ビジネスコラム
理念が浸透している会社は利益率が26.6%高い。

ヒューマンリレーション事業部 グループマネージャー 齋藤 友由樹


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先月末、有効求人倍率がバブル期を超えて1.48倍になったとニュースで発表されていました。新卒採用、中途採用共に苦戦をしいられ、試行錯誤を繰り返している企業も多いのではないでしょうか。

採用活動での試行錯誤はもちろんですが、採用難のこの時代、既存社員が成長し、定着してくれるような強い組織をつくる必要があります。

強い組織をつくるために欠かせないのが、経営理念の浸透です。

社内には、
・理念に共感し、実現させようと覚悟をもって行動しているコミットメントの高い社員
・理念を理解しているが、期待の範囲内で行動している形だけ服従する社員
・理念に全く興味がなく、無関心な社員
など、様々なタイプの社員が混在しています。

独立行政法人経済産業研究所(RIETI)の発表データによると「経営理念が浸透している会社は、経営理念がない会社よりも利益率が26.6%高い」とあります。

この数値からも、理念を浸透させ、コミットメントの高い社員の割合を増やすことが、企業発展の大きな原動力になると言えます。

もちろん、理念は勝手に浸透してくれるものではありません。神棚の上に飾られた理念に意味はなく、様々な仕掛け、工夫を施し、如何に理念に対しての当事者意識を醸成することが出来るかが、大きな鍵となります

理念を浸透させる手段は様々ですが、全社員に発信、浸透をすることが出来る最適なシーンの一つに、全社集会(全体研修)が挙げられます。

ある企業では、工場で働いている社員に対して、自分たちの仕事が最終的にどうなっていって、どんな人に、どんな価値を提供しているのかを認識してもらうよう、仕入れ先やお客様のインタビュー動画を放映。企業としての想いを伝達し、自身の仕事の誇りを感じてもらったことで
生産性の向上はもちろん、離職率の低下を実現しました。

また別の企業では、全社集会前に社長が想いを手紙に書き、全社員に配布したところ、参加率が向上したことはもちろん、全社集会への向き合い方に大きな変化があり、結果、満足度の高い機会となりました。全社集会終了後、約8割の社員から経営者宛に返信の手紙(主に今後の意気込み)が届いたほどです。

当社でも、今月初旬に全社集会を実施し、代表の中川から理念、ビジョンを熱く伝達しました。その上で、その想いを実現するための各事業部での具体的な戦略、戦術を伝え、個々の行動に落とし込み、浸透を図りました。

全社集会を成功させるポイントとして、
・毎回、会のテーマを設定する
・テーマを実現する為のプログラムをゼロから立案する
・事前に上司から部下に主旨や学んでほしいことを伝達する
・社員を表彰する際は、表彰の理由、コメントを添える
・組織上位者のみで企画をするのではなく、現場社員も巻き込む
など、当たり前のことも多いですが、細部と準備の質にこだわることで、より有意義な会を運営することが可能です。

「毎年恒例だから」と、話す内容に違いはあれど、ほとんど変わらないプログラムで全社集会を運営している企業が多く存在しています。

毎年恒例と言えば聞こえはいいかもしれませんが、自社の現状を俯瞰し、最適なプログラムを企画することが、強い組織をつくる為の有効な手段です。

こだわるべきは、社員を評論家ではなく、如何に当事者にするか。
そのこだわりが、強い組織へと繋がっていくのです。

2017.06.28 KSN 144

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