その結果、応募数は51人。その半数以上が有資格者という結果に。さらに応募者の特性としては東北に住まれている方が多く、派遣で復興支援をしている方達でした。
それぞれ自社の仕事の内容や強みポイントとターゲットの思考や行動を考えて打ち出すことで応募に繋げることができます。
施工管理技士の採用には求職者に合わせた面接の実施を
上記の様な打ち出しで求人広告を出して行くと、どうしても地方に住まわれていて面接に行くことが厳しかったり、かなり夜遅い時間でないと面接ができないなど、せっかく応募したものの、面接がおこなえず機会損失になってしまうこともあります。
そういった機会損失を防ぐために下記の4点はぜひ実施してみてください。
- WEB面接
- 電話面接
- 出張面接
- 夜遅くまで面接可
現場に出て頑張っている方であればあるほど、遅くまで仕事をされているため、営業時間中に面接に行くことが難しいものです。
だからこそ、応募者の方の現場の近くで面接を実施したり、WEBや電話で面接を実施することは応募者にとっては魅力の一つであり、他社が面接を実施できない優秀な方の採用に結び付けることができます。
まとめ
ここまで施工管理技士の採用成功のポイントをお伝えしてきました。最後にポイントをおさらいしましょう。
- ターゲット設定は4つのタイプの中から一つ選ぶ
- 選んだターゲットに合わせた打ち出し内容を策定する
- 求職者に合わせ柔軟な面接方法を取り入れる
上記3つのポイントをおさえることで、施工管理技士という有資格者の採用成功確率はぐっと高められます。
当社には他にも様々な方法で採用成功に結び付けた事例がたくさんあります。どれも一つ一つ個性的な方法で解決したものばかりですので貴社に合わせた採用方法を見つけるヒントをご提供できるはず。
ご相談は無料ですのでいつでもお気軽にお問合せください。
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