採用アウトソーシングの一つで、面接に特化したサービスのことを「面接代行」といいます。
面接代行は、応募者対応や面接日程の調整などの業務を代行している会社に依頼するのが一般的です。
今回の記事では、面接代行の概要や面接代行を利用するメリット・デメリット、面接代行を利用するべき状況について解説します。
目次
面接代行とは?
面接代行とは、自社の採用担当者が担う面接業務を、外部の面接担当者が代行するサービスのことです。
面接代行の具体的な業務内容は、「オンラインまたは対面での面接・面談の実施」「面接後の評価」などが挙げられます。
昨今は採用担当者の人手不足により、面接業務に注力できない企業も少なくありません。そのため、採用フローの初期段階の面接・面談は面接代行に依頼し、最終面接のみ自社の採用担当者が実施するというケースも多いようです。
また、面接代行は社内の情報収集をおこない、ターゲット人材の明確化を図ります。その上で評価基準や項目について話し合い、具体的な質問項目まで設定するケースもあります。
面接後の評価を公平にするため、面接代行会社の担当者にあらかじめ評価項目を共有しておくことが重要です。
なぜ面接代行の利用が拡大してきているのか?
近年、有効求人倍率は高水準を推移し、少子高齢化も進んでいるため、今後はますます人材獲得が難しくなると考えられています。
このような背景もあり、自社の採用手法やリソースを見直す一環として採用代行サービスを活用する動きが拡大しつつあります。
採用アウトソーシングの一つとして注目されているのが「面接代行」です。
面接代行では、「応募受付」や「面接設定・管理」「一次面接等の採用選考における候補者との対応」などの業務をアウトソーシングできます。
採用担当者の人手不足によって「要員計画」や「採用戦略」などのコア業務に注力できていないと課題を感じている企業に、ニーズのあるサービスです。
面接代行を利用するメリット
面接代行を利用する主なメリットは3つあります。
- 面接工数の削減
- 面接の評価基準の構築
- 面接ノウハウの蓄積
それぞれのメリットについて解説します。
(1)面接工数の削減
通年採用の一般化や採用の早期化により、採用担当者の業務負担は増すばかりです。面接対応だけでもスケジュール管理や候補者への連絡など、業務は多岐にわたります。
業務の一部をアウトソーシングすることで面接工数の削減となり、質の高い採用活動を実施できるのがメリットです。
(2)面接の評価基準の構築
面接代行サービスの利用により、面接の評価基準の構築にもつながります。
面接代行では事前に企業とすり合わせをおこない、評価項目や基準をしっかりと定義し、言語化するのが特徴です。
その上で面接を実施するため、属人的でない、均一な品質の面接業務が期待できます。
(3)面接ノウハウの蓄積
面接代行会社は、何度も面接を経験しているプロ集団です。プロの面接に同席することで、面接のノウハウを獲得できるのもメリットといえます。
面接ノウハウの蓄積のためにも、可能な限り企業の採用担当者も同席するようにしましょう。
面接代行を利用するデメリット
便利なように思える面接代行サービスですが、次の3つのようなデメリットも考えられます。
- 魅力づけをおこなうのが難しい
- 入社後にミスマッチを起こすおそれがある
- 面接代行会社と企業との認識にズレが生じてしまう
これらを念頭に置いて利用するかどうかを検討しましょう。
(1)魅力づけをおこなうのが難しい
事業の魅力を語れるのは実際に企業で働く社員です。
そのため、面接代行に任せてしまうと、採用ターゲットに対して魅力づけをおこなうのが難しく、興味を持ってもらう前に逃してしまう可能性が考えられます。
面接は「企業が候補者を判断する場」であるとともに「候補者が企業を判断する場」でもあります。
面接で採用ターゲットへ事業やポジションの魅力を効果的に伝えるために、選考フローのどの面接を委託するのかを慎重に検討しましょう。
(2)入社後にミスマッチを起こすおそれがある
面接代行を利用することで、入社後にミスマッチを起こすおそれがあります。
給与や条件だけを重視して入社を決める人もいますが、面接官の雰囲気や価値観、考え方をみて、自身が働くイメージを持てるかどうかを入社の決め手と考える人もいます。
実際に「働く人に魅力を感じたから入社を決めた」というケースも多いです。
面接を委託すると、選考で感じた企業イメージと入社後の企業イメージにギャップが生じてしまうおそれがあります。
また、面接官が社内にいないことに対して、ネガティブなイメージを持つ可能性も考えられます。
(3)面接代行会社と企業との認識にズレが生じてしまう
面接代行会社と企業との間に、認識のズレが生じる可能性があるのもデメリットといえます。
基本的に、代行会社の担当者との連絡手段は電話やメールになることが想定されます。連絡がおろそかになり、代行会社に任せきりな状態となると、次第に認識のズレが生じてしまうこともあるでしょう。
ターゲット人材をしっかりと獲得するためには情報共有を綿密におこない、十分なコミュニケーションを取ることが求められます。
面接代行を利用するべき状況
面接代行を利用するべき状況として、第一に「マンパワーが不足している状況」が挙げられます。
多岐にわたる採用担当者の業務の中から、面接や選考の日程調整を代行会社に依頼することで、採用戦略などのコア業務に注力でき、よりよい採用活動につなげられます。
第二に、「面接の評価基準が統一されていない状況」においても、面接代行の利用がおすすめです。
面接経験の少ない人が面接官を務めると、個人の好みや固定概念に左右されてしまい、評価にばらつきがでてしまいます。
自社の面接評価基準の構築を目的に、面接代行を活用するのもよいでしょう。
まとめ
自社の採用手法やリソースを見直す一環として利用が広がりつつある面接代行サービスには、「面接工数の削減」「面接の評価基準の構築」「面接ノウハウの蓄積」などのメリットがあります。
一方、採用ターゲットへの魅力づけの難しさや、入社後のミスマッチといったデメリットも考えられるため、どの選考フローで利用するのかを慎重に選択する必要があります。
今回の記事を参考に、自社での面接代行の利用方法を検討してみてはいかがでしょうか。
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