労働人口が減少し人材獲得が困難を極める今日、人事の業務負担は増える一方です。
人事の業務負担を軽減する方法はないのでしょうか。そこで注目したいのがRPO(採用代行)の活用です。
本記事ではRPO(採用代行)とは何かを解説するとともに、RPO(採用代行)を利用するメリット・デメリットについてお伝えしていきます。
目次
RPO(採用代行)とは?
採用代行とは、採用活動の一部または全部を他企業へと委託することを指します。
採用代行や採用アウトソーシングの同義語として「RPO」という言葉もよく用いられますが、「RPO」とはRecruitment Process Outsourcingの略です。
RPO(採用代行)サービスは欧米ではすでにスタンダードとなりつつあり、近年国内でも多くの企業が導入・検討しています。
BPOとの違いとは
BPO(Business Process Outsourcing)は、企業の業務プロセスの一部を計画、設計、実施まで一括して外部に委託するサービスです。
カスタマーサービスや経理業務を中心に、その適用範囲は広がりつつあります。
その中でも採用業務に特化したものがRPOです。
RPOは、採用活動を効率化し、専門的なノウハウを駆使して採用計画の立案や実行をサポートします。
BPOが広範な業務プロセスをカバーする一方で、RPOは採用分野に集中することで、企業の採用成功に貢献する点が異なります。
RPO(採用代行)を導入するべき・向いている企業とは?
以下のような特徴を持つ企業はRPO(採用代行)を導入することで、より効果が期待できるといえます。
既に多数の人材紹介会社を利用している企業
人材紹介会社を多数利用している企業の場合、求人要件や採用過程の打ち合わせなど細かな連携をおこなう必要があり、担当者間のコミュニケーションに多くの時間を必要とされます。
人材紹介会社とのコミュニケーションが乏しくなると、「人材紹介会社の担当者と求める人物像にズレが生じ、マッチング精度が低下する」などのリスクが生じやすくなります。
採用をスムーズに成功させるため導入した人材紹介会社ですが、このようなコミュニケーションコストが積もることで、負担になっている企業が多くみられます。
そのような場合の解決策として、人材紹介会社との窓口を採用代行会社に担ってもらうことが可能です。
採用代行会社が入ることで、人材紹介サービスを最大限活用できるだけでなく、人材紹介会社のパフォーマンス評価や利用サービスの相談などもでき、採用成功につなげられます。
採用ボリュームが大きい、または募集ポジションが幅広い企業
採用ボリュームが大きく選考する人数の多い企業や、募集ポジションの幅が広い企業の場合も、RPO(採用代行)の活用が効果的です。
採用ボリュームが大きい企業がRPO(採用代行)を活用すべき理由は、採用人数が多いほど応募者も比例して増加するため、事務工数が膨大になるためです。
特に短期間に大量採用を目指す場合には、自社の担当者の対応力には限界があるため、RPO(採用代行)を活用することで業務量の調整ができます。
また、募集ポジションが幅広い企業は、採用管理コストがかさんでしまう傾向があるため、RPO(採用代行)を導入することでコスト削減につながります。
採用ボリュームが大きい、募集ポジションが幅広い企業は、採用プロセスが多様化することで業務が増加し、管理方法も煩雑になりやすい傾向があるため、RPO(採用代行)を活用し、自社対応する業務を絞ることでスムーズに採用を進められるのです。
採用のための人手とノウハウが不足している企業
人手やノウハウが不足し、採用に力を入れられていない企業もRPO(採用代行)の導入を検討してみるべきです。
特に「立ち上げたばかりの企業で採用業務の経験者がいない企業」「人手不足だからこそ採用枠を拡大したい企業」などは、外部の専門家集団の力を借りることで採用成功につなげられます。
将来的に自社で採用をおこないたい場合でも、リソースやノウハウが不足している段階では、プロの採用代行会社に相談すべきです。
初期段階で採用代行会社のフォローを受けておけば、自社内でのノウハウ蓄積につながり、その後の自社対応に活かすことが可能です。
RPO(採用代行)が求められている背景
RPO(採用代行)が求められる背景としては、大きく2つの要因があげられます。
- 採用活動の難易度の高まり
- 採用手法の多様化による管理の複雑化
採用活動の難易度の高まり
労働人口の減少を見据え、人材獲得競争が激しさを増していることは前述の通りです。優秀な人材の獲得を巡り、各社がこぞって採用活動に力をいれています。
募集をかければ採用できた時代とはことなり、採用を成功させるためには応募者に対する迅速丁寧な対応や細かなフォローが求められるようになっています。
社内の人員には限りがあり、自社だけでは業務をさばききれなくなってきていることからRPO(採用代行)の需要が高まっています。
採用手法の多様化による管理の複雑化
かつては自社のホームページや求人情報誌、あるいは求人広告を利用した採用活動が一般的でした。
しかし昨今採用手法は多様化し、ヘッドハンティングや人材紹介、SNSの活用、さらには退職者や採用にいたらなかった人材とも関係性を継続する重要性がさけばれるようになっています。
多様化した採用方法の詳細について知りたい方は以下の記事も合わせてお読みください。

採用手法が多様化すれば管理すべき項目が増えることは明らかです。多様化した採用手法が採用業務を圧迫し、RPO(採用代行)需要を高めています。
RPO(採用代行)を利用する5つのメリット
RPO(採用代行)を利用するメリットは5つあります。
- 人事の業務負担が軽減され、重要な業務に集中できる
- 社内だけでは手がまわらなかった細かなフォローが可能になる
- 採用ノウハウを借りられる
- 人件費などコストを削減できる
- グループ全体の品質向上・業務改善につながる
(1)人事の業務負担が軽減され、重要な業務に集中できる
採用活動には多岐にわたる業務が含まれます。例えば、応募者対応や面接スケジュール調整など、迅速な対応が求められる業務もあれば、採用計画の立案や進捗管理など、戦略的な業務もあります。
しかし、人事担当者が全ての業務を担うと、重要な戦略業務に割ける時間が減少し、全体的な効率が下がることも少なくありません。
採用代行を活用すれば、応募受付や日程調整などのルーチン業務を専門の業者に任せることが可能です。これにより、採用担当者は戦略立案や組織課題の解決といった本来の業務に集中でき、組織全体の採用活動がより効果的に進むメリットがあります。
また、繁忙期や大量採用が必要な状況でも、安定した運営が可能となり、採用精度の向上にもつながります。

(2)社内だけでは手がまわらなかった細かなフォローが可能になる
採用活動の成功には、応募者に対するきめ細かな対応が欠かせません。
例えば、応募後の迅速な連絡や面接前日のリマインドなど、丁寧なフォローは応募者の印象を左右します。しかし、これらを全て社内の人事担当者だけで実施するのは、工数の面で難しい場合が多いのが現実です。
採用代行サービスを利用すれば、こうした細かな対応を専門スタッフが迅速かつ丁寧に実施するため、応募者の満足度が向上します。
また、細やかなフォローが応募者の離脱を防ぎ、最終的な内定承諾率を高めることにつながります。
さらに、候補者への対応がきめ細かくなることで、企業全体のイメージ向上にも寄与し、優秀な人材を惹きつける好循環を生み出します。
(3)プロの採用ノウハウを借りられる
採用代行会社は、様々な企業の採用支援を通じて培った豊富なノウハウを持っています。
企業ごとに異なる採用課題に対して柔軟に対応できる知見を持つため、自社では気づかない視点からの改善案や提案を受けられるのが大きなメリットです。
また、採用市場や業界のトレンドにも精通しているため、求人票や選考手法の改善など具体的な施策提案も可能です。
さらに、採用戦略の立案段階から関与してもらうことで、より実効性の高い計画を立てることができるでしょう。このように、専門家の知識と経験を活用することで、採用活動全体の質を向上させることが可能です。
また、採用戦略の外部視点が加わることで、競争力のある人材獲得が実現し、組織の成長を後押しします。
(4)人件費などコストを削減できる
採用代行サービスを利用することで、人件費や運用コストの削減が期待できます。
例えば、大量採用を実施することになった場合、新たに採用担当者を雇用すると、給与だけでなく教育コストも発生します。
一方、採用代行では必要なタイミングで専門家の支援を受けられるため、費用対効果が高くなります。
また、業務効率が向上することで、無駄な工数を削減し、採用活動全体のコスト削減にもつながります。
特に中長期的な視点で見ると、採用プロセスの効率化や質の向上によるコストメリットは非常に大きいといえるでしょう。
さらに、最新の採用ツールやシステムを活用することで、採用における無駄を減らすことができ、持続的なコスト改善も実現可能です。
(5)グループ全体の品質向上・業務改善につながる
採用代行会社は、採用業務のアウトソーシングに特化したプロフェッショナルです。データ管理や応募者対応が迅速かつ的確におこなわれ、採用活動全体の品質向上が期待できます。
また、複数の拠点を持つグループ企業では、各拠点間での採用手法のばらつきや属人的な業務の課題が発生しやすいですが、採用代行を活用することで一貫した採用フローを構築できます。
採用代行を利用することで全社的な採用効率が向上し、良質な人材の確保や歩留まり改善につながります。
さらに、採用代行業者の持つ豊富な業界知識や市場動向を活用することで、採用プロセスが洗練され、企業の成長を支える人材の獲得が可能となります。
グループ全体の採用課題を包括的に解決する力が大きな魅力です。
RPO(採用代行)を利用する5つのデメリット
RPO(採用代行)を利用するデメリットは5つあります。
- 費用が発生する
- 自社にノウハウが蓄積されにくい
- 採用のミスマッチが起こるリスクがある
- 情報漏洩のリスクを把握しておく必要がある
- 連携面で認識相違ややりとりの行き違いが起こる可能性がある
(1)費用が発生する
採用代行サービスを利用する場合、業務を外部に委託することになるため、社内で対応すれば発生しなかったコストが発生します。
発生するコストは業務の依頼範囲や採用代行会社にもよりますが、業務内容に適した費用設定であることを確認するためにも、契約前には複数社から話を聞くなどして比較した上で採用代行会社を選定するようにしましょう。
採用代行会社に依頼すれば費用が発生しますが、一方で、採用代行の導入によって業務効率が向上し、人事担当者が本来集中すべき業務に時間を割けるようになるなどのメリットも期待できます。
導入の判断には、短期的なコストだけでなく、長期的な成果や効果を考慮することをおすすめします。
また、導入後は具体的な費用対効果を定期的に検証し、継続利用の可否を判断することも重要です。適切な業者選定や契約交渉により、コスト面でのデメリットを最小限に抑えられます。
(2)自社にノウハウが蓄積されにくい
採用代行会社を利用することで、専門知識やノウハウを借りることができる一方、自社に採用ノウハウが蓄積されにくい点には注意が必要です。
例えば、母集団形成や選考フローの改善を委託した場合、成果としての結果は得られるものの、その過程で得られる知見や分析手法は必ずしも十分にフィードバックされるとは限りません。
特に採用市場は年々変化するため、同じ手法を繰り返しても成功するとは限らず、柔軟な対応が求められます。そのため、採用代行会社に依存しすぎず、担当者が採用代行会社と協働しながら、知見を吸収する姿勢が必要です。
また、社内で採用データや経験を管理・共有する仕組みを整えることで、長期的な競争力を維持できるようにすることが求められます。
(3)採用のミスマッチが起こるリスクがある
採用代行会社を利用すると、業務効率が上がる一方で、求職者との直接的なコミュニケーション機会が減少し、採用ミスマッチが生じるリスクがあります。
特に、面接や内定者フォローなどを全て外部に委託してしまうと、企業の文化や魅力が十分に伝わらず、入社後にギャップを感じるリスクが高まる場合もあります。
これを防ぐためには、選考の重要な場面では自社の社員が積極的に関与し、企業の雰囲気や価値観を直接伝える機会を確保することが重要です。
また、業務の切り分けを明確にし、外部に委託する範囲と自社で担う範囲を明確にすることで、応募者との関係を維持しつつ、採用効率を高めることにつながります。
(4)情報漏洩のリスクを把握しておく必要がある
採用活動では、応募者の個人情報や企業の機密情報など、重要なデータを取り扱います。
採用代行会社を利用する場合、これらの情報を外部に共有する必要があるため、情報漏洩リスクが高まります。
特に、十分なセキュリティ対策が整備されていない業者を利用した場合、個人情報や企業の機密が外部に流出する可能性があり、企業の信用に重大な影響を及ぼす恐れがあります。
そのため、採用代行会社を選定する際には、契約内容に情報保護に関する条項を盛り込むことや、ISO認証やプライバシーマークなどのセキュリティ体制を確認することが重要です。
また、内部での情報管理体制も強化し、リスクを最小限に抑える仕組みを整えておけると尚よいでしょう。
(5)連携面で認識相違ややりとりの行き違いが起こる可能性がある
採用代行会社とのやりとりは、通常、電話やメールを中心に実施されますが、この際に情報共有が不十分だと、認識の相違や連携ミスが発生するリスクがあります。
例えば、求める人材像や選考基準についての認識が共有されていない場合、適切な候補者が選出されないことも十分に考えられます。また、タイムラグや情報伝達ミスにより、選考プロセスが遅延することもあります。
こうしたリスクを防ぐには、定期的なミーティングや進捗報告を実施し、双方の認識をすり合わせることが非常に重要です。
また、業務を丸投げするのではなく、業務の進捗状況や成果について適切にフィードバックを実施し、双方向のコミュニケーションを維持することで、スムーズな業務遂行が可能となります。
RPO(採用代行)の料金・費用相場
RPO(採用代行)の利用費用は、採用人数や依頼する業務内容、委託業者によって大きく変わります。
RPO(採用代行)の料金の算出方法
料金システムには以下のパターンが多く見られます。
パターン | 内容 |
定額制 | サービス内容に応じたパッケージプランで、3ヶ月・6ヶ月・1年など期間を決めて契約するタイプ。 |
成果報酬制 | 採用に対して成果がでるまで料金は発生せず、採用決定時や面接実施時に報酬が発生するタイプ。 |
業務量に応じた従量課金制 | 業務量に応じて料金を算出するタイプ。料金一覧がある場合もありますが、多くはボリュームに応じて事前に見積りを取る必要があります。 |
次に業務内容ごとの料金例をみてみましょう。
業務内容 | 料金例 |
採用媒体管理 | 5万円~70万円/月 |
選考日程調整 | 5万円~/月 |
DM・スカウト配信業務 | 3万円~/月 |
面接代行 | 30万円~ |
上記の料金例はあくまでも目安となります。自社で活用したい場合には、必ず業務内容に合わせて見積もりを取ることをおすすめします。

RPO(採用代行)に委託できる業務内容
採用代行会社によって委託できる業務内容は様々ですが、ここでは一般的に採用代行会社に委託できる業務の内容について、採用活動の流れに沿って5つに分類してご紹介します。
- 採用計画の立案
- 母集団形成
- 応募者対応
- 説明会・面接の実施
- 内定者フォロー
採用計画の立案
採用代行会社では、採用計画の立案や戦略策定の支援を実施しています。
特に、新規事業や大幅な組織変更を伴う採用活動の場合、外部の知見を取り入れることで効率的かつ効果的な計画立案が可能です。
例えば、ターゲットとする人物像の設定や採用プロセスのデザイン、採用スケジュールの具体化など、採用活動の全体像を構築するサポートを受けられます。
また、採用市場の最新トレンドや競合分析をもとにした提案を得ることで、ターゲット人材の確保や採用コストの最適化が期待できます。
さらに、短期的な採用目標を達成するだけでなく、長期的に人材を確保するための戦略を共に考えることも可能です。
こうした専門家との連携により、自社では見落としがちな課題やリスクに対する対策を講じることができ、採用活動全体をより強固なものにすることができます。

母集団形成
母集団形成は、採用活動の基盤を整える重要なプロセスであり、採用代行会社の支援を活用することで効率化が図れます。
具体的には、求人媒体の選定、広告作成・出稿、さらにはターゲットからの応募を増やすためのスカウトメールの配信代行などを依頼することが可能です。
また、複数の媒体を同時に運用している場合でも、採用代行会社が介入することで、管理工数を大幅に削減することができます。
スカウトメールやDM配信においては、採用代行会社が持つノウハウをもとにピンポイントでターゲットとなる求職者にアプローチできるため、効率的な母集団形成が期待できます。
このように、採用代行会社に採用業務を委託することで、自社の魅力を最大限にアピールしながら、効率よくターゲット層の母集団を形成できます。
市場の動向に基づいた専門的なノウハウを得られるため、自社の採用戦略をより強化するきっかけにもなるでしょう。

応募者対応
採用活動において煩雑になりがちな応募者対応も、採用代行会社が包括的にサポートします。応募者情報の管理や書類選考、面接日程調整といった一連のプロセスを委託することで、人事担当者の負担を大幅に軽減できます。
特に応募者の情報を一元管理し、迅速に対応する仕組みを構築することで、選考プロセス全体を円滑に進めることが可能です。
書類選考では、事前に設定した基準に基づきスクリーニングを実施し、効率的に候補者を絞り込むことができます。また、面接日程の調整では、企業と応募者の都合を合わせるだけでなく、候補者へのフォローアップも含まれるため、スムーズなコミュニケーションを維持できます。
これらの業務を代行会社に依頼することで、自社はより戦略的な採用業務に専念できるようになります。
説明会・面接の実施
採用代行会社では、説明会や選考プロセスの運営を支援する業務も展開しています。
説明会においては、企業の採用方針や魅力を的確に伝えるための資料作成やスライドの準備、プレゼン内容の構築などをサポートします。
さらに、説明会当日の運営も委託可能であり、大規模なイベントであってもスムーズに進行させることができます。
一方、面接の代行では、専門知識を持つ人材が候補者に対応し、質の高い選考を実現します。
ただし、面接を外部に任せる際には、自社のカルチャーや魅力が候補者に十分伝わるよう、事前に代行会社と密に連携し、面接内容や進め方をすり合わせることが重要です。
説明会や選考の実施において採用代行会社を活用することで、採用活動全体を効率化しつつ、候補者に対する満足度を高めることが可能です。

内定者フォロー
売手市場がつづく昨今、内定者フォローは、内定辞退を防ぐために重要な施策となっています。
採用代行会社は、内定通知の送付や内定者とのコミュニケーションに加え、入社前研修、懇親会の企画・運営、入社後のフォローアップ支援など、幅広い業務を請け負うことも可能です。
具体的には、内定者向けの研修や懇親会の企画・運営、SNSやメールを活用した情報発信、さらには定期的なフォローアップを通じて内定者との信頼関係を構築します。このような手厚いフォローにより、内定者が安心して入社を迎えられる環境を整えることができます。
また、採用代行会社のノウハウを活用することで、より効果的なフォロー施策を展開できる点も大きなメリットです。内定者フォローを充実させることで、内定者の満足度や企業への定着率の向上が期待できます。

RPO(採用代行)の種類
RPO(採用代行)サービスは、採用業務に当たるメンバーの所属によって、「社員中心」「業務委託中心」「フリーランス」の3つに分類されます。
「社員中心」の場合、採用代行を請け負う担当者は代行会社の社員となります。
社内のノウハウがしっかりと共有されているため、安定した業務品質が期待できます。
そのため、新卒採用やエンジニア採用など、特定の分野に特化した難易度の高い採用活動においても成果が出やすいと言えます。
「業務委託者中心」の場合は、採用業務を担当するのは、代行会社が業務委託した人物となります。
専門性や強みを加味して業務委託者を選定している場合には、効率的な採用活動が期待できます。
「フリーランス」の場合は、特定の企業に所属していない人物に採用代行を依頼することになります。
スキルや経歴を直接確認し、担当者を選べる柔軟性が特徴です。
フレキシブルな対応も期待できますが、適任者の選定に時間を要する場合もあります。
自社のニーズに合った種類のRPO(採用代行)を選び、採用成功を目指しましょう。
RPO(採用代行)を依頼する際のポイント
RPO(採用代行)を依頼する際、より有効に活用するために押さえておきたいポイントをまとめます。
- RPO(採用代行)に委託する業務を明確にする
- 求める人物像やスキルを明確にする
- 機密保持契約の取り交わしをおこなう
- 見積内容を明確にしてもらう
- 進捗・情報共有の方法を事前に確認する
(1)RPO(採用代行)に委託する業務を明確にする
採用に関する幅広い業務を委託することが可能なため、業務の委託を始める前段階で、自社でおこなう業務と委託する業務の範囲を明確に定めておくべきです。
採用における各業務は密接につながり合っているため、線引きを明確にしておくことで、範囲外の業務を依頼してしまうなどのミスコミュニケーションを防ぐことができます。
(2)求める人物像やスキルを明確にする
書類選考や面接を委託する場合は特に、採用ポジションごとに求める人物像やスキルを明確にし、RPO(採用代行)担当者に共有します。
「意欲的な人」や「コミュニケーション能力の高い人」などといった抽象的な表現は避けましょう。
採用したい人材の詳細なペルソナ(人物像)を採用代行会社と共同で策定する機会を設けておくと、ミスマッチの削減につながります。
(3)機密保持契約の取り交わしをおこなう
RPO(採用代行)に依頼するということは、採用をおこなう企業の情報だけでなく、応募者の個人情報も事業者が取り扱うことになります。
そのため、「機密保持契約」の取り交わしをおこなう必要があります。採用活動の中で取得した機密情報が何らかの原因で外部に漏れた場合、トラブルに発展しかねません。
採用代行会社と採用企業だけの問題でなく、応募者とのトラブルに発展する可能性もあります。そのため、機密保持契約をしっかりと取り交わす事業者を選ぶことが重要です。
(4)見積内容を明確にしてもらう
委託する業務内容が細分化されているRPO(採用代行)サービスでは、見積りが複雑になるケースが多くあるため、見積もり内容は電話など口頭ベースでおこなわずに紙やメールなど文書として残すようにしましょう。
また、事前に費用がいくら必要になるのかを明確にしてから依頼を進めましょう。
業務を委託する場合には、契約書締結をおこないます。依頼する内容と契約書の内容にずれがないか確認をしっかりおこないます。
(5)進捗・情報共有の方法を事前に確認する
RPO(採用代行)を利用し、依頼した業務に関してすべて任せて結果を待つだけというスタイルではうまくいかない場合もあります。
たとえば選考過程では、自社が望む採用ターゲットと候補者にずれが生じてしまうなどの可能性が考えられます。
自社の採用を成功させるには、適宜進捗を確認し状況把握や情報共有が必須です。事前に採用代行会社とどのように進捗や情報共有をおこなうのかを確認しておくとよいでしょう。

RPO(採用代行)の導入成功事例
RPO(採用代行)サービスを利用して成功した企業の事例をご紹介します。
<事例1>大手通信会社
大手通信会社では、面接会場の手配や運営をRPO(採用代行)サービス会社に委託。採用担当者が採用活動のコア業務に集中できる環境を作ることで、採用の効率化を図りました。
<事例2>アパレル会社
全国展開しているアパレル会社では、人事部のリソース不足からRPO(採用代行)サービスを導入し、応募者の対応業務と全体のマネジメントをサービス会社に一任。その結果、採用活動の精度が高まり、約4ヶ月間で100名の中途採用を成功させました。
採用代行ならカケハシ スカイソリューションズ
採用・育成・定着を支援するさまざまなソリューションをワンストップで提供するカケハシ スカイソリューションズでは、RPO(採用代行)サービスをおこなっています。
これまで500社以上の中途採用支援の実績があり、「指示待ち」ではなく、「提案型」の代行スタイルで企業様をサポート。
採用成功を重視しているため、人事の方との連絡やすり合わせはこまめにおこない、採用活動で改善すべき点があれば率先してご提案しています。
難関職種やなかなか応募が集まりにくい業界の採用成功事例も多数。
少しでもご興味をお持ちいただけましたら、まずはお気軽にお問い合わせください。
効率的な採用活動をおこなうためにRPO(採用代行)を活用しよう
採用活動が企業に与える影響は大きく、良い人材を獲得できるかどうかが企業の成長を決める要因だといっても差し支えないでしょう。
採用活動すべてを社内の人員で対応することにこだわることで、本来おこなうべき採用計画の立案や採用活動の改善、あるいは採用を成功させるための細かなフォローにまで手がまわらず採用成功にいたらないという状況になってしまっては本末転倒です。
効率的な採用活動をおこなうためにはどうすればよいか、改めて業務の洗い出しをおこない、社内の人員だけですべてさばける量なのかを検証してみましょう。
その上で社内の人員だけではすべてこなすことは難しいという判断にいたった場合には、RPO(採用代行)の利用も含めて対応を検討してみてはいかがでしょうか。

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